【R18 】初夏の海辺の別荘で【アルファポリス版】

まみはらまさゆき

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(4)人魚のごとく

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人魚と海中で戯れる夢を見た。
波が作る光が海中に綾を織りなし、海底のサンゴを彩る。

そんな幻想的な光景を眺めながら、人魚と交わった。
その人魚は、顔も体つきも紗絵に似ていた。

人魚と繋がっている部分は、どうしても見ることはできない。
しかし、温かくて柔らかくて心地よい感触が彼のものにまつわり付いた。

・・・そこで、ハッと目が覚めた。
朝勃ちで鋼鉄のように固くなったものに感じている感触は、夢などではなかった。

頭を起こすと、彼の股間を露わにしてうずくまり、無心にそれにしゃぶりつく紗絵の頭が見えた。
思わず聡が頭を撫でると、彼女は顔を上げ、恥ずかしそうに微笑んでから行為を再開する。

「どうして・・・」
「昨夜、私ばっかりイッて寝ちゃったから・・・せめてものお返し」
「そんな、いいのに・・・」

それは、少なくとも彼の本心ではなかった。
本当は、夢で紗絵に似た人魚と交わったようにしたかったが。

それでも聡は、猛烈に感動していた。
打ち震える心をなだめながら、彼女の頭を包み込むように撫でた。

しかし・・・いや、どうせなら・・・。
聡の心に、ひとつの考えが浮かんだ。

「ね、紗絵さん・・・お尻を、こっちにちょうだい」

紗絵は、上目遣いで彼を見た。
けれども、舐め合いたいという彼の意思表示を、彼女はスルーした。

「紗絵さん・・・僕にも、舐めさせてぇ・・・」

彼女による刺激を繰り返し受け続け、もう今にも発射しそうになっていた。
早く彼女の腰を取らないと、時間切れになってしまう。

「だめ・・・恥ずかしいよ」

紗絵はいったん顔を離して唾液まみれになったモノを扱きながら、本当に恥ずかしそうに答えた。
そして、口の奥までモノを頬張ってまた舐った。

彼と一つ違いでしかないのに、巧みな技を織り交ぜて積極的に攻めてくる。
3ヶ月前に別れたという「大学生の彼氏」の仕込みによるものかもしれないと思うと、嫉妬めいた思いも浮かんでくる。

しかしそんな思いすら、下腹に出口を求めて押し寄せてくる快感に消し飛ばされてしまう。
・・・もう我慢できない!

「紗絵さん、もう出る! 出ちゃうよ!」

しかし彼女は片手を上げてVサインを作って見せて、より細やかに舐ってきた。
そして・・・ついに紗絵の口の中に発射してしまった。

それでも彼女は、むしろ吸引するようにして口を離さない。
聡は、精液だけでなく精気というか魂まで吸い取られてしまいそうな恐れを感じた。

いや本当に、魂を抜かれたように聡は放心したまま横たわった。
そんな彼に紗絵は「全部飲んじゃった」と小悪魔のように笑って見せて立ち上がり、ティッシュを取って口の周りを拭った。

・・・

遅めの朝食の後、聡と紗絵はテラスで前夜の後片付けを買って出た。
その間、謙太と泉は車で15分ほどのコンビニまで昼食の買い出し。

本当は観光ついでに外食する予定だったが、午後のお茶会のために予定が変更となった。
畳んだ椅子やテーブルをガレージに運んで整理しながら、ひょっとしたら自分も紗絵と義理の姉弟になるかもしれないという事実を改めて思い返す。

同時に、前日からの彼女との熱い時間のことも。
もう彼女とは離れられない縁になりつつあることを感じ、胸が熱くなる。

ガレージの中には、自転車が2台あった。
変速機付きのママチャリで、よく整備されているようだった。

駐車場側に出て改めて辺りを見回すと、本当に人家が1軒もなかった。
ただ道路の向かい側は山林ではなく灌木の生い茂る荒れ地になっており、何かしらの開発の痕跡とも見て取れた。

荒れ地が果てる辺りに、コンクリート造りの塔らしきものも見える。
やはり開発と関係があるものなのだろうか。

その時別荘の前を、1台のSUVがノロノロと道の先へと走っていった。
ちょうど出てきた紗絵に「この先には何があるの?」と訊いたら、灯台と、その手前に釣人が集まるポイントがあるとの返事だった。

ついでに、荒地のことについても聞いてみた。
紗絵によると、そこには昔それなりの集落と棚田が広がっていて、彼女の高祖父で今ある医療法人の創設者の生家もそこにあったと言う。

「けど、私たちが生まれるよりずっと前・・・バブル景気の頃に県外の開発会社が高級別荘地として開発を始めて、それでみんな立ち退いてしまって・・・なのに、すぐに不景気がやってきて放置されちゃったんだって・・・」

それでも10年くらい前までは定期的に草刈りなどがなされて、一応の管理はされていたと言う。
しかし今では完全に打ち棄てられて、草木に覆われていきつつあると・・・。

・・・

謙太と泉が冷凍パスタなど買って戻ってきてから軽くお菓子などつまみながらお茶をして、4人は浜辺へ下りた。
浜辺から見ると、両側を小さい岬に挟まれたなかに白くてきれいな砂浜があって、そこだけ外界から隠されたささやかなプライベートビーチとなっている。

岩場ばかりのこのあたりの海岸線にあって、別荘のあるそこだけが特異的に砂浜が発達し、しかも遠浅になっているのだと謙太は説明した。
数年前の大潮の時など、砂地の浅瀬に気づかなかった魚釣りのプレジャーボートが座礁した「事件」もあったと言う。

それにしても、5月上旬とは思えないほど暑い午前ひるまえだった。
遠浅のせいか海水は生ぬるく、泉と紗絵は靴を脱いで波打ち際で戯れている。

謙太と聡は海向きのガレージのような構造になった別荘下の空間の砂地にレジャーシートを広げ、ふたり座って飲料水を飲みつつ子供のようにはしゃぐ泉と紗絵を眺める。
しばらくそうしていると、紗絵が渚から駆けてきた。

「ね、お兄ちゃん。私と泉さん、裸になってもいいよね」
「どうした?」
「もっと本格的に水遊びしたくなっちゃったけど服が邪魔! 大丈夫だよね・・・だって子供の時、私たちもスッポンポンで泳いだりしたんだから! あの頃のように」
「うん・・・別にいいんじゃない? 紗絵たちがそれでいいなら」
「やったぁ!」

ゆっくりと歩いてくる泉に、紗絵は大きい身振りで手招きした。
あまりのことに手に持った飲料水のボトルを取り落としそうになりながら、聡はその成り行きを固唾を飲んで見守った。

紗絵はあっという間に一糸まとわぬ姿になり、泉も謙太に対して恥じらって見せながらやはり裸になった。
「行こう、泉さん!」と紗絵は呼びかけ、ふたりは並んで波打ち際まで走っていった。

「・・・大丈夫なんですか?」

聡は辛うじて、それだけ喉から言葉を絞り出した。
いったい何に対して大丈夫なのだろうかと問うているのか、自分でもわからないまま。

「大丈夫だろ。右の岬も左の岬もその間の海岸線もうちの土地で、道路からも死角になっている・・・それでも見ようとする不届き者がいたら、それは不法侵入の上に覗きだから警察に突き出すまでさ」

謙太の回答は、決して聡の漠然とした心配に答えたものではない。
しかし聡としても、もうどうでもよくなってきた。

「う~ん、美しい眺めだなぁ~。青い海、白い砂浜、さしずめふたりはヴィーナスか人魚姫か」

謙太は、独り言のように嘆声を漏らす。
初夏の日光の下、青い海と白い砂浜が合わさるところで生まれたてと同じ姿で遊ぶふたりがいた。

白い肌が光り輝いて映えるようで、その美しさに聡は声も出せない。
バストとヒップが豊かなのは紗絵だったが、全体的な均整が取れているのは泉の方だ・・・そんな比較もできた。

股間の疼きを感じながら聡は、胸を揺らしながら水を掛け合うふたりをじっと眺める。
そしてやはり、紗絵は人魚の化身なのかなと空想にふけってみたりもする。

「サトルくぅ~ん、こっち来ない?」

見とれている最中にいきなり紗絵に呼ばれて、聡は今度こそ飲料水のボトルを手から落としてしまう。
幸いにもほとんど飲み尽くしていたから、こぼさずに済んだ。

「行ってくれば?」

謙太は事も無げに言うが、しかし股間のものは巨大化してしまって恥ずかしくて立ち上がれない。
それを察したか、謙太は言った。

「どうした、聡くん。裸の女性を見て勃起するのは、男の本能、自然の摂理、健康の証だ。恥ずかしがることなどないよ・・・」

しかしまるで他人事である。
迷っている間に泉まで一緒になって彼を呼ぶ。

仕方なしにと言うよりは(もうどうにでもなれ)のやけっぱちな気分で、聡は急いで服を脱ぐ。
そしてモノをおっ勃てたまま、「うおおおお~!」と叫んで泉と紗絵の間に割って入った。

「きゃぁ~! サトル! あんた、やらしいっ!」

泉はそう黄色い嬌声を上げながらも目は笑っていて、紗絵も一緒になって両側から両手ですくった水を掛けてくる。
聡はとりあえず、泉に的を絞って手や足で水を掛けてやった。

思わず大量の水を掛けられて、泉はきゃぁきゃぁ悲鳴を上げながら後退する。
調子に乗って追い討ちをかけようとした時、聡の背後から紗絵が水を浴びせてきた。

ならばと聡は振り返り、今度は紗絵を攻撃する。
背中を向けて逃げる彼女を聡は追いかけるが、膝まで水に浸かっている上に細かい砂地だからうまく捕まえられない。

なんとか肩を掴んだが、濡れた滑らかな肌はつるりと手から抜けてしまう。
それでもようやく背後から羽交締めみたいに捕まえることができた。

そこで、彼にとって予期せぬハプニングが起こった。
聡が紗絵を捕まえて抱きしめるのとほぼ同時に、泉が彼を背後から捕らえたのだ。

玉突きのように聡のからだは前に押し出され、胸は紗絵の背中に、腰はヒップに追突した。
その拍子に、彼の巨大化したモノが彼女のからだの中に入っていくような感覚がした。

「あっ・・・」

彼のモノを包む温かく柔らかい快感に、思わず間抜けな声を上げてしまった。
しかし次の瞬間、これは大変なことになったと頭は真っ白になった・・・コンドームをしていないという、重大事。

しかしそれは気のせいで、実際には紗絵の両太ももの付け根の隙間に入り込んだだけなのだ。
彼はすぐに事情を掴んだが、安堵などできなかった。

聡のモノがどのような状態になっているか知る由もない姉はぐいぐい抱きしめてくるし、彼自身も未知の快感にのめり込みそうになるのを感じる。
彼が抱きしめている紗絵は「きゃぁきゃぁ」と嬌声を上げながら聡の腕から逃げようとするが、思考が停止してしまっている彼は抱きしめ続ける。

結果として彼のモノは紗絵の両太ももと性器の間の柔らかい中に包まれたまま、グニュグニュと揉まれ続ける。
その結果として・・・快感が聡の下腹部に急激に集中する事態となった。

「紗絵さん、どいて!」

緊急事態に接して初めて聡は反射的に紗絵のからだを開放し、同時に力の限り突き飛ばした。
穏やかな波の間に投げ出される、紗絵のからだ。

浅瀬でひっくり返り、しかしすぐに起き上がって驚いたように聡を見る紗絵。
しかし次の瞬間、彼の性器の先端から白いものが放出された。

寝起きで紗絵によって射精させられた影響もあってか、それは昨日の浴室での放出より勢いは弱かった。
白いものは海水面に落ちて、波とともに消えていった。

「やだ・・・サトルちゃん! 何してんの?」

姉は悲鳴を上げて顔を覆うが、しかしやっぱり指の間から見える目は笑っていた。
聡はいたたまれなくなり、沖に向かって泳ぎだした。

恥ずかしさを消すように・・・その感情が消失してしまう辺りまで、泳ぐつもりだった。
心はあまりに動揺していて、そこまで泳いで岸に帰れるかどうかは考えていなかった。

そんな彼の足を、掴む手があった。
泳ぎを阻害されて慌てて立ち泳ぎの姿勢になった彼を、全身で捉えるからだがあった。

紗絵だった。
辛うじて聡の足先が海底に着くくらいのところで・・・少し背の低い紗絵は足が届かなくなったところで、ふたりは抱き合った。

「これより先に行ったら、危ないよ! 海流もあるし」

聡を抱きしめながら立ち泳ぎする紗絵は、彼が止まったことに安心しながら言った。
彼は足先を蹴って浜辺へ向かいながら・・・裸のまま海中で抱き合いながら、朝見た人魚の夢のことを思い出していた。
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