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3章 学園祭編
23 開店!コスプレ喫茶陰陽堂
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「結構人入ってるな~」
と屋上で賀茂が呟く。
「うちの学園祭は、結構人気らしいからな」
「琥太郎、あんまりはしゃぎすぎるなよ。俺らの今日の目的は、あくまで学園祭を狙ってるやつの排除だからな」
「ああ、わかってるって」
「そしてもう一つは、金稼ぎだ!俺らも出遅れちゃいけないからな!行くぞ!」
金に目のない賀茂に連れられ、琥太郎はオン研の出し物、「コスプレ喫茶陰陽堂」の借りた家庭科室へ向かった。
「あ!琥太郎さんたち!やっと来ましたわね!」
「すごいな!大行列じゃないか」
陰陽堂の大混雑を目にして琥太郎は目を丸くする。
「驚いてないで、早く手伝ってほしいですわ!」
「それにしても、似合ってるじゃないか」
「ええ!私はメイド服にしましたの」
柚のメイド服姿はとても可愛らしい。上目遣いで、やや頬を赤らめながら、
「おかえりなさいませ、琥太郎様」
と柚がスカートを広げて軽くお辞儀した。
「うん、すごく可愛いよ」
「か、可愛いなんて……!照れるのですわー!」
一気に頬を赤く染めた柚は、仮設の厨房の方へ走っていってしまった。
「あー!柚ちゃん、行かないでー!」
「照れてる柚ちゃんもかわいいぞー!」
「なんだアイツら?」
「柚推し」「柚ちゃん命」などと書かれた鉢巻やハッピを着用した謎の集団が柚を追いかけて厨房の方へ押し寄せていく。
「アイツらは柚ちゃんファンクラブの会員たちだ」
といつの間にかファンクラブ特設ブースを作っていた賀茂がニヤリと笑う。
「さあ、今なら格安でファンクラブに入れるぞ!入会特典でハッピと鉢巻、プロマイドに握手券付きだー!」
「本当にしたたかなやつだな」
と琥太郎は呆れつつも、感心してしまった。
「はーい、お待たせしました、ご主人様♡握手券付きのお紅茶ですね」
と柚が紅茶を持っていくと、他校の生徒の客はあまりの可愛さに悶絶してしまった。
「琥太郎さんにもファンクラブに入ってほしいですわ」
と柚が甘えた声を出す。
「せっかくだから入ろうかな」
と琥太郎が話していると、後ろでパシン!と大きな音がした。
「こら!イチャイチャしてる暇があるなら働きなさい!」
「ひ、姫華?なんて格好してるんだお前」
と思わず琥太郎は声を上げた。琥太郎の目線の先にいたのは、ボンデージ姿の姫華だった。
「姫華様!ファンクラブに入らせていただきました!」
「へぇ、ファンクラブ特典で叩かれたいなんて、随分な趣味ね」
姫華が手にした鞭のおもちゃで会員の背中をペシンと叩く。
「あ、ありがとうございます!」
「琥太郎もどう?結構人気なのよこの特典」
「い、いや……俺は遠慮しとくよ」
確かに姫華のボンデージ姿はかなり刺激的だ。なんといっても、暴力的なまでに発育の良い胸の部分が危険すぎる。ファンクラブも柚に負けず劣らず、行列となっていた。
「ひ、姫華さん、すごいですわ。私も負けずに頑張らないと」
「あれは真似しないでも良いからな」
琥太郎が柚の頭にポンと手を置くと、
「なんだか負けた気がします」
と柚は不満げに頬を膨らませた。
「お兄ちゃん、美乃梨特製のタピオカミルクティーを飲むニャ!」
チャイナ服を着た美乃梨も琥太郎を見つけてやってきた。
「美乃梨ちゃーん、こっちもタピオカミルクティー2つよろしく!」
「了解ニャ!ちょっと待つニャ!」
美乃梨はもう少し話したそうにチラチラこちらを見ながら厨房の方へ戻って行った。どうやら美乃梨の用意したミルクティーは女子に人気があるようだ。
「これで男子人気も女子人気も完璧。学園祭出展ランキング優勝は、ウチがいただくぜい」
「なんだかんだお前が一番楽しんでるんじゃないか?」
と話している琥太郎と賀茂の背中を、姫華が鞭で叩いてきた。
「喋っている暇があったらアンタたちも働きなさいよ!こっちは手一杯なんだから。コーヒーの注文が溜まってるわよ」
「へいへい」
賀茂は仕方なさそうに厨房へ向かう。琥太郎もそれに続いた。
手先の器用な賀茂はコーヒーを淹れながらも同時にタピオカを茹でている。
「おい、琥太郎。俺達は根本的な間違いをしていたのかもしれないな」
「よく話しながら同時に色んな飲み物作れるな」
となんとか紅茶を淹れながら琥太郎は答える。
「お前も勘付いてきただろ。妖気が一気に濃くなってきた」
「学園が狙われてるのではないってことだな」
「ああ。あまりに大きすぎて気づかなかった。学園そのものに結界が貼られている」
「学園全体が奴の狩場ってことだな」
「やっと入り口を見つけた。そろそろ行くか」
「ああ、行こう」
琥太郎と賀茂は厨房を出て、ドアへ向かう。
「琥太郎くん、賀茂さん!今忙しいんですのよ!どちらへ行くのですか!」
と頬を膨らませた柚が声をかける。
「ああ、注文分は全部作っておいた。あとは任せましたよ、先生」
「え?」
ちょうど様子を見にきたところの若菜先生の肩を賀茂がポンと叩く。
「ちょ、ちょっと待ちなさい!顧問に厨房で働かせるというのですか!」
という声を背中に聞きながら、賀茂は手印を結び、小さく呪文を唱えると、結界に彼岸への裂け目ができた。
「じゃ、先生よろしく」
と言い残した賀茂は裂け目へとスルリと入っていく。琥太郎もそれに続いた。
と屋上で賀茂が呟く。
「うちの学園祭は、結構人気らしいからな」
「琥太郎、あんまりはしゃぎすぎるなよ。俺らの今日の目的は、あくまで学園祭を狙ってるやつの排除だからな」
「ああ、わかってるって」
「そしてもう一つは、金稼ぎだ!俺らも出遅れちゃいけないからな!行くぞ!」
金に目のない賀茂に連れられ、琥太郎はオン研の出し物、「コスプレ喫茶陰陽堂」の借りた家庭科室へ向かった。
「あ!琥太郎さんたち!やっと来ましたわね!」
「すごいな!大行列じゃないか」
陰陽堂の大混雑を目にして琥太郎は目を丸くする。
「驚いてないで、早く手伝ってほしいですわ!」
「それにしても、似合ってるじゃないか」
「ええ!私はメイド服にしましたの」
柚のメイド服姿はとても可愛らしい。上目遣いで、やや頬を赤らめながら、
「おかえりなさいませ、琥太郎様」
と柚がスカートを広げて軽くお辞儀した。
「うん、すごく可愛いよ」
「か、可愛いなんて……!照れるのですわー!」
一気に頬を赤く染めた柚は、仮設の厨房の方へ走っていってしまった。
「あー!柚ちゃん、行かないでー!」
「照れてる柚ちゃんもかわいいぞー!」
「なんだアイツら?」
「柚推し」「柚ちゃん命」などと書かれた鉢巻やハッピを着用した謎の集団が柚を追いかけて厨房の方へ押し寄せていく。
「アイツらは柚ちゃんファンクラブの会員たちだ」
といつの間にかファンクラブ特設ブースを作っていた賀茂がニヤリと笑う。
「さあ、今なら格安でファンクラブに入れるぞ!入会特典でハッピと鉢巻、プロマイドに握手券付きだー!」
「本当にしたたかなやつだな」
と琥太郎は呆れつつも、感心してしまった。
「はーい、お待たせしました、ご主人様♡握手券付きのお紅茶ですね」
と柚が紅茶を持っていくと、他校の生徒の客はあまりの可愛さに悶絶してしまった。
「琥太郎さんにもファンクラブに入ってほしいですわ」
と柚が甘えた声を出す。
「せっかくだから入ろうかな」
と琥太郎が話していると、後ろでパシン!と大きな音がした。
「こら!イチャイチャしてる暇があるなら働きなさい!」
「ひ、姫華?なんて格好してるんだお前」
と思わず琥太郎は声を上げた。琥太郎の目線の先にいたのは、ボンデージ姿の姫華だった。
「姫華様!ファンクラブに入らせていただきました!」
「へぇ、ファンクラブ特典で叩かれたいなんて、随分な趣味ね」
姫華が手にした鞭のおもちゃで会員の背中をペシンと叩く。
「あ、ありがとうございます!」
「琥太郎もどう?結構人気なのよこの特典」
「い、いや……俺は遠慮しとくよ」
確かに姫華のボンデージ姿はかなり刺激的だ。なんといっても、暴力的なまでに発育の良い胸の部分が危険すぎる。ファンクラブも柚に負けず劣らず、行列となっていた。
「ひ、姫華さん、すごいですわ。私も負けずに頑張らないと」
「あれは真似しないでも良いからな」
琥太郎が柚の頭にポンと手を置くと、
「なんだか負けた気がします」
と柚は不満げに頬を膨らませた。
「お兄ちゃん、美乃梨特製のタピオカミルクティーを飲むニャ!」
チャイナ服を着た美乃梨も琥太郎を見つけてやってきた。
「美乃梨ちゃーん、こっちもタピオカミルクティー2つよろしく!」
「了解ニャ!ちょっと待つニャ!」
美乃梨はもう少し話したそうにチラチラこちらを見ながら厨房の方へ戻って行った。どうやら美乃梨の用意したミルクティーは女子に人気があるようだ。
「これで男子人気も女子人気も完璧。学園祭出展ランキング優勝は、ウチがいただくぜい」
「なんだかんだお前が一番楽しんでるんじゃないか?」
と話している琥太郎と賀茂の背中を、姫華が鞭で叩いてきた。
「喋っている暇があったらアンタたちも働きなさいよ!こっちは手一杯なんだから。コーヒーの注文が溜まってるわよ」
「へいへい」
賀茂は仕方なさそうに厨房へ向かう。琥太郎もそれに続いた。
手先の器用な賀茂はコーヒーを淹れながらも同時にタピオカを茹でている。
「おい、琥太郎。俺達は根本的な間違いをしていたのかもしれないな」
「よく話しながら同時に色んな飲み物作れるな」
となんとか紅茶を淹れながら琥太郎は答える。
「お前も勘付いてきただろ。妖気が一気に濃くなってきた」
「学園が狙われてるのではないってことだな」
「ああ。あまりに大きすぎて気づかなかった。学園そのものに結界が貼られている」
「学園全体が奴の狩場ってことだな」
「やっと入り口を見つけた。そろそろ行くか」
「ああ、行こう」
琥太郎と賀茂は厨房を出て、ドアへ向かう。
「琥太郎くん、賀茂さん!今忙しいんですのよ!どちらへ行くのですか!」
と頬を膨らませた柚が声をかける。
「ああ、注文分は全部作っておいた。あとは任せましたよ、先生」
「え?」
ちょうど様子を見にきたところの若菜先生の肩を賀茂がポンと叩く。
「ちょ、ちょっと待ちなさい!顧問に厨房で働かせるというのですか!」
という声を背中に聞きながら、賀茂は手印を結び、小さく呪文を唱えると、結界に彼岸への裂け目ができた。
「じゃ、先生よろしく」
と言い残した賀茂は裂け目へとスルリと入っていく。琥太郎もそれに続いた。
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