《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

558.愛こんにゃく家の結婚式。大公家の城から結婚式場まで移動します。こんにゃくは輿入れ行列で。愛こんにゃく家は、電動キックボードに乗って。

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本日はお日柄もよく。

愛こんにゃく家の結婚式日和。

参列者は、ケレメイン大公家の城で前日泊。

朝のうちに、ケレメイン大公城から結婚式場まで、参列者全員で大移動。

日中、屋外をこんにゃくが移動すると、こんにゃくが傷むかもしれないからさ。

太陽が照りつける前に、結婚式の輿入れ行列。

オープンカーに乗って手を振るご成婚パレードではなく、徳川将軍家の姫君の輿入れ行列。

輿入れ行列だと、こんにゃくに歩かせる心配をしなくていいからな。

愛こんにゃく家とこんにゃくの場合、こんにゃくが新郎。

こんにゃくが姫君ではないのに輿入れとはいかに?

と考えないこともなかったけれど。

こんにゃくと愛こんにゃく家の新婚の夜のことを考えると。

こんにゃくに汚れがつかないのが一番。

結婚式の後、さあ夫婦としてのお楽しみ、というときにさ。

こんにゃくの汚れ落としに時間がかかったらなー。

盛り上がったタイミングで、くんずほつれつ、心置きなくできる方がいい。

ということで、こんにゃくは、女神様お手製のお輿に乗っている。

輿の担ぎ手は、愛こんにゃく家の部下達。

愛こんにゃく家の部下は、袴姿で足元は、靴を履いている。

こんにゃくを乗せた輿の担ぎ手が転んだり、つまずいたりしたら、危ないからさ。

履きなれない履き物ではなく、靴で。

愛こんにゃく家は、紋付袴を着ている。

愛こんにゃく家の移動は、電動キックボード。

結婚式の衣装は、立ち姿が映える。

電動三輪よりも、電動キックボードで移動する方が、人目を引くので、愛こんにゃく家は、電動キックボード。

オレとクロードを含む参列者は、オープンカー。

女神様は、愛こんにゃく家の家族と一緒にオープンカー。

愛こんにゃく家の家族に、女神様とオープンカーで結婚式場までの移動を告げると。

『私達もオープンカーなんですか?』
と愛こんにゃく家の弟その一が、ぎょっとしていた。

愛こんにゃく家の家族は、女神様に気に入られても、謙虚なまま。

国賓のパレードに混ざるのはご遠慮したい、という弟その一の気持ちは、ありありと伝わってきた。

オレも、弟その一と同じ立場なら、ご遠慮する一択。

兄弟の結婚相手がセレブだから、結婚式のパレードに強制参加とか、言われたらなー。

見物人でいさせてくれ、と頼んでいると思う。

粗相しないか、と緊張するだろうから。

オレは、愛こんにゃく家の弟その一の気持ちを理解している。

でも、弟その一の気持ちは汲んでやらない。

『愛こんにゃく家の後ろを電動キックボードでついていってもいいぞ?

女神様と一緒に。』

『妾は、六人で電動キックボードでも面白いわ。』
と女神様。

結婚式のパレードで、着飾った格好をして電動キックボードに乗る?

愛こんにゃく家の家族は、女神様の発案に、顔を引きつらせた。

失敗が許されない、ハレの日に、正装をして、目立つようなことはしたくはないよなー。

パレードの参加者は、国のトップばかり。

女神様と一緒に電動キックボードでパレードに参加するとなると。

愛こんにゃく家の家族の位置は、パレード本隊の後ろからついていくのではなく、愛こんにゃく家の後ろに続くか、先頭をきっていくかの二択。

失敗したら、目立つことこの上ない。

国賓の参列者で埋まる結婚式。

家族として参列するからには、長男の愛こんにゃく家が恥をかくことがないように、と愛こんにゃく家の家族は、頑張ってくれている。

愛こんにゃく家の家族の性格を知っているオレは、目立たない配置を考えてもみたんだけど。

愛こんにゃく家の家族の顔は、ある程度うっておいた方が、愛こんにゃく家の家族の地位が向上することが分かったので。

結婚式が終わるまでは、目立ってもらうぞ。

女神様が、パレードを楽しみにしていた。

愛こんにゃく家とこんにゃくの結婚式を見たいと言った女神様は、愛こんにゃく家の家族と一緒に、愛こんにゃく家とこんにゃくの結婚を祝うと決めていた。

わくわくしている女神様を見て。

愛こんにゃく家のお母さんが、一番最初に腹をくくった。

『女神様。

私も家族も、オープンカーに乗ったことはありません。

私は、オープンカーに乗ってみようと思います。

電動キックボードは、ひょっとすると、これから乗る機会があるかもしれません。

でも、我が家の長男が、結婚式をするのは、今日だけなのです。』
と愛こんにゃく家のお母さん。

『妾は、六人で、オープンカーに乗ることにするわ。』
と女神様。

愛こんにゃく家の家族と女神様が、一台のオープンカーに乗ってしまえば。

圧倒的に女神様が目立つ。

一人一人が、電動キックボードで注目されるよりずっと気楽、ということで。

女神様と愛こんにゃく家の家族は、オープンカー移動になった。
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