《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

585.可愛がっていたクロードの剥き出しの男味を知りました。

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クロードは、ゆっくりと動き始めた。

動けとは言った。

だけどな?

「今日のクロード、ゆっくり過ぎないかな?」

馴染むまで待つとか、そういう配慮の時間は、もう十分だぞ?

「ヒサツグ。」
とクロードは、楽しそうにしている。

「私は、ヒサツグを焦らすよりも、喜んでいるヒサツグにすがりつかれる方が興奮する。」
とクロード。

今のは、性癖をペロッとカミングアウトされたのかな?

「うん。いつも、ありがとうな。」

クロードの性癖は、オレが喜んでいる様を見るのが好き、ということだから。

オレにとってもいいことだよな?

すがりつく、とか、ちょっと意味がわからないけれどさ。

クロードは、楽しそうに、オレのつむじに鼻を押しつけたりしながら、腰を揺らす。

足りない。

「クロード。揺れる感じではなく、突き上げてこい。」

オレが催促すると。

「ヒサツグが、私に乞うている。」
とクロードは、慈しむようにオレの額にキスをする。

オレからクロードにベタベタしにいかないからかもしれないけれど、クロードは、オレといるときは、必ずオレに触れていようとする。

「もっと、来い。」

オレよりも年下で、仕事ができるオレの伴侶は、オレにベタ惚れで、オレに甘々だ。

オレも。

クロードにベタ惚れしている。

触れられているのが、当たり前になって。

触れていない箇所があると、クロードが足りない、と思ってしまう。

クロードは、上半身を起こし、下から上に突き上げるように腰を使い始めた。

足りない分は、自分で埋めにいくぞ!

上半身を起こしたクロードの離れていく上半身へと手を伸ばし、クロードの上半身を撫で回そう。

オレ、クロードの胸筋に手を当てて、クロードの顔を見上げる。

クロードの表情は、うって変わって、獰猛になっていた。

クロードが、欲望全開になっている!

甘々で、オレを慈しむように見ていたクロードが!

いつも、オレの愛を確かめようとしていたクロードが。

自信満々になって。

ああ、男だ、とオレは思った。

いや、クロードは、男なんだけどさ。

オレの心をがっつりつかんだ自信が、クロードを一皮剥かせたような気がする。

クロードは、オレのことを大好きな年下の男だった。

クロードのオレへの真摯な気持ちが、オレの知るクロードだった。

なんだか、急に、クロードの印象が変わった気がする。

オレの中のクロードは、可愛くて、面倒を見てやるという枠にいたはずなのに。

クロードって、こんなに男味があったかな?

オレに欲情して、欲情をぶつけて、オレだけを見つめているクロード。

ああ、オレ、今、この男に抱かれている。

オレ、クロードの性的な男の部分を初めて知ったかもしれない。

なんだろう?

この気持ち。

可愛がっていた男の剥き出しの男の部分を見たからかな?

いつもよりも。

愛しさでぎゅっとなる。

オレのことが大好きで、オレと生きるために頑張ってきたクロードに自信を与えられて良かった。

「クロード。
今まで、不安にさせて悪かった。

クロードの不安要素は、もうないかな?

オレは、ずっとクロードが好きでいるぞ?」

クロードに獰猛な眼差しで見られているうちに、食べられているオレは、ぞくぞくしてきた。

「なあ、もっと。」

クロードの腰の動きが激しくなる。

「はぁ、はあ。ん、ん。」

オレは、クロードに揺さぶられて、息が荒くなってきた。

「気持ちいい。もっと、そう。そのまま。」

クロードの上半身を撫で回す余裕なんて、もうオレにはない。

腹の内側から与えられる刺激に、頭がいっぱい。

このまま、気持ちよくなって、最後までいきたい。

「ヒサツグが、欲望のまま私を求めてくる姿を見続けたい。」
とクロードが、何か不穏なことを言っている。

ここまできて寸止め、とか勘弁だぞ?

よし。

クロードを説得しよう。

「クロード。
オレ達の営みには、回数制限なんてないぞ?

クロードのモノを何回でも受け入れたいと思うのは、オレだけかな?」

腰を揺らす程度にスピードを緩めるクロード。

「一回の回数に制限がない?」
とクロードは聞いてきたからさ。

「オレとクロードの間に、回数制限なんて、あるわけないよな?」
とオレは、笑ってやった。

その直後。

クロードは、ガンガン腰を使い出した。

「あっ、そう。気持ちいい。そのまま、突き上げてきたら。」

クロードにスピードを落としてほしくなかったオレは、クロードの腰使いに喜ぶ台詞を口走りながら、のぼりつめていく。

「気持ちいいから、ずっと、ずっと、そうしていろ。あっ。はっ。」

オレがのぼりつめていくタイミングに合わせて、クロードの腰が動いて。

「あっ。」
オレが果てるときに、クロードが吐精する。

びくびくと震えるクロードを抱きしめよう。

クロードに伸ばしたオレの手は、クロードによって恋人繋ぎでベッドの上におりてきた。

「クロード?」

今から、ピロータイムかな?

オレの頭と体は、ピロータイムモードに入りかけている。

今日は、いつもよりも、クロードが吐き出した白いのが腹の中に溜まっている気がする。

充足感に浸っていると。

入れっぱなしのクロードのモノが、腹の中から主張し始めた。

え?

「クロード、今、出したよな?」
オレは、思わず声に出してしまった。

「私がヒサツグを抱くのに、一回で足りるとでも?」
とクロード。

ぞくぞくした。

オレは、クロードに、調子のいいことを言い過ぎたかもしれない。

回数無制限なんて。

現実問題、出来ないだろうと思っていた。

獰猛さにキラキラエフェクトをかけてきたクロードは。

「ヒサツグ、今晩は、仮眠をとっても構わない。」
と不思議なことを言ってきた。

「クロード、夜に仮眠て?」

夜は、寝るものではないのかな?

「私は、ヒサツグが、快楽のあまり私にすがりつく姿が見たい。」
とクロード。

「クロード、今日は、朝までコースを考えているのかな?」

オレが恐る恐る確認すると。

「今から胸が高鳴る。」
とクロードは、再び、腰をゆっくり使い始めた。

仮眠って、本気だ!

クロード!

夫婦の営みに持久戦はいらないと思うぞ!
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