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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
603.クロードを好きだと行動した人はヒサツグを認めている、とカズラくん。カズラくんが女神様の世界から日本へ帰ったとき、全裸だったんですか?
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クロードは、何も言わない。
クロード自身、求められてきたクロード像に苦しんできただろうからなー。
オレは、カズラくんに答えた。
「英雄になったクロードは、家族を求めていたんだよな。
恋人じゃなくてさ。」
「クロードが一緒にいて欲しい人は、一貫して家族だったんだよね。
後から思い返してみたら。
ヒサツグは、最初からクロードの家族として立ち回っていたんだよ。
クロードの周りにいて、クロードに関心を寄せている人の中で、ただ一人、ヒサツグだけはね。
ヒサツグにとって、クロードは最初から守ってあげたい存在だった?」
とカズラくん。
「最初は、全然だったぞ。
家に連れてくる前も、連れてきてからも、クロードからは何の説明もなかったから。
オレは自分が理解できる説明を求めて、ヤグルマさんを巻き込んで、ケレメイン公爵家の王都邸で生活を始めて。
クロードとケレメイン公爵領に来たりしているうちに、だなー。」
情が湧いた?
違うなー。
いつのまにか、クロードから離れがたくなっていた。
「クロードと家庭を守って、クロード自身も守ってくれて、クロードの仕事も助けてくれるような、クロードの絶対的な味方になってくれる人。」
とカズラくん。
「うん?」
「やっぱり、ヒサツグをおいて他にはいないよ。」
とカズラくん。
「ありがとう。」
誇らしいけれど、照れるなー。
「クロードを好きな人でクロードを好きだと言って行動した人が、ヒサツグを認めたんだから、ヒサツグは自信持ってよ。」
とカズラくん。
「クロードを守らないとと思うきっかけがあったか、というと。
オレには、クロードよりもオレの方が年上だという自負が、最初からあったからさ。
オレとクロードの関係性は、オレがクロードに頼るんじゃなく、オレがクロードに頼られるものだと疑わなかったんだよな。」
クロードがよりかかれて、クロードを甘やかしてくれる存在。
魔王による消失により、突然、消えた両親の仕事の穴を埋めるだけではなく。
ケレメイン公爵として、一人で切り盛りしていかないといけなくなったクロードの苦しさを丸ごと引き受けて、さらに、クロードを癒して。
仕事面と家庭面の両方から、クロードの助けとなり、クロードを包み込める、たった一人を、クロードは求めていた。
クロードを前にしては、言わないけれど。
「うん。ぼくは出発点が違ったんだよね。
そうだろうとは思っていたけれど、今とてもスッキリしたよ。」
とカズラくんは清々しい顔で笑った。
クロードを吹っ切って新しい恋に進んでいるカズラくんは、強いなー、と思う。
日本に帰ったときのカズラくんの状況を詳しく聞いてみようかな?
「カズラくんが日本から女神様の世界に戻ってきたとき。
カズラくんの荷物は、ハリセンだけで、日本で売られている服を着ていたよなー?」
「女神様の世界から日本へ帰ったときに着ていた服や靴を着てこなかったのが、不思議?」
とカズラくん。
「うん。カズラくんが日本に帰るときに着ていた服は、日本で着るには、目立ち過ぎるデザインだったから、女神様の世界に持って帰ってくるかと思っていた。」
日本へ帰る前のカズラくんは、神子様だったから、それはもう、華やかに飾り立てられている服を着ていた。
「ぼくが日本に帰るとき、女神様の世界のものは、何一つ持って帰れなかったんだよ。
日本に帰るときに着ていた服も靴も、日本に帰ったら、何も残っていなかった。」
とカズラくん。
「カズラくん、ひょっとして、日本に着いたら全裸だったのかな?」
カズラくん、まさか、露出狂で捕まったりしていないよな?
見た目が良いカズラくんの全裸?
日頃のご褒美として、町中で拝まれていないかな?
カズラくんは、オレを軽く睨んだ。
「女神様の世界のものが持ち出せない、という意味がよく分かったよ。
ぼくは、日本のぼくの部屋に戻ったから、騒ぎにならなかったんだよ。」
とカズラくん。
オレが何を想像したのか、カズラくんにバレていたらしい。
オレの想像が邪だったな、ごめん、カズラくん。
クロード自身、求められてきたクロード像に苦しんできただろうからなー。
オレは、カズラくんに答えた。
「英雄になったクロードは、家族を求めていたんだよな。
恋人じゃなくてさ。」
「クロードが一緒にいて欲しい人は、一貫して家族だったんだよね。
後から思い返してみたら。
ヒサツグは、最初からクロードの家族として立ち回っていたんだよ。
クロードの周りにいて、クロードに関心を寄せている人の中で、ただ一人、ヒサツグだけはね。
ヒサツグにとって、クロードは最初から守ってあげたい存在だった?」
とカズラくん。
「最初は、全然だったぞ。
家に連れてくる前も、連れてきてからも、クロードからは何の説明もなかったから。
オレは自分が理解できる説明を求めて、ヤグルマさんを巻き込んで、ケレメイン公爵家の王都邸で生活を始めて。
クロードとケレメイン公爵領に来たりしているうちに、だなー。」
情が湧いた?
違うなー。
いつのまにか、クロードから離れがたくなっていた。
「クロードと家庭を守って、クロード自身も守ってくれて、クロードの仕事も助けてくれるような、クロードの絶対的な味方になってくれる人。」
とカズラくん。
「うん?」
「やっぱり、ヒサツグをおいて他にはいないよ。」
とカズラくん。
「ありがとう。」
誇らしいけれど、照れるなー。
「クロードを好きな人でクロードを好きだと言って行動した人が、ヒサツグを認めたんだから、ヒサツグは自信持ってよ。」
とカズラくん。
「クロードを守らないとと思うきっかけがあったか、というと。
オレには、クロードよりもオレの方が年上だという自負が、最初からあったからさ。
オレとクロードの関係性は、オレがクロードに頼るんじゃなく、オレがクロードに頼られるものだと疑わなかったんだよな。」
クロードがよりかかれて、クロードを甘やかしてくれる存在。
魔王による消失により、突然、消えた両親の仕事の穴を埋めるだけではなく。
ケレメイン公爵として、一人で切り盛りしていかないといけなくなったクロードの苦しさを丸ごと引き受けて、さらに、クロードを癒して。
仕事面と家庭面の両方から、クロードの助けとなり、クロードを包み込める、たった一人を、クロードは求めていた。
クロードを前にしては、言わないけれど。
「うん。ぼくは出発点が違ったんだよね。
そうだろうとは思っていたけれど、今とてもスッキリしたよ。」
とカズラくんは清々しい顔で笑った。
クロードを吹っ切って新しい恋に進んでいるカズラくんは、強いなー、と思う。
日本に帰ったときのカズラくんの状況を詳しく聞いてみようかな?
「カズラくんが日本から女神様の世界に戻ってきたとき。
カズラくんの荷物は、ハリセンだけで、日本で売られている服を着ていたよなー?」
「女神様の世界から日本へ帰ったときに着ていた服や靴を着てこなかったのが、不思議?」
とカズラくん。
「うん。カズラくんが日本に帰るときに着ていた服は、日本で着るには、目立ち過ぎるデザインだったから、女神様の世界に持って帰ってくるかと思っていた。」
日本へ帰る前のカズラくんは、神子様だったから、それはもう、華やかに飾り立てられている服を着ていた。
「ぼくが日本に帰るとき、女神様の世界のものは、何一つ持って帰れなかったんだよ。
日本に帰るときに着ていた服も靴も、日本に帰ったら、何も残っていなかった。」
とカズラくん。
「カズラくん、ひょっとして、日本に着いたら全裸だったのかな?」
カズラくん、まさか、露出狂で捕まったりしていないよな?
見た目が良いカズラくんの全裸?
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カズラくんは、オレを軽く睨んだ。
「女神様の世界のものが持ち出せない、という意味がよく分かったよ。
ぼくは、日本のぼくの部屋に戻ったから、騒ぎにならなかったんだよ。」
とカズラくん。
オレが何を想像したのか、カズラくんにバレていたらしい。
オレの想像が邪だったな、ごめん、カズラくん。
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