606 / 667
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
606.カズラくんは、カズラくんの居場所を確保したいと思っているようです。カズラくんは日本に
しおりを挟む
オレは、カズラくんの信条というかこれまでの人生に踏み込んでみることにした。
「カズラくんは、ギブ・アンド・テイクが安心なんだよな?」
カズラくんは、無償の関係を信用できないっぽいんだよなー。
カズラくんは、基本的に、与える側にいて、与えられる側にはいようとしない。
与える側にいるときも、与えることに対して、見返りの提示を必ず求める。
異世界という場所で、頼りになるのは自分だけだから、油断しないという気持ちだけじゃなさそうなんだよなー。
日本にいたときに何かあったんだろうな。
カズラくんが納得して生きていく知恵ではあっても、極端にはしっていると周りから受け止められると、居場所を作るどころじゃなくなるからなー。
オレとクロードとカズラくんの3人だけで話せている今の機会に、カズラくんと詰めておこうと思う。
今までは、異世界人同士でオレと比較されても、カズラくんが悪く言われることはなかったと思う。
でも、これからはなー。
神子様というお客様ではなく、女神様の世界に定住していくことを考えるとなー。
「安心だよ。
ギブ・アンド・テイクも絶対じゃないけどね。」
とカズラくん。
カズラくんは、周りの人をギブ・アンド・テイクの関係があれば使える人、あっても使えない人で区切っている気がする。
「カズラくんの用心深さは、これまでの経験によるのかな?」
「ヒサツグは、ぼくよりしっかりしていないからね。」
とカズラくん。
カズラくんは、カズラくんよりもしっかりしていないオレ、に安心している。
カズラくんの使う、しっかりしている、というのは、文字通りの意味じゃない。
カズラくんの言う、しっかりは、小狡さを意味していないかなー?
「カズラくんが、オレに対して、あれこれ世話を焼いてくれるのは、オレがカズラくんを騙したり、カズラくんの困ることをしたりすることがなかったからかな?」
オレは、カズラくんの理由を知っておこうと思う。
「まあね。ヒサツグは、年上だけど、ぼくよりできないことが多いから。」
とカズラくん。
「カズラくんは、年上の知り合いにはしっかりしていてほしい、とは考えていないのかな?」
「しっかりしていることに、年齢は関係ないよ。
年上風を吹かしてこなければそれでいい。」
とカズラくん。
年上風ときたかー。
オレ、無意識にやりそう。
「具体的にはどんなことかな?」
「友達同士の間柄で。
会って話をしていたときの、ぼくから聞いた話が有益だったから、お金を出す、今後も有益な話を聞けたら、お金を出す、とぼくに言ってくるようなことだよ。」
とカズラくん。
具体的なのは。
カズラくんが実際に経験した話だからだろうな。
この場合、情報の謝礼としてお金をもらう関係は、ギブ・アンド・テイクとは違うよなー。
情報をもらって、謝礼を出す側が一方的だもんな。
友達として、対等じゃない、とカズラくんは考えたんだなー。
「これからも取引のときは、カズラくんの意向を毎回確認するようにするぞ。」
「よろしく。」
と満足げなカズラくん。
「カズラくんからは、利用されたくないから、ギブ・アンド・テイクを掲げて、用心深くしているのかな?」
「ぼくの友達で、完全な自営業じゃなく、あるグループに所属して、そのグループで研修をしてから自分の店を持った人がいたんだよ。」
とカズラくん。
「それは、詐欺グループかな?」
犯罪に手を染めた友達の話?
ねずみ講とか?
「マッサージ系。
マッサージだけじゃなく、色々な製品も扱っていたかな。」
おー。
「ぼくは、誘われて勧められたときに、友達だから買ったんだよ。
友達じゃなかったら、ぼくは何も買わなかった。
お金を払って、何かを頼もうとも思わなかった。」
とカズラくん。
友達の仕事を応援したい気持ちを利用された、とかかな?
「友達から提示されたサービスなり物について。
友達だから、お金を払ってもいい、と判断して支払ったけれど、友達じゃなかったら、一銭も払う価値はない、と思ったということだよな?」
「そうだよ。それなのに。
ぼくのお金を受け取ったときから、サービスと物と、お金の話しか、ぼくにしてこなくなったら、友達とは言えないよね?」
とカズラくん。
女友達だったりするのかな?
カズラくんは、友達付き合いの一貫で、友達のところで買い物しているつもりでいたけれど。
言えばお金を払ってくれる人という風に、友達はカズラくんを認識するようになったのかな。
「友達が前提条件にある取引なら、友達としての交流がないとなー。」
カズラくんがギブ・アンド・テイクの関係に終始するのは、友達に裏切られた、という思いがあるからだろうな。
友達という立場の存在に不信感を持ってしまったカズラくんは、自分が傷つけられて、騙されないように、用心深くなったんだな。
カズラくんが、誰かと関係を作っていくときにギブ・アンド・テイクを求める理由は分かった。
分かったけれど、友達に対する不信感はどうしたものかなー?
カズラくんは、恋人ともなんやかんやあった、と聞いているぞ?
恋人、友達がダメなら、家族。
家族が、カズラくんの問題解決のカギになるといいんだけど。
「カズラくんは、ギブ・アンド・テイクが安心なんだよな?」
カズラくんは、無償の関係を信用できないっぽいんだよなー。
カズラくんは、基本的に、与える側にいて、与えられる側にはいようとしない。
与える側にいるときも、与えることに対して、見返りの提示を必ず求める。
異世界という場所で、頼りになるのは自分だけだから、油断しないという気持ちだけじゃなさそうなんだよなー。
日本にいたときに何かあったんだろうな。
カズラくんが納得して生きていく知恵ではあっても、極端にはしっていると周りから受け止められると、居場所を作るどころじゃなくなるからなー。
オレとクロードとカズラくんの3人だけで話せている今の機会に、カズラくんと詰めておこうと思う。
今までは、異世界人同士でオレと比較されても、カズラくんが悪く言われることはなかったと思う。
でも、これからはなー。
神子様というお客様ではなく、女神様の世界に定住していくことを考えるとなー。
「安心だよ。
ギブ・アンド・テイクも絶対じゃないけどね。」
とカズラくん。
カズラくんは、周りの人をギブ・アンド・テイクの関係があれば使える人、あっても使えない人で区切っている気がする。
「カズラくんの用心深さは、これまでの経験によるのかな?」
「ヒサツグは、ぼくよりしっかりしていないからね。」
とカズラくん。
カズラくんは、カズラくんよりもしっかりしていないオレ、に安心している。
カズラくんの使う、しっかりしている、というのは、文字通りの意味じゃない。
カズラくんの言う、しっかりは、小狡さを意味していないかなー?
「カズラくんが、オレに対して、あれこれ世話を焼いてくれるのは、オレがカズラくんを騙したり、カズラくんの困ることをしたりすることがなかったからかな?」
オレは、カズラくんの理由を知っておこうと思う。
「まあね。ヒサツグは、年上だけど、ぼくよりできないことが多いから。」
とカズラくん。
「カズラくんは、年上の知り合いにはしっかりしていてほしい、とは考えていないのかな?」
「しっかりしていることに、年齢は関係ないよ。
年上風を吹かしてこなければそれでいい。」
とカズラくん。
年上風ときたかー。
オレ、無意識にやりそう。
「具体的にはどんなことかな?」
「友達同士の間柄で。
会って話をしていたときの、ぼくから聞いた話が有益だったから、お金を出す、今後も有益な話を聞けたら、お金を出す、とぼくに言ってくるようなことだよ。」
とカズラくん。
具体的なのは。
カズラくんが実際に経験した話だからだろうな。
この場合、情報の謝礼としてお金をもらう関係は、ギブ・アンド・テイクとは違うよなー。
情報をもらって、謝礼を出す側が一方的だもんな。
友達として、対等じゃない、とカズラくんは考えたんだなー。
「これからも取引のときは、カズラくんの意向を毎回確認するようにするぞ。」
「よろしく。」
と満足げなカズラくん。
「カズラくんからは、利用されたくないから、ギブ・アンド・テイクを掲げて、用心深くしているのかな?」
「ぼくの友達で、完全な自営業じゃなく、あるグループに所属して、そのグループで研修をしてから自分の店を持った人がいたんだよ。」
とカズラくん。
「それは、詐欺グループかな?」
犯罪に手を染めた友達の話?
ねずみ講とか?
「マッサージ系。
マッサージだけじゃなく、色々な製品も扱っていたかな。」
おー。
「ぼくは、誘われて勧められたときに、友達だから買ったんだよ。
友達じゃなかったら、ぼくは何も買わなかった。
お金を払って、何かを頼もうとも思わなかった。」
とカズラくん。
友達の仕事を応援したい気持ちを利用された、とかかな?
「友達から提示されたサービスなり物について。
友達だから、お金を払ってもいい、と判断して支払ったけれど、友達じゃなかったら、一銭も払う価値はない、と思ったということだよな?」
「そうだよ。それなのに。
ぼくのお金を受け取ったときから、サービスと物と、お金の話しか、ぼくにしてこなくなったら、友達とは言えないよね?」
とカズラくん。
女友達だったりするのかな?
カズラくんは、友達付き合いの一貫で、友達のところで買い物しているつもりでいたけれど。
言えばお金を払ってくれる人という風に、友達はカズラくんを認識するようになったのかな。
「友達が前提条件にある取引なら、友達としての交流がないとなー。」
カズラくんがギブ・アンド・テイクの関係に終始するのは、友達に裏切られた、という思いがあるからだろうな。
友達という立場の存在に不信感を持ってしまったカズラくんは、自分が傷つけられて、騙されないように、用心深くなったんだな。
カズラくんが、誰かと関係を作っていくときにギブ・アンド・テイクを求める理由は分かった。
分かったけれど、友達に対する不信感はどうしたものかなー?
カズラくんは、恋人ともなんやかんやあった、と聞いているぞ?
恋人、友達がダメなら、家族。
家族が、カズラくんの問題解決のカギになるといいんだけど。
53
お気に入りに追加
1,680
あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)
エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。
魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。
若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。
*以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。
お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。
こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

どうも、卵から生まれた魔人です。
べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。
太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!


嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる