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7.こんばんは
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トントントントントントン……
ゆっくりとドアを引いてみる。狭苦しい台所を確認し、すぐさまドアを閉める。帰宅後結衣はTKGプラスえのき茸というズボラ飯を平らげてドアの前に立っている。
いまさっきのノックは六回だ。本当に七回で繋がるのかどうか一回ずつ鳴らしてはドアを開けてを繰り返していた。次はとうとう七回ノックをする。鏡の前で見た目がおかしくないか最終確認するとドアの前に立つ。初回とんでもない格好をしていたのでスーツのままで会うことにした。大きく息を吸うとドアをノックする。
トントントントントントン、トン……
しばらくの静寂の後ドアの向こうから「はい」と返事がある。ぎょっとしたがゆっくりとドアを開けると、やはりそこには牧田がいた。ただ昨日とは違い風呂上がりなのかラフな格好をしている。着ているTシャツに大きく描かれた車の絵に釘付けになる。てっきり昨日のようにビシッと決めた洋服で会うのかと思っていたので拍子抜けだ。牧田は結衣の視線が自分の胸にある事に気付き嬉しそうにしている。
「車好きだったのね」
「まぁ、そうですね」
牧田はドア前に座ると結衣の服装をまじまじと見つめる。こんなに見られると居心地が悪い。それに一体何を話せばいいのか分からない。牧田と痴話話などする日が来るとは夢にも思わなかった。最初に口を開いたのは意外にも牧田の方だった。
「……そういえば、今の僕は随分と見た目が違うんじゃないですか?」
「あぁ、茶髪でパーマですね──そっちの私は変わってますか?」
結衣の言葉に一瞬固まるがじっと結衣の顔を見るとニコッと笑う。
「あまり変わりませんね、昔も今もおキレイですよ」
「……クフッ!」
思わず変な声が出てしまった。激しく咽せる結衣を心配する牧田に咽せながらも手で大丈夫だとサインを送る。長年の賜物か表情には出さず無表情で胸を叩き続ける。
何も飲み物を飲んでいないが誤嚥しかけた。
(何なんだ? 目の前の男は本当にあの牧田くんか? このキュン死させる程の笑顔を持った小悪魔と同一人物か?)
一体この男の五年間に何があったのかと聞きたい。
「……お上手ですね、どうも」
すぐさま平静を装い返事をするが牧田は微妙な反応をしていた。それからお互い今日あった出来事を話していたが時折聞き取れなかったり、牧田の携帯電話が鳴りカバンから出した時には手元にモザイクがかかった。五年で携帯電話が進化してどんな形状になっているか見てみたかったがどうやら無理のようだ。
牧田と別れドアを閉めた後、結衣は興奮して全く眠気を感じなかった。牧田と意外に話が弾んだ事が嬉しかった。
ゆっくりとドアを引いてみる。狭苦しい台所を確認し、すぐさまドアを閉める。帰宅後結衣はTKGプラスえのき茸というズボラ飯を平らげてドアの前に立っている。
いまさっきのノックは六回だ。本当に七回で繋がるのかどうか一回ずつ鳴らしてはドアを開けてを繰り返していた。次はとうとう七回ノックをする。鏡の前で見た目がおかしくないか最終確認するとドアの前に立つ。初回とんでもない格好をしていたのでスーツのままで会うことにした。大きく息を吸うとドアをノックする。
トントントントントントン、トン……
しばらくの静寂の後ドアの向こうから「はい」と返事がある。ぎょっとしたがゆっくりとドアを開けると、やはりそこには牧田がいた。ただ昨日とは違い風呂上がりなのかラフな格好をしている。着ているTシャツに大きく描かれた車の絵に釘付けになる。てっきり昨日のようにビシッと決めた洋服で会うのかと思っていたので拍子抜けだ。牧田は結衣の視線が自分の胸にある事に気付き嬉しそうにしている。
「車好きだったのね」
「まぁ、そうですね」
牧田はドア前に座ると結衣の服装をまじまじと見つめる。こんなに見られると居心地が悪い。それに一体何を話せばいいのか分からない。牧田と痴話話などする日が来るとは夢にも思わなかった。最初に口を開いたのは意外にも牧田の方だった。
「……そういえば、今の僕は随分と見た目が違うんじゃないですか?」
「あぁ、茶髪でパーマですね──そっちの私は変わってますか?」
結衣の言葉に一瞬固まるがじっと結衣の顔を見るとニコッと笑う。
「あまり変わりませんね、昔も今もおキレイですよ」
「……クフッ!」
思わず変な声が出てしまった。激しく咽せる結衣を心配する牧田に咽せながらも手で大丈夫だとサインを送る。長年の賜物か表情には出さず無表情で胸を叩き続ける。
何も飲み物を飲んでいないが誤嚥しかけた。
(何なんだ? 目の前の男は本当にあの牧田くんか? このキュン死させる程の笑顔を持った小悪魔と同一人物か?)
一体この男の五年間に何があったのかと聞きたい。
「……お上手ですね、どうも」
すぐさま平静を装い返事をするが牧田は微妙な反応をしていた。それからお互い今日あった出来事を話していたが時折聞き取れなかったり、牧田の携帯電話が鳴りカバンから出した時には手元にモザイクがかかった。五年で携帯電話が進化してどんな形状になっているか見てみたかったがどうやら無理のようだ。
牧田と別れドアを閉めた後、結衣は興奮して全く眠気を感じなかった。牧田と意外に話が弾んだ事が嬉しかった。
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