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夕飯は気合いを入れて作ろう! と思っていた私だけれど、無駄に遠出してしまったおかげですっかり夜になってしまった。
とはいえ、勝くんはいつも通り遅いのだろうし、まだ時間はたっぷりある。菓子パンを一つ頬張ってから取り掛かったのはハンバーグだ。
主に、夕食の定番だから、という理由だけで選んだ料理は、思った以上に手こずった。やっぱり初心者は「カンタンレシピ」から検索しなくてはダメだったと後悔しても時すでに遅く、フライパンの上でモロモロになった肉塊はハンバーグのなれの果てだ。
ついでに、自分でも何をどうしたものか、気付けばエプロンの前がつなぎのパン粉だらけになったので、仕方なくエプロンを変えた。勝くんのものと一緒に買ったあれだ。
ハンバーグといえば、実家にいたとき、母がパンパン音を立てながら空気抜きしていたことを思い出す。うるさいばかりで意味がよくわからなかったけど、あれはとっても大事な作業だったのね……。
改めて気づきつつ、仕方がないからちぎったレタスの上に載せることにした。
……いっそご飯の上にかけて、カパオみたいにしちゃえば……
いやしかし……初心者が下手な色気を出すとろくなことがない……
行ったり来たりする思考と葛藤していたとき、インターホンが鳴る音と、鍵が差し込まれる音がした。
私は慌てて玄関へ向かう。って言っても狭い我が家なので数歩の距離だけれど。
ドアを開けて入ってきた勝くんは、寒さで頬が赤くなっている。私は自然と浮かぶ笑顔で出迎えた。
「おかえりなさい」
「……ただいま」
勝くんは微笑んでかばんを置き、靴を脱ぐ。コートを脱ぐのを手伝おうとしたとき、
「そのエプロン」
と言われて動きを止めた。
勝くんはコートとジャケットを脱ぎ、ハンガーにかけながら照れ臭そうに微笑む。
「俺のとお揃い?」
エプロンを変えたのをすっかり忘れていた私は、思わず真っ赤になった。
「あ、あの、違うの、決して新婚気分を味わおうとか、そういうの思ってたわけじゃなくて、あの、洗い換えがないなって勝くんのエプロン買ってるときに気づいて、それでーー」
慌てて言う私に、勝くんはくすくす笑っている。私は目をさまよわせながら、みっともない言い訳を重ねる。
「き、今日も、エプロンすごい汚れちゃって……だ、だから、換えがあってよかったんだよ!」
言い切って顔を上げると、すぐ近くに勝くんが立っていた。
と見るや唇をふさがれて、ちょっとびっくりしながらも受け止める。
だんだんと深くなるキスに目を白黒させていると、少しずつ押されていって壁に背が当たる。勝くんは私を支えるように、私の脇あたりの壁に手をついた。
「ん……ふ……」
ゆっくり、たっぷり、味わわれるようなキスに、頭はふわふわくらくらしてきた。同時に、昨日与えられた快感を思い出した身体が疼いてくる。
勝くんは私の頭を撫で、唇を離して額同士を合わせた。
息がかかる距離で、苦笑する。
「……ごめん、がっついちゃって」
「う、ううん……」
勝くんはため息をついて、私を抱きしめた。
力強くて大きな身体に、緊張と安堵がせめぎ合う。
私がおずおずと背に手を這わせると、勝くんはふぅと息を吐き出した。
「今日……一日中、夜のこと考えてて」
「ぐへっ」
思わず変な息が漏れた。勝くんがくつくつ笑う振動が伝わってくる。赤くなった顔を隠すように彼の胸に頬を寄せる。
「でも、なんか、夢みたいで。梢ちゃんが言ってくれたこと、俺の空耳とか、都合のいい勘違いとかじゃないかなぁなんて……そう思い始めると気になって気になって、何度時間見つけて電話しようかと思った」
「そ、そんなこと……」
顔をあげた私は、穏やかな勝くんの目にぶつかって気恥ずかしくなり、またうつむく。
勝くんが私に伝えてくれるほど、私はちゃんと気持ちを伝えてないのは確かだ。
勝くんの胸に頬を寄せながら背中に回した手に力をこめる。
「……勝くんが、私のこと、女として見てるなんてまだ信じられない」
言おうと思ったことと少しずれた言葉が口から出て、自分でも困惑する。
けど、嘘じゃない。
気になってることは、いくつかあるのだ。私が自分の気持ちを伝えるのにためらった理由も。
「……私、勝くんとは6つ離れてるし、最初に会ったときなんて、勝くん中学生で」
「そうだね。身長も変わらなかった」
「私の方が高いくらいだったよ」
「知ってる」
勝くんは懐かしむように、柔らかい声で笑った。
「なんか、悔しくて。毎日牛乳1リットル飲んでた。そんなことしなくても、家系的に大きくなるから大丈夫よって母さんと姉さんに嫌がられたけど」
「そ、そうだったの?」
そういえば当時、みっちーが「最近弟の牛乳消費量半端ないんだけど。なーんか色気づいたかなぁ」なんて言ってた気がする。私は「可愛いじゃない」って笑ってたけど、まさか私が原因だったとは。
「でも、そのときに、好きだって思ってた訳じゃないよ。なんか……可愛い人だなって思ったら、弟扱いされるのが癪だっただけ」
可愛い人。恥ずかしさに小さくなる。
「……俺が二十歳のとき、姉さんと梢ちゃんが祝ってくれたろ」
「ああ、うん……」
そうそう。二十歳になった勝くんを、すでに社会人になっていた私とみっちーで連れ歩いたのだ。
「二人とも酔っ払って、右と左にくっついてきて、まだ次行くぞーなんて、どこのオッサンだよってノリでぐいぐいひっばられてさ」
……そう、だった気も、する……
そんでもって、私は……
「あの……その節は……ごめん」
「そうそう。梢ちゃん店で寝ちゃって、俺がおんぶしたの、覚えてた?」
覚えてます……
いや、正直言えばリアルタイムの記憶は全くないんだけど、翌日目を覚ましたらみっちーの家にいて、みっちーからさんざんからかわれたのはしっかり覚えてる。
それからは、外で飲むときはちゃんとセーブしようと心に決めた。記憶を飛ばしたのはあの一回だけだ。
「あのときに……」
勝くんは言いかけて、言葉を止めた。私がちらりと目を上げると、照れ笑いした勝くんが見下ろしてくる。
「……それまで感じたことない気分になって」
私はまばたきした。
……というと?
「よくわかんなかったんだよね、そのときは。ただ、なんていうかこう……うわーってなって」
勝くんは言って、「うわーじゃわかんないよね」と自分の言葉に笑った。困惑しながら頷くと、少し遠い目になる。
「……守りたいっていうか。離れたくないっていうか。……家族への想いに近いんだけど……男のサガが反応するから、それともちょっと違って」
勝くんの手が、私の頭を撫でる。私は相変わらずドキドキしながら、されるがままになっている。
「何だろうって思いながら、ずっと頭の端にあって……どんな女性と過ごしても、そのときの気持ちと比べてる自分に気づいた」
勝くんは息を整えるようにため息をついた。
私は黙って勝くんを見上げて、言葉の続きを待っている。
「ちゃんと分かったのは、30になる頃かな。つき合うなら、他の女性でもいいんだけど、結婚するなら、梢ちゃんがいいなと思った。そうじゃないと、嫌だなと思った。……それからが地獄だよね」
勝くんは笑った。
「姉さんも結婚してるし、梢ちゃんに会う機会なんて年1かよくて2回でしょ。姉さんが実家に帰ってくるって聞く度に、梢ちゃんと会う予定あるのか、梢ちゃんはまだフリーなのかって……それとなく聞いてたつもりだったけど、さすがにバレて」
勝くんは私の頬に両手を添えて、顔を近づけた。
視界に入り切らないほど近くに勝くんの顔がある。
「……この年末年始で振り向かせられなかったら、諦めようと思ってた」
静かな口調で勝くんは言った。
まっすぐに見つめられて、私の胸がきゅうとなる。
私はおずおず、勝くんの頬に手を伸ばした。
「……よかった」
「え?」
私の呟きを聞いて、勝くんが意外そうに笑う。
私は勝くんの首後ろに腕を回し、爪先立ちになって抱き着いた。
「……諦めらなくて、よかった」
目が潤んで、声が震えた。
私もずっと、考えないようにしていたんだとようやく気づく。
親友の弟。いつでも穏やかに微笑んでくれる安心感。会う度に感じる胸のときめき。
それらすべてを、「枯れた女のカンフル剤」と比喩して、一般化して、ごまかそうとしてきたのだ。
会社帰りにちらっとでも彼を見られるならと、新宿に引っ越した頃から。
ううん、彼が百貨店に就職したと聞いて、働く姿をこっそり、みっちーと見に行ったときには、きっと既に。
でも、いろんなことを考え過ぎて、到底自分からアピールすることもできなくて。
そうと分かっているからこそ、気づかないふりをしていたんだ。
「泣かないで」
勝くんが優しく囁いた。
私は彼の肩に顔をうずめて、嗚咽が噛み殺せなくなって、諦めてわんわん泣いた。
子どもみたいに。
それでも、勝くんは私が落ち着くまで、黙って私の背を撫でていてくれた。
とはいえ、勝くんはいつも通り遅いのだろうし、まだ時間はたっぷりある。菓子パンを一つ頬張ってから取り掛かったのはハンバーグだ。
主に、夕食の定番だから、という理由だけで選んだ料理は、思った以上に手こずった。やっぱり初心者は「カンタンレシピ」から検索しなくてはダメだったと後悔しても時すでに遅く、フライパンの上でモロモロになった肉塊はハンバーグのなれの果てだ。
ついでに、自分でも何をどうしたものか、気付けばエプロンの前がつなぎのパン粉だらけになったので、仕方なくエプロンを変えた。勝くんのものと一緒に買ったあれだ。
ハンバーグといえば、実家にいたとき、母がパンパン音を立てながら空気抜きしていたことを思い出す。うるさいばかりで意味がよくわからなかったけど、あれはとっても大事な作業だったのね……。
改めて気づきつつ、仕方がないからちぎったレタスの上に載せることにした。
……いっそご飯の上にかけて、カパオみたいにしちゃえば……
いやしかし……初心者が下手な色気を出すとろくなことがない……
行ったり来たりする思考と葛藤していたとき、インターホンが鳴る音と、鍵が差し込まれる音がした。
私は慌てて玄関へ向かう。って言っても狭い我が家なので数歩の距離だけれど。
ドアを開けて入ってきた勝くんは、寒さで頬が赤くなっている。私は自然と浮かぶ笑顔で出迎えた。
「おかえりなさい」
「……ただいま」
勝くんは微笑んでかばんを置き、靴を脱ぐ。コートを脱ぐのを手伝おうとしたとき、
「そのエプロン」
と言われて動きを止めた。
勝くんはコートとジャケットを脱ぎ、ハンガーにかけながら照れ臭そうに微笑む。
「俺のとお揃い?」
エプロンを変えたのをすっかり忘れていた私は、思わず真っ赤になった。
「あ、あの、違うの、決して新婚気分を味わおうとか、そういうの思ってたわけじゃなくて、あの、洗い換えがないなって勝くんのエプロン買ってるときに気づいて、それでーー」
慌てて言う私に、勝くんはくすくす笑っている。私は目をさまよわせながら、みっともない言い訳を重ねる。
「き、今日も、エプロンすごい汚れちゃって……だ、だから、換えがあってよかったんだよ!」
言い切って顔を上げると、すぐ近くに勝くんが立っていた。
と見るや唇をふさがれて、ちょっとびっくりしながらも受け止める。
だんだんと深くなるキスに目を白黒させていると、少しずつ押されていって壁に背が当たる。勝くんは私を支えるように、私の脇あたりの壁に手をついた。
「ん……ふ……」
ゆっくり、たっぷり、味わわれるようなキスに、頭はふわふわくらくらしてきた。同時に、昨日与えられた快感を思い出した身体が疼いてくる。
勝くんは私の頭を撫で、唇を離して額同士を合わせた。
息がかかる距離で、苦笑する。
「……ごめん、がっついちゃって」
「う、ううん……」
勝くんはため息をついて、私を抱きしめた。
力強くて大きな身体に、緊張と安堵がせめぎ合う。
私がおずおずと背に手を這わせると、勝くんはふぅと息を吐き出した。
「今日……一日中、夜のこと考えてて」
「ぐへっ」
思わず変な息が漏れた。勝くんがくつくつ笑う振動が伝わってくる。赤くなった顔を隠すように彼の胸に頬を寄せる。
「でも、なんか、夢みたいで。梢ちゃんが言ってくれたこと、俺の空耳とか、都合のいい勘違いとかじゃないかなぁなんて……そう思い始めると気になって気になって、何度時間見つけて電話しようかと思った」
「そ、そんなこと……」
顔をあげた私は、穏やかな勝くんの目にぶつかって気恥ずかしくなり、またうつむく。
勝くんが私に伝えてくれるほど、私はちゃんと気持ちを伝えてないのは確かだ。
勝くんの胸に頬を寄せながら背中に回した手に力をこめる。
「……勝くんが、私のこと、女として見てるなんてまだ信じられない」
言おうと思ったことと少しずれた言葉が口から出て、自分でも困惑する。
けど、嘘じゃない。
気になってることは、いくつかあるのだ。私が自分の気持ちを伝えるのにためらった理由も。
「……私、勝くんとは6つ離れてるし、最初に会ったときなんて、勝くん中学生で」
「そうだね。身長も変わらなかった」
「私の方が高いくらいだったよ」
「知ってる」
勝くんは懐かしむように、柔らかい声で笑った。
「なんか、悔しくて。毎日牛乳1リットル飲んでた。そんなことしなくても、家系的に大きくなるから大丈夫よって母さんと姉さんに嫌がられたけど」
「そ、そうだったの?」
そういえば当時、みっちーが「最近弟の牛乳消費量半端ないんだけど。なーんか色気づいたかなぁ」なんて言ってた気がする。私は「可愛いじゃない」って笑ってたけど、まさか私が原因だったとは。
「でも、そのときに、好きだって思ってた訳じゃないよ。なんか……可愛い人だなって思ったら、弟扱いされるのが癪だっただけ」
可愛い人。恥ずかしさに小さくなる。
「……俺が二十歳のとき、姉さんと梢ちゃんが祝ってくれたろ」
「ああ、うん……」
そうそう。二十歳になった勝くんを、すでに社会人になっていた私とみっちーで連れ歩いたのだ。
「二人とも酔っ払って、右と左にくっついてきて、まだ次行くぞーなんて、どこのオッサンだよってノリでぐいぐいひっばられてさ」
……そう、だった気も、する……
そんでもって、私は……
「あの……その節は……ごめん」
「そうそう。梢ちゃん店で寝ちゃって、俺がおんぶしたの、覚えてた?」
覚えてます……
いや、正直言えばリアルタイムの記憶は全くないんだけど、翌日目を覚ましたらみっちーの家にいて、みっちーからさんざんからかわれたのはしっかり覚えてる。
それからは、外で飲むときはちゃんとセーブしようと心に決めた。記憶を飛ばしたのはあの一回だけだ。
「あのときに……」
勝くんは言いかけて、言葉を止めた。私がちらりと目を上げると、照れ笑いした勝くんが見下ろしてくる。
「……それまで感じたことない気分になって」
私はまばたきした。
……というと?
「よくわかんなかったんだよね、そのときは。ただ、なんていうかこう……うわーってなって」
勝くんは言って、「うわーじゃわかんないよね」と自分の言葉に笑った。困惑しながら頷くと、少し遠い目になる。
「……守りたいっていうか。離れたくないっていうか。……家族への想いに近いんだけど……男のサガが反応するから、それともちょっと違って」
勝くんの手が、私の頭を撫でる。私は相変わらずドキドキしながら、されるがままになっている。
「何だろうって思いながら、ずっと頭の端にあって……どんな女性と過ごしても、そのときの気持ちと比べてる自分に気づいた」
勝くんは息を整えるようにため息をついた。
私は黙って勝くんを見上げて、言葉の続きを待っている。
「ちゃんと分かったのは、30になる頃かな。つき合うなら、他の女性でもいいんだけど、結婚するなら、梢ちゃんがいいなと思った。そうじゃないと、嫌だなと思った。……それからが地獄だよね」
勝くんは笑った。
「姉さんも結婚してるし、梢ちゃんに会う機会なんて年1かよくて2回でしょ。姉さんが実家に帰ってくるって聞く度に、梢ちゃんと会う予定あるのか、梢ちゃんはまだフリーなのかって……それとなく聞いてたつもりだったけど、さすがにバレて」
勝くんは私の頬に両手を添えて、顔を近づけた。
視界に入り切らないほど近くに勝くんの顔がある。
「……この年末年始で振り向かせられなかったら、諦めようと思ってた」
静かな口調で勝くんは言った。
まっすぐに見つめられて、私の胸がきゅうとなる。
私はおずおず、勝くんの頬に手を伸ばした。
「……よかった」
「え?」
私の呟きを聞いて、勝くんが意外そうに笑う。
私は勝くんの首後ろに腕を回し、爪先立ちになって抱き着いた。
「……諦めらなくて、よかった」
目が潤んで、声が震えた。
私もずっと、考えないようにしていたんだとようやく気づく。
親友の弟。いつでも穏やかに微笑んでくれる安心感。会う度に感じる胸のときめき。
それらすべてを、「枯れた女のカンフル剤」と比喩して、一般化して、ごまかそうとしてきたのだ。
会社帰りにちらっとでも彼を見られるならと、新宿に引っ越した頃から。
ううん、彼が百貨店に就職したと聞いて、働く姿をこっそり、みっちーと見に行ったときには、きっと既に。
でも、いろんなことを考え過ぎて、到底自分からアピールすることもできなくて。
そうと分かっているからこそ、気づかないふりをしていたんだ。
「泣かないで」
勝くんが優しく囁いた。
私は彼の肩に顔をうずめて、嗚咽が噛み殺せなくなって、諦めてわんわん泣いた。
子どもみたいに。
それでも、勝くんは私が落ち着くまで、黙って私の背を撫でていてくれた。
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