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本編
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「サヤ、どうした?」
「え、な、なんだろ」
翔の困惑した声に、紗也加はどうにか笑って答えようとした。
「変なの、なんか、急に……」
(馬鹿みたい)
何度となく自分を罵った言葉が、また脳裏をよぎる。
報われない恋。
永遠の片想い。
近づくことの許されない人。
映画や漫画や小説で、そんなフレーズに共感しては涙してきた日々。
進むことも、戻ることもできず、ただ見守り続けて、それでも、いつか、
(しょーくんも、誰かを見つけるかもしれない)
大切な人の元に向かう兄の背中を思い出す。
もう、二人で買い物に行くこともないかもしれない。そう言った優しい微笑みを思い出す。
翔にとって紗也加が妹だというのなら、それは当然、ありえる将来だった。
頭では分かっていたはずのことを、急に心が理解した。ただそれだけのことだ。
紗也加は鞄からハンカチを取り出し、頬を拭う。
その拍子に、化粧ポーチについたマカロンケースがひょこりと顔を出した。
「……それに、入ってるんだって?」
一歩分の距離を置いて紗也加の前に立った翔は、キーホルダーを示して言う。
紗也加はぎくりと肩を震わせた。
「……なんの、こと」
翔が頬をかく。
「……俺のボタン」
言って、自分の胸をトンと示した。
「俺の、第2ボタン」
紗也加の顔が、一気に熱を帯びる。
「っ、ち、ちが、そんなことーー」
「じゃ、見せてよ」
センチメンタルな涙も忘れて、慌ててそれをしまい込む紗也加に、翔は手を差し出した。
「違うっていうなら、見せてよ」
紗也加の胸がずきりと痛む。
紗也加は覚えているのだ。
あのとき、翔は言った。
「預かってて」と。
不安が胸を掻き回す。鞄ごと胸に抱え込み、首を振る。
「やだ」
「なんで」
「やだもん」
情けなさと幼稚さに、また泣きそうになった。
ムキになる紗也加に、翔もムキになってくる。
「見せろよ」
「やだって」
「サーヤ」
鞄をかかえた紗也加は背中を向けた。翔がその肩に手を置く。鞄の中に手を伸ばす。紗也加が手でそれを払う。
「やめてよ」
「なんで」
翔は面白がっている。必死でその手を払っていたら、傾いた鞄から化粧ポーチが落ちた。「あっ」と動揺する紗也加よりも早く、翔がそれを拾い上げ、笑う。
「やっり。御開帳」
「や、やだ」
翔は紗也加の手が届かないよう、高い位置でマカロンケースのチャックを開ける。必死で手を伸ばす紗也加は、翔の腕を下ろさせようと肘に手をかけ引っ張ったが、びくともしない。
いつもなら惚れ直しそうな力強い腕に、ときめきよりも苛立ちの方が強い。紗也加はつい、口走った。
「返さないから!」
「は?」
ころん、と開いたマカロンからボタンが転がり落ちる。
翔は慌ててそれをキャッチし、肘にすがりつく紗也加を見下ろした。
「今、なんつった?」
紗也加は気まずさに目を反らす。
自分の馬鹿さに泣きたくなった。いや、半ば目が潤んでいた。
「……覚えてない」
翔はふぅんと言いながら、化粧ポーチを紗也加に返した。校章の入ったボタンを懐かしそうにつまみ、日の下にかざす。
「よくもまあ、今までなくさず持ってたもんだ」
紗也加はいたたまれなくなって、開いたままだったマカロンケースのチャックを閉め始めた。中に何も入れないまましまっていくそれに、またぎゅっと胸が締め付けられる。
「はい」
「え?」
「しまうんだろ」
翔からボタンを差し出され、紗也加はマカロンケースとボタン、翔の顔を見比べた。翔が笑う。
「こんなん、いまさら返されたって何にもなんねーよ。要るならやる」
紗也加はほっとしたような、悔しいような、不思議な気持ちでボタンを受け取り、マカロンケースの中に押し込んだ。
チャックを閉め、化粧ポーチごと鞄にしまう。
いつも通りの場所に、いつも通りのものが収まった。
そのことにほっとしたとき、翔の指が紗也加の髪を撫でた。
不意打ちの触れ合いに、紗也加の身体が強張る。
翔は穏やかな口調で言った。
「……ラブ、まだ歩けるよ」
「よかったね」
「でも、昔みたいに元気じゃない」
「……そうだね」
髪をもてあそぶ翔の指先は、触れていないはずの紗也加の首筋を熱くしていく。
翔の視線を受けて、耳が赤くなる。
翔の動きのいちいちに反応する、自分の身体が憎らしい。
「昔は、しっぽも元気よくてさ」
「……うん」
「寝てたら、しっぽでベシベシ叩いて、起こして来んの」
紗也加は笑った。それを見て、翔もほっとしたように笑う。
「サヤの髪アタックに似てた」
紗也加は目を丸くした。
部活の帰路。自転車に跨がって兄を待っていた翔。声をかけられて振り向いたとき、ぶつかった髪。
『慣れてる』
笑ってそう言った、優しい目。
考えてみればあのとき、紗也加は恋に落ちた。
そうと自覚しないまま。
「最初は、サヤの髪見てラブ思い出してたんだけど。気づいたら、ラブを撫でながらサヤを思い出してた」
翔は言って、笑った。
どこか自嘲じみた気配が不思議で、紗也加は翔を見上げる。
「妹がいたらこんな感じかなって。健次も弟みたいに懐いてくれたし。きょうだい欲しかったから、嬉しくて」
翔は紗也加の髪から手を離し、ポケットに突っ込んで肩をすくめた。
「よく、わかんなくて。好きとか、女とつき合うのとか……面倒だったし。優一と遊んでる方が楽しかったし。でもサヤといると嬉しくて、ついつい甘えてるって、気づいてたんだけど……妹みたいだから、やっぱりよくわかんなくて」
翔の定まらない視線は紗也加を通過し、駅へと向く。優一が去った方へと。
「……優一に言われたよ。『紗也加は俺の妹であって、お前の妹ではないぞ』って。ったりめーだろ、って思ったけど……」
翔はため息をついて、困りきったように頭をかいた。
切れ長の目が気弱な色を帯びて紗也加を見つめる。
まるで許しを請うような表情に、紗也加は困惑する。
「……俺の言いたいこと、伝わってる?」
紗也加は思わず笑った。
遠慮なく、首を横に振ってやる。
「ぜんっぜん、伝わってない」
言いながらも、頬は緩み、目がきらきらしてくる。
(だから……つまり?)
その先の言葉を期待するのは、永年想い続けてきた紗也加にとってわがままでもなんでもないはずだ。
ずっと抑えつづけてきたこの想いが、報われるのか。
翔本人の口から、聞きたい。
翔は諦めたように、そしてやはり困りきったように、ため息をついた。
顔を反らし、目を隠すように片手で額をおさえ、か細い声で、呟く。
その頬が赤いのは、寒さのせいだけではないだろう。
「……好きだよ」
紗也加は身体に電流が走ったような痺れを感じた。
胸の内側で何かが渦巻く。到底内側におさめておけないほどの想いが身体を駆け巡る。叫びたいほどの衝動を、息を吸い込んでどうにか制する。
反応を探るような視線を向けてきた翔の首もとに、思い切り抱き着いた。
あたしも、好き。
そう言いたかったのに、言葉は口から出てこなかった。
代わりに出てきたのは涙だ。
首に抱き着いたまま泣きじゃくる紗也加の背を、翔は困惑したまま、不器用な手つきで撫でた。
「え、な、なんだろ」
翔の困惑した声に、紗也加はどうにか笑って答えようとした。
「変なの、なんか、急に……」
(馬鹿みたい)
何度となく自分を罵った言葉が、また脳裏をよぎる。
報われない恋。
永遠の片想い。
近づくことの許されない人。
映画や漫画や小説で、そんなフレーズに共感しては涙してきた日々。
進むことも、戻ることもできず、ただ見守り続けて、それでも、いつか、
(しょーくんも、誰かを見つけるかもしれない)
大切な人の元に向かう兄の背中を思い出す。
もう、二人で買い物に行くこともないかもしれない。そう言った優しい微笑みを思い出す。
翔にとって紗也加が妹だというのなら、それは当然、ありえる将来だった。
頭では分かっていたはずのことを、急に心が理解した。ただそれだけのことだ。
紗也加は鞄からハンカチを取り出し、頬を拭う。
その拍子に、化粧ポーチについたマカロンケースがひょこりと顔を出した。
「……それに、入ってるんだって?」
一歩分の距離を置いて紗也加の前に立った翔は、キーホルダーを示して言う。
紗也加はぎくりと肩を震わせた。
「……なんの、こと」
翔が頬をかく。
「……俺のボタン」
言って、自分の胸をトンと示した。
「俺の、第2ボタン」
紗也加の顔が、一気に熱を帯びる。
「っ、ち、ちが、そんなことーー」
「じゃ、見せてよ」
センチメンタルな涙も忘れて、慌ててそれをしまい込む紗也加に、翔は手を差し出した。
「違うっていうなら、見せてよ」
紗也加の胸がずきりと痛む。
紗也加は覚えているのだ。
あのとき、翔は言った。
「預かってて」と。
不安が胸を掻き回す。鞄ごと胸に抱え込み、首を振る。
「やだ」
「なんで」
「やだもん」
情けなさと幼稚さに、また泣きそうになった。
ムキになる紗也加に、翔もムキになってくる。
「見せろよ」
「やだって」
「サーヤ」
鞄をかかえた紗也加は背中を向けた。翔がその肩に手を置く。鞄の中に手を伸ばす。紗也加が手でそれを払う。
「やめてよ」
「なんで」
翔は面白がっている。必死でその手を払っていたら、傾いた鞄から化粧ポーチが落ちた。「あっ」と動揺する紗也加よりも早く、翔がそれを拾い上げ、笑う。
「やっり。御開帳」
「や、やだ」
翔は紗也加の手が届かないよう、高い位置でマカロンケースのチャックを開ける。必死で手を伸ばす紗也加は、翔の腕を下ろさせようと肘に手をかけ引っ張ったが、びくともしない。
いつもなら惚れ直しそうな力強い腕に、ときめきよりも苛立ちの方が強い。紗也加はつい、口走った。
「返さないから!」
「は?」
ころん、と開いたマカロンからボタンが転がり落ちる。
翔は慌ててそれをキャッチし、肘にすがりつく紗也加を見下ろした。
「今、なんつった?」
紗也加は気まずさに目を反らす。
自分の馬鹿さに泣きたくなった。いや、半ば目が潤んでいた。
「……覚えてない」
翔はふぅんと言いながら、化粧ポーチを紗也加に返した。校章の入ったボタンを懐かしそうにつまみ、日の下にかざす。
「よくもまあ、今までなくさず持ってたもんだ」
紗也加はいたたまれなくなって、開いたままだったマカロンケースのチャックを閉め始めた。中に何も入れないまましまっていくそれに、またぎゅっと胸が締め付けられる。
「はい」
「え?」
「しまうんだろ」
翔からボタンを差し出され、紗也加はマカロンケースとボタン、翔の顔を見比べた。翔が笑う。
「こんなん、いまさら返されたって何にもなんねーよ。要るならやる」
紗也加はほっとしたような、悔しいような、不思議な気持ちでボタンを受け取り、マカロンケースの中に押し込んだ。
チャックを閉め、化粧ポーチごと鞄にしまう。
いつも通りの場所に、いつも通りのものが収まった。
そのことにほっとしたとき、翔の指が紗也加の髪を撫でた。
不意打ちの触れ合いに、紗也加の身体が強張る。
翔は穏やかな口調で言った。
「……ラブ、まだ歩けるよ」
「よかったね」
「でも、昔みたいに元気じゃない」
「……そうだね」
髪をもてあそぶ翔の指先は、触れていないはずの紗也加の首筋を熱くしていく。
翔の視線を受けて、耳が赤くなる。
翔の動きのいちいちに反応する、自分の身体が憎らしい。
「昔は、しっぽも元気よくてさ」
「……うん」
「寝てたら、しっぽでベシベシ叩いて、起こして来んの」
紗也加は笑った。それを見て、翔もほっとしたように笑う。
「サヤの髪アタックに似てた」
紗也加は目を丸くした。
部活の帰路。自転車に跨がって兄を待っていた翔。声をかけられて振り向いたとき、ぶつかった髪。
『慣れてる』
笑ってそう言った、優しい目。
考えてみればあのとき、紗也加は恋に落ちた。
そうと自覚しないまま。
「最初は、サヤの髪見てラブ思い出してたんだけど。気づいたら、ラブを撫でながらサヤを思い出してた」
翔は言って、笑った。
どこか自嘲じみた気配が不思議で、紗也加は翔を見上げる。
「妹がいたらこんな感じかなって。健次も弟みたいに懐いてくれたし。きょうだい欲しかったから、嬉しくて」
翔は紗也加の髪から手を離し、ポケットに突っ込んで肩をすくめた。
「よく、わかんなくて。好きとか、女とつき合うのとか……面倒だったし。優一と遊んでる方が楽しかったし。でもサヤといると嬉しくて、ついつい甘えてるって、気づいてたんだけど……妹みたいだから、やっぱりよくわかんなくて」
翔の定まらない視線は紗也加を通過し、駅へと向く。優一が去った方へと。
「……優一に言われたよ。『紗也加は俺の妹であって、お前の妹ではないぞ』って。ったりめーだろ、って思ったけど……」
翔はため息をついて、困りきったように頭をかいた。
切れ長の目が気弱な色を帯びて紗也加を見つめる。
まるで許しを請うような表情に、紗也加は困惑する。
「……俺の言いたいこと、伝わってる?」
紗也加は思わず笑った。
遠慮なく、首を横に振ってやる。
「ぜんっぜん、伝わってない」
言いながらも、頬は緩み、目がきらきらしてくる。
(だから……つまり?)
その先の言葉を期待するのは、永年想い続けてきた紗也加にとってわがままでもなんでもないはずだ。
ずっと抑えつづけてきたこの想いが、報われるのか。
翔本人の口から、聞きたい。
翔は諦めたように、そしてやはり困りきったように、ため息をついた。
顔を反らし、目を隠すように片手で額をおさえ、か細い声で、呟く。
その頬が赤いのは、寒さのせいだけではないだろう。
「……好きだよ」
紗也加は身体に電流が走ったような痺れを感じた。
胸の内側で何かが渦巻く。到底内側におさめておけないほどの想いが身体を駆け巡る。叫びたいほどの衝動を、息を吸い込んでどうにか制する。
反応を探るような視線を向けてきた翔の首もとに、思い切り抱き着いた。
あたしも、好き。
そう言いたかったのに、言葉は口から出てこなかった。
代わりに出てきたのは涙だ。
首に抱き着いたまま泣きじゃくる紗也加の背を、翔は困惑したまま、不器用な手つきで撫でた。
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