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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
624.祝言をあげる準備が整いました。
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クロードのご両親とご先祖様の肖像画が飾られている広い部屋で、オレとクロードは、これから祝言をあげる。
日本で祝言をあげるなら、和室だけど、女神様の世界は椅子に座る文化なので、立食パーティー仕様にしている。
どの席に誰が座るか、席次に悩む時間を省いた。
部屋に入るときに、一人一つのグラスを各自で手に取り、ドリンクコーナーでグラスに飲み物を注ぐ。
今は、各自、飲み物が入ったグラスを手に持って、オレとクロードの周りに集まっている。
祝言の参加者は、開始時間前に、オレが招待した人達の数の倍以上になった。
クロードが、クロードが信用している人達を祝言に招待したから。
クロードが招待した参加者は、仕事を持っているため、祝言のため、とは言わずに、職場に休みを申請して休みをとっての参加だ。
オレとクロードが参加してほしい参加者に参加してもらいたいから、参加者の長時間にわたる拘束は避けた。
オレとクロードが信用して仕事や、家内のことを任せている人達全員が、同時に各所からいなくなる時間を短時間作るのは、オレとクロード、ケレメイン大公家とケレメイン大公国に対して思うところがある人達を揺さぶる作戦として有効。
でも。
オレとクロードが信用している人達の長時間の不在は。
オレとクロードが思う方向へと引っ張って、やりやすくなってきたオレとクロードの仕事に関わる人達の仕事環境をひっくり返されるおそれがある。
だから、準備も片付けにも時間を取らないようにした。
各自が持っているグラスは、人数分、シンプルな同じ形をしている。
祝言から帰るときに、各自、使用したグラスを持ち帰ることになっている。
グラスは、祝言のためだけに使うものとして、人数分を発注し、納品されたものはオレが確認した。
オレとクロードが信用して、オレとクロードを支え続けている人達全員が、オレとクロードと同じグラスで飲み交わした後、各自のグラスを持ち帰れたら、特別感と意欲が湧いてくるよな?
グラスには、オレとクロードの名前がうっすらとデザインされている。
よく使われていそうだけど、同じグラスを持っている人がそのグラスを見たら、いつどこで使われたものか、見当がつくようなデザインにした。
祝言の参加者が、オレとクロードにとって特別だと演出することは、オレとクロードが腹心を作る上で欠かせない。
オレ、クロード、カズラくんは、祝言をあげるまで、イメトレしながら、知恵を凝らした。
その結果が、今日。
時間になった。
全員揃ったから、祝言を始めようかな。
祝言は、参加者全員が見守る中で、夫婦固めの盃と親族固めの盃を済ませてから軽食の流れ。
食事を食べたら、参加者の途中退席、離席を可にしてある。
一度部屋を出て戻ってくることもあるかもしれないから、祝言の時間内なら戻ってくるのは可。
祝言のための部屋の扉は、締め切らない。
祝言に参加していない人が通りかかったときに。
扉の外から部屋の中を見ることを邪魔するものはない。
部屋から聞こえてくる話し声に聞き耳を立てていても、誰も邪魔しに行かない。
ただ、祝言をあげるへやの開け放たれた扉から、部屋の中に入ることはできない。
部屋の出入り口には、成人男性が足を上げてまたがないといけない高さにロープを張った。
部屋に入ろうとすると、ロープをくぐるか、またぐかする必要がある。
部屋に入ろうとする意図がないのに、うっかり入ってしまいましたの言い訳は通用しないようにしている。
祝言をあげようと決めてから一年。
ケレメイン大公国への侵略を阻止してからは二年経った。
結婚式に呼びたかったのに呼べなかった人達を集めて祝われたいというオレの願いを叶えるためだけに祝言をあげては。
集められた人達を振り回しているだけ、ということに気づいたオレは。
『オレとクロードが祝言をあげることに意義を持たせよう。』
とクロードに提案し、今日の形になった。
『ヒサツグのやりたかった結婚式に代わるものが、政治的な思惑の働くものになっては、辛くないか?』
と確認するクロードに。
『オレが考えて導き出した結論だから。
オレの意思で、祝言に政治的な思惑を働かせたいと思っている。』
オレは、心配するクロードの頭をよしよしと撫でた。
『ありがとう。クロード、愛している。
オレは、クロードの考えも聞きたい。
オレの希望と、クロードの希望の両方が叶うように、そうだんしていこうな?』
クロードは、クロードの頭をよしよしするオレの手を外して、オレに噛みつくようなキスをした。
その後は、相談どころじゃなくて、寝室にこもり、相談は翌日に持ち越したなー。
日本で祝言をあげるなら、和室だけど、女神様の世界は椅子に座る文化なので、立食パーティー仕様にしている。
どの席に誰が座るか、席次に悩む時間を省いた。
部屋に入るときに、一人一つのグラスを各自で手に取り、ドリンクコーナーでグラスに飲み物を注ぐ。
今は、各自、飲み物が入ったグラスを手に持って、オレとクロードの周りに集まっている。
祝言の参加者は、開始時間前に、オレが招待した人達の数の倍以上になった。
クロードが、クロードが信用している人達を祝言に招待したから。
クロードが招待した参加者は、仕事を持っているため、祝言のため、とは言わずに、職場に休みを申請して休みをとっての参加だ。
オレとクロードが参加してほしい参加者に参加してもらいたいから、参加者の長時間にわたる拘束は避けた。
オレとクロードが信用して仕事や、家内のことを任せている人達全員が、同時に各所からいなくなる時間を短時間作るのは、オレとクロード、ケレメイン大公家とケレメイン大公国に対して思うところがある人達を揺さぶる作戦として有効。
でも。
オレとクロードが信用している人達の長時間の不在は。
オレとクロードが思う方向へと引っ張って、やりやすくなってきたオレとクロードの仕事に関わる人達の仕事環境をひっくり返されるおそれがある。
だから、準備も片付けにも時間を取らないようにした。
各自が持っているグラスは、人数分、シンプルな同じ形をしている。
祝言から帰るときに、各自、使用したグラスを持ち帰ることになっている。
グラスは、祝言のためだけに使うものとして、人数分を発注し、納品されたものはオレが確認した。
オレとクロードが信用して、オレとクロードを支え続けている人達全員が、オレとクロードと同じグラスで飲み交わした後、各自のグラスを持ち帰れたら、特別感と意欲が湧いてくるよな?
グラスには、オレとクロードの名前がうっすらとデザインされている。
よく使われていそうだけど、同じグラスを持っている人がそのグラスを見たら、いつどこで使われたものか、見当がつくようなデザインにした。
祝言の参加者が、オレとクロードにとって特別だと演出することは、オレとクロードが腹心を作る上で欠かせない。
オレ、クロード、カズラくんは、祝言をあげるまで、イメトレしながら、知恵を凝らした。
その結果が、今日。
時間になった。
全員揃ったから、祝言を始めようかな。
祝言は、参加者全員が見守る中で、夫婦固めの盃と親族固めの盃を済ませてから軽食の流れ。
食事を食べたら、参加者の途中退席、離席を可にしてある。
一度部屋を出て戻ってくることもあるかもしれないから、祝言の時間内なら戻ってくるのは可。
祝言のための部屋の扉は、締め切らない。
祝言に参加していない人が通りかかったときに。
扉の外から部屋の中を見ることを邪魔するものはない。
部屋から聞こえてくる話し声に聞き耳を立てていても、誰も邪魔しに行かない。
ただ、祝言をあげるへやの開け放たれた扉から、部屋の中に入ることはできない。
部屋の出入り口には、成人男性が足を上げてまたがないといけない高さにロープを張った。
部屋に入ろうとすると、ロープをくぐるか、またぐかする必要がある。
部屋に入ろうとする意図がないのに、うっかり入ってしまいましたの言い訳は通用しないようにしている。
祝言をあげようと決めてから一年。
ケレメイン大公国への侵略を阻止してからは二年経った。
結婚式に呼びたかったのに呼べなかった人達を集めて祝われたいというオレの願いを叶えるためだけに祝言をあげては。
集められた人達を振り回しているだけ、ということに気づいたオレは。
『オレとクロードが祝言をあげることに意義を持たせよう。』
とクロードに提案し、今日の形になった。
『ヒサツグのやりたかった結婚式に代わるものが、政治的な思惑の働くものになっては、辛くないか?』
と確認するクロードに。
『オレが考えて導き出した結論だから。
オレの意思で、祝言に政治的な思惑を働かせたいと思っている。』
オレは、心配するクロードの頭をよしよしと撫でた。
『ありがとう。クロード、愛している。
オレは、クロードの考えも聞きたい。
オレの希望と、クロードの希望の両方が叶うように、そうだんしていこうな?』
クロードは、クロードの頭をよしよしするオレの手を外して、オレに噛みつくようなキスをした。
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