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第一部/一人目・酩酊した田舎娘

後日談:前編 堕ちた田舎娘

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子作りの儀式を終えてから何日か経ちました。
酔いが相当にまわっていた私は当日の記憶が飛んでおり、また儀式の翌日は全身が疲れて一日中寝ていました。
目が覚めた時、汗でじっとりと濡れていた体が儀式の壮絶さを感じさせました。
体が回復してからは少しずつ日常生活に戻りましたが、一つ変化したことがあります。
それはあの日以来、夫が妙に優しくなったことです。

動けなかったときも介抱してくれたし、体調が良くなってからも家事を手伝ってくれたりお小遣いもくれるようになりました。
「なにかあったら俺に頼ってね」
レオは事あるごとに私に言う言葉です。今までよりもかなり気が楽になりました。

しかし、もう一つ気になることがあります。
最近、彼の私を見る視線が薄気味悪く感じてしまいます。まるで服の下まで見られているような気がしてしまうのです。
私の胸やくびれに彼の視線が集まり、背後から臀部を見られているような気がして安心して生活できません。
それに彼からプレゼントされた服。
いつもより小さめの服のせいで体のラインが見えてしまい恥ずかしいものでした。
最初に着たときに彼が鼻の下を伸ばして凝視していたことが気持ち悪く、それ以来着ていません。

さて、今日も鬱々とした気分で朝を迎えたところ、忙しない様子で家を出ようとしている彼とすれ違いました。
「あ……、おはようジェシカ。今日も美しいね……」
この頃毎日言われる言葉をいつものように無視すると、彼が続けて
「今日は忙しいから、一日いない。お小遣いはテーブルの上に置いといたから、勝手に持ってってくれ」
と、私の胸元を見つめながら言いました。
私は黙ってうなずいて背を向けると
「あ、くれぐれもお酒には気をつけろよ。最近色々物騒だから」
といつものようにお酒の忠告をします。
その聞き飽きた言葉に返事もせずリビングに向かうと彼は「行ってきます」と言ってからでかけました。

「行ってらっしゃい」
声だけ返して独りリビングで物思いに耽りました。
あの儀式以来態度の変わった彼、それに加えて気分が晴れず鬱屈とした日々を過ごすことが多くなりました。
あの儀式をやってよかったのか。本当に儀式は成功したのか。後悔とも言えないような考えをめぐらしながら一日が過ぎるのを待ちます。

テーブルの上に置かれた金貨を見ながらぼんやりとしていると、突然ある考えを閃きました。
(そうだ……、たまには外に出てみようかしら……)
買い出し以外家から出ない生活をここ数年送っていましたが、最近は夫の態度が軟化したことで遊びに行ってもよくなりました。
それに今日はいつもより多めにお金を置いていってくれているみたいだし。
ふさぎ込んだ気分を晴らすにはお出かけはもってこいだと思いました。
すぐに私は外出の準備を始め、置いてあった金貨を袋に入れてから久々に外に出ました。
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