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.3 まさかの本心
15 ズルい大人
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まだ頭の中が整理しきれないまま、俺は車を走らせ始めた。幸いなことに、道路は若干混み気味で、ゆっくりしか進めへん。
ときどき、礼奈が話しかけてきた気がするけど、よう覚えてない。とにかく、ちゃんと運転せなあかん、てことと、自分がどうしてここまで動揺してるのか、考えるのに必死やった。
妹みたいなもんやと思てた。ずっとずっと、礼奈も俺を兄みたいに見てるんやと思てた。
それが――違う?
ガラガラと覆される前提条件に、足場がぐらついている。
「――栄太兄」
不意に話しかけられて、俺はびくりと身体を震わせた。
「な、なんや?」
若干声が裏返ったが、礼奈は笑うこともない。
「コンビニ、寄ってもらってもいい? 買いたいものがあるの。どこでもいいから」
「わ、分かった」
俺はこくこく頷いて、コンビニの駐車場に車を滑り込ませた。
礼奈がシートベルトを外す音がして、ドアが開く。
「ありがとう。待ってて」
頷いて返すと、礼奈は髪をたなびかせ、コンビニへと向かって行った。
キラキラ、している。その後ろ姿が。残した笑顔が。
俺は息を全部吐き出して、ハンドルに寄りかかるようにうなだれる。
礼奈が気遣って、俺を休ませてくれたのは分かった。
ほんま、情けない。一回り年下の女子に気を使われるなんて。
ごくり、と唾を飲み込む。喉は乾ききり、唇も乾燥していた。
舌で唇を舐め、ハンドルに額を押し付けると、ため息をつく。
――どういうこっちゃ。
混乱しとる。礼奈に混乱させられているだけやない、自分にも、混乱させられている。
大切な子。大切にしたい子。幸せになって欲しい子。
目を閉じれば、その赤ん坊のときの姿すら思い浮かべられる女の子。礼奈が産まれたばかりのとき、俺はちょうど春休みで、生後一週間かそこらの礼奈を抱いた。ふにゃふにゃで、ずっしりしていて、壊すのが怖くて、あたたかくて、柔らかくて――
まるで幸せの塊を、抱きしめているような気がした。
この子を一生守ってあげたいと、本能的に思った。
ぐ、と喉が鳴る。一生。それは、従兄妹としての感情だったはずだ。
礼奈は、そうやないんか? 俺のことを、ただの従兄だと思ってへんのか?
やっぱり、からかっているだけなのかもしれん。それか、勘違いしとるだけかも――
コンコン、ドアをノックする音がした。運転席側に回り込んだ礼奈が、コーヒーのカップを一つ差し出す。
「はい。今日はお疲れさま」
日が陰り、色の変わってきた空が、礼奈の後ろに広がっている。微笑むその姿の向こうに、薄桃色の雲が羽根のように生えている。
――ホンモノの天使みたいに。
俺はコーヒーを受け取ると目を逸らした。
礼奈が助手席に回り込み、席に座る。
互いに黙ってコーヒーをすする。
「……礼奈」
俺が呼びかけると、礼奈は「はい」と返事をした。俺の方に向き直り、じっと、揺るがない視線で、俺を見つめる。
「……さっきみたいなこと、男の前で言うもんやないで」
乾いた声で、俺は言った。
まだ、分からない。
本当に――礼奈は、
「……栄太兄が欲しい、って?」
礼奈が目をあげる。
俺の心臓がまた高鳴った。
「だ、だから、そういうのは」
「誰にでも言う訳じゃないよ。栄太兄だから言ったんだよ」
俺に話す隙を与えまいとでもするように、礼奈は早口で言った。
「栄太兄が好きだから、栄太兄が欲しいって言ったんだよ。栄太兄の傍にいたいから、栄太兄が欲しいの。他の人に言わないよ。言う訳ないじゃん」
好きだから。
傍にいたいから。
まっすぐな言葉の一つ一つが、胸をえぐるように叩きつけてくる。
苛立ち、焦燥、切なさ――
礼奈の表情に圧倒されて、俺は身動きが取れない。
息すら、できない。
礼奈の目から、ほろり、と涙が溢れた。
「もう、やだ。栄太兄の馬鹿。知らない。嫌い」
ぐすぐすと泣きながら、礼奈が言う。
「大好き。もう、やだ。栄太兄がいい」
矛盾した言葉。飾らない本音。
今まで、押さえつけていた感情――
痛い――と、思ったら、胸の中で、心臓がばくばく暴れとるのに気づいた。
「ふぇーん、栄太兄の馬鹿ぁ」
「れ、礼奈……」
本格的に泣き始めた礼奈に、俺はうろたえた。
「礼奈。落ち着けって……礼奈」
俺はコーヒーをドリンクホルダーに置いて、ハンカチを差し出す。
あかん、どうしたらええんやろ? 泣き止んでほしい。泣かないでほしい。礼奈。礼奈――
あわあわしながら、頭を撫でる。礼奈はおとなしく撫でられている。
「礼奈」
俺は礼奈が片手に持ったコーヒーをそっと取り上げ、ドリンクホルダーに並べる。礼奈は両手で顔を覆って、「嫌い、栄太兄。嫌い」と繰り返す。
俺は困り果てて、ただゆっくりとその頭を撫でる。
どうしようもなくて、どうにかしたくて、両手で礼奈の頭を包み込んだ。礼奈が自然な動きで、俺の肩に顔を寄せる。
どきん、とまた、心臓が高鳴った。
礼奈の頭を抱きとめ、ぎこちなく髪を撫でる。震える肩。華奢な背中。細いうなじ。
ああ、そうか。
礼奈は本当に、俺のことが――
戸惑いと、緊張で、俺の手は震えていた。
「……ごめん」
しばらく泣いた後、礼奈はそっと俺から離れた。
顔を見せないよう、うつむいたまま。
「びっくりしたよね。ごめん。驚かせるって、分かってたんだけど……」
礼奈は自嘲気味に笑う。俺の胸の内が騒ぐ。
俺は。俺は、礼奈の想いに、どう応えればいいんやろ。
大人として、従兄として、諭すべきか。
それはきっと、ただの憧れやと。
これから先、礼奈には、色んな出会いがあるはずや。価値観の変化も、発見もあるやろう。
そのとき、俺が彼女に必要とされるかどうかは分からへん。
言葉を発しかけて、やめる。
断るべきや。
大人の俺がそう囁く。
大切な従妹。かわいい従妹。幸せになってほしい女の子。幸せになるべき女の子。
この子にはもっと――俺よりも、見合う男がいるはず――
脳裏をよぎる。
見知らぬ男に肩を抱かれた礼奈の姿。
感じるのは――焦燥。
何や、くそ。何なんや。
俺は――俺は、
乾ききった喉に、唾を飲み込んだ。
「――礼奈」
びくりと礼奈が身体を震わせる。
俺は言葉を探しながら、ゆっくりと口を開く。
「……お前はまだ、若い」
心臓が、ざわざわと波打っている。息が苦しい。
逃げだと思われるやろうか。ズルいのかも知れん。
それでも、今の俺には、この答えしか浮かばん。
礼奈の気持ちにも、俺の気持ちにも、偽らない答え――
礼奈がじっと、俺の言葉を待ってはる。
「経験も……人とのつき合いも、まだまだ少ない。これから、きっと、たくさんの出会いがあって、たくさんの出来事があるはずや。大学入って、新しい出会いと、新しい経験をたくさんして、それでも――」
俺は息を吸って、一度吐き出す。
そして、もう一度礼奈を見つめた。
「それでも、俺がええと思うんなら――もう一度、ちゃんと話をしよう」
そうや――手放せへん。――俺はまだ、
「二年後――二十歳の誕生日の、予定を空けとく」
この子の将来を、他の男に渡したくない――
言った俺に、礼奈の目は段々と輝きを取り戻した。
「そ、それって、そ、そこまで、栄太兄のこと、好きだったら、その――」
慌てふためく従妹に、俺も思わず動揺する。
「で、でもな。それまでに、その、いろいろ、経験しとけ。やりたいこととか、そ、そうや。男とつき合ってみたりとかも、した方がええ。それで、そいつと気が合ったら、それはその方が――」
「ないよ」
礼奈は俺の言葉を遮って、はっきりと言った。俺は息を飲む。
「ないよ。――栄太兄のこと、好きじゃなくなるなんてこと、絶対ない」
強い意思。
小さいその身体の、どこに――
俺は苦笑した。
何やろ――泣きそうや。
「……参ったわ、ほんま」
心底困ったような声が出る。礼奈は満足げな笑い声をあげると、「ありがと、栄太兄」と抱き着いてきた。
「うわ、ちょ、待て、礼奈」
「いいの。これは妹分として抱き着いてるの」
「な、何やそれ。調子いいこと言うな」
上ずった声でツッコミを入れたが、礼奈は楽し気に笑うばかりで、離れる気配はない。
そのぬくもりが愛しくて、楽しげな笑い声が幸せすぎて。
その後、政人たちと合流して食べた夕飯のことは、全然、まったく、覚えてないのに、俺の身体に回された、華奢で柔らかな感触は、ずっと記憶に残り続けていた。
『――栄太兄。好きだよ』
その夜、夢の中で微笑んだ礼奈が、一糸まとわぬ姿で俺を翻弄したことは、ここだけの秘密にしておいてほしい。
ときどき、礼奈が話しかけてきた気がするけど、よう覚えてない。とにかく、ちゃんと運転せなあかん、てことと、自分がどうしてここまで動揺してるのか、考えるのに必死やった。
妹みたいなもんやと思てた。ずっとずっと、礼奈も俺を兄みたいに見てるんやと思てた。
それが――違う?
ガラガラと覆される前提条件に、足場がぐらついている。
「――栄太兄」
不意に話しかけられて、俺はびくりと身体を震わせた。
「な、なんや?」
若干声が裏返ったが、礼奈は笑うこともない。
「コンビニ、寄ってもらってもいい? 買いたいものがあるの。どこでもいいから」
「わ、分かった」
俺はこくこく頷いて、コンビニの駐車場に車を滑り込ませた。
礼奈がシートベルトを外す音がして、ドアが開く。
「ありがとう。待ってて」
頷いて返すと、礼奈は髪をたなびかせ、コンビニへと向かって行った。
キラキラ、している。その後ろ姿が。残した笑顔が。
俺は息を全部吐き出して、ハンドルに寄りかかるようにうなだれる。
礼奈が気遣って、俺を休ませてくれたのは分かった。
ほんま、情けない。一回り年下の女子に気を使われるなんて。
ごくり、と唾を飲み込む。喉は乾ききり、唇も乾燥していた。
舌で唇を舐め、ハンドルに額を押し付けると、ため息をつく。
――どういうこっちゃ。
混乱しとる。礼奈に混乱させられているだけやない、自分にも、混乱させられている。
大切な子。大切にしたい子。幸せになって欲しい子。
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まるで幸せの塊を、抱きしめているような気がした。
この子を一生守ってあげたいと、本能的に思った。
ぐ、と喉が鳴る。一生。それは、従兄妹としての感情だったはずだ。
礼奈は、そうやないんか? 俺のことを、ただの従兄だと思ってへんのか?
やっぱり、からかっているだけなのかもしれん。それか、勘違いしとるだけかも――
コンコン、ドアをノックする音がした。運転席側に回り込んだ礼奈が、コーヒーのカップを一つ差し出す。
「はい。今日はお疲れさま」
日が陰り、色の変わってきた空が、礼奈の後ろに広がっている。微笑むその姿の向こうに、薄桃色の雲が羽根のように生えている。
――ホンモノの天使みたいに。
俺はコーヒーを受け取ると目を逸らした。
礼奈が助手席に回り込み、席に座る。
互いに黙ってコーヒーをすする。
「……礼奈」
俺が呼びかけると、礼奈は「はい」と返事をした。俺の方に向き直り、じっと、揺るがない視線で、俺を見つめる。
「……さっきみたいなこと、男の前で言うもんやないで」
乾いた声で、俺は言った。
まだ、分からない。
本当に――礼奈は、
「……栄太兄が欲しい、って?」
礼奈が目をあげる。
俺の心臓がまた高鳴った。
「だ、だから、そういうのは」
「誰にでも言う訳じゃないよ。栄太兄だから言ったんだよ」
俺に話す隙を与えまいとでもするように、礼奈は早口で言った。
「栄太兄が好きだから、栄太兄が欲しいって言ったんだよ。栄太兄の傍にいたいから、栄太兄が欲しいの。他の人に言わないよ。言う訳ないじゃん」
好きだから。
傍にいたいから。
まっすぐな言葉の一つ一つが、胸をえぐるように叩きつけてくる。
苛立ち、焦燥、切なさ――
礼奈の表情に圧倒されて、俺は身動きが取れない。
息すら、できない。
礼奈の目から、ほろり、と涙が溢れた。
「もう、やだ。栄太兄の馬鹿。知らない。嫌い」
ぐすぐすと泣きながら、礼奈が言う。
「大好き。もう、やだ。栄太兄がいい」
矛盾した言葉。飾らない本音。
今まで、押さえつけていた感情――
痛い――と、思ったら、胸の中で、心臓がばくばく暴れとるのに気づいた。
「ふぇーん、栄太兄の馬鹿ぁ」
「れ、礼奈……」
本格的に泣き始めた礼奈に、俺はうろたえた。
「礼奈。落ち着けって……礼奈」
俺はコーヒーをドリンクホルダーに置いて、ハンカチを差し出す。
あかん、どうしたらええんやろ? 泣き止んでほしい。泣かないでほしい。礼奈。礼奈――
あわあわしながら、頭を撫でる。礼奈はおとなしく撫でられている。
「礼奈」
俺は礼奈が片手に持ったコーヒーをそっと取り上げ、ドリンクホルダーに並べる。礼奈は両手で顔を覆って、「嫌い、栄太兄。嫌い」と繰り返す。
俺は困り果てて、ただゆっくりとその頭を撫でる。
どうしようもなくて、どうにかしたくて、両手で礼奈の頭を包み込んだ。礼奈が自然な動きで、俺の肩に顔を寄せる。
どきん、とまた、心臓が高鳴った。
礼奈の頭を抱きとめ、ぎこちなく髪を撫でる。震える肩。華奢な背中。細いうなじ。
ああ、そうか。
礼奈は本当に、俺のことが――
戸惑いと、緊張で、俺の手は震えていた。
「……ごめん」
しばらく泣いた後、礼奈はそっと俺から離れた。
顔を見せないよう、うつむいたまま。
「びっくりしたよね。ごめん。驚かせるって、分かってたんだけど……」
礼奈は自嘲気味に笑う。俺の胸の内が騒ぐ。
俺は。俺は、礼奈の想いに、どう応えればいいんやろ。
大人として、従兄として、諭すべきか。
それはきっと、ただの憧れやと。
これから先、礼奈には、色んな出会いがあるはずや。価値観の変化も、発見もあるやろう。
そのとき、俺が彼女に必要とされるかどうかは分からへん。
言葉を発しかけて、やめる。
断るべきや。
大人の俺がそう囁く。
大切な従妹。かわいい従妹。幸せになってほしい女の子。幸せになるべき女の子。
この子にはもっと――俺よりも、見合う男がいるはず――
脳裏をよぎる。
見知らぬ男に肩を抱かれた礼奈の姿。
感じるのは――焦燥。
何や、くそ。何なんや。
俺は――俺は、
乾ききった喉に、唾を飲み込んだ。
「――礼奈」
びくりと礼奈が身体を震わせる。
俺は言葉を探しながら、ゆっくりと口を開く。
「……お前はまだ、若い」
心臓が、ざわざわと波打っている。息が苦しい。
逃げだと思われるやろうか。ズルいのかも知れん。
それでも、今の俺には、この答えしか浮かばん。
礼奈の気持ちにも、俺の気持ちにも、偽らない答え――
礼奈がじっと、俺の言葉を待ってはる。
「経験も……人とのつき合いも、まだまだ少ない。これから、きっと、たくさんの出会いがあって、たくさんの出来事があるはずや。大学入って、新しい出会いと、新しい経験をたくさんして、それでも――」
俺は息を吸って、一度吐き出す。
そして、もう一度礼奈を見つめた。
「それでも、俺がええと思うんなら――もう一度、ちゃんと話をしよう」
そうや――手放せへん。――俺はまだ、
「二年後――二十歳の誕生日の、予定を空けとく」
この子の将来を、他の男に渡したくない――
言った俺に、礼奈の目は段々と輝きを取り戻した。
「そ、それって、そ、そこまで、栄太兄のこと、好きだったら、その――」
慌てふためく従妹に、俺も思わず動揺する。
「で、でもな。それまでに、その、いろいろ、経験しとけ。やりたいこととか、そ、そうや。男とつき合ってみたりとかも、した方がええ。それで、そいつと気が合ったら、それはその方が――」
「ないよ」
礼奈は俺の言葉を遮って、はっきりと言った。俺は息を飲む。
「ないよ。――栄太兄のこと、好きじゃなくなるなんてこと、絶対ない」
強い意思。
小さいその身体の、どこに――
俺は苦笑した。
何やろ――泣きそうや。
「……参ったわ、ほんま」
心底困ったような声が出る。礼奈は満足げな笑い声をあげると、「ありがと、栄太兄」と抱き着いてきた。
「うわ、ちょ、待て、礼奈」
「いいの。これは妹分として抱き着いてるの」
「な、何やそれ。調子いいこと言うな」
上ずった声でツッコミを入れたが、礼奈は楽し気に笑うばかりで、離れる気配はない。
そのぬくもりが愛しくて、楽しげな笑い声が幸せすぎて。
その後、政人たちと合流して食べた夕飯のことは、全然、まったく、覚えてないのに、俺の身体に回された、華奢で柔らかな感触は、ずっと記憶に残り続けていた。
『――栄太兄。好きだよ』
その夜、夢の中で微笑んだ礼奈が、一糸まとわぬ姿で俺を翻弄したことは、ここだけの秘密にしておいてほしい。
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