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第一章
62.会えないの
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晶は情報屋の仕事上昼夜がほぼ逆転していた。夕方になると外出して朝日が昇る前に部屋へと戻る生活だ。最初の数日こそ体が慣れず頭痛がしていたが、今はその生活スタイルに馴染みつつある。
幽霊たちは昼夜関係ないようだが、どちらかと言うと夜の方が体が軽いらしくマルは嬉しいようだ。
情報屋の先輩であるジェイから多くのことを学びすんなりとこの環境に適応していった。
茶色の髪も黒色に染め直した。
少しでも前の自分を変えたいと思ってやってみたがより幼さが出てしまったかもしれない。銀角に言われてカラーコンタクトに変えた。晶の瞳の琥珀色は稀なのでうっかりバレぬように黒い瞳にした。こうして見てみると別人のようだ。全身黒ずくめで色味が無いが、以前も黒のローブで覆われていたので特に自分では違和感がない。
ジェイや強面コンビ達の協力もあり、晶は船越組について少し知ることが出来た。
船越組と若林組は随分と昔仲が悪い事で有名だったらしい。 今は若林組が穏健派へと変わり、争いどころか交流すらも全くない。随分前に何やら大きな事件があったようだが、昔の事だからなのか皆言うことがバラバラで不確かだ。ある人は誘拐だの、ある人は死体を山や海に埋めに行っただのよく分からない。当時のことを知る人間が居らず噂だけが残ってしまったらしい。
根深い何かがありそうね……。
ジェイも事件当時は関西に住んでいたので全く情報がない。その頃銀角や強面コンビも生きていたはずなのだがどうも記憶が曖昧らしく歯切れが悪い。
「ねぇ、二人はどうして死んじゃったの? 若林組にいたんでしょう?」
『あー、まぁ車の事故だ』
晶は路地で遅めの夕食として熱々のホットドックを頬張っていた。同じくホットドックを手に取ったタケが答えると、それに連なるようにマルも頷く。
「え、もしかして……一緒に死んじゃったの?」
『あぁ……あ、そろそろいかなきゃな、じゃな』
マルがもう一個ホットドックを欲張るとそのまま二人は消えてしまった。
自分の死んだ時のことを聞かれるのは何年経っても辛いものなのかもしれない。配慮が欠けていた。晶が落ち込んでいると隣にいたジェイが気にするなと声をかける。最後の一口を頬張ると晶の携帯電話が震えている。
「わ、わわ、大変!」
慌てて汚れた手を叩くと極力携帯に触らぬように電話に出る。ヤスの名前が表示されている。
「はい……今から? 警察が……分かりました」
晶は電話を切ると約束した場所へと急いだ。
晶は緊張しながらも屋敷のインターホンを押す。電子音が聞こえた後、低めの声が聞こえる。晶はとりあえず明るい声で言われた通りのセリフを話す。
「ちわ! 出前をお届けに参りました!」
しばしの沈黙の後、門が開かれて中に通される。もちろん晶は出前のバイトはしていない。中に入ると小柄な男性がいてすぐに上着を脱がされる。
「お疲れ様」
ここへ来る前に自転車に乗った男から上着と紙袋に入った野菜たっぷりのBLTサンドを手渡された。最近は出前代行サービスが充実しているらしい。
あっという間に小柄な男が自転車に跨り「ありがとうございました!」と大きな声を出し外へと出て行った。玄関で小鉄が晶の到着を待ち構えていた。屋敷に入ると前回の広い座敷ではなく、渡り廊下の奥にある離れへと案内される。障子の前で小鉄が声をかけると中から男の声がする。
「入れ」
部屋に入ると拳人がいた。久しぶりの拳人に晶は胸が高鳴る。拳人の目の前の机には何枚かの写真が置かれている。拳人は無表情で感情を読み取れないが、話しかけられない空気が漂っている。
何だろうか……かなり不機嫌だけど。え、なんかしたっけ? メゾンってバレてるってことはないか? メゾンを失踪させて一週間以上経つ──あり得なくはない。
拳人から離れた場所へと座り挨拶をするとそのまま沈黙が続く。ヤスが慌てて部屋に入ってくるとすぐに晶と拳人の間に座る。
「遅くなりました……若、お話はされて──いませんね?」
ヤスが拳人の様子から状況を汲み取ると、机の上の写真を引き寄せ晶の前へと差し出す。晶が渡した取引現場の写真だ。以前歓楽街で殺された女が写っている。
「この情報屋の女も調べるということですか?」
「いや、違う。こっちだ」
ヤスが指差した先にはこちらを見つめる女が小さく写っていた。あの時は二人にしか注目していなかったが、なぜこの女はカメラ目線で写っているのだろうか。晶がまじまじと見ているとヤスが頷き指していた指を離す。
「この女は船越組の犬だ」
名前は竹田直と言い、数年前から船越組の手足として動いているらしい。きれいな顔をしているが、汚い仕事でもなんでもする忠実な部下らしい。今回の件もこの女が関与していることは間違いない。
太一と直の弱みを見つけるようにヤスから言われ晶は頷く。
「あ、若──以前頼まれた船越組の組長の件なんですが……」
「あ、晶──今は……」
今まで得た太一の情報を拳人に報告しようとするとヤスに制止される。拳人が見るからに不機嫌そうだ。
「……どうされました? 若は」
「いや、まぁ色々と──」
晶とヤスが小声で話す。突然拳人が大きな溜息をつく。
「依頼した件だが……ここ数日奴のまわりで変わった事はないか?」
拳人から発された声が低く、ゆっくりと話すからなのか威圧感で一瞬怯む。新しい情報がない事を伝えると拳人が残念そうな顔をする。
現在太一のまわりには田崎の他に幽霊たちが数人おり、むやみに近づくことは出来なくなっていた。霊力のある晶がいる事で警戒を強めているのだろう、田崎がこまめに指示を出している姿をタケが目撃している。光るナイフの件があるのであまり近づかないように皆に言っている為有力な情報は手に入れにくくなっている。
逆に生きた情報の方が入るかもしれないな……。
晶は手を顎に当てて考え込んでいると、いつのまにかヤスの顔が目の前まで来ていた。ヤスの眼光が鋭い……拳人の様子を伺いながら声の音量を落とす。
「その……女を……見てないか?」
「女?」
晶の反応で返事を悟ったヤスは「いや、なんでもない」と言うと拳人の方をチラッと見た。
(まさかとは思うけど……私か?)
「あの……もしかして、占い師の──」
バンッと机を叩く音が聞こえて拳人がすごい勢いで晶の方へ迫る。凄い剣幕で晶の肩を鷲のように両手で掴む。
「お前……なんか知ってんのか?──吐け。無事か? 無事だろう? ん?」
本物のヤクザなのだと改めて思えるほど拳人の凄みは迫力に満ちている。晶は硬直して動けない。触れられた肩が痛むが拳人の方が痛々しい。
ごめん、ごめんね……トモ──。
「若! 落ち着いて……」
ヤスが二人の間に入り引き離されると、拳人が早く話せと言わんばかりの目でこちらを見る。晶はゴクリと生唾を飲み込んだ。
「数日前に姿をくらましているようで詳しくは分かりませんが──」
「探せるか?」
話を遮るようにして拳人が晶を見据える。真剣な眼差しからは怒りや悲しみが感じられて晶は苦しくなる。こんな距離では瞳の琥珀色がバレていただろう、カラーコンタクトにしていて良かった。ヤスが書き留めるために持っていた手帳を閉じると大きく溜息をつく。
「船越組にいる可能性だってあります……今はまだあの方は信用できません」
「分かってる。アイツを巻き込む気は一切ない……もちろんもう会わないつもりだ」
「え?」
晶は拳人の顔を見るとどこか遠くを見ている。
「……もう俺の前に現れないでくれれば、それでいい」
晶は呆然と二人のやりとりを聞いていた。
探さないでいてくれる、気にかけないでいてくれる方が良いはずなのに一気に目頭が熱くなる。拳人にとって、自分はいなくなってもいい存在なのかと考えてしまった。自分から身を隠したくせになんて人間なんだろうと自分が恥ずかしくもなる。
「晶……遠くに行くように仕向けろ。二度とこの街に帰らせるな」
「……はい」
晶は俯き何度も頷いた。
幽霊たちは昼夜関係ないようだが、どちらかと言うと夜の方が体が軽いらしくマルは嬉しいようだ。
情報屋の先輩であるジェイから多くのことを学びすんなりとこの環境に適応していった。
茶色の髪も黒色に染め直した。
少しでも前の自分を変えたいと思ってやってみたがより幼さが出てしまったかもしれない。銀角に言われてカラーコンタクトに変えた。晶の瞳の琥珀色は稀なのでうっかりバレぬように黒い瞳にした。こうして見てみると別人のようだ。全身黒ずくめで色味が無いが、以前も黒のローブで覆われていたので特に自分では違和感がない。
ジェイや強面コンビ達の協力もあり、晶は船越組について少し知ることが出来た。
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根深い何かがありそうね……。
ジェイも事件当時は関西に住んでいたので全く情報がない。その頃銀角や強面コンビも生きていたはずなのだがどうも記憶が曖昧らしく歯切れが悪い。
「ねぇ、二人はどうして死んじゃったの? 若林組にいたんでしょう?」
『あー、まぁ車の事故だ』
晶は路地で遅めの夕食として熱々のホットドックを頬張っていた。同じくホットドックを手に取ったタケが答えると、それに連なるようにマルも頷く。
「え、もしかして……一緒に死んじゃったの?」
『あぁ……あ、そろそろいかなきゃな、じゃな』
マルがもう一個ホットドックを欲張るとそのまま二人は消えてしまった。
自分の死んだ時のことを聞かれるのは何年経っても辛いものなのかもしれない。配慮が欠けていた。晶が落ち込んでいると隣にいたジェイが気にするなと声をかける。最後の一口を頬張ると晶の携帯電話が震えている。
「わ、わわ、大変!」
慌てて汚れた手を叩くと極力携帯に触らぬように電話に出る。ヤスの名前が表示されている。
「はい……今から? 警察が……分かりました」
晶は電話を切ると約束した場所へと急いだ。
晶は緊張しながらも屋敷のインターホンを押す。電子音が聞こえた後、低めの声が聞こえる。晶はとりあえず明るい声で言われた通りのセリフを話す。
「ちわ! 出前をお届けに参りました!」
しばしの沈黙の後、門が開かれて中に通される。もちろん晶は出前のバイトはしていない。中に入ると小柄な男性がいてすぐに上着を脱がされる。
「お疲れ様」
ここへ来る前に自転車に乗った男から上着と紙袋に入った野菜たっぷりのBLTサンドを手渡された。最近は出前代行サービスが充実しているらしい。
あっという間に小柄な男が自転車に跨り「ありがとうございました!」と大きな声を出し外へと出て行った。玄関で小鉄が晶の到着を待ち構えていた。屋敷に入ると前回の広い座敷ではなく、渡り廊下の奥にある離れへと案内される。障子の前で小鉄が声をかけると中から男の声がする。
「入れ」
部屋に入ると拳人がいた。久しぶりの拳人に晶は胸が高鳴る。拳人の目の前の机には何枚かの写真が置かれている。拳人は無表情で感情を読み取れないが、話しかけられない空気が漂っている。
何だろうか……かなり不機嫌だけど。え、なんかしたっけ? メゾンってバレてるってことはないか? メゾンを失踪させて一週間以上経つ──あり得なくはない。
拳人から離れた場所へと座り挨拶をするとそのまま沈黙が続く。ヤスが慌てて部屋に入ってくるとすぐに晶と拳人の間に座る。
「遅くなりました……若、お話はされて──いませんね?」
ヤスが拳人の様子から状況を汲み取ると、机の上の写真を引き寄せ晶の前へと差し出す。晶が渡した取引現場の写真だ。以前歓楽街で殺された女が写っている。
「この情報屋の女も調べるということですか?」
「いや、違う。こっちだ」
ヤスが指差した先にはこちらを見つめる女が小さく写っていた。あの時は二人にしか注目していなかったが、なぜこの女はカメラ目線で写っているのだろうか。晶がまじまじと見ているとヤスが頷き指していた指を離す。
「この女は船越組の犬だ」
名前は竹田直と言い、数年前から船越組の手足として動いているらしい。きれいな顔をしているが、汚い仕事でもなんでもする忠実な部下らしい。今回の件もこの女が関与していることは間違いない。
太一と直の弱みを見つけるようにヤスから言われ晶は頷く。
「あ、若──以前頼まれた船越組の組長の件なんですが……」
「あ、晶──今は……」
今まで得た太一の情報を拳人に報告しようとするとヤスに制止される。拳人が見るからに不機嫌そうだ。
「……どうされました? 若は」
「いや、まぁ色々と──」
晶とヤスが小声で話す。突然拳人が大きな溜息をつく。
「依頼した件だが……ここ数日奴のまわりで変わった事はないか?」
拳人から発された声が低く、ゆっくりと話すからなのか威圧感で一瞬怯む。新しい情報がない事を伝えると拳人が残念そうな顔をする。
現在太一のまわりには田崎の他に幽霊たちが数人おり、むやみに近づくことは出来なくなっていた。霊力のある晶がいる事で警戒を強めているのだろう、田崎がこまめに指示を出している姿をタケが目撃している。光るナイフの件があるのであまり近づかないように皆に言っている為有力な情報は手に入れにくくなっている。
逆に生きた情報の方が入るかもしれないな……。
晶は手を顎に当てて考え込んでいると、いつのまにかヤスの顔が目の前まで来ていた。ヤスの眼光が鋭い……拳人の様子を伺いながら声の音量を落とす。
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「女?」
晶の反応で返事を悟ったヤスは「いや、なんでもない」と言うと拳人の方をチラッと見た。
(まさかとは思うけど……私か?)
「あの……もしかして、占い師の──」
バンッと机を叩く音が聞こえて拳人がすごい勢いで晶の方へ迫る。凄い剣幕で晶の肩を鷲のように両手で掴む。
「お前……なんか知ってんのか?──吐け。無事か? 無事だろう? ん?」
本物のヤクザなのだと改めて思えるほど拳人の凄みは迫力に満ちている。晶は硬直して動けない。触れられた肩が痛むが拳人の方が痛々しい。
ごめん、ごめんね……トモ──。
「若! 落ち着いて……」
ヤスが二人の間に入り引き離されると、拳人が早く話せと言わんばかりの目でこちらを見る。晶はゴクリと生唾を飲み込んだ。
「数日前に姿をくらましているようで詳しくは分かりませんが──」
「探せるか?」
話を遮るようにして拳人が晶を見据える。真剣な眼差しからは怒りや悲しみが感じられて晶は苦しくなる。こんな距離では瞳の琥珀色がバレていただろう、カラーコンタクトにしていて良かった。ヤスが書き留めるために持っていた手帳を閉じると大きく溜息をつく。
「船越組にいる可能性だってあります……今はまだあの方は信用できません」
「分かってる。アイツを巻き込む気は一切ない……もちろんもう会わないつもりだ」
「え?」
晶は拳人の顔を見るとどこか遠くを見ている。
「……もう俺の前に現れないでくれれば、それでいい」
晶は呆然と二人のやりとりを聞いていた。
探さないでいてくれる、気にかけないでいてくれる方が良いはずなのに一気に目頭が熱くなる。拳人にとって、自分はいなくなってもいい存在なのかと考えてしまった。自分から身を隠したくせになんて人間なんだろうと自分が恥ずかしくもなる。
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