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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
551.ドリアン王国の国王陛下は、しれっと忘れ物をしていきました。ケレメイン大公国を甘く見すぎだと思い知らせます。後継問題には、クロードが?
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一仕事やりきった!
ドリアン王国の国王陛下。
サーバル王国の国王陛下。
マウンテン王国の王姉殿下スナメリ様。
ケレメイン大公クロード。
四名様の署名が終わった。
調印式は、会議とは別の部屋へ移動して、オープンな場所で行ったから、うろついているスパイは、正確に情報を収集しているはず。
「ドリアン王国の国王陛下が、出国するときに連れて行かないスパイは、ドリアン王国にはいらない、ということでいいかな?」
オレが、ドリアン王国の国王陛下に尋ねると。
ドリアン王国の国王陛下は、自分から何人かのスパイに撤収を告げて、声をかけなかったスパイを置いてきぼりにして出国していった。
スパイじゃないのに、ドリアン王国の国王陛下に置いてきぼりにされた人がいる。
「ドリアン王国の侯爵子息も、置いてきぼりということは。」
「ドリアン王国の国王陛下は、侯爵子息がどこの誰から送り込まれているのか気づいていながら、側において使っていたのだろう。」
とクロード。
「ドリアン王国の国王陛下は、いい機会だと思って、子飼い以外を捨てていったんだなー。」
捨てて行く場所に、ケレメイン大公国を選ぶなんて、ドリアン王国の国王陛下は、慌てん坊だなー。
オレは、ドリアン王国の国王陛下が置いてきぼりにした人をケレメイン大公国で引き取るなんて、一言も話していないのになー。
ドリアン王国の国王陛下の子飼いのスパイも割り出せたから、ケレメイン大公国にはいいことづくめ。
残っているドリアン王国のスパイと侯爵子息をどうするか、というと。
忘れ物がありましたよ、とドリアン王国に時間差でお届けすることにしている。
ドリアン王国内が、忙しくなって、外国にちょっかいかける暇がないうちに。
ケレメイン大公国、マウンテン王国、サーバル王国の三国は、立て直しをはかる。
マウンテン王国とサーバル王国には、ケレメイン大公クロードが、マウンテン王国の王姉殿下スナメリ様とサーバル王国の国王陛下に対し、スパイ引き上げ要請をした。
マウンテン王国とサーバル王国は、スパイの引き上げを開始している。
スパイの所属先も把握した。
次、顔を見たら、どこから派遣されてきたスパイかが分かるようになった。
互いにスパイを派遣するのではなく、文官や、政治の中枢に関わる者同士で話をするという努力義務を提案しておいた。
オレとクロードが大公と大公妃であるうちは、牽制がきく。
オレとクロードは、体制を整えながら、次代についても考えていこうと決めている。
クロードは、ケレメイン公爵家の血筋を辿って誰かを探して後継にするという、家人からの提案を何度も取り下げさせていた。
サーバル王国の王女シガラキノ様との結婚で次代に恵まれなかった場合の次善策として考えられていたらしい。
血筋だと言われている人を全員招集したクロードは、招集されてきた人達に演説した。
「ケレメイン家の血筋から後継を選ぶということはしない。
ケレメイン大公家に誘われたら、騙されている、ということだ。
今ある環境が今後もそなたらの生活を支える基盤となる。
今の家族や築き上げてきた関係を大事にして、過ごし、ケレメイン大公国の発展に尽くすように。」
「後継を誰にするのか、お聞かせください。安心したいのです。」
という声に。
「私が、大公として、話をしていても、大公家を継げるかもしれないという夢を見ている者がいる今は、まだ、後継を発表する時期ではない。」
クロードは、堂々と話して静かにさせた。
そして。
今日。
オレは、元神子様カズラくんと話をするために、カズラくんの部屋に来ている。
カズラくんには、協力のお礼を約束したので、希望を聞くことにした。
「カズラくん、ありがとう。お礼は、何がいい?」
「思いつかないよ。今は、色々終わったばかりだから。」
とカズラくん。
カズラくんは、言葉少なだ。
心身共に疲れているのがよく分かる。
カズラくんは、オレに頼りたくても、オレが頼らせられる状態じゃなかったから。
喪失も疲労も悲しみも怒りも喜びも、全部、カズラくんは、一人で処理してきた。
しみじみする前に。
オレは、国際会議での決意をカズラくんに伝えることにした。
「オレさ、カズラくんのことをこれからもっと構うことにしたから、よろしくな。」
ドリアン王国の国王陛下。
サーバル王国の国王陛下。
マウンテン王国の王姉殿下スナメリ様。
ケレメイン大公クロード。
四名様の署名が終わった。
調印式は、会議とは別の部屋へ移動して、オープンな場所で行ったから、うろついているスパイは、正確に情報を収集しているはず。
「ドリアン王国の国王陛下が、出国するときに連れて行かないスパイは、ドリアン王国にはいらない、ということでいいかな?」
オレが、ドリアン王国の国王陛下に尋ねると。
ドリアン王国の国王陛下は、自分から何人かのスパイに撤収を告げて、声をかけなかったスパイを置いてきぼりにして出国していった。
スパイじゃないのに、ドリアン王国の国王陛下に置いてきぼりにされた人がいる。
「ドリアン王国の侯爵子息も、置いてきぼりということは。」
「ドリアン王国の国王陛下は、侯爵子息がどこの誰から送り込まれているのか気づいていながら、側において使っていたのだろう。」
とクロード。
「ドリアン王国の国王陛下は、いい機会だと思って、子飼い以外を捨てていったんだなー。」
捨てて行く場所に、ケレメイン大公国を選ぶなんて、ドリアン王国の国王陛下は、慌てん坊だなー。
オレは、ドリアン王国の国王陛下が置いてきぼりにした人をケレメイン大公国で引き取るなんて、一言も話していないのになー。
ドリアン王国の国王陛下の子飼いのスパイも割り出せたから、ケレメイン大公国にはいいことづくめ。
残っているドリアン王国のスパイと侯爵子息をどうするか、というと。
忘れ物がありましたよ、とドリアン王国に時間差でお届けすることにしている。
ドリアン王国内が、忙しくなって、外国にちょっかいかける暇がないうちに。
ケレメイン大公国、マウンテン王国、サーバル王国の三国は、立て直しをはかる。
マウンテン王国とサーバル王国には、ケレメイン大公クロードが、マウンテン王国の王姉殿下スナメリ様とサーバル王国の国王陛下に対し、スパイ引き上げ要請をした。
マウンテン王国とサーバル王国は、スパイの引き上げを開始している。
スパイの所属先も把握した。
次、顔を見たら、どこから派遣されてきたスパイかが分かるようになった。
互いにスパイを派遣するのではなく、文官や、政治の中枢に関わる者同士で話をするという努力義務を提案しておいた。
オレとクロードが大公と大公妃であるうちは、牽制がきく。
オレとクロードは、体制を整えながら、次代についても考えていこうと決めている。
クロードは、ケレメイン公爵家の血筋を辿って誰かを探して後継にするという、家人からの提案を何度も取り下げさせていた。
サーバル王国の王女シガラキノ様との結婚で次代に恵まれなかった場合の次善策として考えられていたらしい。
血筋だと言われている人を全員招集したクロードは、招集されてきた人達に演説した。
「ケレメイン家の血筋から後継を選ぶということはしない。
ケレメイン大公家に誘われたら、騙されている、ということだ。
今ある環境が今後もそなたらの生活を支える基盤となる。
今の家族や築き上げてきた関係を大事にして、過ごし、ケレメイン大公国の発展に尽くすように。」
「後継を誰にするのか、お聞かせください。安心したいのです。」
という声に。
「私が、大公として、話をしていても、大公家を継げるかもしれないという夢を見ている者がいる今は、まだ、後継を発表する時期ではない。」
クロードは、堂々と話して静かにさせた。
そして。
今日。
オレは、元神子様カズラくんと話をするために、カズラくんの部屋に来ている。
カズラくんには、協力のお礼を約束したので、希望を聞くことにした。
「カズラくん、ありがとう。お礼は、何がいい?」
「思いつかないよ。今は、色々終わったばかりだから。」
とカズラくん。
カズラくんは、言葉少なだ。
心身共に疲れているのがよく分かる。
カズラくんは、オレに頼りたくても、オレが頼らせられる状態じゃなかったから。
喪失も疲労も悲しみも怒りも喜びも、全部、カズラくんは、一人で処理してきた。
しみじみする前に。
オレは、国際会議での決意をカズラくんに伝えることにした。
「オレさ、カズラくんのことをこれからもっと構うことにしたから、よろしくな。」
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