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40.あっち向いてホイ
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雫は桔梗の間のドアの前に立った。メイド服のシャツのボタンを確認し、埃を払うと大きく息を吐いた。ドアをノックすると部屋の中から誠大の声が聞こえた。
「入れ」
「失礼します」
雫が部屋に入ると誠大は珍しく疲れていた。ソファーに横になり両眼を腕で隠していた。気怠そうに隙間から雫の姿をとらえると再び目を覆った。
「君か──そうか、今日は夕食前だと郡司が言っていたな」
雫がソファーに腰掛けると何度も座り直す。誠大が突然起き上がると雫はビクッと体を震わせるた。緊張しているのがバレて雫は引きつった笑いを見せる。誠大はその笑顔に溜息をつく。
誠大はこの笑顔の原因は昨晩のせいだと分かっていたが、何と声を掛ければいいか分からなかった。自分でもあれはやり過ぎたと反省していた。あの時はなぜかキスをする事しか考えられなかった。罰ゲームには平凡な嫌がらせを考えていた。空気椅子をさせようかとか、デコピンを全力でしようかとか子供じみたことを考えていたのに……。
温室で月明かりに照らされた雫を見て一瞬思考が停止した……。誠大にも理解できない気持ちが働いたのだった。
上の空の誠大に雫が声を掛ける。
「誠大さま、その……お疲れでしたらまた明日にでも……」
「……何だと?」
「今日はお疲れでしょうし……うん。うんそうしましょう! じゃ、失礼しまーす」
雫は勢いよく立ち上がると誠大の返事を聞かずに部屋を出て行こうとする。ドアノブを掴もうと手を伸ばすと不思議なことに体が後退した。誠大が雫の服を掴みソファーへと引っ張り戻した。首根っこを掴まれた子猫のように雫は大人しくされるがままになっていた。やはりそんな甘くはないようだ。契約遵守は金持ちほど重要視している。
「契約違反だろう。調教師としての務めを果たせ」
「えーっと、じゃ、座ったまま出来るものにしましょうか。何が良いかな……あ、あっち向いてホイしてみませんか? 懐かしいですね」
「あっち向いてホイ……はっ、くだらんな」
誠大はまさかのあっち向いてホイに一気に疲労感が増したようだ。雫は隣に座る誠大の方を向くと指差した。
「せぇの、あっち向いて……ホイ!」
誠大は焦りながらも左を向くが雫の指が刺す方角と同じ方角を向いてしまった。誠大は片眉を上げると視線を泳がした。
「あらら、ほほほ」
「……っ、まぐれだ」
雫はにんまりと微笑むと貴婦人のように高笑いをした。誠大は思わず雫の頭を軽く殴った。雫はお団子頭が乱れても笑いが止まらない。雫は乱れたお団子に付けていた星形の髪飾りをテーブルに置いた。誠大は仕返しとばかりに誠大が雫の顔に指を突きつけた。雫がその指を睨むと寄り目になり誠大も思わず笑ってしまう。
「ふ……金魚みたいだな」
「ちょっと、早く始めてくださいよ!」
「いくぞ、あっち向いて……ホイ──ホイ、ホイ!」
誠大の繰り出す指とは異なる方角へと雫の顔が向いた。まるで忍者のような素早い動きに誠大もほくそ笑む。雫は自信があるのか何も言わずにゆっくりと頷いた。まるで仙人のような落ち着きようだ……毎度のことながら童遊びに関して雫は玄人感が酷い。
「じゃ、次私ですね、あっち向いてホ……イ──」
興奮して夢中になっている間に二人の距離は縮まった。自然と顔も近くなった。誠大の瞳に自分の顔が映った気がして雫が固まる。誠大も掛け声が掛かったと言うのに顔を動かせなかった……。
二人はキスの事を思い出した。あの唇に本当に触れたのかと信じられなかった。それほど誠大の唇はきめ細やかで造形物のようだった。
きれいな……唇ね──。
「…………」
「っ……な……」
雫の指していた指が導かれるように誠大の唇に触れた。触れられると思っていなかった誠大はみるみる顔が染まっている。それでも手を払う訳でもない、ただ雫が自分の唇に触れるのを黙って見ていた。誠大は周りの音が聞こえなくなった。自分の血が流れる音が耳に響く。滾る──そんな表現が正しいのかもしれない。
俺は何をしているんだ? 振り解け、なぜ拒まない……。
私は何をしているの?
二人は見つめ合い続けた……誠大が引き寄せられるように雫の唇に顔を寄せていく……唇が触れ合いそうになった時にドアのノックが部屋に響いた。
「失礼いたします。遅くなりました。本日は鉄観音茶を──どうか、しましたか?」
郡司が部屋に入ると誠大は窓のそばでストレッチを開始していた。肩甲骨周りの硬さが気になるのか窓の外を見ながら丁寧に背中を伸ばし続けている。雫はソファーに突っ伏して真っ赤な顔をしている。膝を曲げて太腿の前を熱心に伸ばしていた。
「ふぅ、あ、お疲れ様です……ちょっと平泳ぎの練習をしていて足が怠くなって……」
「あ、そうなんですか……じゃ、休憩いたしましょう」
二人の様子に郡司が優しく微笑むと雫の前に立ち茶の用意をする。丁寧な所作で雫が感心しながら見ていると郡司の手の甲に擦り傷があるのを見つけた。雫はその傷を見て懐かしい気持ちになった。
今更あっち向いてホイを再開するわけにもいかず、誠大は茶をすすりながら窓の外に広がる庭を眺めていた。
「お疲れさまでした……」
「失礼致します。どうぞごゆるりとお休みください」
「あぁ、ご苦労だった」
雫と郡司が桔梗の間を出ると廊下を歩き出した。ワゴンを押す郡司の姿を見て思い出したようにポケットから絆創膏を取り出した。
「ちょっとすみません……」
徐ろに郡司の手を取ると肌色の絆創膏を傷口に貼ってあげた。郡司は何も言わずにじっと手の甲を見つめていた。その瞳には少し戸惑いの色が見えた。雫は恥ずかしそうに頬を掻く。
「あの日、郡司さんが絆創膏をくれましたよね? あの時、本当に郡司さんが天使に思えたんです。心も、体もボロボロで……大変だったんですけど、郡司さんの手当てが嬉しくて……本当に、感謝しています。郡司さんにもらった絆創膏はちょっと諸事情で使ってしまったんですけど……あの時のお礼、言わせてください。本当に、ありがとうございました」
雫は胸を張り大きく呼吸した。「あれから私も絆創膏持ち歩くようになっちゃって……」とはにかみながら頭を掻いた。雫は一人廊下を歩き始めた。郡司はその背中を見つめていた。
「雫さま……」
「え?──わっ!」
雫はいつのまにか郡司の胸の中にいた……。頬に当たるスーツはグレー色で間違いなく郡司だった。雫は抱き留められたままじっとしていた。誠大とは違う香りがした。郡司は雫の背中に手を添えて、ふかふかのお団子にキスをした。雫に気付かれないように拳を強く握りしめて目を瞑った──その表情は苦悶に満ちていた。
「郡司……さん?」
「っ……」
郡司は体を離すと頭を下げた。腰からきれいに折ったお辞儀に雫は瞬きを繰り返す。
「……感動して、つい、抱き寄せてしまいました。申し訳ございません。不快な思いを──」
「あ、いえ。あの……なんかいい思いさせてもらったなって……。ほら! イケメンの抱擁なんて最高です!」
雫は恥ずかしそうにスカートの裾を掴んだ。そうしていないと興奮して飛び跳ねてしまいそうだった。まるでアイドルに会えたファンのような気持ちだった。キュン死だ。
なんだよ、最高だよ。郡司さん……カッコ良すぎじゃん! 感動して抱擁だなんてさすが執事だなー、本物の王子様みたいだな。
雫は照れたように微笑むと再び廊下を歩き始めた。郡司はその後ろをゆっくりと歩いた。二人が廊下の角を曲がると桔梗の間のドアがゆっくりと閉まった……。雫の忘れ物の星形の髪飾りを持ち、誠大がドアの前に立っていた。その表情から感情は読み取れなかった。
「入れ」
「失礼します」
雫が部屋に入ると誠大は珍しく疲れていた。ソファーに横になり両眼を腕で隠していた。気怠そうに隙間から雫の姿をとらえると再び目を覆った。
「君か──そうか、今日は夕食前だと郡司が言っていたな」
雫がソファーに腰掛けると何度も座り直す。誠大が突然起き上がると雫はビクッと体を震わせるた。緊張しているのがバレて雫は引きつった笑いを見せる。誠大はその笑顔に溜息をつく。
誠大はこの笑顔の原因は昨晩のせいだと分かっていたが、何と声を掛ければいいか分からなかった。自分でもあれはやり過ぎたと反省していた。あの時はなぜかキスをする事しか考えられなかった。罰ゲームには平凡な嫌がらせを考えていた。空気椅子をさせようかとか、デコピンを全力でしようかとか子供じみたことを考えていたのに……。
温室で月明かりに照らされた雫を見て一瞬思考が停止した……。誠大にも理解できない気持ちが働いたのだった。
上の空の誠大に雫が声を掛ける。
「誠大さま、その……お疲れでしたらまた明日にでも……」
「……何だと?」
「今日はお疲れでしょうし……うん。うんそうしましょう! じゃ、失礼しまーす」
雫は勢いよく立ち上がると誠大の返事を聞かずに部屋を出て行こうとする。ドアノブを掴もうと手を伸ばすと不思議なことに体が後退した。誠大が雫の服を掴みソファーへと引っ張り戻した。首根っこを掴まれた子猫のように雫は大人しくされるがままになっていた。やはりそんな甘くはないようだ。契約遵守は金持ちほど重要視している。
「契約違反だろう。調教師としての務めを果たせ」
「えーっと、じゃ、座ったまま出来るものにしましょうか。何が良いかな……あ、あっち向いてホイしてみませんか? 懐かしいですね」
「あっち向いてホイ……はっ、くだらんな」
誠大はまさかのあっち向いてホイに一気に疲労感が増したようだ。雫は隣に座る誠大の方を向くと指差した。
「せぇの、あっち向いて……ホイ!」
誠大は焦りながらも左を向くが雫の指が刺す方角と同じ方角を向いてしまった。誠大は片眉を上げると視線を泳がした。
「あらら、ほほほ」
「……っ、まぐれだ」
雫はにんまりと微笑むと貴婦人のように高笑いをした。誠大は思わず雫の頭を軽く殴った。雫はお団子頭が乱れても笑いが止まらない。雫は乱れたお団子に付けていた星形の髪飾りをテーブルに置いた。誠大は仕返しとばかりに誠大が雫の顔に指を突きつけた。雫がその指を睨むと寄り目になり誠大も思わず笑ってしまう。
「ふ……金魚みたいだな」
「ちょっと、早く始めてくださいよ!」
「いくぞ、あっち向いて……ホイ──ホイ、ホイ!」
誠大の繰り出す指とは異なる方角へと雫の顔が向いた。まるで忍者のような素早い動きに誠大もほくそ笑む。雫は自信があるのか何も言わずにゆっくりと頷いた。まるで仙人のような落ち着きようだ……毎度のことながら童遊びに関して雫は玄人感が酷い。
「じゃ、次私ですね、あっち向いてホ……イ──」
興奮して夢中になっている間に二人の距離は縮まった。自然と顔も近くなった。誠大の瞳に自分の顔が映った気がして雫が固まる。誠大も掛け声が掛かったと言うのに顔を動かせなかった……。
二人はキスの事を思い出した。あの唇に本当に触れたのかと信じられなかった。それほど誠大の唇はきめ細やかで造形物のようだった。
きれいな……唇ね──。
「…………」
「っ……な……」
雫の指していた指が導かれるように誠大の唇に触れた。触れられると思っていなかった誠大はみるみる顔が染まっている。それでも手を払う訳でもない、ただ雫が自分の唇に触れるのを黙って見ていた。誠大は周りの音が聞こえなくなった。自分の血が流れる音が耳に響く。滾る──そんな表現が正しいのかもしれない。
俺は何をしているんだ? 振り解け、なぜ拒まない……。
私は何をしているの?
二人は見つめ合い続けた……誠大が引き寄せられるように雫の唇に顔を寄せていく……唇が触れ合いそうになった時にドアのノックが部屋に響いた。
「失礼いたします。遅くなりました。本日は鉄観音茶を──どうか、しましたか?」
郡司が部屋に入ると誠大は窓のそばでストレッチを開始していた。肩甲骨周りの硬さが気になるのか窓の外を見ながら丁寧に背中を伸ばし続けている。雫はソファーに突っ伏して真っ赤な顔をしている。膝を曲げて太腿の前を熱心に伸ばしていた。
「ふぅ、あ、お疲れ様です……ちょっと平泳ぎの練習をしていて足が怠くなって……」
「あ、そうなんですか……じゃ、休憩いたしましょう」
二人の様子に郡司が優しく微笑むと雫の前に立ち茶の用意をする。丁寧な所作で雫が感心しながら見ていると郡司の手の甲に擦り傷があるのを見つけた。雫はその傷を見て懐かしい気持ちになった。
今更あっち向いてホイを再開するわけにもいかず、誠大は茶をすすりながら窓の外に広がる庭を眺めていた。
「お疲れさまでした……」
「失礼致します。どうぞごゆるりとお休みください」
「あぁ、ご苦労だった」
雫と郡司が桔梗の間を出ると廊下を歩き出した。ワゴンを押す郡司の姿を見て思い出したようにポケットから絆創膏を取り出した。
「ちょっとすみません……」
徐ろに郡司の手を取ると肌色の絆創膏を傷口に貼ってあげた。郡司は何も言わずにじっと手の甲を見つめていた。その瞳には少し戸惑いの色が見えた。雫は恥ずかしそうに頬を掻く。
「あの日、郡司さんが絆創膏をくれましたよね? あの時、本当に郡司さんが天使に思えたんです。心も、体もボロボロで……大変だったんですけど、郡司さんの手当てが嬉しくて……本当に、感謝しています。郡司さんにもらった絆創膏はちょっと諸事情で使ってしまったんですけど……あの時のお礼、言わせてください。本当に、ありがとうございました」
雫は胸を張り大きく呼吸した。「あれから私も絆創膏持ち歩くようになっちゃって……」とはにかみながら頭を掻いた。雫は一人廊下を歩き始めた。郡司はその背中を見つめていた。
「雫さま……」
「え?──わっ!」
雫はいつのまにか郡司の胸の中にいた……。頬に当たるスーツはグレー色で間違いなく郡司だった。雫は抱き留められたままじっとしていた。誠大とは違う香りがした。郡司は雫の背中に手を添えて、ふかふかのお団子にキスをした。雫に気付かれないように拳を強く握りしめて目を瞑った──その表情は苦悶に満ちていた。
「郡司……さん?」
「っ……」
郡司は体を離すと頭を下げた。腰からきれいに折ったお辞儀に雫は瞬きを繰り返す。
「……感動して、つい、抱き寄せてしまいました。申し訳ございません。不快な思いを──」
「あ、いえ。あの……なんかいい思いさせてもらったなって……。ほら! イケメンの抱擁なんて最高です!」
雫は恥ずかしそうにスカートの裾を掴んだ。そうしていないと興奮して飛び跳ねてしまいそうだった。まるでアイドルに会えたファンのような気持ちだった。キュン死だ。
なんだよ、最高だよ。郡司さん……カッコ良すぎじゃん! 感動して抱擁だなんてさすが執事だなー、本物の王子様みたいだな。
雫は照れたように微笑むと再び廊下を歩き始めた。郡司はその後ろをゆっくりと歩いた。二人が廊下の角を曲がると桔梗の間のドアがゆっくりと閉まった……。雫の忘れ物の星形の髪飾りを持ち、誠大がドアの前に立っていた。その表情から感情は読み取れなかった。
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