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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
578.二人で一緒にめくるめく愛の世界の扉を開けて進むことは、バージンロードを二人で歩いていくみたいだと思いませんか?
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寝室へ、ゴーしたオレとクロードは、準備のために、いったん、別々になった。
サプライズからの、盛り上がりを演出したいからさ。
クロード、喜んでくれるかなー?
オレが準備している間に、クロードは、クロードで準備をしてくれていた。
寝室に入ったら。
懐かしいイ草の匂いが。
「畳?」
ベッドとは別に、寝室の一画に畳が置かれている。
真新しい畳が六畳分。
「もう、一生、畳を見ることはないと思っていた。」
オレが立ち尽くしていると。
「ヒサツグが、帰らないと言ったら、見せようと準備していた。」
とクロード。
里心がつかないようにかな?
「靴を脱いで、乗っていいかな? 」
「ヒサツグが良いように。」
とクロード。
オレは、靴を脱いで、畳に寝そべる。
「やっぱり、畳は落ち着く。」
うつ伏せになって、イ草の匂いを吸い込んでみた。
「ヒサツグ?」
とオレを見守るクロードが、心配そうに聞いている。
「クロード、ありがとう。オレ、今、幸せを噛み締めている。」
「帰りたくなった、と言わないか?」
とクロード。
「言わない。イ草の匂いが苦手じゃないなら、クロードも畳に来い。
この幸せな気持ちのまま、クロードもオレの幸せに染めてやる。」
クロードは、嬉しそうに笑う。
オレは、クロードが靴を脱ぐのを手伝って、クロードをオレの横に寝転がらせた。
「畳の上に転がっていると体が伸びる気がする。」
「ヒサツグが、落ち着ける場所を用意したかった。」
とクロード。
オレの隣にいて体を横向きにして、オレをじっと見つめるクロード。
オレは、クロードを不安にさせたくない。
日本に帰る、帰ると言ってきたオレが、クロードの不安を拭い去るために、クロードの側にいることが、オレの幸せで、オレの望みだと、繰り返し伝えていこう。
「クロード、仰向けになってくれ。」
オレは、起き上がって、クロードの体を押して、クロードを仰向けにした。
「隣に寝転ぶクロードと手を繋いでいられる場所が、オレの生きていく場所だぞ?」
オレは、仰向けになっているクロードの顔に顔を近づけていく。
「クロードの目も、鼻も、頬も、唇も。」
オレは、目、と口に出しながら、眦にキスをした。
鼻と言ったときには、クロードとオレの鼻を合わせた鼻キス。
頬と言ったときには、オレの頬をクロードの頬に押し当てる。
唇と言ったときに。
オレは、クロードの顔に覆いかぶさった。
オレは、仰向けになって、オレにされるがままになっているクロードに、宣言してやる。
「オレは、クロードとするキスが好きだぞ。
クロードの唇が好きだぞ。
なぜかと言うと、クロードが好きだからな!」
クロードは、ぱっと、憂いと心配をなくした顔で、オレの後頭部に手を回した。
クロードは、オレの唇をクロードの唇に近づけていく。
唇が触れ合う前に。
オレは、クロードの目を見ながら、大事なことを確認する。
「クロード。オレ、クロードを襲っていいかな?」
「ヒサツグが私を?」
とクロードは、不思議そうにしている。
クロードの感覚では、夫が嫁を襲うもの、という意識があるのかもしれないなー。
ふふん。
今宵、クロードに、オレとクロードの新しい可能性を見せてやるぞ。
今宵、というには、まだ、お日様が落ちていないけどなー。
ふっふっふっ。
オレのサプライズ本番は、これからだからな?
「クロード。
オレとクロードのまだ見ぬ新しい愛の世界に踏み出してみないかなー?」
「ヒサツグが、新しい愛の世界へ私を連れていくのか?」
とクロードは、悩んでいる。
クロードは、ここで悩む、を選択した。
うーん。
クロードを安心させるぞ。
「クロード。
オレとクロードは、めくるめく愛の世界の新しい扉を開いて、一緒に進むんだぞ?
オレとクロードの二人で。」
「私とヒサツグ、二人で。」
と繰り返すクロード。
二人で一緒に進むのって、結婚式のバージンロードみたいだよな?
「オレとクロードの結婚式は、緊張感あり過ぎだったからさ。
今から、オレとクロードの二人だけで、結婚式をしよう。
ベッドで。」
「私とヒサツグの二人だけで、ベッドで結婚式?」
とクロード。
オレにのしかかられていたクロードは、俄然、乗り気になった。
ぱああ、と輝く表情は、待ち切れないと訴えてくる。
オレも、待ち切れないぞ。
「オレとクロード。二人だけで、気が済むまで、愛し合うぞ?」
クロードは、驚くほどの早さでオレを抱えると、二人してベッドへ。
がっつく前に結婚式の定番の台詞を言わないとなー。
病めるときも健やかなるときも、ってのを。
「オレは、どんなときも、クロードと一緒にいて、クロードと一緒に生きるからな。
クロード、オレの一生をよろしくな。」
オレは、ウキウキでやる気全開のクロードをベッドの上に座らせた。
「クロードからも、オレに何か言ってくれ。
オレは、クロードがオレに言ってくれた言葉を一生の宝物にして生きていく。」
クロードは、真剣に考えてくれた。
「私の伴侶になったヒサツグの人生を、私は、私の人生で受け止める。
私の息が続くまで、私はヒサツグと共に生きる。
私の父上と母上の分も。
私はヒサツグと生きて幸せでいたい。」
とクロード。
クロードは、本心を丸ごとオレに差し出してきた。
クロードの伴侶のオレが、伴侶のクロードの本心を受け止めないはずがない。
「オレとクロードが二人で叶えるのに、ぴったりな願いだな。
クロード、オレ達、幸せになろう。」
オレは、クロードの唇に触れるだけのキスをした。
「クロード、今のは、オレとクロードの誓いのキスな?」
サプライズからの、盛り上がりを演出したいからさ。
クロード、喜んでくれるかなー?
オレが準備している間に、クロードは、クロードで準備をしてくれていた。
寝室に入ったら。
懐かしいイ草の匂いが。
「畳?」
ベッドとは別に、寝室の一画に畳が置かれている。
真新しい畳が六畳分。
「もう、一生、畳を見ることはないと思っていた。」
オレが立ち尽くしていると。
「ヒサツグが、帰らないと言ったら、見せようと準備していた。」
とクロード。
里心がつかないようにかな?
「靴を脱いで、乗っていいかな? 」
「ヒサツグが良いように。」
とクロード。
オレは、靴を脱いで、畳に寝そべる。
「やっぱり、畳は落ち着く。」
うつ伏せになって、イ草の匂いを吸い込んでみた。
「ヒサツグ?」
とオレを見守るクロードが、心配そうに聞いている。
「クロード、ありがとう。オレ、今、幸せを噛み締めている。」
「帰りたくなった、と言わないか?」
とクロード。
「言わない。イ草の匂いが苦手じゃないなら、クロードも畳に来い。
この幸せな気持ちのまま、クロードもオレの幸せに染めてやる。」
クロードは、嬉しそうに笑う。
オレは、クロードが靴を脱ぐのを手伝って、クロードをオレの横に寝転がらせた。
「畳の上に転がっていると体が伸びる気がする。」
「ヒサツグが、落ち着ける場所を用意したかった。」
とクロード。
オレの隣にいて体を横向きにして、オレをじっと見つめるクロード。
オレは、クロードを不安にさせたくない。
日本に帰る、帰ると言ってきたオレが、クロードの不安を拭い去るために、クロードの側にいることが、オレの幸せで、オレの望みだと、繰り返し伝えていこう。
「クロード、仰向けになってくれ。」
オレは、起き上がって、クロードの体を押して、クロードを仰向けにした。
「隣に寝転ぶクロードと手を繋いでいられる場所が、オレの生きていく場所だぞ?」
オレは、仰向けになっているクロードの顔に顔を近づけていく。
「クロードの目も、鼻も、頬も、唇も。」
オレは、目、と口に出しながら、眦にキスをした。
鼻と言ったときには、クロードとオレの鼻を合わせた鼻キス。
頬と言ったときには、オレの頬をクロードの頬に押し当てる。
唇と言ったときに。
オレは、クロードの顔に覆いかぶさった。
オレは、仰向けになって、オレにされるがままになっているクロードに、宣言してやる。
「オレは、クロードとするキスが好きだぞ。
クロードの唇が好きだぞ。
なぜかと言うと、クロードが好きだからな!」
クロードは、ぱっと、憂いと心配をなくした顔で、オレの後頭部に手を回した。
クロードは、オレの唇をクロードの唇に近づけていく。
唇が触れ合う前に。
オレは、クロードの目を見ながら、大事なことを確認する。
「クロード。オレ、クロードを襲っていいかな?」
「ヒサツグが私を?」
とクロードは、不思議そうにしている。
クロードの感覚では、夫が嫁を襲うもの、という意識があるのかもしれないなー。
ふふん。
今宵、クロードに、オレとクロードの新しい可能性を見せてやるぞ。
今宵、というには、まだ、お日様が落ちていないけどなー。
ふっふっふっ。
オレのサプライズ本番は、これからだからな?
「クロード。
オレとクロードのまだ見ぬ新しい愛の世界に踏み出してみないかなー?」
「ヒサツグが、新しい愛の世界へ私を連れていくのか?」
とクロードは、悩んでいる。
クロードは、ここで悩む、を選択した。
うーん。
クロードを安心させるぞ。
「クロード。
オレとクロードは、めくるめく愛の世界の新しい扉を開いて、一緒に進むんだぞ?
オレとクロードの二人で。」
「私とヒサツグ、二人で。」
と繰り返すクロード。
二人で一緒に進むのって、結婚式のバージンロードみたいだよな?
「オレとクロードの結婚式は、緊張感あり過ぎだったからさ。
今から、オレとクロードの二人だけで、結婚式をしよう。
ベッドで。」
「私とヒサツグの二人だけで、ベッドで結婚式?」
とクロード。
オレにのしかかられていたクロードは、俄然、乗り気になった。
ぱああ、と輝く表情は、待ち切れないと訴えてくる。
オレも、待ち切れないぞ。
「オレとクロード。二人だけで、気が済むまで、愛し合うぞ?」
クロードは、驚くほどの早さでオレを抱えると、二人してベッドへ。
がっつく前に結婚式の定番の台詞を言わないとなー。
病めるときも健やかなるときも、ってのを。
「オレは、どんなときも、クロードと一緒にいて、クロードと一緒に生きるからな。
クロード、オレの一生をよろしくな。」
オレは、ウキウキでやる気全開のクロードをベッドの上に座らせた。
「クロードからも、オレに何か言ってくれ。
オレは、クロードがオレに言ってくれた言葉を一生の宝物にして生きていく。」
クロードは、真剣に考えてくれた。
「私の伴侶になったヒサツグの人生を、私は、私の人生で受け止める。
私の息が続くまで、私はヒサツグと共に生きる。
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「オレとクロードが二人で叶えるのに、ぴったりな願いだな。
クロード、オレ達、幸せになろう。」
オレは、クロードの唇に触れるだけのキスをした。
「クロード、今のは、オレとクロードの誓いのキスな?」
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