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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
615.義実家、義家族の距離感について、カズラくんに話しましょう。クロードは、ケレメイン大公国の次代を任せたい理由をカズラくんに説明します。
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「今回みたいに?」
とカズラくん。
「今回、オレを助けてくれたみたいに。」
オレが繰り返すと、カズラくんは、ふーん、と言って考え込む。
「今回、カズラくんには、カズラくんの善意とオレとの約束で、動いてもらった。
ありがとう。」
「どういたしまして。」
とカズラくん。
「オレ達とカズラくんが今の距離感をこのまま続けていくか、なんだけどさ。
オレは、義実家、義家族の距離感へ変えていきたい。」
「義実家、義家族という言葉では、具体的なイメージがわかないよ。」
とカズラくん。
「オレは、オレやクロードがどうにもならなくなる前に、カズラくんにオレ達を助けてもらいたい。
助けてもらったら、オレとクロードは、義実家、義家族の距離感でお礼をする。」
これから助け合う関係性を説明するのに、義家族や義実家という言い回しは、便利だなー。
オレ達は、経験がないから、ふわっと話せる。
カズラくんにとっての家族。
クロードにとっての友人。
良い関係を築けていたとは言い難い経験をしてきた二人には。
新しく家族や友人を作って、辛い経験を克服させるよりも、安心を与えたいんだよな。
辛い経験とは関係ない名前のついた新しい繋がりについて、考えた結果が、義実家や義家族。
オレは、味噌汁の冷めない距離に住んでいて、血の繫がりはなく、互いに気になることも気にならないこともある間柄で、家族ほどじゃないけど友達よりも面倒を見る関係をイメージしている。
義家族の経験がオレにはないから、こういうのがいいな、というオレの完全な想像だな。
「家族とは違う距離感だけど、他人じゃない、という意味だね。
ヒサツグとクロードが、ぼくに期待している内容は分かったよ。
義家族や義実家のヒサツグとクロードへ、ぼくは何を期待できる?」
とカズラくん。
カズラくんには、意図が伝わったな。
「カズラくんが困りきる前に、オレとクロードは助けにいく。」
「助け合い自体は、悪くはないよ。」
とカズラくん。
「ただし、オレとクロードは鈍い。
助けを求めるときは、カズラくんから随時、オレとクロードへ支援要請を出してほしい。」
「鈍いと自覚しただけ、マシになったよ。」
とカズラくん。
「カズラくんには、お世話になりっぱなしで。」
「まったくだよ。
ケレメイン大公国を欲しいと願ったぼくの希望とも大枠では一致するから。
ヒサツグとクロードの提案を拒否する理由は、ぼくにはない。
でも、今の話だけでは足りないね。
ヒサツグとクロードがケレメイン大公国をぼくに任せたい理由は、もっとあるよね?」
とカズラくん。
カズラくんの疑問は、ごもっとも。
カズラくんは、ケレメイン大公国が欲しいとは言ったけれど、カズラくんが安心して暮らせる環境を作るという要求を通すところに落ち着かせるつもりだったと思う。
オレとクロードは、これ幸いと、ケレメイン大公国が欲しいといったカズラくんの要求に乗る。
カズラくんからの要求は、オレとクロードが考えていた秘策を話すのにちょうどよかった。
「まず、クロードから説明するぞ。」
カズラくんは、クロードを見た。
「私やヒサツグよりも、カズラが生きる時間は長い。」
とクロード。
カズラくんとクロードの間には、ピリッとした緊張感が。
「ぼくは、ぼく自身のことを女神様の世界の住人よりは、女神様に近い何かだと思っているよ。」
とカズラくん。
「女神様の力を超えなければ、カズラは女神様の世界を越えて入ってこれない。
女神様の力を超えたときに、カズラは、超越したものへと変わっただろう。」
とクロード。
カズラくんの発言に驚かないクロードをじっと見ているカズラくん。
「クロードは、確かに為政者だよね。
見るべきものを見ているよ。
ぼくも、力を見せつけた甲斐がある。」
とカズラくん。
カズラくんは、カズラくん自身の特異性を見せつけるためもあって、愛こんにゃく家の結婚式で力を見せつけたんだな。
「私やヒサツグのいなくなったケレメイン大公国で、女神様を超える力を持っているカズラを一市民にとどめておくことは、カズラ自身の平穏と、この世界の住人の安寧を損なう。」
とクロード。
「荒れるだろう未来を簡単に想像できるよ。」
とカズラくんは、頷く。
「最初から、女神様以上の力の持ち主であるカズラを次の国主だとした方が、カズラを罠にかけようとする者やカズラの排除を企む者を抑制できる。
カズラの周りも、不測の事態が起きないことで安心してカズラを迎え入れられる。」
とクロード。
ふむふむと頷くカズラくん。
「クロードのケレメイン大公国をぼくに任せたいという判断は、為政者としての判断だね。
ヒサツグの意見は?」
とカズラくん。
カズラくんは、オレに顔を向けた。
「女神様の世界に来てからのオレの経験から、異世界人が生きていくための必勝法をオレは導き出した。
その必勝法を話していいかな?」
「聞くよ。」
とカズラくん。
とカズラくん。
「今回、オレを助けてくれたみたいに。」
オレが繰り返すと、カズラくんは、ふーん、と言って考え込む。
「今回、カズラくんには、カズラくんの善意とオレとの約束で、動いてもらった。
ありがとう。」
「どういたしまして。」
とカズラくん。
「オレ達とカズラくんが今の距離感をこのまま続けていくか、なんだけどさ。
オレは、義実家、義家族の距離感へ変えていきたい。」
「義実家、義家族という言葉では、具体的なイメージがわかないよ。」
とカズラくん。
「オレは、オレやクロードがどうにもならなくなる前に、カズラくんにオレ達を助けてもらいたい。
助けてもらったら、オレとクロードは、義実家、義家族の距離感でお礼をする。」
これから助け合う関係性を説明するのに、義家族や義実家という言い回しは、便利だなー。
オレ達は、経験がないから、ふわっと話せる。
カズラくんにとっての家族。
クロードにとっての友人。
良い関係を築けていたとは言い難い経験をしてきた二人には。
新しく家族や友人を作って、辛い経験を克服させるよりも、安心を与えたいんだよな。
辛い経験とは関係ない名前のついた新しい繋がりについて、考えた結果が、義実家や義家族。
オレは、味噌汁の冷めない距離に住んでいて、血の繫がりはなく、互いに気になることも気にならないこともある間柄で、家族ほどじゃないけど友達よりも面倒を見る関係をイメージしている。
義家族の経験がオレにはないから、こういうのがいいな、というオレの完全な想像だな。
「家族とは違う距離感だけど、他人じゃない、という意味だね。
ヒサツグとクロードが、ぼくに期待している内容は分かったよ。
義家族や義実家のヒサツグとクロードへ、ぼくは何を期待できる?」
とカズラくん。
カズラくんには、意図が伝わったな。
「カズラくんが困りきる前に、オレとクロードは助けにいく。」
「助け合い自体は、悪くはないよ。」
とカズラくん。
「ただし、オレとクロードは鈍い。
助けを求めるときは、カズラくんから随時、オレとクロードへ支援要請を出してほしい。」
「鈍いと自覚しただけ、マシになったよ。」
とカズラくん。
「カズラくんには、お世話になりっぱなしで。」
「まったくだよ。
ケレメイン大公国を欲しいと願ったぼくの希望とも大枠では一致するから。
ヒサツグとクロードの提案を拒否する理由は、ぼくにはない。
でも、今の話だけでは足りないね。
ヒサツグとクロードがケレメイン大公国をぼくに任せたい理由は、もっとあるよね?」
とカズラくん。
カズラくんの疑問は、ごもっとも。
カズラくんは、ケレメイン大公国が欲しいとは言ったけれど、カズラくんが安心して暮らせる環境を作るという要求を通すところに落ち着かせるつもりだったと思う。
オレとクロードは、これ幸いと、ケレメイン大公国が欲しいといったカズラくんの要求に乗る。
カズラくんからの要求は、オレとクロードが考えていた秘策を話すのにちょうどよかった。
「まず、クロードから説明するぞ。」
カズラくんは、クロードを見た。
「私やヒサツグよりも、カズラが生きる時間は長い。」
とクロード。
カズラくんとクロードの間には、ピリッとした緊張感が。
「ぼくは、ぼく自身のことを女神様の世界の住人よりは、女神様に近い何かだと思っているよ。」
とカズラくん。
「女神様の力を超えなければ、カズラは女神様の世界を越えて入ってこれない。
女神様の力を超えたときに、カズラは、超越したものへと変わっただろう。」
とクロード。
カズラくんの発言に驚かないクロードをじっと見ているカズラくん。
「クロードは、確かに為政者だよね。
見るべきものを見ているよ。
ぼくも、力を見せつけた甲斐がある。」
とカズラくん。
カズラくんは、カズラくん自身の特異性を見せつけるためもあって、愛こんにゃく家の結婚式で力を見せつけたんだな。
「私やヒサツグのいなくなったケレメイン大公国で、女神様を超える力を持っているカズラを一市民にとどめておくことは、カズラ自身の平穏と、この世界の住人の安寧を損なう。」
とクロード。
「荒れるだろう未来を簡単に想像できるよ。」
とカズラくんは、頷く。
「最初から、女神様以上の力の持ち主であるカズラを次の国主だとした方が、カズラを罠にかけようとする者やカズラの排除を企む者を抑制できる。
カズラの周りも、不測の事態が起きないことで安心してカズラを迎え入れられる。」
とクロード。
ふむふむと頷くカズラくん。
「クロードのケレメイン大公国をぼくに任せたいという判断は、為政者としての判断だね。
ヒサツグの意見は?」
とカズラくん。
カズラくんは、オレに顔を向けた。
「女神様の世界に来てからのオレの経験から、異世界人が生きていくための必勝法をオレは導き出した。
その必勝法を話していいかな?」
「聞くよ。」
とカズラくん。
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