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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
563.愛こんにゃく家は、こんにゃくへの愛を語ります。『私とこんにゃくの出会いは、敵同士でした。』
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「言いたいことは、それだけか?」
とドリアン王国の国王陛下。
「まさか。
ぼくが仕切っている結婚式を妨害して無事でいられると思っているようだから、今から恥ずかしい目にあわせようと思うんだけど、覚悟はいいよね?」
とカズラくん。
バチバチ、バチバチ。
大きな静電気の音がした。
ドリアン王国の国王陛下と王妃陛下の髪の毛が、逆立っていく。
一房ずつ、天井に引っ張られるように、持ち上がる髪の毛。
今まで、一言も話さなかったドリアン王国の王妃陛下が、悲鳴をあげた。
「止めなさい!」
とドリアン王国の王妃陛下。
「ドリアン王国の国王陛下の隣で、他人の顔して澄ましているけれど、国王陛下を止めない王妃なんて、国王陛下と一心同体とみなされても、文句は言えないよ?
国王陛下を止めないなら、国王陛下と二人で恥ずかしい格好を堪能するといいよ。
結婚式が終わっても、元には戻さないで、髪の毛も服も逆立つようにしておけば。
ぼくが仕切る結婚式で愚かな真似をしたことをいつまでも反省できていいよね?
ぼく、侮辱されて黙っている気は毛頭ないよ。」
とカズラくん。
「髪の毛が、天井向いて上っていくみたいだなー。」
オレが感心していると。
「ケレメインの!元神子を止めさせなさい。」
とドリアン王国の王妃陛下。
「オレの部下の愛こんにゃく家の結婚式を邪魔するんだから、髪の毛が逆立つくらい許容範囲だよなー?」
「こんにゃくとの愛を誓うなんて、道化以外の何物でもないものに、わざわざ呼びつけておきながら、このような扱いをするなど。
弁えなさい!」
とドリアン王国の王妃陛下。
「愛こんにゃく家とこんにゃくの愛は、本物だから、今の発言にこそ、謝罪を要求するぞ、オレは。」
「ヒサツグは、ステイ。」
とカズラくん。
「ステイ?待て、って?」
ワンワン?
「こんにゃくと結婚式を挙げた愛こんにゃく家は、こんにゃくへの愛を疑われたんだよ?」
とカズラくん。
「ドリアン王国へ抗議して、謝罪を要求するところだよな?」
「違うよ、ヒサツグ。」
とカズラくん。
え、違う?ホワーイ?
「こんにゃくへの愛を疑われた愛こんにゃく家が、こんにゃくへの愛が本物であると訴える場面だよ。」
とカズラくん。
そうだっけ?
言われてみたら、そんな気がしてきた。
「確かに。こんにゃくへの愛を語れるのは、愛こんにゃく家しかいないなー。
よし。
愛こんにゃく家は、今から、こんにゃくへの愛を語れ。」
「かしこまりました。ヒサツグ大公妃殿下。」
と愛こんにゃく家。
「こんにゃくへの愛を語る?正気なの?」
とドリアン王国の王妃陛下。
「黙って、耳を傾ければ。」
とカズラくん。
「私とこんにゃくの出会いは、突然でした。
私達は、会うはずがない場所で出会いました。」
と愛こんにゃく家。
刺客として送り込まれた先での取り調べ中に、巨大こんにゃくが、出現するという現象は、オレの女神様の加護を発動しない限り起こらなかったなー。
「私とこんにゃくが初めて出会ったとき、私達は、敵同士でした。
私達は、戦う運命にありました。
私とこんにゃくは、全力でぶつかり、全身全霊で、己の全てを使って戦うことになったのです。」
と愛こんにゃく家。
こんにゃくと愛こんにゃく家は、戦っていたんだなー?
こんにゃくに挟まれていただけのように見えたけど。
「こんにゃくと私の力の差は、最初から圧倒的でした。
圧倒的な力の差があったからこそ、私は全力でぶつかりました。」
ぶつかりました?
体をこんにゃくに挟まれながら、こんにゃくにぶつかれる場所って、どこかなー?
口かな?
こんにゃくと愛こんにゃく家の口喧嘩は、聞こえなかったよなー。
口の中で戦ったのかな?
どうやって戦う?
こんにゃくを歯で齧った様子はなかったぞ。
舌?
舌相撲?
舌を絡めて、舌で相撲をとった?
それは、もしや、ディープなキスでは?
こんにゃくと舌を絡めるディープなキスをしていたのなら。
愛こんにゃく家とこんにゃくは、最初から惚れ合っていたんじゃないかな?
靴は脱いでなかったから、足の指で指相撲はしていないと思う。
手の指は見ていなかったけど、絡めて、指相撲していたのかな?
指を絡めて、舌を絡めて?
続きを考えるのは、止めておこう。
「負けて帰るわけにはいかない私は、こんにゃくとの戦いを諦めませんでした。」
と愛こんにゃく家。
愛こんにゃく家が、こんにゃくに負ける前に負けていたら、マウンテン王国の国王陛下は、ミーレ長官をもっと危険な仕事に就かせていただろうからなー。
愛こんにゃく家は、頑張って、こんにゃくと戦っていたんだなー。
「こんにゃくは、勝ち目がないのに強がる私を優しく包み込みました。」
と愛こんにゃく家。
包み込みました?
靴は履いているから、足は包んでいない。
舌と指は絡み合っている。
包み込めそうな箇所はどこかな?
窒息するから、鼻はないよな。
「耳の中まで、グイグイ入り込んで、この弾力を味わってみないか、と私を誘惑してきたのです。」
耳の穴?
耳をこんにゃくで包みこまれて、耳の穴でこんにゃくを感じる?
じゃあ、包みこまれた箇所は?
どこを包み込んだかは、触れてはいけないんだよな。
「包みこんでおきながら、もっと愛してほしくないかと、私に働きかけてくるのです。
こんにゃくは、私のしてほしいことを全て叶えて、私のことを丸ごと受け止めてくれようとしていました。
出会ったときから、ずっと。
今もです。
そんな全力で愛されたら。
愛さずにはいられません。
与えられる以上の愛で、こんにゃくを愛したい気持ちが溢れてきます。」
と愛こんにゃく家。
とドリアン王国の国王陛下。
「まさか。
ぼくが仕切っている結婚式を妨害して無事でいられると思っているようだから、今から恥ずかしい目にあわせようと思うんだけど、覚悟はいいよね?」
とカズラくん。
バチバチ、バチバチ。
大きな静電気の音がした。
ドリアン王国の国王陛下と王妃陛下の髪の毛が、逆立っていく。
一房ずつ、天井に引っ張られるように、持ち上がる髪の毛。
今まで、一言も話さなかったドリアン王国の王妃陛下が、悲鳴をあげた。
「止めなさい!」
とドリアン王国の王妃陛下。
「ドリアン王国の国王陛下の隣で、他人の顔して澄ましているけれど、国王陛下を止めない王妃なんて、国王陛下と一心同体とみなされても、文句は言えないよ?
国王陛下を止めないなら、国王陛下と二人で恥ずかしい格好を堪能するといいよ。
結婚式が終わっても、元には戻さないで、髪の毛も服も逆立つようにしておけば。
ぼくが仕切る結婚式で愚かな真似をしたことをいつまでも反省できていいよね?
ぼく、侮辱されて黙っている気は毛頭ないよ。」
とカズラくん。
「髪の毛が、天井向いて上っていくみたいだなー。」
オレが感心していると。
「ケレメインの!元神子を止めさせなさい。」
とドリアン王国の王妃陛下。
「オレの部下の愛こんにゃく家の結婚式を邪魔するんだから、髪の毛が逆立つくらい許容範囲だよなー?」
「こんにゃくとの愛を誓うなんて、道化以外の何物でもないものに、わざわざ呼びつけておきながら、このような扱いをするなど。
弁えなさい!」
とドリアン王国の王妃陛下。
「愛こんにゃく家とこんにゃくの愛は、本物だから、今の発言にこそ、謝罪を要求するぞ、オレは。」
「ヒサツグは、ステイ。」
とカズラくん。
「ステイ?待て、って?」
ワンワン?
「こんにゃくと結婚式を挙げた愛こんにゃく家は、こんにゃくへの愛を疑われたんだよ?」
とカズラくん。
「ドリアン王国へ抗議して、謝罪を要求するところだよな?」
「違うよ、ヒサツグ。」
とカズラくん。
え、違う?ホワーイ?
「こんにゃくへの愛を疑われた愛こんにゃく家が、こんにゃくへの愛が本物であると訴える場面だよ。」
とカズラくん。
そうだっけ?
言われてみたら、そんな気がしてきた。
「確かに。こんにゃくへの愛を語れるのは、愛こんにゃく家しかいないなー。
よし。
愛こんにゃく家は、今から、こんにゃくへの愛を語れ。」
「かしこまりました。ヒサツグ大公妃殿下。」
と愛こんにゃく家。
「こんにゃくへの愛を語る?正気なの?」
とドリアン王国の王妃陛下。
「黙って、耳を傾ければ。」
とカズラくん。
「私とこんにゃくの出会いは、突然でした。
私達は、会うはずがない場所で出会いました。」
と愛こんにゃく家。
刺客として送り込まれた先での取り調べ中に、巨大こんにゃくが、出現するという現象は、オレの女神様の加護を発動しない限り起こらなかったなー。
「私とこんにゃくが初めて出会ったとき、私達は、敵同士でした。
私達は、戦う運命にありました。
私とこんにゃくは、全力でぶつかり、全身全霊で、己の全てを使って戦うことになったのです。」
と愛こんにゃく家。
こんにゃくと愛こんにゃく家は、戦っていたんだなー?
こんにゃくに挟まれていただけのように見えたけど。
「こんにゃくと私の力の差は、最初から圧倒的でした。
圧倒的な力の差があったからこそ、私は全力でぶつかりました。」
ぶつかりました?
体をこんにゃくに挟まれながら、こんにゃくにぶつかれる場所って、どこかなー?
口かな?
こんにゃくと愛こんにゃく家の口喧嘩は、聞こえなかったよなー。
口の中で戦ったのかな?
どうやって戦う?
こんにゃくを歯で齧った様子はなかったぞ。
舌?
舌相撲?
舌を絡めて、舌で相撲をとった?
それは、もしや、ディープなキスでは?
こんにゃくと舌を絡めるディープなキスをしていたのなら。
愛こんにゃく家とこんにゃくは、最初から惚れ合っていたんじゃないかな?
靴は脱いでなかったから、足の指で指相撲はしていないと思う。
手の指は見ていなかったけど、絡めて、指相撲していたのかな?
指を絡めて、舌を絡めて?
続きを考えるのは、止めておこう。
「負けて帰るわけにはいかない私は、こんにゃくとの戦いを諦めませんでした。」
と愛こんにゃく家。
愛こんにゃく家が、こんにゃくに負ける前に負けていたら、マウンテン王国の国王陛下は、ミーレ長官をもっと危険な仕事に就かせていただろうからなー。
愛こんにゃく家は、頑張って、こんにゃくと戦っていたんだなー。
「こんにゃくは、勝ち目がないのに強がる私を優しく包み込みました。」
と愛こんにゃく家。
包み込みました?
靴は履いているから、足は包んでいない。
舌と指は絡み合っている。
包み込めそうな箇所はどこかな?
窒息するから、鼻はないよな。
「耳の中まで、グイグイ入り込んで、この弾力を味わってみないか、と私を誘惑してきたのです。」
耳の穴?
耳をこんにゃくで包みこまれて、耳の穴でこんにゃくを感じる?
じゃあ、包みこまれた箇所は?
どこを包み込んだかは、触れてはいけないんだよな。
「包みこんでおきながら、もっと愛してほしくないかと、私に働きかけてくるのです。
こんにゃくは、私のしてほしいことを全て叶えて、私のことを丸ごと受け止めてくれようとしていました。
出会ったときから、ずっと。
今もです。
そんな全力で愛されたら。
愛さずにはいられません。
与えられる以上の愛で、こんにゃくを愛したい気持ちが溢れてきます。」
と愛こんにゃく家。
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