神崎くんは残念なイケメン

松丹子

文字の大きさ
上 下
3 / 32
1章 神崎くんは不思議なイケメン

03 大学1年、3月

しおりを挟む
 3月の集まりでは、来月に新入生の勧誘を控え、チラシ作成やメンバーの配置などを話し合うことになっていた。
 私たちのサークルは、インカレとはいえ実質2校だけが参加している。私たちの通う女子大と、幸弘たちの通う共学大学だ。
 残念ながら、入学式は同日に行われるので、誰がどちらに行くか、決めておく必要がある。
 私たちの通う女子大から、幸弘たちの通う共学大学へは、地下鉄で二駅の距離。講義が午前中で終わって別行動だったサリーとは現地合流することにして、私と早紀は二人で女子大を出た。

「神崎くんって、いい人だね」

 歩いていると、急に早紀がぽつりと言ったので、私は思わず息を飲んだーーというか、むせた。
 早紀が男子をそういう風に誉めるのを初めて聞いたからだ。

「えっ、何、急に。何かあったの?」

 私が言うと、早紀はにっこり笑った。

「ううん、別に。追いコンのとき、少し話したんだけど、仲良くなれそうだなって」

 私は背中を変な汗が伝っていくのを感じた。
 ちょっと幸弘、マズイんじゃないの? 仲良くなれそうって、どういうこと? やっぱりそういうこと?
 思わず私は想像してみた。早紀と神崎くんが隣り合って微笑んでいる姿ーーヤバい、似合い過ぎる。困り果ててしまうくらいお似合いだ。

「そ、そっかぁ。早紀、男子は苦手って言ってたから、驚いたよ」

 冷静さを装って言うと、早紀はくすりと笑った。

「うん、神崎くんと、相ちゃんと、こばやんは、大丈夫」

 そこに幸弘の名前を聞いて、私は内心大いにホッとした。
 よかったね幸弘、とりあえず望みがない訳ではなさそうだよ!
 そんな私の心中を知ることなく、早紀は散歩中の犬を見つけて、かわいい~と目を細めている。
 そんな早紀の横顔がかわいくて、ひとり和んだ。



 幸弘が早紀のことを好きだと気づいたのは、半年前。文化祭の準備をしている頃だった。
 教職のカリキュラムも取っている早紀は、朝が早い。ほとんど毎日、一現から出席していて、文化祭で毎日のように夜まで残っていると、疲れが見えてきた。
 本人は奥ゆかしいから、大丈夫と言っていたのだけど、私は気になって仕方なかった。
 ある日、ただでさえ白い顔が、本当に真っ白だったので、私はまた心配して、大丈夫?と聞いた。それが気休めにしかならないと分かっていながら、聞かずにはいられなかったのだ。

「うん、大丈夫ーーちょっと、が重なっただけ」

 確かに、月一でくるあの日は、私も貧血気味になる。

「無理しないでね。休んでもいいから……」

 早紀は力無く微笑んで、ありがとう、と言っていた。
 そして案の定、床に座り込んでポスターの色を塗っていた早紀は、立ち上がった拍子にふわりと倒れた。咄嗟に私が支えたが、息が荒くて意識がなくなっている。
 私が何度も呼びかけ、みんながぽかんとしている横から、幸弘が早紀を抱え上げた。

「医務室行ってくる。香子、鞄持ってついて来い」

 言い放つなり駆け出す幸弘を、早紀の荷物を持って慌てて追いかけた。


 医務室で横になった早紀は、30分ほどすると意識を取り戻した。1時間は寄り添っていようと思っていた私は、ホッとして幸弘に連絡した。ほどなく着いた幸弘は、開口一番こう言った。

「キツイならそう言え。こんなとこで倒れて何になる。当日楽しめなかったら意味ないだろ。俺でも香子でも誰でもいい、キツイ時はちゃんと言って、休めよ」

 厳しい口調だった。早紀はもちろん、私も驚いた。
 幸弘が本気で怒っていたからだ。
 いつも明るく、何でも冗談のようにしてしまう幸弘が、本気で思いやっている。
 一緒にいる時間が長いからこそ、私にははっきりと分かってしまったのだった。
 ああ、幸弘は早紀のことが好きなんだ、と。
 早紀は驚きながらも、ぺこりと頭を下げた。

「ごめんなさい」

 そして、顔を上げる。

「ありがとう」

 微笑んだ顔からは、幸弘の思いやりをしっかり受け止めたことが見て取れた。
 早紀は早紀なりに、みんなが何かと早紀に対して遠慮しているのを感じていて、気にしているのだが、幸弘が本気でぶつかってくれたのが嬉しかったと、後で笑っていた。
 穏やかで柔らかい早紀も、芯のある子なのだーー間違いなく。
 私はそのとき感じていた。幸弘と早紀なら、きっとうまくいくだろう。互いを思いやって尊重して、いい関係を築いていけるだろう。
 二人に近い私だからこそ、ほとんど確信するように思ったのだ。
 ただ、二人が相当に奥手なことが、最大の課題だろう、とも思ったのだったが。



「入学式の新入生勧誘に向けて、決めていきたいと思いまーす」

 相変わらずのゆるさで、相ちゃんが声をかけた。これからのサークル活動は、基本的には私たちの代が中心で、先輩たちはたまに手伝いに来てくれるくらいだ。

「チラシ作りはちゃきとゆいゆいにお願いします。印刷のときは紙運ぶのとか大変だったら男子使ってね。リーフレットの原稿はりんりんと早紀ちゃんが書いてくれて、それぞれの大学に提出済みです。ありがとー」

 相ちゃんの言葉に、みんなもありがとう、と声を合わせる。さて、続いて本題ですがー、と相ちゃんは続けた。

「例年通り、今年も入学式は2大学とも同じ日になりました。手分けしてチラシ配りやるので、チームを組みましょう」

 相ちゃんの言葉に、りんりんが手を挙げた。ちゃきと自分を示しながら言う。

「私たち、もう一つのサークルの方があって。チラシ一緒に配ってよければ、やります」

 この二人はカルタ部に入っているが、部員数が多くないので二人が動かざるを得ない。

「了解。で、たっちゃんは朝早く無理でしょー」

 相ちゃんが冗談で言うと、たっちゃんはムッとした。

「起きるよ、相ちゃんが電話くれれば」
「人頼みかーい! しかも俺がモーニングコールとかキモい!」

 相ちゃんが言って、みんなが笑った。たっちゃんの朝の弱さはサークル内では有名だ。

「女子大組も分かれてもらった方がいいな。で、男子も分かれよう」
「俺女子大行くー!」

 ケイケイが言うと、相ちゃんが苦笑した。

「言うと思った。でも誰かストッパーになってー」

 わいわいと話が進み、女子大にはサリー、早紀、ゆいゆい、ケイケイ、幸弘、イオンの6人。共学側には私、えみりん、相ちゃん、神崎くん、たっちゃんの5人で、カルタ部のチラシと一緒にりんりんとちゃきにも配ってもらうようお願いした。

「よーし。じゃ、そういうことで、他に議題は?」

 みんな首を振る。

「んじゃあ、お楽しみに行きましょー」

 相ちゃんは嬉しげに鞄を持って言った。
 誰かが、話し合い後カラオケに行こうと言い出したのだ。

「行くの誰だっけ」
「はーい」

 私が手を挙げると、幸弘、サリー、ちゃきが手も挙げた。騒ぐのが好きなメンバーだ。

「……俺も行こうかな」
「じゃ、私もー!」

 神崎くんと、それに便乗するえみりん。いっそ清々しいくらい狙いが見え見えである。

「私、もう一コマあるから、大学戻るね」
「えっ、早紀大変だね」

 早紀が控えめに微笑んだ。



 カラオケでは案の定えみりんとちゃきが神崎くんを挟んで座り、相ちゃん、幸弘、サリー、私がそれに向き合う形で座った。とはいえ相ちゃんはいつも左右に移動しながら楽しむので、ちゃきの隣と幸弘の隣を行き来するのだろう。
 みんなが歌いたい曲を入れていく。えみりんに勧められて神崎くんが入れた曲を見て、私はおやっと思った。私たち世代にしては少し古めだが、好きな人の多いラブバラードだ。
 ただし、高音部分は男子には少し高めで、なかなか難しい。私の十八番の一つだった。
 実は私はテノールからソプラノまで、出そうと思えば声が出る、幅広い声域なのが自慢だ。カラオケでは、かわいい曲を他の女子に任せ、女子が好きなラブバラードとか、男性ボーカルの曲を入れていく。なかなか女子受けがいいので、「男の出番を取るな」としょっちゅう幸弘始め男子に文句を言われるが、私が満足する出来で歌い上げてくれる男子がいないのだから仕方ない。
 ーーと言うと、これまた苦笑されるのだが。

 ーー神崎くんのお手並み拝見。

 私はこっそり、審査員のような気持ちで、何曲か先に入れられた神崎くんの歌を待った。彼の歌いぶりによって自分が入れる曲を変えるつもりだ。

 結論から言って、神崎くんの歌は私にとって合格点だった。彼もバスからテノールまで出る幅広い声域らしい。高音も無理なく出ていて、時に優しく、ときに力強く、聴いていて心地好い歌だった。

 ーー思い浮かぶあなたが いつも僕に力をくれる
 あなたにとって僕も そんな存在になりたいーー

 そういう歌詞を歌い上げる神崎くんにーー正直、ちょっとぐらっときた。えみりんとちゃきはもちろん、サリーも思わず飲まれている。女子にとっては声って大事なんだよね。
 あまりに情感が篭っているように感じたので、つい考えてしまった。

 神崎くんがここまで想う人って、どんな人だろう。
 あ、早紀か。
 でもここにいないの残念だろうなぁ。

 歌い終わったとき、全員が一瞬聞き惚れてしんとした。場の空気が気まずくならないうちに、幸弘がマイクを手に取り、みなさんもご一緒に! とかいいながら、ノリのいい流行歌を歌いはじめたが、あれ? と思う。何故か男子二人も顔が赤い。
 神崎くんの歌は男子も惚れさせる? いやまさか。
 ふと視線を感じて見やると、神崎くんが私から幸弘に視線を反らしたのが見えた。その表情からは何も読み取れない。
 私は首を捻りながら、入れる曲を探しはじめた。ーーとりあえず、今日は無難な女性ボーカルの曲を入れて、神崎くんの持ち歌をチェックしておこう、と思いながら。



 1時間ほどしたとき、私の頭の後ろで幸弘がサリーにマイクを渡そうとして、私の頭にぶつかった。

「あ、ごめん」
「ううん。いいよ」

 後ろでくくったポニーテールが少し緩んだのを感じて、結び直そうと手を上げる。ただ少し高めにくくるだけの髪型なので、いちいちトイレに行って直す気にはならない。ゴムをするりと抜くと片手に持ち、もう片手に髪を持って、結び直そうとしたときーーぱちん、とゴムが切れて飛んだ。
 うぇっ。と喉の奥で微妙な声が出る。
 ゴムは神崎くんの膝上に飛んでいって、神崎くんがびっくりしたのが見えた。私は慌てて謝りながら、手を伸ばして切れたゴムを受けとろうと、髪からも手を離す。
 上の方でくくっていたので変な形に癖がついていてみっともないのだが、ついつい離してしまったのだ。
 神崎くんは私にゴムを返そうと伸ばした手を止めて、ぽかんとした。私は手を伸ばしたまま戸惑う。神崎くんは震えはじめた手で私にさっとゴムを渡すと、膝上に顔を寄せ、腕で隠すようにした。

 私、またなんかやった?

 いつもシンプルなポニーテールだからあまり気にされないが、私は肩甲骨が隠れるくらいのロングヘアーだ。しかもストレート。
 もしかして、乱れたロングヘアーを見て、某ホラー映画でも思い出したのかしら。怖い思いさせちゃった?
 そんなことを思いながら、私はサリーに借りられるゴムがあるか聞いたが持ってないらしい。相ちゃんが、少し考えてから、たまたま腕にはまっていた輪ゴムを示したが、丁重にお断りした。私は髪質が柔らかいので輪ゴムは絡まって痛いのだ。
 えみりんは腕にシュシュをしていて、貸そうか?と言ってくれたけど、あまりにガーリーで、私には合わないのと、えみりんのコーディネートはシュシュまでトータルであることを分かっているので遠慮した。ちゃきもショートカットなので髪ゴムとは無縁だ。
 結論、後でコンビニで買おうと思いながら、さすがにくくり癖がついた髪を梳かして来ようと、ポーチを持ってトイレに立ち上がった。

 トイレから戻って来ると幸弘とサリーが廊下で話していた。二人ともドリンクバーに飲み物を補充しに行っていたらしい。他の人のも引き受けたらしく、手にはコップを二つずつを持っている。

「あ、おかえりー」

 サリーがやたらとにこやかに言って、私にコップを一つ渡した。

「これ、神崎くんの。さっきのお礼かたがた渡しておいて。こっちは私の。私もトイレ行って来るから」
「え……でも」

 私はまだ髪をくくっていない。いくら梳いて落ち着いたからといって、また怖がられちゃうかも、と思ったが、サリーは無理矢理私にコップを押し付けた。

「よろしくー」

 去ったサリーの背中を見て、幸弘が嘆息した。心なしか疲れているように見える。

「サリーになんか言われたの?」
「いや……」

 幸弘は私をちらりと見て、また深々と嘆息する。

「あいつの鋭さ、少し分けてもらえないのか」
「は?」

 私は首を傾げたが、幸弘は何でもないと言ってドアを開けたので、黙って後ろに従った。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

子ども扱いしないでください! 幼女化しちゃった完璧淑女は、騎士団長に甘やかされる

佐崎咲
恋愛
旧題:完璧すぎる君は一人でも生きていけると婚約破棄されたけど、騎士団長が即日プロポーズに来た上に甘やかしてきます 「君は完璧だ。一人でも生きていける。でも、彼女には私が必要なんだ」 なんだか聞いたことのある台詞だけれど、まさか現実で、しかも貴族社会に生きる人間からそれを聞くことになるとは思ってもいなかった。 彼の言う通り、私ロゼ=リンゼンハイムは『完璧な淑女』などと称されているけれど、それは努力のたまものであって、本質ではない。 私は幼い時に我儘な姉に追い出され、開き直って自然溢れる領地でそれはもうのびのびと、野を駆け山を駆け回っていたのだから。 それが、今度は跡継ぎ教育に嫌気がさした姉が自称病弱設定を作り出し、代わりに私がこの家を継ぐことになったから、王都に移って血反吐を吐くような努力を重ねたのだ。 そして今度は腐れ縁ともいうべき幼馴染みの友人に婚約者を横取りされたわけだけれど、それはまあ別にどうぞ差し上げますよというところなのだが。 ただ。 婚約破棄を告げられたばかりの私をその日訪ねた人が、もう一人いた。 切れ長の紺色の瞳に、長い金髪を一つに束ね、男女問わず目をひく美しい彼は、『微笑みの貴公子』と呼ばれる第二騎士団長のユアン=クラディス様。 彼はいつもとは違う、改まった口調で言った。 「どうか、私と結婚してください」 「お返事は急ぎません。先程リンゼンハイム伯爵には手紙を出させていただきました。許可が得られましたらまた改めさせていただきますが、まずはロゼ嬢に私の気持ちを知っておいていただきたかったのです」 私の戸惑いたるや、婚約破棄を告げられた時の比ではなかった。 彼のことはよく知っている。 彼もまた、私のことをよく知っている。 でも彼は『それ』が私だとは知らない。 まったくの別人に見えているはずなのだから。 なのに、何故私にプロポーズを? しかもやたらと甘やかそうとしてくるんですけど。 どういうこと? ============ 番外編は思いついたら追加していく予定です。 <レジーナ公式サイト番外編> 「番外編 相変わらずな日常」 レジーナ公式サイトにてアンケートに答えていただくと、書き下ろしweb番外編をお読みいただけます。 いつも攻め込まれてばかりのロゼが居眠り中のユアンを見つけ、この機会に……という話です。   ※転載・複写はお断りいたします。

【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!

雨宮羽那
恋愛
 いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。 ◇◇◇◇  私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。  元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!  気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?  元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!  だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。 ◇◇◇◇ ※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。 ※アルファポリス先行公開。 ※表紙はAIにより作成したものです。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

【完結済】姿を偽った黒髪令嬢は、女嫌いな公爵様のお世話係をしているうちに溺愛されていたみたいです

鳴宮野々花@軍神騎士団長1月15日発売
恋愛
王国の片田舎にある小さな町から、八歳の時に母方の縁戚であるエヴェリー伯爵家に引き取られたミシェル。彼女は伯爵一家に疎まれ、美しい髪を黒く染めて使用人として生活するよう強いられた。以来エヴェリー一家に虐げられて育つ。 十年後。ミシェルは同い年でエヴェリー伯爵家の一人娘であるパドマの婚約者に嵌められ、伯爵家を身一つで追い出されることに。ボロボロの格好で人気のない場所を彷徨っていたミシェルは、空腹のあまりふらつき倒れそうになる。 そこへ馬で通りがかった男性と、危うくぶつかりそうになり────── ※いつもの独自の世界のゆる設定なお話です。何もかもファンタジーです。よろしくお願いします。 ※この作品はカクヨム、小説家になろう、ベリーズカフェにも投稿しています。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~

椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」 私を脅して、別れを決断させた彼の両親。 彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。 私とは住む世界が違った…… 別れを命じられ、私の恋が終わった。 叶わない身分差の恋だったはずが―― ※R-15くらいなので※マークはありません。 ※視点切り替えあり。 ※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。

恋煩いの幸せレシピ ~社長と秘密の恋始めます~

神原オホカミ【書籍発売中】
恋愛
会社に内緒でダブルワークをしている芽生は、アルバイト先の居酒屋で自身が勤める会社の社長に遭遇。 一般社員の顔なんて覚えていないはずと思っていたのが間違いで、気が付けば、クビの代わりに週末に家政婦の仕事をすることに!? 美味しいご飯と家族と仕事と夢。 能天気色気無し女子が、横暴な俺様社長と繰り広げる、お料理恋愛ラブコメ。 ※注意※ 2020年執筆作品 ◆表紙画像は簡単表紙メーカー様で作成しています。 ◆無断転写や内容の模倣はご遠慮ください。 ◆大変申し訳ありませんが不定期更新です。また、予告なく非公開にすることがあります。 ◆文章をAI学習に使うことは絶対にしないでください。 ◆カクヨムさん/エブリスタさん/なろうさんでも掲載してます。

処理中です...