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1章 入学編
03 追放
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何度斬り伏せたことだろうか。琥太郎は父が何度も七匹の妖を斬る様子を震えながら見ていた。その度に妖たちは再生を繰り返す。妖たちにより放たれた火が館に燃え広がっていた。
「カハッ……」
遂に背後から妖に胸を貫かれた父は、血を吐いて膝から崩れ落ちた。
「おい、ここに女がいるぞ」
隠れていた母を見つけた妖が髪の毛を掴み引き摺りながら土御門翠流の前に突き出す。翠流は一瞥し、「殺せ」と興味なさそうに言った。
「将太朗さん、琥太郎、貴方たちに会えて母さんは幸せでした」
と母が微笑む。
「や、やめろ!美月は関係ないだろう!」
と叫ぶ父の声も虚しく、妖によって母の首はもぎ取られた。妖が投げ捨てた首がドサッと音を立てて地に落ちた。胴体から血が噴水のように噴き出す。
「母さん!」
と琥太郎は思わず叫び、庭木から出てしまった。
「琥太郎!隠れろ!」
と父が叫ぶのも遅い。すぐに琥太郎は妖に捕えられた。
そこに翠流が近寄ってきた。
「悔しいか、小僧。お前は弱い。底辺のゴミ以下の存在だ。お前が無能だから父も母も死ぬのだ」
とニヤニヤ笑いながら言う。
「琥太郎!そんな奴の言葉に耳を貸すな……!お前は覚悟を持って妖の王を継ぐんだ」
と父が声を振り絞る。
「うるさい、死ね」
と翠流は言うと、父から刀を奪い取り、その首を躊躇なく刎ねた。首が胴体から離れ、残った胴体から勢いよく血が噴き出して琥太郎の顔にベタリとはりついた。飛んだ首が琥太郎の前にゴロンと転がる。
「さて、こいつも殺すか」
近づいてくる翠流を前に琥太郎は震えて声を出すこともできない。ショックから過呼吸になり、荒い息をなんとか吐き出すのが精一杯だ。
「待たれよ、この子を殺さないでくれ」
翠流の前に立ち塞がったのは、一人の老天狗だった。
「鞍馬の老いぼれが何の用だ?今さらノコノコやってきてどうにかなると思ってるのか?お前も死んでみるか?」
「確かに今のワシの力ではお前らには到底かなうまい。ただしワシを殺すと言うことは全ての天狗を敵に回すことと心得よ」
老天狗は臆することなく翠流を睨みつける。いつのまにか老天狗の背後には京都中の天狗が続々と集まり始めていた。
「やれやれ、困った困った。まあいい。妖の王の血を吸った日月護身の剣を手に入れることができたからな」
「御心遣い感謝する。この子は我等天狗が引き受けるぞ」
「そんな出来損ないに何の価値があるのやら。おい、なんか答えろよガキ!」
琥太郎は翠流に背中を蹴り飛ばされ、よろめきながら老天狗の方へ倒れ込んだ。翠流の七匹の妖たちが大声で笑う。
「そいつ本当に王の子供か?妖力ゼロじゃないか!」
「お前の父親も妖の王なんて大層な名前のわりに弱かったなあ!所詮劣等血族だな」
ゲラゲラと笑う妖たちを手で制し、翠流は老天狗に話しかけた。
「その雑魚を生かしておいても良いが条件がある。そいつは追放だ!京の都に二度と帰ってくるんじゃねえぞ。どっかの山奥で一生震えてろ」
「良いじゃろう、この子は別の天狗に預けるとしよう。ワシらは一度この場を去るぞ」
老天狗は他の天狗たちを率い、屋敷を後にした。一羽の烏天狗がガタガタと震える琥太郎を連れ、京の町を飛び立った。
父と母と過ごす日々はもう二度と来ない。突然日常が奪われた現実を理解する事を心身が拒否していた。家族で過ごした思い出の屋敷が焼け落ちていく。深い絶望感と恐怖心で黒く塗り潰された心に、一筋の復讐心が芽生えようとしていた。
過去を語り終えた琥太郎は、一息つくと再び柚子に話しかけた。
「妖の王である父さんは死んだ。俺も追放された身だ。これ以上こんな俺に近づかない方が良い。下手なことをすると巻き込まれて殺されるぞ。そもそも伏見稲荷の神使になるお嬢様と死に損ないの妖では身分が違いすぎる」
「で、でも……」
「そろそろ休憩も終わりだ、教室に戻ろう、柚」
何か言葉を続けようとする柚を連れて、琥太郎は教室に戻った。
琥太郎と泣いた後で目が赤く腫れた柚が教室に戻ると、クラスメイト達がざわめいた。
「柚ちゃん泣いてない?」
「琥太郎が泣かせたのか?」
「何を2人で話してたんだ?」
ザワザワするクラスメイトなど意に介さないように柚はストンと席に座る。琥太郎も席に座ると、隣の席の男子が声をかけてきた。
「琥太郎、お前やるなあ。クラスじゃすっかり柚ちゃんと琥太郎の話題で持ちきりだぜ」
「ああ。なんか困ったことになっちまったな」
「俺は賀茂一之進だ。よろしくな。なんか大変そうだけど近くの席になったよしみだ。仲良くやろうや」
「一之進?変わった名前だなあ」
「琥太郎ってのも珍しいだろ。恥ずかしいから賀茂って呼んでくれ」
「よろしくな、賀茂」
幸い、隣の席の賀茂は良いやつそうだ。ある意味クラスの有名人で、名前は覚えてもらえたようだ。
若菜先生が教室に戻ると、教科書の配布をして初日の日程は終了した。
「じゃあな、琥太郎!」
「おう、またな、賀茂」
改札で賀茂と別れ、電車に乗り込む。琥太郎は上板橋駅で降りると、近くの古ぼけた神社に立ち寄った。鳥居をくぐると、周囲の音が消えて急に人の気配がなくなる。この世とは別の世界、彼岸への入り口をくぐったのだ。
「おい、さっきからついてきてるやつは誰だ!」
「ひゃい、ごめんなさい!」
バレていたことに驚き、隠れていた柚の頭から狐の耳がピョコンと飛び出た。
「いや、柚のことじゃない。そっちのお前だよ」
柚は背後に凄まじい妖気を感じ、ギョッとして振り向く。現れた姿を見て琥太郎はニヤリと笑った。
「カハッ……」
遂に背後から妖に胸を貫かれた父は、血を吐いて膝から崩れ落ちた。
「おい、ここに女がいるぞ」
隠れていた母を見つけた妖が髪の毛を掴み引き摺りながら土御門翠流の前に突き出す。翠流は一瞥し、「殺せ」と興味なさそうに言った。
「将太朗さん、琥太郎、貴方たちに会えて母さんは幸せでした」
と母が微笑む。
「や、やめろ!美月は関係ないだろう!」
と叫ぶ父の声も虚しく、妖によって母の首はもぎ取られた。妖が投げ捨てた首がドサッと音を立てて地に落ちた。胴体から血が噴水のように噴き出す。
「母さん!」
と琥太郎は思わず叫び、庭木から出てしまった。
「琥太郎!隠れろ!」
と父が叫ぶのも遅い。すぐに琥太郎は妖に捕えられた。
そこに翠流が近寄ってきた。
「悔しいか、小僧。お前は弱い。底辺のゴミ以下の存在だ。お前が無能だから父も母も死ぬのだ」
とニヤニヤ笑いながら言う。
「琥太郎!そんな奴の言葉に耳を貸すな……!お前は覚悟を持って妖の王を継ぐんだ」
と父が声を振り絞る。
「うるさい、死ね」
と翠流は言うと、父から刀を奪い取り、その首を躊躇なく刎ねた。首が胴体から離れ、残った胴体から勢いよく血が噴き出して琥太郎の顔にベタリとはりついた。飛んだ首が琥太郎の前にゴロンと転がる。
「さて、こいつも殺すか」
近づいてくる翠流を前に琥太郎は震えて声を出すこともできない。ショックから過呼吸になり、荒い息をなんとか吐き出すのが精一杯だ。
「待たれよ、この子を殺さないでくれ」
翠流の前に立ち塞がったのは、一人の老天狗だった。
「鞍馬の老いぼれが何の用だ?今さらノコノコやってきてどうにかなると思ってるのか?お前も死んでみるか?」
「確かに今のワシの力ではお前らには到底かなうまい。ただしワシを殺すと言うことは全ての天狗を敵に回すことと心得よ」
老天狗は臆することなく翠流を睨みつける。いつのまにか老天狗の背後には京都中の天狗が続々と集まり始めていた。
「やれやれ、困った困った。まあいい。妖の王の血を吸った日月護身の剣を手に入れることができたからな」
「御心遣い感謝する。この子は我等天狗が引き受けるぞ」
「そんな出来損ないに何の価値があるのやら。おい、なんか答えろよガキ!」
琥太郎は翠流に背中を蹴り飛ばされ、よろめきながら老天狗の方へ倒れ込んだ。翠流の七匹の妖たちが大声で笑う。
「そいつ本当に王の子供か?妖力ゼロじゃないか!」
「お前の父親も妖の王なんて大層な名前のわりに弱かったなあ!所詮劣等血族だな」
ゲラゲラと笑う妖たちを手で制し、翠流は老天狗に話しかけた。
「その雑魚を生かしておいても良いが条件がある。そいつは追放だ!京の都に二度と帰ってくるんじゃねえぞ。どっかの山奥で一生震えてろ」
「良いじゃろう、この子は別の天狗に預けるとしよう。ワシらは一度この場を去るぞ」
老天狗は他の天狗たちを率い、屋敷を後にした。一羽の烏天狗がガタガタと震える琥太郎を連れ、京の町を飛び立った。
父と母と過ごす日々はもう二度と来ない。突然日常が奪われた現実を理解する事を心身が拒否していた。家族で過ごした思い出の屋敷が焼け落ちていく。深い絶望感と恐怖心で黒く塗り潰された心に、一筋の復讐心が芽生えようとしていた。
過去を語り終えた琥太郎は、一息つくと再び柚子に話しかけた。
「妖の王である父さんは死んだ。俺も追放された身だ。これ以上こんな俺に近づかない方が良い。下手なことをすると巻き込まれて殺されるぞ。そもそも伏見稲荷の神使になるお嬢様と死に損ないの妖では身分が違いすぎる」
「で、でも……」
「そろそろ休憩も終わりだ、教室に戻ろう、柚」
何か言葉を続けようとする柚を連れて、琥太郎は教室に戻った。
琥太郎と泣いた後で目が赤く腫れた柚が教室に戻ると、クラスメイト達がざわめいた。
「柚ちゃん泣いてない?」
「琥太郎が泣かせたのか?」
「何を2人で話してたんだ?」
ザワザワするクラスメイトなど意に介さないように柚はストンと席に座る。琥太郎も席に座ると、隣の席の男子が声をかけてきた。
「琥太郎、お前やるなあ。クラスじゃすっかり柚ちゃんと琥太郎の話題で持ちきりだぜ」
「ああ。なんか困ったことになっちまったな」
「俺は賀茂一之進だ。よろしくな。なんか大変そうだけど近くの席になったよしみだ。仲良くやろうや」
「一之進?変わった名前だなあ」
「琥太郎ってのも珍しいだろ。恥ずかしいから賀茂って呼んでくれ」
「よろしくな、賀茂」
幸い、隣の席の賀茂は良いやつそうだ。ある意味クラスの有名人で、名前は覚えてもらえたようだ。
若菜先生が教室に戻ると、教科書の配布をして初日の日程は終了した。
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バレていたことに驚き、隠れていた柚の頭から狐の耳がピョコンと飛び出た。
「いや、柚のことじゃない。そっちのお前だよ」
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