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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
631.女神様は、女神様のやりたい放題したツケをオレとクロードに払わせる気か、とカズラくん。女神様には、何か考えがあるようです。
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「女神様は、女神様がやりたいことをやった結果をクロードとヒサツグだけに背負い込ませて、二人の苦労を増やす気?
異世界転移しただけの日本人のヒサツグに、女神様のしたことを背負わすには重たすぎるよ。」
カズラくん。
カズラくん!
口を挟もうとしたオレをカズラくんは、目で止めた。
まだ、最後まで喋り終わっていない。
カズラくんの意思を汲み取って、オレは静かに待つ。
「ぼく達三人が、女神様の世界で、力を合わせて苦難を乗り越え、楽しく生きていこうというと団結したのは、結果的にそうなったというだけ。
女神様がぼく達に恩着せがましいのは、違うよね。」
とカズラくん。
カズラくんに容赦ない言葉をかけられても、女神様は態度を変えない。
でも。
思うところがあったのか、考えを変えたのか。
「妾は、妾の英雄クロードの伴侶をクロードと娶せる前に死なせないが、ヒサツグには妾がすることが分からないから不安だったのであろう、とな。
妾が連れてきたヒサツグは、妾が助けてやらねば、勝手に儚くなるほど弱いとなると、放置はできないわ。」
と女神様。
女神様は、理解してくれたのかな?
理解したけれど、反省はしていないというところかな?
女神様に関しては、反省しなくても、理解して行動が変わるならそれでいいと、反省を求めないのが最善の付き合い方になる。
「女神様。
オレは、女神様発の無茶なことに巻き込まれることがないようにしたい。
女神様のおかげで助かったこともあるけれど、それ以上に命の危機にもさらされてるからな。
命の危機と背中合わせの生活はオレの肌に合わない。」
命を狙われていると考えながら毎日を過ごすのは、疲れる。
精神的にも肉体的にも。
オレは、オレが許容するラインを女神様に告げた。
女神様は、ふむ、と頷く。
そして。
「妾、妾の英雄クロード、英雄クロードの伴侶ヒサツグ、神子カズラは、親族固めの盃で妾の親族となる。」
と女神様。
ほわーい?
女神様、どこからそんなウルトラCを閃いたのかな?
オレの予定にはないかったぞ?
クロードは、表情を変えていない。
事前に聞いて知っていたということは、クロードに関してはないだろうなー。
クロードが知らなかったのか、予想はしていたのかは、分からないなー。
「へー、それで?」
とカズラくん。
カズラくんは、女神様が親族固めの盃に参加したいと言い出すのを予想済みだったか、女神様から既に話を聞いていて却下していたかのどちらか、ぽいな。
「妾は、親族になり、妾の英雄クロードの伴侶ヒサツグを弱くないようにするわ。」
と女神様。
「弱くないようにする、とは?
女神様は、オレに修行でもつけてくれる気なのかな?」
「修行ごときで、妾の英雄クロードの伴侶ヒサツグの弱さが消えることはないわ。」
と女神様。
祝言の席で、修行しても強く慣れないというお墨付きを女神様からもらうことになるとはなー。
「修行なしに強くなっても、オレやオレの周囲の心身に負荷がかかったりしないよな?」
ドーピング系は、したくないからなー。
「弱いヒサツグに負荷をかけたら、さらに弱くなるだけ。強くはならないわ。」
と女神様。
女神様がオレの弱さを心配してくれているのは、伝わってきた。
弱いやつがどう足掻いたところで、どうにもならないと言っているわ、をオブラートに包むことはない女神様なりの伝え方だな。
「女神様は、弱いオレに何かしてあげようかな、と思って、オレの目の前にいるんだな?」
「焦らなくても、親族固めの盃が終わったら、するわ。」
と女神様。
「女神様がオレに何をするつもりか、する前に聞きたいんだけどな?」
「妾がすることを聞いたところで、理解するほどのことはないわ。」
と女神様。
オレは、女神様の言葉の意味を考えた。
「女神様の領域に関することなら、オレが聞いても答えをもらうことができないよな。
何をするかを聞かない代わりに、オレが心身ともに健康でいられないようなことは、絶対に避けてくれ。」
「ヒサツグは、誰がどう頑張ってもこれ以上弱くならないわ。」
と女神様。
強さ弱さで言うと、ストップ安の位置にオレはいるんだなー。
これ以上弱くはならないという太鼓判が押されたのは、上しかないと前向きにとらえよう。
「親族固めの盃は、まだ?」
と女神様。
女神様は、中身の入っているグラスをゆるっと回している。
女神様、オレと話すことは済んだという意思表示かな?
「今から再開するぞ。女神様と話したかったことは今ので話せたからな。」
異世界転移しただけの日本人のヒサツグに、女神様のしたことを背負わすには重たすぎるよ。」
カズラくん。
カズラくん!
口を挟もうとしたオレをカズラくんは、目で止めた。
まだ、最後まで喋り終わっていない。
カズラくんの意思を汲み取って、オレは静かに待つ。
「ぼく達三人が、女神様の世界で、力を合わせて苦難を乗り越え、楽しく生きていこうというと団結したのは、結果的にそうなったというだけ。
女神様がぼく達に恩着せがましいのは、違うよね。」
とカズラくん。
カズラくんに容赦ない言葉をかけられても、女神様は態度を変えない。
でも。
思うところがあったのか、考えを変えたのか。
「妾は、妾の英雄クロードの伴侶をクロードと娶せる前に死なせないが、ヒサツグには妾がすることが分からないから不安だったのであろう、とな。
妾が連れてきたヒサツグは、妾が助けてやらねば、勝手に儚くなるほど弱いとなると、放置はできないわ。」
と女神様。
女神様は、理解してくれたのかな?
理解したけれど、反省はしていないというところかな?
女神様に関しては、反省しなくても、理解して行動が変わるならそれでいいと、反省を求めないのが最善の付き合い方になる。
「女神様。
オレは、女神様発の無茶なことに巻き込まれることがないようにしたい。
女神様のおかげで助かったこともあるけれど、それ以上に命の危機にもさらされてるからな。
命の危機と背中合わせの生活はオレの肌に合わない。」
命を狙われていると考えながら毎日を過ごすのは、疲れる。
精神的にも肉体的にも。
オレは、オレが許容するラインを女神様に告げた。
女神様は、ふむ、と頷く。
そして。
「妾、妾の英雄クロード、英雄クロードの伴侶ヒサツグ、神子カズラは、親族固めの盃で妾の親族となる。」
と女神様。
ほわーい?
女神様、どこからそんなウルトラCを閃いたのかな?
オレの予定にはないかったぞ?
クロードは、表情を変えていない。
事前に聞いて知っていたということは、クロードに関してはないだろうなー。
クロードが知らなかったのか、予想はしていたのかは、分からないなー。
「へー、それで?」
とカズラくん。
カズラくんは、女神様が親族固めの盃に参加したいと言い出すのを予想済みだったか、女神様から既に話を聞いていて却下していたかのどちらか、ぽいな。
「妾は、親族になり、妾の英雄クロードの伴侶ヒサツグを弱くないようにするわ。」
と女神様。
「弱くないようにする、とは?
女神様は、オレに修行でもつけてくれる気なのかな?」
「修行ごときで、妾の英雄クロードの伴侶ヒサツグの弱さが消えることはないわ。」
と女神様。
祝言の席で、修行しても強く慣れないというお墨付きを女神様からもらうことになるとはなー。
「修行なしに強くなっても、オレやオレの周囲の心身に負荷がかかったりしないよな?」
ドーピング系は、したくないからなー。
「弱いヒサツグに負荷をかけたら、さらに弱くなるだけ。強くはならないわ。」
と女神様。
女神様がオレの弱さを心配してくれているのは、伝わってきた。
弱いやつがどう足掻いたところで、どうにもならないと言っているわ、をオブラートに包むことはない女神様なりの伝え方だな。
「女神様は、弱いオレに何かしてあげようかな、と思って、オレの目の前にいるんだな?」
「焦らなくても、親族固めの盃が終わったら、するわ。」
と女神様。
「女神様がオレに何をするつもりか、する前に聞きたいんだけどな?」
「妾がすることを聞いたところで、理解するほどのことはないわ。」
と女神様。
オレは、女神様の言葉の意味を考えた。
「女神様の領域に関することなら、オレが聞いても答えをもらうことができないよな。
何をするかを聞かない代わりに、オレが心身ともに健康でいられないようなことは、絶対に避けてくれ。」
「ヒサツグは、誰がどう頑張ってもこれ以上弱くならないわ。」
と女神様。
強さ弱さで言うと、ストップ安の位置にオレはいるんだなー。
これ以上弱くはならないという太鼓判が押されたのは、上しかないと前向きにとらえよう。
「親族固めの盃は、まだ?」
と女神様。
女神様は、中身の入っているグラスをゆるっと回している。
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