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アンナのこっそり日記1
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三月某日
とうとう卒業式。母との賭は負け確定。あれだけ色々やったのに、とうとう一つも内定もらえなかった。学校側も困ってたみたい。困ってるのはこっちだよ!
父の元へ行くのは構わないんだけど、あっちだと色々となー。ニコも最近はあれこれうるさいし。男のくせに、小姑かっての!
三月某日
帝国到着。そして寝耳に水の話も聞いた。つか、結婚ってなによ!? しかもスイーオネースってどこよ!?
北の国とは聞いたけど、ここよりさらに寒い国とかマジ勘弁。暑いのも嫌いだけど寒いのも嫌いなんだよね。ウィンタースポーツなんて興味ないから。
みんな好きだよね、スキーにスノボ。誘われたけど行った事ないんだよな。もっともこっちでそんな事する人はいないだろうけど。
あれかな、場所的に向こうの北極圏くらいになるのかな? オーロラとか見えたりするかしら?
四月某日
参った。嫁入り準備とかであれこれやらされてるんだけど、あの社交界だけはあり得んわ。
みんな本音は隠してうわべだけで仲良くやってるなんて、超最悪。ニコに愚痴ったら子供みたいな事言うなとか言うし。五歳も下の弟のくせに、あの子は本当に生意気だ。
四月某日
採寸採寸採寸。何の為かってドレス作る為だってさ。いらねー。てか四六時中あのずるずるの格好で過ごせってか。本当、こっちに来るとろくな事がないわ。
あ、でも着脱は楽になるようにしてくれるって。ジッパーとスナップボタンは最強だね。これでコルセットもなければいいのに。
それ言ったら母が「じゃあなしでもいけるぐらいウエスト絞りなさいよ」って言った。言い返せないとわかっていて言うんだから、本当我が母ながら性格悪いよな。
五月某日
城の中を走り回ってる。避難訓練だって言うけど、避難訓練って走ったっけ? しかも魔導で幻覚まで作りだして引っかけやるし。目の前で人が倒れたら、見捨てていけないよね? 間違ってないよね?
でもそれはやっちゃだめってのがティルラ、私の警護責任者の言葉だ。護衛は使い捨てくらいの思いでいろってさ。無理。
六月某日
自分でも流されてるなーって思ってる。でも逆らってここから飛び出して、自分一人で生活出来るのかって聞かれたら、答えはNO。一人で生きていけるくらいなら、あのまま日本に残っていたよ。
結局親の庇護がなきゃ生きていけない甘ちゃんなんだよな、自分って。同い年の子の中には、もう親元から離れて一人で生活している子もいるのにね。
幸い今回の結婚、長く続けなくていいっていうから、とっとと帰って来ちゃおうって思ってる。
でもまたどこかに嫁にいかされるのかな……。それも受け入れなくちゃ、大した能力のない私みたいなのは、ここでも日本でも生きていけないんだろうな。
六月某日
船の内覧。てかこれ、本当に船なのかって言いたい。今回の嫁入りの為に作らせたんだって。一体いつから結婚話は整っていたのよ。
それ言ったら、何でもこの船は別の用途の為に建造していたらしいんだけど、私の嫁入り話が浮上したんで、じゃあこっちにって横流ししたんだって。こんな凄い船を横流しとか……。本当、伯父さんと父の感覚って一般からかけ離れてるよな。
船は見た目は帆船。しかもでかい。でも中身はクルーズ船。しかもやっぱりでかい。向こうで海外のクルーズ船に乗るっていうなら気分も浮き立つけどさあ。これ乗って嫁に行く訳だからね。気が重くなるだけだよ。
六月某日
とうとう出発。荷造りなんかは全部やってもらってあるから、私は特にやる事はなかった。あ、日本から持ち込んだ衣類は向こうに持って行く事にしたんだ。ドレスの下に機能性下着とか着込めば、大分温かいんじゃないかと思って。
川を下って海に出て、そのまま北上して例の国に行くんだって。そして私が乗る船の周囲は護衛艦隊がしっかり包囲している。護衛というよりは、逃げ出さないよう監視されてるみたい。
六月某日
帝国の北の玄関口に到着。ここで川は終了。船自体は川でも海でも大丈夫なでかい代物だから問題なしだって。無論護衛艦隊の船もね。
ここでは領主館に宿泊するから、少し街を見てきてもいいかお伺いを立ててみた。変装するからって言ったらティルラが変な顔していたよ。
いや、私こっちにはあまりいないから、顔は知られていないだろうけど、一応用心の為にね。誘拐のリスクは一生つきまとうって母にも言われているし。
で、一緒に街に出るザンドラを見習って髪はおさげ、顔にそばかすを書いてちょっと野暮ったい雰囲気にしてみた。
それで外に出たら、街で迷子になって変な酔っ払いに絡まれたんだよね。どうしようかと困っていたら、見知らぬ人に助けてもらっちゃった。
身なりは良かったから、領主館に関係のある人かと思ってあまり顔をみないようにしていたんだよね。バレたらやだから。
あー、明日は向こうの国から来る使者と会って、彼らと一緒に出発だって。いよいよ逃げられないなー。
七月某日
とうとう到着。長かったけど、航海自体は快適だった。すごいね、あの船。向こうに持って行っても十分豪華クルーズ船として通用するんじゃないかな。
王宮で国王陛下に会う。ついでに夫になる王太子にも。すんごい目で睨まれたけど、あれか、愛人との間を邪魔されると思ってる訳か。
この王子様には愛人の男爵令嬢がいるんだって。結婚を長続きさせずに戻ってきてもいいって言われてる理由の一つがこれ。だったら最初から嫁にやるなよって言いたい。でもあれこれ聞いちゃうとな……。
王太子は本当に王子様って感じの見た目。金髪碧眼で、肩くらいまでの長さの髪は少し癖が入ってる。前髪は真ん中分けでワンレン? 見た目は高級なワンコって感じ。こっちに懐く気はないぞって全身で言ってる。
国王陛下は伯父さんに比べると幾分柔らかい感じかな。髪と瞳の色はワンコ王子様と似てる。親子だから当然か。
明日にはもう結婚式だって。早いよね。
七月某日
何というか、うん、いいんだけどさ。ワンコ王子様は余程私が目障りだったらしい。結婚式の後の舞踏会、言ってみれば披露宴? の会場で、堂々別居宣言をいただきました。私は離宮に行くんだって。
元々離婚上等で来てるから、別居に関しては万々歳なんだけどさ、その辺りを含めて話し合いたいと思っていたんだけどなー。あの様子だとこっちの話は聞く気はないみたいだね。
あ、それと、こっちにお姉様がいた! 大使夫人だって! お姉様は私の父の従姉妹にあたる人で、私も小さい頃から可愛がってもらってたんだ。まさかこっちに来てるなんて。教えておいてよ母!
んで、お姉様の旦那さん、帝国の大使が後で国王陛下の方に厳重抗議をするんだって。何でワンコ王子様でなくお父さんの方? って思ったら、責任は親にあるからだそうな。やべ、私が何かへましたら、両親や帝国の責任になるって事でもあるよね? 自重しよう……。
七月某日
ホラーハウスだったー!! 行けと言われた離宮は、マジモンのホラーハウスだったよ!! ホラー嫌いだってば!
何でも先々代国王が愛人を囲っていた離宮で、王妃の怒りに触れた愛人がここで惨殺されたとか何とか。それ以来おかしな事が起こるから放置されていたんだって。ワンコ王子ー!! 許すまじ!!
七月某日
朝っぱらからたたき起こされた。離宮に不審者がいたんだって。最初は出たのかと思ったけど、ティルラが言うには離宮には心霊的なものは何もないって事だった。わかっていたんなら教えておいてよ! てか魔導師って、そんなものもわかるんだ……。ちょっとリリーを見る目が変わりそう。
不審者はフィリップと言って、魔導研究者だった。それを聞いた時のリリーの顔って言ったら。
あれこれあったけど、彼はリリーの元に預ける事になった。それにしても,教会が魔導を禁じてるなんてね。それなんて中世の魔女狩り。実際今でもそんな事やってたりしたら……そっちの方がホラーだよね。
でも彼と話して色々聞いて、ちょっとだけやる気と方向性が見えてきた気がする。フィリップに感謝。これなら今出来る範囲でなんとかなりそうだからね。
とうとう卒業式。母との賭は負け確定。あれだけ色々やったのに、とうとう一つも内定もらえなかった。学校側も困ってたみたい。困ってるのはこっちだよ!
父の元へ行くのは構わないんだけど、あっちだと色々となー。ニコも最近はあれこれうるさいし。男のくせに、小姑かっての!
三月某日
帝国到着。そして寝耳に水の話も聞いた。つか、結婚ってなによ!? しかもスイーオネースってどこよ!?
北の国とは聞いたけど、ここよりさらに寒い国とかマジ勘弁。暑いのも嫌いだけど寒いのも嫌いなんだよね。ウィンタースポーツなんて興味ないから。
みんな好きだよね、スキーにスノボ。誘われたけど行った事ないんだよな。もっともこっちでそんな事する人はいないだろうけど。
あれかな、場所的に向こうの北極圏くらいになるのかな? オーロラとか見えたりするかしら?
四月某日
参った。嫁入り準備とかであれこれやらされてるんだけど、あの社交界だけはあり得んわ。
みんな本音は隠してうわべだけで仲良くやってるなんて、超最悪。ニコに愚痴ったら子供みたいな事言うなとか言うし。五歳も下の弟のくせに、あの子は本当に生意気だ。
四月某日
採寸採寸採寸。何の為かってドレス作る為だってさ。いらねー。てか四六時中あのずるずるの格好で過ごせってか。本当、こっちに来るとろくな事がないわ。
あ、でも着脱は楽になるようにしてくれるって。ジッパーとスナップボタンは最強だね。これでコルセットもなければいいのに。
それ言ったら母が「じゃあなしでもいけるぐらいウエスト絞りなさいよ」って言った。言い返せないとわかっていて言うんだから、本当我が母ながら性格悪いよな。
五月某日
城の中を走り回ってる。避難訓練だって言うけど、避難訓練って走ったっけ? しかも魔導で幻覚まで作りだして引っかけやるし。目の前で人が倒れたら、見捨てていけないよね? 間違ってないよね?
でもそれはやっちゃだめってのがティルラ、私の警護責任者の言葉だ。護衛は使い捨てくらいの思いでいろってさ。無理。
六月某日
自分でも流されてるなーって思ってる。でも逆らってここから飛び出して、自分一人で生活出来るのかって聞かれたら、答えはNO。一人で生きていけるくらいなら、あのまま日本に残っていたよ。
結局親の庇護がなきゃ生きていけない甘ちゃんなんだよな、自分って。同い年の子の中には、もう親元から離れて一人で生活している子もいるのにね。
幸い今回の結婚、長く続けなくていいっていうから、とっとと帰って来ちゃおうって思ってる。
でもまたどこかに嫁にいかされるのかな……。それも受け入れなくちゃ、大した能力のない私みたいなのは、ここでも日本でも生きていけないんだろうな。
六月某日
船の内覧。てかこれ、本当に船なのかって言いたい。今回の嫁入りの為に作らせたんだって。一体いつから結婚話は整っていたのよ。
それ言ったら、何でもこの船は別の用途の為に建造していたらしいんだけど、私の嫁入り話が浮上したんで、じゃあこっちにって横流ししたんだって。こんな凄い船を横流しとか……。本当、伯父さんと父の感覚って一般からかけ離れてるよな。
船は見た目は帆船。しかもでかい。でも中身はクルーズ船。しかもやっぱりでかい。向こうで海外のクルーズ船に乗るっていうなら気分も浮き立つけどさあ。これ乗って嫁に行く訳だからね。気が重くなるだけだよ。
六月某日
とうとう出発。荷造りなんかは全部やってもらってあるから、私は特にやる事はなかった。あ、日本から持ち込んだ衣類は向こうに持って行く事にしたんだ。ドレスの下に機能性下着とか着込めば、大分温かいんじゃないかと思って。
川を下って海に出て、そのまま北上して例の国に行くんだって。そして私が乗る船の周囲は護衛艦隊がしっかり包囲している。護衛というよりは、逃げ出さないよう監視されてるみたい。
六月某日
帝国の北の玄関口に到着。ここで川は終了。船自体は川でも海でも大丈夫なでかい代物だから問題なしだって。無論護衛艦隊の船もね。
ここでは領主館に宿泊するから、少し街を見てきてもいいかお伺いを立ててみた。変装するからって言ったらティルラが変な顔していたよ。
いや、私こっちにはあまりいないから、顔は知られていないだろうけど、一応用心の為にね。誘拐のリスクは一生つきまとうって母にも言われているし。
で、一緒に街に出るザンドラを見習って髪はおさげ、顔にそばかすを書いてちょっと野暮ったい雰囲気にしてみた。
それで外に出たら、街で迷子になって変な酔っ払いに絡まれたんだよね。どうしようかと困っていたら、見知らぬ人に助けてもらっちゃった。
身なりは良かったから、領主館に関係のある人かと思ってあまり顔をみないようにしていたんだよね。バレたらやだから。
あー、明日は向こうの国から来る使者と会って、彼らと一緒に出発だって。いよいよ逃げられないなー。
七月某日
とうとう到着。長かったけど、航海自体は快適だった。すごいね、あの船。向こうに持って行っても十分豪華クルーズ船として通用するんじゃないかな。
王宮で国王陛下に会う。ついでに夫になる王太子にも。すんごい目で睨まれたけど、あれか、愛人との間を邪魔されると思ってる訳か。
この王子様には愛人の男爵令嬢がいるんだって。結婚を長続きさせずに戻ってきてもいいって言われてる理由の一つがこれ。だったら最初から嫁にやるなよって言いたい。でもあれこれ聞いちゃうとな……。
王太子は本当に王子様って感じの見た目。金髪碧眼で、肩くらいまでの長さの髪は少し癖が入ってる。前髪は真ん中分けでワンレン? 見た目は高級なワンコって感じ。こっちに懐く気はないぞって全身で言ってる。
国王陛下は伯父さんに比べると幾分柔らかい感じかな。髪と瞳の色はワンコ王子様と似てる。親子だから当然か。
明日にはもう結婚式だって。早いよね。
七月某日
何というか、うん、いいんだけどさ。ワンコ王子様は余程私が目障りだったらしい。結婚式の後の舞踏会、言ってみれば披露宴? の会場で、堂々別居宣言をいただきました。私は離宮に行くんだって。
元々離婚上等で来てるから、別居に関しては万々歳なんだけどさ、その辺りを含めて話し合いたいと思っていたんだけどなー。あの様子だとこっちの話は聞く気はないみたいだね。
あ、それと、こっちにお姉様がいた! 大使夫人だって! お姉様は私の父の従姉妹にあたる人で、私も小さい頃から可愛がってもらってたんだ。まさかこっちに来てるなんて。教えておいてよ母!
んで、お姉様の旦那さん、帝国の大使が後で国王陛下の方に厳重抗議をするんだって。何でワンコ王子様でなくお父さんの方? って思ったら、責任は親にあるからだそうな。やべ、私が何かへましたら、両親や帝国の責任になるって事でもあるよね? 自重しよう……。
七月某日
ホラーハウスだったー!! 行けと言われた離宮は、マジモンのホラーハウスだったよ!! ホラー嫌いだってば!
何でも先々代国王が愛人を囲っていた離宮で、王妃の怒りに触れた愛人がここで惨殺されたとか何とか。それ以来おかしな事が起こるから放置されていたんだって。ワンコ王子ー!! 許すまじ!!
七月某日
朝っぱらからたたき起こされた。離宮に不審者がいたんだって。最初は出たのかと思ったけど、ティルラが言うには離宮には心霊的なものは何もないって事だった。わかっていたんなら教えておいてよ! てか魔導師って、そんなものもわかるんだ……。ちょっとリリーを見る目が変わりそう。
不審者はフィリップと言って、魔導研究者だった。それを聞いた時のリリーの顔って言ったら。
あれこれあったけど、彼はリリーの元に預ける事になった。それにしても,教会が魔導を禁じてるなんてね。それなんて中世の魔女狩り。実際今でもそんな事やってたりしたら……そっちの方がホラーだよね。
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