神崎くんは残念なイケメン

松丹子

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3章 神崎くんと私

26 gift

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 早紀から、二人でお茶しよう、と言われたのは、二人の結婚報告から1ヶ月半ほど過ぎた6月だった。
 神崎くんは相変わらず、職場近くを訪れるたび、私をランチに誘ってくれる。
 あえて二人で話すことなんて、何だろう。そう思いながら、私は早紀と会った。
 早紀は、柔らかいブラウスにシンプルなパンツを履いていて、その胸元にはこの前と同じ銀色のリングが揺れていた。--エンゲージリング。
 私はそれを確認しながら、正面に腰かける。
「ごめんね、忙しいのに、たびたび呼び出して」
「ううん。こちらこそ、わざわざこっちまで来てくれてありがとう」
 私と早紀が会うなら都内が中間地点だが、私の家寄りである横浜まで来てくれたのだ。
「どうしたの。二人で会いたいって」
 飲み物を注文して向き合うと、早紀はうん、と頷いた。
「もしよければ、友人代表でスピーチお願いできないかな、って」
 私は驚いた。
「え、そんな大役ーー」
「私のことも、幸弘くんのことも、一番よく知ってるのは香子ちゃんだから」
 ありがたい話だが、咄嗟のことで混乱してしまう。
「二人の門出を祝したいのはやまやまだけど……ちょっとハードルが高くて。少し、考えさせてもらえるかな」
「うん。もちろん」
 早紀は微笑んで頷いた。早紀が頼んだミルクティーと、私が頼んだブレンドコーヒーが運ばれて来る。
 ミルクティーのカップに口をつけて、早紀は静かに言った。
「もう一つ、話したいことがあって」
 その声音はためらいがちだ。私はコーヒーカップを運びかけた手を止める。
「もし、気を悪くしたら、ごめんね」
 前置きしてから、一息ついて、切り出す。
「香子ちゃん、幸弘くんのこと、好きだったんじゃないかなって、思って」
 早紀は言いにくそうに、言った。私は思わずうつむき、コーヒーカップに口をつける。
「今さらこんなこと話して、ごめんね。私、あのとき香子ちゃんに直接聞く勇気がなくて。でも、すぐに、聞けばよかったって後悔したの。今も。気になってるまま結婚したら、もうきっと言う機会もなくなって、ずっと、気になったままだろうと思ってーーそれも、私が抱えていくべき話なのかも知れないけど」
 早紀は珍しく一気に言って、私の顔をまっすぐに見た。
「私にとって香子ちゃんは、本当に大事な友達で、憧れで、でも、幸弘くんのことも、大切だった。どっちも失いたくなくて、中途半端にしてしまったように思えて」
「早紀。一つ、確認していい?」
 私はコーヒーカップを両手に包み込みながら言った。
「もし、あのとき、私が幸弘を好きだったとして。ーー早紀の、幸弘への返事は変わってたの?」
 私は静かに早紀の目を見つめた。強い視線を、早紀はまっすぐに受け止めて、静かに首を振った。
「私は、幸弘くんと一緒にいたい。あのときも、これからも」
 まっすぐに私を見つめる、真剣な目。
 私の心の中にある小さな冷たい塊が、少しずつ緩んで来るのを感じた。
 笑顔が浮かぶ。心からの、どこにも偽りのない笑顔。
 それが、泣きそうなくらい嬉しかった。
「それなら、何も問題ないよ」
 ーーこれで、私は先に進める。
 そう思った。
「私にとって、早紀も幸弘も、大切なーー本当に大切な、友達だから」
 先に泣いたのは、私か、早紀か。
「幸せになってね。二人で」
 二人であふれて来る涙を拭いながら、笑い合った。

 早紀と別れ、帰りの電車に乗ろうとして、ふと電話を手に取った。
 名前を探し、ためらった後、勇気を出してコールボタンを押す。
『ーーもしもし?』
 声が聞こえた瞬間、緩んでいた私の中の塊は、とうとうーーでも、呆気なく溶け出した。
 次から次に溢れる涙は、悲しさや苦しさではなく、今まで押さえ付けられていた色んな感情が溢れてきているようだった。
「神崎くん」
 涙を拭いながら、私は言った。
「会いたい。ーー神崎くんに」
 電話の向こうで、神崎くんが驚いているのが分かった。私はその顔を想像して、思わず笑う。
『泣いてるのかと思ったのに』
「うん、泣いてるよ」
 すねたように言う神崎くんに、ふふふ、と私は笑いながら、それでも次々溢れる涙を止める気にはならなかった。神崎くんが苦笑するのを感じる。
『変なの。ーーいいよ。どこで会う?』
 私は考えた。神崎くんと行きたい場所。
「神社、行きたい。鎌倉の」
 神崎くんは笑った。
『今から?ーーなら、早く行こう。日が暮れる前に』
 私は頷いて、またふふ、と笑った。

 ***

「なんかーー不思議な感じ」
 季節は変わり、9月。
 今は隼人くんと呼ぶようになった神崎くんが、私を見ながら言った。
 その優しすぎるほどの甘い微笑みにも、もう動揺することはない。ときめきはするけどーーとは、本人には内緒。
「何が?」
 私は言いながら、ストローを口に含み、アイスコーヒーを飲む。
「思ってたより、呆気なかったなって」
「何が?」
「香子ちゃんが、振り向いてくれるの」
 私はその言葉に笑った。
「もう少し手強い方がよかった?」
 そういう訳じゃないよ、と笑って、隼人くんもアイスコーヒーを口に含む。
「……不思議な感じ」
「だから、何が」
 隼人くんは笑う。
「あの気の強そうな子が、今、俺の前でこんなにリラックスしてるから」
 私は居心地悪く感じて、唇を尖らせ、何も言わずコーヒーを飲んだ。
 隼人くんと一緒にいるときの私は、多分、他のときよりだいぶユルユルだ。ぽかんと口を開けて景色を眺めているときなど、口を手で塞がれた。
「次やったら口で塞ぐよ」
 いたずらっぽい目でそう言うので、私は赤面しながら、固く口を閉じたのだった。
「隼人くん、私の何がそんなに気に入ったの」
 私が聞くと、神崎くんはうーんと首を傾げた。
「生き生きしてるとこ、かなぁ」
 抽象的すぎて全く分からない。私が微妙な表情をしていることに気づいて、隼人くんは微笑んだ。
「前も言ったでしょ。みんなの前で強がってる子が、力を抜いたらどんな風なのか気になったって」
「……ユルユルです」
「うん、俺の前ではね。外では相変わらずでしょ」
 嬉しそうに大きく頷く。
「その特別感がいいんだよ、多分。外では臨戦体制の猫が、帰ってきてじゃれついてくるような」
 ーー私は猫か。
 いつだったか、隼人くんをシベリアンハスキーに例えて考えたことを思い出した。
「香子ちゃんは?」
 浮き立つ気持ちを隠そうともせず、隼人くんが私の方に身を乗り出す。
「俺の何が気に入ったの」
 私は考えた。
 顔よし、頭よし、声よしの隼人くんだ。気に入らないところを考える方が難しいが、臆病の殻に閉じこもった私を解きほぐしてくれたのは、そういうところではなかったように思う。
「丁寧に、ありがとう、って言うところ」
 一つ言うと、私は微笑む。
「姿勢がいいところ」
 思ったより次々浮かぶものだ。
「時々、変なこと言うところ」
 隼人くんが笑った。
「それは、緊張してたからでしょ。香子ちゃんと話すの」
「そうかなぁ。それだけじゃないような気がするけど」
 私は笑って、続ける。
「結構、子供っぽいところ」
 そうかな、と隼人くんが首を傾げた。
「嬉しくて目がキラキラするときとか、照れ臭そうにするとき、可愛いよ」
 犬みたいで。とは、心中でつけ足す。
 あとは、と考えて、俯きがちに、言った。
「私のことを……可愛いって、言ってくれるところ」
 隼人くんは、一瞬きょとんとしてから、笑った。
「だって、可愛いもん。今まで出会った誰よりも」
 私は頬を赤らめて言った。
「その感性が、かなり特殊だと思う」
「そうかなぁ。可愛いと思うし、綺麗だと思うよ」
 隼人くんは愛おしむような目で私を見だ。
「香子ちゃんの、髪も好きだな。シンプルにくくってるの。同じような髪の人、思わず目で追ってたけど、やっぱり香子ちゃんの髪が一番綺麗だなって、久々に会う度思ってた」
 隼人くんは言って、私の髪に手を伸ばした。そういえば、久々に会う度に、髪をじっと見られていた気がする。
 就職後、一度バッサリ切った髪は、すっかり元通り伸びている。そろそろまた切ろうかと思っていたのだが、もしかして……という予感に、思い切れずにいる。
 それはそれとして、隼人くんに髪を撫でられるのも嫌いじゃない。それこそ、猫みたいだけど。
「今、伸ばしてるの?」
「うーん、正直、そろそろ切ろうか迷ってるとこ」
「そうなんだ。短い髪も似合いそうだもんね」
 むしろショートの方が評判がいいくらいだ。こまめに切りに行くのが面倒なので、結局伸ばしてしまうのだが。
「結婚式までそのままにするの?」
 私はドキッとして、グラスを持つ両手に力が入った。
 隼人くんは不思議そうに一度目を見開いてから、少し考え、ゆっくりと微笑む。
「11月の、こばやんと早紀ちゃんの」
 私は変な期待をしてしまった自分を恥じ、ごまかすように言う。
「まあね。長い方がまとめやすいし」
 残っていたコーヒーをすべて飲んで、私は腰を浮かした。
「お手洗い行ってくる」
「行ってらっしゃい」
 隼人くんの目がいたずらっぽく笑っている。気づかれたんだろうかと思いながら、ポーチを手にお手洗いへ向かった。
 お手洗いで用を済ませると、リップを取り出そうとポーチを開く。
 もう赤い手鏡は入っていないが、その代わりに隼人くんがくれた櫛が入っている。私のお守りのような。
 こうして隼人くんから何かもらう度に、私のお守りが増えていくんだろうか。いや、物だけじゃない、言葉や笑顔が、私を心強くしてくれる。
 私は微笑んで、リップを塗り直すとポーチを閉じた。

 隼人くんは既に会計を済ませて待っていた。私も半分出すよと財布を持ったけど、今日はいいよと笑顔で制す。いつも、いいと言う隼人くんに、私も仕事してますから!と半ば強引に支払うのだが、私も今日はお言葉に甘えることにした。
「香子ちゃんから、俺のことどう思ってるか、たくさん聞けたから大満足」
 店から出た隼人くんは満足げに言って右手を差し出した。私はその手を握る。実はまだこれには慣れないので、時々隼人くんの手の平をくすぐって、照れをごまかしてみたりする。
「隼人くんは、聞き慣れてるでしょう。褒め言葉」
「そんなことないよ」
 隼人くんは苦笑した。
「ちゃんと俺のこと見てくれてる言葉は、全然言われたことない」
 私はふぅん、と言って、繋いでいた手を引き寄せ、腕まで抱え込んだ。隼人くんは照れたように笑う。
「今日はずいぶん積極的だね」
 私は隼人くんの腕を両手で抱え、前を見たまま言った。
「大学のとき、思ったこと、思い出した」
 隼人くんが先を促すように小首を傾ける。私は続けた。
「隼人くんは、外見とか、目に付くところだけ見られて、本当の良さに気づかれにくいのかも、って」
 隣り合ったときの静かな空気。丁寧なお礼の言葉。相手をしっかり受け止めてくれる包容力。
「私も、幻滅しないよ。無精髭だらけでも、食後に爪楊枝くわえても」
 笑いながら言うと、それはありがたいな、と隼人くんは笑った。
「香子ちゃん曰く、イケメンなのに残念な人、だもんね」
「言ったっけ?そんなこと」
「言ってたよ。俺傷ついたから覚えてる」
 隼人くんがすねたように唇を尖らせたので、私は苦笑してごめん、と言った。ふと思って、言う。
「ギフト、って言うよね。英語で、才能のこと」
「神様からの贈り物?」
「うん」
 歩きにくいのでまた腕を離し、手を握り直した私は、笑って言った。
「神様からの贈り物。才能だけじゃなくて、優しい友達とか、よき理解者とか」
「相変わらず、謙虚だなぁ」
 隼人くんは笑った。
「それは私の努力の結果です!って、言ってもいいんじゃない?」
「そんな横柄な」
 私も笑う。
「俺からもまた贈り物したいなと思ってるけど、いつ買いに行こうか」
 隼人くんの言葉に、私は首を傾げる。
「気に入ったのがいいでしょ」
 微笑み、握った私の左手の薬指を撫でる。
「早く予約しておかないと、横取りされちゃ困るからね」
 私は笑った。
「そう滅多にいないよ、そんな人」
「さあ、どうかなぁ」
 隼人くんはまた笑った。
 くすぐったい空気を感じながら、連れ立って歩いた。
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