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本編
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(……馬鹿じゃないの)
翌日の午後。
都内の新幹線ホームにて。
名古屋行きの新幹線を待ちながら、紗也加は単純過ぎる自分に腹立たしさすら感じていた。
その一方で、この期に及んでもなお、翔に必要とされて嬉しいと思ってしまう辺り、重症である。
ーーそれすらも今さらではあったが。
紗也加は深々と、息を吐き出した。
名古屋駅に着いた紗也加は、駅直結の百貨店に立ち寄った。
やはり勤めている場所が場所なので、ついつい足が向く。
店内はすっかりバレンタインデー一色だ。
そういえばそんな時期だと気づく。
紗也加が勤めている店の様相も、もちろんバレンタインデー仕様になっている。しかし、あくまで仕事の話であって、実生活に重ねて考えるのを忘れていたのだ。
何を買うつもりもなく、店を歩いていく。
バレンタインデーといえば、ひと昔前まではある程度決まりきった品物を渡すイベントだったが、ここ最近は様々なものが、様々な包みで着飾っている。
菓子だけをとっても、定番のチョコレート、色鮮やかなマカロン、ケーキにクッキー……いずれも繊細なデコレーションのものから、義理チョコ用の手軽なものまで。
華々しく飾られた品々が、紗也加の目を喜ばせる。
ふと見ると、いろいろなものを象ったチョコレートが並んでいる店があった。
熊や猫、恐竜、車……
(車、いいかも)
思って近づいたとき、犬を象ったチョコレートが2つ寄り添っているのが目に入った。
(……可愛い)
犬の種類には詳しくないが、翔の愛犬、ゴールデンレトリーバーと言われれば、そんな風にも見える。
「……これ、ください」
まんまと世間の空気に乗せられていると気づきながら、紗也加は店員に声をかけた。
* * *
仕事が終わるや合流した翔は、呆れるよりも驚いていた。
名古屋駅の混み合いは国内の主要駅でもかなりのものだ。翔も紗也加も雑踏の一部に過ぎない。誰も自分たちのことを気にしてなどいないということが、少しありがたく思えた。
「ほんとに来たの」
翔は紗也加を目にして言うや、くしゃりと破顔した。
職場では作業着だからと恰好もカジュアルだ。
声をあげて笑いはじめた翔に、紗也加はそれまであれこれ考えていた言い訳をすっかり忘れてしまった。
ーー大学時代の友達に会いに。
ーーたまには旅行したくなって。
ーー名古屋の百貨店を視察に。
言い訳にしても、くだらないといえばくだらない理由ばかりだが、代わりに口から出たのは情けない声だった。
「そんな、笑わなくても……」
もごもごと口の中で言う紗也加に、翔は「ああ、ごめん」と謝る。だが、その顔からは笑顔が抜け切らない。
紗也加は黙った。
笑うにしても、馬鹿にされるのだろうと予想していたのだが、翔の笑顔はその手のものではなかった。
まるで本当に喜びを感じているような。
自然と顔がほころんでいるかのような。
そんな様子に、紗也加は戸惑う。
そして期待をしてしまう自分に、落ち着けと言い聞かせる。
(……なんで、そんなにご機嫌?)
思っていると、不意に髪を掬われた。
ハーフアップにしていた髪に、翔が頬を擦り寄せる。
「ちょ、ちょっと」
公衆の面前でと嫌がるポーズを取る紗也加に、翔はけらけら笑った。
「これこれ。はー。癒される」
(結局、あたしはラブの代わりか)
分かっていたはずのことに改めて気づく。
無駄なこととわかっていながら翔を睨みつけた。
案の定、翔はそれを気にする風もない。
「夕飯、これからだろ?」
紗也加の睨みを無視して、翔は不思議なほど機嫌よく、スマホを取り出して調べ出した。
「仕事しに来ることしか考えてなかったから、店とか全然分かんねぇや。何か食いたいもんとかある? 酒はそんなに飲まないだろ」
「う、うん……」
翔は少しの間、スマホをタップして店を見繕っているようだったが、首を傾げて苦笑した。
「やっぱよくわかんねぇ。適当に入るか」
「……うん」
紗也加は戸惑いつつも、翔の背中に従った。
駅近隣の店を見比べ、紗也加が選んだのは味噌カツの店だった。
せっかく名古屋に来たのだから、名古屋飯くらい食べて帰りたいところだ。
甘辛い味噌のついたカツを口に運ぶ。
もぐもぐと口を動かす紗也加を見ているのかいないのか、翔も遠慮なく定食を口に運んでいた。
「連休、何日あるの」
「今日二日目で、五日間」
翔はまばたきをして、指折り数えた。
「……しあさってまでか」
紗也加は頷き、ご飯を口に入れる。
おかずの味が濃いので白飯が進む。すっかり美味しさに舌鼓を打っていたとき、翔が呟いた。
「じゃ、とりあえず金曜までサヤで補給して」
「ごふっ」
思わず何粒かご飯粒を噴き出した紗也加に、翔が「汚ねッ」とわざとらしく引いて見せる。紗也加は口の中のものをお茶で流し込むと、咳払いして喉の調子を整えた。
「ちょ、ちょっと。何、勝手に言ってるの」
「だって。一昨日の月曜に来て、今日水曜だろ。金曜の朝まで補給できれば、土日は一度帰って」
「だから、ま、待ってよ。何で私、二泊することになってんの」
「え?」
翔はまばたきをしたが、その目はいたずらっぽい笑みを含んでいる。
「じゃ、今日帰んの? 俺と夕飯食べるためだけに来たってこと?」
「ぐっ」
紗也加は喉の奥を鳴らした。実のところ、宿泊先はまだ決めていない。
いざとなればネットカフェでもカラオケでもーーと気軽に出てきてしまったのだ。
「そ、……んなわけ……ないでしょ……」
「ふーん。ホテル、どこ泊まんの」
紗也加はまた喉の奥を鳴らす。嘘は許さないと言うような翔の視線に、渋々決めていないことを告げると、呆れたような半眼が返ってきた。
「どーせ、またネカフェでもカラオケでもいいやとか思ってたろ」
「……」
「これだから遊び人は……」
「……」
「危なっかしいったらないな」
紗也加は黙って食事を続けるが、翔はこれ見よがしにため息をつく。次いで急に腰を上げ、席を離れた。
「ちょっと待ってて」
「……うん」
置いて行かれて、困惑しながら、紗也加は一人で定食をつつく。
店の外で、翔が電話しているのが見えた。
(……何だろう)
美味しいと思っていた食事が、急に味気なく感じる。
翔の食べかけの定食を見て、どことなくもやっとした。
食べてもらえるのかと思いきや、置いてけぼりの夕飯たち。
外の翔と見比べてから、まだ手をつけていない味噌カツの切れ端に箸を伸ばす。
「こら、食いしん坊。俺のを取るな」
「いてっ」
頭に優しい手刀を受けて、紗也加はいつの間にか戻ってきた翔を見上げる。
翔はため息をつきながらもとの席に腰掛けた。
「俺と同じホテルとったから」
「へっ?」
「二泊。それでいいだろ?」
そんなにいいホテルじゃないけど、と翔は言い、また夕飯を口に運び始める。
滞在中は職場近くにホテルを借りているらしい。紗也加は何か、文句らしいことを言わなければと思いつつ、言葉が浮かばず一度口を閉じた。
「……意外と、お節介」
言うに事欠いてそんなことをと、自分の語彙に呆れたとき、
「兄貴みたいなもんだからな」
一瞬目を上げた翔の言葉が、返す刀のように紗也加の心を刺した。
ーーその優しい微笑と共に。
翌日の午後。
都内の新幹線ホームにて。
名古屋行きの新幹線を待ちながら、紗也加は単純過ぎる自分に腹立たしさすら感じていた。
その一方で、この期に及んでもなお、翔に必要とされて嬉しいと思ってしまう辺り、重症である。
ーーそれすらも今さらではあったが。
紗也加は深々と、息を吐き出した。
名古屋駅に着いた紗也加は、駅直結の百貨店に立ち寄った。
やはり勤めている場所が場所なので、ついつい足が向く。
店内はすっかりバレンタインデー一色だ。
そういえばそんな時期だと気づく。
紗也加が勤めている店の様相も、もちろんバレンタインデー仕様になっている。しかし、あくまで仕事の話であって、実生活に重ねて考えるのを忘れていたのだ。
何を買うつもりもなく、店を歩いていく。
バレンタインデーといえば、ひと昔前まではある程度決まりきった品物を渡すイベントだったが、ここ最近は様々なものが、様々な包みで着飾っている。
菓子だけをとっても、定番のチョコレート、色鮮やかなマカロン、ケーキにクッキー……いずれも繊細なデコレーションのものから、義理チョコ用の手軽なものまで。
華々しく飾られた品々が、紗也加の目を喜ばせる。
ふと見ると、いろいろなものを象ったチョコレートが並んでいる店があった。
熊や猫、恐竜、車……
(車、いいかも)
思って近づいたとき、犬を象ったチョコレートが2つ寄り添っているのが目に入った。
(……可愛い)
犬の種類には詳しくないが、翔の愛犬、ゴールデンレトリーバーと言われれば、そんな風にも見える。
「……これ、ください」
まんまと世間の空気に乗せられていると気づきながら、紗也加は店員に声をかけた。
* * *
仕事が終わるや合流した翔は、呆れるよりも驚いていた。
名古屋駅の混み合いは国内の主要駅でもかなりのものだ。翔も紗也加も雑踏の一部に過ぎない。誰も自分たちのことを気にしてなどいないということが、少しありがたく思えた。
「ほんとに来たの」
翔は紗也加を目にして言うや、くしゃりと破顔した。
職場では作業着だからと恰好もカジュアルだ。
声をあげて笑いはじめた翔に、紗也加はそれまであれこれ考えていた言い訳をすっかり忘れてしまった。
ーー大学時代の友達に会いに。
ーーたまには旅行したくなって。
ーー名古屋の百貨店を視察に。
言い訳にしても、くだらないといえばくだらない理由ばかりだが、代わりに口から出たのは情けない声だった。
「そんな、笑わなくても……」
もごもごと口の中で言う紗也加に、翔は「ああ、ごめん」と謝る。だが、その顔からは笑顔が抜け切らない。
紗也加は黙った。
笑うにしても、馬鹿にされるのだろうと予想していたのだが、翔の笑顔はその手のものではなかった。
まるで本当に喜びを感じているような。
自然と顔がほころんでいるかのような。
そんな様子に、紗也加は戸惑う。
そして期待をしてしまう自分に、落ち着けと言い聞かせる。
(……なんで、そんなにご機嫌?)
思っていると、不意に髪を掬われた。
ハーフアップにしていた髪に、翔が頬を擦り寄せる。
「ちょ、ちょっと」
公衆の面前でと嫌がるポーズを取る紗也加に、翔はけらけら笑った。
「これこれ。はー。癒される」
(結局、あたしはラブの代わりか)
分かっていたはずのことに改めて気づく。
無駄なこととわかっていながら翔を睨みつけた。
案の定、翔はそれを気にする風もない。
「夕飯、これからだろ?」
紗也加の睨みを無視して、翔は不思議なほど機嫌よく、スマホを取り出して調べ出した。
「仕事しに来ることしか考えてなかったから、店とか全然分かんねぇや。何か食いたいもんとかある? 酒はそんなに飲まないだろ」
「う、うん……」
翔は少しの間、スマホをタップして店を見繕っているようだったが、首を傾げて苦笑した。
「やっぱよくわかんねぇ。適当に入るか」
「……うん」
紗也加は戸惑いつつも、翔の背中に従った。
駅近隣の店を見比べ、紗也加が選んだのは味噌カツの店だった。
せっかく名古屋に来たのだから、名古屋飯くらい食べて帰りたいところだ。
甘辛い味噌のついたカツを口に運ぶ。
もぐもぐと口を動かす紗也加を見ているのかいないのか、翔も遠慮なく定食を口に運んでいた。
「連休、何日あるの」
「今日二日目で、五日間」
翔はまばたきをして、指折り数えた。
「……しあさってまでか」
紗也加は頷き、ご飯を口に入れる。
おかずの味が濃いので白飯が進む。すっかり美味しさに舌鼓を打っていたとき、翔が呟いた。
「じゃ、とりあえず金曜までサヤで補給して」
「ごふっ」
思わず何粒かご飯粒を噴き出した紗也加に、翔が「汚ねッ」とわざとらしく引いて見せる。紗也加は口の中のものをお茶で流し込むと、咳払いして喉の調子を整えた。
「ちょ、ちょっと。何、勝手に言ってるの」
「だって。一昨日の月曜に来て、今日水曜だろ。金曜の朝まで補給できれば、土日は一度帰って」
「だから、ま、待ってよ。何で私、二泊することになってんの」
「え?」
翔はまばたきをしたが、その目はいたずらっぽい笑みを含んでいる。
「じゃ、今日帰んの? 俺と夕飯食べるためだけに来たってこと?」
「ぐっ」
紗也加は喉の奥を鳴らした。実のところ、宿泊先はまだ決めていない。
いざとなればネットカフェでもカラオケでもーーと気軽に出てきてしまったのだ。
「そ、……んなわけ……ないでしょ……」
「ふーん。ホテル、どこ泊まんの」
紗也加はまた喉の奥を鳴らす。嘘は許さないと言うような翔の視線に、渋々決めていないことを告げると、呆れたような半眼が返ってきた。
「どーせ、またネカフェでもカラオケでもいいやとか思ってたろ」
「……」
「これだから遊び人は……」
「……」
「危なっかしいったらないな」
紗也加は黙って食事を続けるが、翔はこれ見よがしにため息をつく。次いで急に腰を上げ、席を離れた。
「ちょっと待ってて」
「……うん」
置いて行かれて、困惑しながら、紗也加は一人で定食をつつく。
店の外で、翔が電話しているのが見えた。
(……何だろう)
美味しいと思っていた食事が、急に味気なく感じる。
翔の食べかけの定食を見て、どことなくもやっとした。
食べてもらえるのかと思いきや、置いてけぼりの夕飯たち。
外の翔と見比べてから、まだ手をつけていない味噌カツの切れ端に箸を伸ばす。
「こら、食いしん坊。俺のを取るな」
「いてっ」
頭に優しい手刀を受けて、紗也加はいつの間にか戻ってきた翔を見上げる。
翔はため息をつきながらもとの席に腰掛けた。
「俺と同じホテルとったから」
「へっ?」
「二泊。それでいいだろ?」
そんなにいいホテルじゃないけど、と翔は言い、また夕飯を口に運び始める。
滞在中は職場近くにホテルを借りているらしい。紗也加は何か、文句らしいことを言わなければと思いつつ、言葉が浮かばず一度口を閉じた。
「……意外と、お節介」
言うに事欠いてそんなことをと、自分の語彙に呆れたとき、
「兄貴みたいなもんだからな」
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