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1章
8:魔王軍の配下をブッ飛ばせ!
しおりを挟む「ソウマ、多分あいつ魔王軍の奴だと思う」
「それ、本当か?」
「たぶん。あの邪悪な感じ、母さんを殺したヤツと同じ感じがするんだ」
「そうか、じゃあ確認しねぇとな!」
確かに確認しないといけないな。ん?
「てっ!ソウマ!?」
ソウマは【空歩】を使い空に駆け出す。ソウマは馬鹿だったようだ。知ってたけどもね、うん。
俺も【変化:龍】と【空歩】を使い空に出る。
そして、ソウマに追い付き、一緒に奴の前で止まる
そいつは人間だった。茶髪の短髪でしっかりとした体躯、ハーフプレートアーマーで紋章が入れてあって、顔つきは盗賊といった感じだ。体長3メートルほどのワイバーンに乗っている。
「あんた何者だ?」
ソウマが尋ねる
「君達こそ何者なんだい?竜人に金狼人の子供だろ?」
「そんなことはどうでもいいんですよ。貴方は魔王軍の所属ですよね?こんなとこで何をしているんですか?」
そういうと彼は少し驚いた顔をしたが直ぐに消した。
「教えるわけないじゃないですか。まあ、見つかったからには死んでもらうけどね!」
手に持つ槍を構え突撃してくる。
「クウガ!どうする!」
突撃を躱し、ソウマが問い掛けてくる
「俺が乗ってるやつを落とすから、そいつを頼む!」
旋回途中の所に【縮地】でいっきに肉薄する
「なっ!」
ドンッ!ドゴッ!
スピードを利用して右拳を突きつける。ガードされるがワイバーンから離せたのでよしとする。
翼を羽ばたかせ相手の少し上の位置を取りながら前方向に縦に回転し、踵落としを叩き込む。
「ソウマ!」
「おうよ!」
ソウマが向かうのを見ながら地上に向かおうとするワイバーンに牽制でファイアバレットを10発放つ。
だが、牽制のつもりの攻撃は頭、翼に当たりワイバーンはそのまま落ちていった
「あれ?弱くね?」
て、拍子抜けしてる場合じゃなかった。あの人間が強いかもしれない、急いで向かおう。
ソウマの所に向かうとソウマは押されていた
助けないと!と思ったが、よく見るとソウマは身体強化を使っていなかった。何やってんだ?あいつ
「おい!ソウマ!遊んでないで早く倒せ!」
「何を言って」
「わーってるよ!」
そう言うと身体強化を発動し、相手の背後に回り込む。
「んなっ!」
ソウマがいきなり速くなったことで見失ったのだろう。かなり驚いている。
そんな風にしているうちに変化によって爪を出し、風を纏わせた腕を下から振り上げる。
「があっ!」
敵は錐揉みしながら血を撒き散らし吹き飛んでいく。
「終わったな。でもなんで身体強化使ってなかったんだ?」
「ん?ああ、なんか思ったより弱くてよ~。身体強化使ったら楽勝だと思ったから使わずに勝とうと思ったんだよ」
「お前、相手は魔王軍のやつで敵だぞ、油断してたら死ぬんだぞ!相手を舐めるな!」
「お、おう。悪かったよ」
ソウマが罰が悪そうにそっぽを向き、頬をかく
「そういや、あいつどうすんだ?まだ死んでねぇぞ」
「魔王軍のやつだからトドメ刺しといた方がいいだろ」
そう言って男に近づいて行く。途中に落ちてたワイバーンをアイテムボックスに仕舞っておく
近づくと男は何かをブツブツといっていた
「俺がこんなガキどもに、くそ、死にたくねぇっ!死んだら、死んだら俺は!
うっ!ううう、があぁぁアァァァァァ!」
ブツブツと喋っているかと思ったら男は急に胸を掻き毟り、苦しみだした。
すると、体が膨張し、変形していく。男の体はどんどん大きくなっていく。遂には5mは越えただろうか、サイクロプスという1つ目の魔物が5mだった気がする。オーガでも2mくらいだ。頭の左右から角が生えて、肌が浅黒くなる。【龍の眼】で見ると、魔力の色がぐちゃぐちゃでとても気持ち悪い。魔力量が膨れ上がっている。
「お、おいクウガ!なんかやばくねぇか!」
「あ、ああ。速く逃げ」
プンッ!
「があっ!」
逃げようと言おうとした瞬間、ソウマが吹き飛ばされて木に劇とつした。ソウマはそのまま気絶してしまった様だ。凄まじい威力だ。これは、やばい!ソウマを連れて逃げないと!
茶髪男だった巨人は気絶したソウマの方に向かっていく。
「やめろ!」
巨人の背中にサンダーバレットを放つ。巨人が止まり、こちらを向く。その瞬間にとてつもない速度で奴の巨大な拳が迫る。思考が加速する。打開策を考える。身体強化を使い、【魔纏】により、銀色の魔力を纏う。腕をクロスし、後ろに飛ぶ。
10mほどの距離を吹き飛ばされ、地面を転がる。
あれだけのことをしたのに両腕は折れ、肋骨も何本か折れている。
どんな威力だよ、くそっ!
巨人は俺が死んだと思ったのかまたソウマの方に向かっていく。
今の俺の【再生lv4】だと骨折レベルだと時間がかかる。光魔法のヒールでも治せない。
このままじゃ、ソウマも俺も死んでしまう。
俺はまた大切な人を守れないのか?
あんだけ、修行をしてきたのに?
この2年間に努力して、培った力を駆使してもこのざまだ。
なにか!なにかないのか!
あの巨人を倒し、俺とソウマが助かる方法は!
いや、待てよ。あるじゃないか!
この局面を打開できる可能性のある物が!
やってやろうじゃないか。ぶっつけ本番だが、何もしなければこのまま終わってしまう。
師匠が言っていた「行動しなければ何も変わらない」と!
俺は【龍転身】を使う!
頭に情報が入ってくる。このスキルで何が出来るのか、どのように使うのかが!
俺はイメージする。
あの巨人に勝てる龍の姿を。
俺がこの2年で培った技術は間違いではない、技術があったおかげで俺は今生きている。
ならば、その技術を活かせる姿を考える。
サイズはあの巨人と同じくらい
そして、2本足で立ち
拳を握るために、長い爪はいらない
だが、手数は増やしたい
手首と肘に刃を生やす
イメージが完了し、魔力を使う。
俺の人並み外れた魔力の量をごっそりと持って行かれる。
俺はその瞬間、光に包まれた
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