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本編
08
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「お疲れ。乾杯」
「かんぱーい」
譲一とジョッキを合わせてビールを一口飲むと、紗也加ははぁと息を吐き出した。
「ぷはー。仕事の後のビールはうまい……」
「おっさんみたいなこと言うな」
譲一は目で笑いながらジョッキを傾けた。
二人とも、さして酒が好きな訳ではない。その上、明日もあるので軽く一杯頼んだだけだ。
「もうすっかりベテラン顔だな」
「そうですかねー。まだまだマネには怒られてますけど」
「それも期待されてるってことだろ」
紗也加が取り分けたサラダ差し出すと、譲一は軽くお礼を言って受け取った。
「セールもあったけど、もうだいぶ落ち着いたな」
「そうですねー。あ。忘れてた」
「どうした?」
「すみません、一件忘れないうちに……」
スマホを取り出した紗也加に、譲一はどうぞと応じた。紗也加は届いたメッセージに簡単に返事をし、スマホをしまう。
二日後に迫った合コンの相手、健次の先輩とのやりとりだ。
「失礼しました」
「いえいえ」
譲一は言いながら、取り分けたカルパッチョを紗也加に差し出す。ごく自然なそのふるまいに紗也加は苦笑した。
「給仕させてすみません、先輩」
「どういたしまして」
答えた譲一は、紗也加がスマホをしまった鞄へ視線を落とし、また上げた。
その表情が何か言いたそうに見えて、紗也加が首を傾げると、譲一は「何でもない」と箸を手にする。
「……ダサいキーホルダーのやつ?」
紗也加は口にしたビールを噴き出しかけた。
「な、何ですか、急に」
「違うの?」
「ち、ちが……」
譲一が示す意味が何なのか分からないので、違う、とも違わない、とも言い切れない。紗也加は動揺を押し隠すようにカルパッチョを口に放り込んだ。今日のオススメボードに書いてあったそれの、魚の種類は何だっただろうと、思考がさまよう。
「まだ、つるんでんだ。で、まだ、うまくいってる訳じゃないと」
ずばりと指摘した譲一の言葉に、紗也加は目を反らした。淡々と分析されると肩身が狭い。
新人当時、散々センスをけなされていた紗也加だったが、ある日譲一にロッカーの鍵についたキーホルダーを見られた。「ダサいキーホルダーだな」と笑われたので、とっさに「そんなこと、分かってます!」と答えてその場は会話を終えたのだが。
その2年後、異動になった譲一の送迎会の日に、ずばり言い当てられてしまったのだーー「好きな奴からもらったんだろ」と。
フロア社員全体での会が終わった後のこと。二人で二次会に流れたときだ。すでにだいぶアルコールが入っていたこともあり、そして見守ってくれていた先輩が不在になるという不安もあり、その夜は紗也加が散々に翔のことを愚痴ったのだったがーー
「……ノーコメント」
紗也加は手でバツを作って答える。
譲一はため息をついた。
「いつまで追うつもりなの」
静かな声は、これといった感情を感じない。否定も肯定もせず、ごく単純に、紗也加の本音を尋ねる意図らしいことがありがたかった。
「……そんなの……分かりません」
答えて、ビールを煽る。
それは最初の一口ほど、おいしくは感じられない。舌に弾ける泡の小さな痛みと、苦みだけが喉に残る。
譲一も黙ってビールを煽った。
数秒の沈黙。
「さ来週、ミニ連あってさ」
いきなりの話題転換に、紗也加がまたたきをした。
ミニ連とはミニ連休の意だ。5日間の連休がもらえる。百貨店員たるもの、年末年始は仕事になるので、少し客足が落ち着いた頃に、順番に連休に入るのだ。
譲一はまっすぐに紗也加を見つめていた。
「台北行こうと思ってて」
紗也加は、「はあ」と曖昧なあいづちを打った。譲一は長期休暇に国内外を旅行するのが好きだと知っているが、この話題と、譲一の真剣な面持ちの関連が分からない。
「買ってきたら、付け替えてくれる?」
紗也加は思考が止まったのを感じた。
「キーホルダー」
譲一は頬杖をつき、微笑んだ。
その目がひどく優しく、紗也加をとらえる。
「……それって」
譲一は、新人時代から、紗也加を可愛がってくれていた先輩だ。
厳しいときには畏れ、褒められると嬉しかった。
気のおけない、先輩。
「ーーま、考えといて」
譲一は、話題の転換を知らせるように手を挙げて店員を呼んだ。
「狛ちゃん、何食う? 俺ピザ食いたいから頼むけど」
「あ、えと……お任せします」
その後、譲一の態度は普段と全く変わらなかった。
それを幸い、紗也加も意識的にいつも通り振る舞った。
食事を終え、会計を済ませ、店を出る。
(もしかしたら、あれは冗談だったんじゃ……)
もしくは、深い意図があっての台詞ではないのかもしれない。
そんな、半ば期待じみた感情を抱いた別れ際、譲一はまた紗也加を見つめた。
「今のストラップよりも、センスいいの選べるつもりだよ」
ぎくりと身体を強張らせる紗也加に、
「狛ちゃんに似合うの、見繕うから」
優しくも真剣な眼差しで、譲一ははっきりと言ったのだった。
「返事、待ってる」
* * *
「久しぶり」
「久しぶりー」
華の金曜日。
待ち合わせ場所にした改札前で、大学時代の友人である詩乃と理都子と合流した。
そう、弟の健次に頼まれた合コンの日だ。
「相手は?」
「現地集合」
「あ、そっか」
きょろきょろと丸みのある顔を周囲に向けた理都子は、紗也加の答えににっこりした。
典型的な小悪魔気質である彼女の笑顔には、本性を知っている紗也加でもほだされる愛嬌がある。
詩乃もそんな紗也加の内心を汲み取ったのだろう、苦笑を浮かべていた。
詩乃の艶やかな黒髪は肩下に下ろされているが、静電気がたつことも、絡まることもない。剛直な毛質であるわけもないのだが、彼女の容姿や性格ともども「すっと」している。
一方の理都子は、本来茶色みのある髪を黒く染め、目の上で切り揃えた前髪にボブヘア。ややもすれば幼稚に見える髪型だが、小柄な彼女の可愛さを引き立てていた。
「さむぅい。手、冷たくなっちゃったよ。ほら」
理都子はわざとらしくぷるぷると震えて、詩乃の向きだしの手を取る。
身体つきと同じくすらりとした指に理都子の丸い指が絡むと、詩乃は笑った。
「私の方が冷たいじゃない」
「ほんとだー。えー、なんでぇ? 詩乃、寒くないのー?」
「寒いけど」
紗也加は二人のやりとりを見ながら笑った。
「じゃ、お店行こっか」
「うん」
「ついてくー!」
自分で店の場所を把握する気のない理都子は、詩乃の手を取ったまま片手を挙げた。
駅から離れて黒い空の下を歩いていく。
夜とはいえ、街はビルや店に灯った明かりで十分に明るい。
自分たちの息の白さを確認して笑いながら、三人は歩いて行った。
店につく前、念押しのように詩乃が口を開く。
「ねえ、サヤ。電話で言ったとおり、今日は来たけど」
「うん」
「次回は、断るからね」
「えー」
理都子が唇を尖らせ、豊満な胸を詩乃の腕に押し付けるように抱き込んだ。
唇を彩るグロスが街灯を受けて光っている。
「なんでー。楽しいのにー」
「もう合コンなんて歳じゃないでしょ」
「えー」
紗也加は苦笑しつつ、電話でのやりとりを思い出して口を開いた。
「婚活だったら来るらしいよ」
「なるほどー!」
目を丸くした理都子の横顔に、詩乃は完全にあきれ顔になった。
健次の先輩たちである消防士3人とは、そこそこ楽しい時間を過ごした。
おだて上手・甘え上手な理都子に、クールビューティな詩乃。そこに盛り上げ役の紗也加がいるのだから、当然といえば当然かもしれない。
紗也加の脳裏には、ちらちらと詩乃の言葉がちらついた。
『もう合コンなんて歳じゃないでしょ』
(楽しいのに)
心中で思いながら、グラスが空きそうな人にメニューを渡す。
理都子が楽しんでいるのはもちろん、詩乃も控えめながら楽しんでいる様子だった。
(楽しいでしょ)
二人の気を引こうと、男性たちがあれこれ話しかけているのが見える。
ふと、気づいた。よほどでなければ、後輩の姉など恋愛対象にはならないに違いない。
紗也加はただの繋ぎ役だ。
そんなことは分かっていたはずだった。
それなのに、改めて自覚したとたん、場を盛り上げて笑う自分と、本心の自分が分離する。
(ーー楽しい?)
紗也加は、人の喜ぶ顔を見るのが好きだ。
うきうきしている人の近くにいると、自分も嬉しくなる。
だからこそ選んだ百貨店員。
それは間違いではなかった。
今、紗也加は誰のために、何のために、みんなを楽しませようとしているのだろう。
『……やっぱり、女の子なんだね。サヤも』
『狛ちゃんに似合うの、見繕うから』
トーンの違う二人の男の声が、耳奥に響く。
「サヤ、どしたのー?」
首を傾げ、丸い目で見てくる理都子に、紗也加は慌てて笑顔を返した。
「ちょっと飲み過ぎたかも。もうお茶にしとくー。店員さーん」
あくまでいつも通りを装い、紗也加は店員に片手を挙げた。
「かんぱーい」
譲一とジョッキを合わせてビールを一口飲むと、紗也加ははぁと息を吐き出した。
「ぷはー。仕事の後のビールはうまい……」
「おっさんみたいなこと言うな」
譲一は目で笑いながらジョッキを傾けた。
二人とも、さして酒が好きな訳ではない。その上、明日もあるので軽く一杯頼んだだけだ。
「もうすっかりベテラン顔だな」
「そうですかねー。まだまだマネには怒られてますけど」
「それも期待されてるってことだろ」
紗也加が取り分けたサラダ差し出すと、譲一は軽くお礼を言って受け取った。
「セールもあったけど、もうだいぶ落ち着いたな」
「そうですねー。あ。忘れてた」
「どうした?」
「すみません、一件忘れないうちに……」
スマホを取り出した紗也加に、譲一はどうぞと応じた。紗也加は届いたメッセージに簡単に返事をし、スマホをしまう。
二日後に迫った合コンの相手、健次の先輩とのやりとりだ。
「失礼しました」
「いえいえ」
譲一は言いながら、取り分けたカルパッチョを紗也加に差し出す。ごく自然なそのふるまいに紗也加は苦笑した。
「給仕させてすみません、先輩」
「どういたしまして」
答えた譲一は、紗也加がスマホをしまった鞄へ視線を落とし、また上げた。
その表情が何か言いたそうに見えて、紗也加が首を傾げると、譲一は「何でもない」と箸を手にする。
「……ダサいキーホルダーのやつ?」
紗也加は口にしたビールを噴き出しかけた。
「な、何ですか、急に」
「違うの?」
「ち、ちが……」
譲一が示す意味が何なのか分からないので、違う、とも違わない、とも言い切れない。紗也加は動揺を押し隠すようにカルパッチョを口に放り込んだ。今日のオススメボードに書いてあったそれの、魚の種類は何だっただろうと、思考がさまよう。
「まだ、つるんでんだ。で、まだ、うまくいってる訳じゃないと」
ずばりと指摘した譲一の言葉に、紗也加は目を反らした。淡々と分析されると肩身が狭い。
新人当時、散々センスをけなされていた紗也加だったが、ある日譲一にロッカーの鍵についたキーホルダーを見られた。「ダサいキーホルダーだな」と笑われたので、とっさに「そんなこと、分かってます!」と答えてその場は会話を終えたのだが。
その2年後、異動になった譲一の送迎会の日に、ずばり言い当てられてしまったのだーー「好きな奴からもらったんだろ」と。
フロア社員全体での会が終わった後のこと。二人で二次会に流れたときだ。すでにだいぶアルコールが入っていたこともあり、そして見守ってくれていた先輩が不在になるという不安もあり、その夜は紗也加が散々に翔のことを愚痴ったのだったがーー
「……ノーコメント」
紗也加は手でバツを作って答える。
譲一はため息をついた。
「いつまで追うつもりなの」
静かな声は、これといった感情を感じない。否定も肯定もせず、ごく単純に、紗也加の本音を尋ねる意図らしいことがありがたかった。
「……そんなの……分かりません」
答えて、ビールを煽る。
それは最初の一口ほど、おいしくは感じられない。舌に弾ける泡の小さな痛みと、苦みだけが喉に残る。
譲一も黙ってビールを煽った。
数秒の沈黙。
「さ来週、ミニ連あってさ」
いきなりの話題転換に、紗也加がまたたきをした。
ミニ連とはミニ連休の意だ。5日間の連休がもらえる。百貨店員たるもの、年末年始は仕事になるので、少し客足が落ち着いた頃に、順番に連休に入るのだ。
譲一はまっすぐに紗也加を見つめていた。
「台北行こうと思ってて」
紗也加は、「はあ」と曖昧なあいづちを打った。譲一は長期休暇に国内外を旅行するのが好きだと知っているが、この話題と、譲一の真剣な面持ちの関連が分からない。
「買ってきたら、付け替えてくれる?」
紗也加は思考が止まったのを感じた。
「キーホルダー」
譲一は頬杖をつき、微笑んだ。
その目がひどく優しく、紗也加をとらえる。
「……それって」
譲一は、新人時代から、紗也加を可愛がってくれていた先輩だ。
厳しいときには畏れ、褒められると嬉しかった。
気のおけない、先輩。
「ーーま、考えといて」
譲一は、話題の転換を知らせるように手を挙げて店員を呼んだ。
「狛ちゃん、何食う? 俺ピザ食いたいから頼むけど」
「あ、えと……お任せします」
その後、譲一の態度は普段と全く変わらなかった。
それを幸い、紗也加も意識的にいつも通り振る舞った。
食事を終え、会計を済ませ、店を出る。
(もしかしたら、あれは冗談だったんじゃ……)
もしくは、深い意図があっての台詞ではないのかもしれない。
そんな、半ば期待じみた感情を抱いた別れ際、譲一はまた紗也加を見つめた。
「今のストラップよりも、センスいいの選べるつもりだよ」
ぎくりと身体を強張らせる紗也加に、
「狛ちゃんに似合うの、見繕うから」
優しくも真剣な眼差しで、譲一ははっきりと言ったのだった。
「返事、待ってる」
* * *
「久しぶり」
「久しぶりー」
華の金曜日。
待ち合わせ場所にした改札前で、大学時代の友人である詩乃と理都子と合流した。
そう、弟の健次に頼まれた合コンの日だ。
「相手は?」
「現地集合」
「あ、そっか」
きょろきょろと丸みのある顔を周囲に向けた理都子は、紗也加の答えににっこりした。
典型的な小悪魔気質である彼女の笑顔には、本性を知っている紗也加でもほだされる愛嬌がある。
詩乃もそんな紗也加の内心を汲み取ったのだろう、苦笑を浮かべていた。
詩乃の艶やかな黒髪は肩下に下ろされているが、静電気がたつことも、絡まることもない。剛直な毛質であるわけもないのだが、彼女の容姿や性格ともども「すっと」している。
一方の理都子は、本来茶色みのある髪を黒く染め、目の上で切り揃えた前髪にボブヘア。ややもすれば幼稚に見える髪型だが、小柄な彼女の可愛さを引き立てていた。
「さむぅい。手、冷たくなっちゃったよ。ほら」
理都子はわざとらしくぷるぷると震えて、詩乃の向きだしの手を取る。
身体つきと同じくすらりとした指に理都子の丸い指が絡むと、詩乃は笑った。
「私の方が冷たいじゃない」
「ほんとだー。えー、なんでぇ? 詩乃、寒くないのー?」
「寒いけど」
紗也加は二人のやりとりを見ながら笑った。
「じゃ、お店行こっか」
「うん」
「ついてくー!」
自分で店の場所を把握する気のない理都子は、詩乃の手を取ったまま片手を挙げた。
駅から離れて黒い空の下を歩いていく。
夜とはいえ、街はビルや店に灯った明かりで十分に明るい。
自分たちの息の白さを確認して笑いながら、三人は歩いて行った。
店につく前、念押しのように詩乃が口を開く。
「ねえ、サヤ。電話で言ったとおり、今日は来たけど」
「うん」
「次回は、断るからね」
「えー」
理都子が唇を尖らせ、豊満な胸を詩乃の腕に押し付けるように抱き込んだ。
唇を彩るグロスが街灯を受けて光っている。
「なんでー。楽しいのにー」
「もう合コンなんて歳じゃないでしょ」
「えー」
紗也加は苦笑しつつ、電話でのやりとりを思い出して口を開いた。
「婚活だったら来るらしいよ」
「なるほどー!」
目を丸くした理都子の横顔に、詩乃は完全にあきれ顔になった。
健次の先輩たちである消防士3人とは、そこそこ楽しい時間を過ごした。
おだて上手・甘え上手な理都子に、クールビューティな詩乃。そこに盛り上げ役の紗也加がいるのだから、当然といえば当然かもしれない。
紗也加の脳裏には、ちらちらと詩乃の言葉がちらついた。
『もう合コンなんて歳じゃないでしょ』
(楽しいのに)
心中で思いながら、グラスが空きそうな人にメニューを渡す。
理都子が楽しんでいるのはもちろん、詩乃も控えめながら楽しんでいる様子だった。
(楽しいでしょ)
二人の気を引こうと、男性たちがあれこれ話しかけているのが見える。
ふと、気づいた。よほどでなければ、後輩の姉など恋愛対象にはならないに違いない。
紗也加はただの繋ぎ役だ。
そんなことは分かっていたはずだった。
それなのに、改めて自覚したとたん、場を盛り上げて笑う自分と、本心の自分が分離する。
(ーー楽しい?)
紗也加は、人の喜ぶ顔を見るのが好きだ。
うきうきしている人の近くにいると、自分も嬉しくなる。
だからこそ選んだ百貨店員。
それは間違いではなかった。
今、紗也加は誰のために、何のために、みんなを楽しませようとしているのだろう。
『……やっぱり、女の子なんだね。サヤも』
『狛ちゃんに似合うの、見繕うから』
トーンの違う二人の男の声が、耳奥に響く。
「サヤ、どしたのー?」
首を傾げ、丸い目で見てくる理都子に、紗也加は慌てて笑顔を返した。
「ちょっと飲み過ぎたかも。もうお茶にしとくー。店員さーん」
あくまでいつも通りを装い、紗也加は店員に片手を挙げた。
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