《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

549.ドリアン王国の国王陛下は、即位前、第二王子だったとき、いつから、ケレメイン大公国または、ケレメイン公爵領にいたのでしょうか?

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誰が口火を切るか、様子見しながら、集めたスパイについてオレは考えていた。

ケレメイン大公国中のスパイから聞き取りと本人確認を済ませた後。

何をしてもてなそうか考えたんだけどなー。

名案が浮かばなくてさ。

スパイ大集合で、国対抗リレーを提案してみた。

タスキを繋いで、国境まで走らせようかと思ったんだけどな。

脱走するかもしれないから、と国対抗リレー案は却下になった。

スパイの顔ぶれを確認できる、良い見世物になるかと思ったのに、残念だなー。

スパイ同士で婚活してもらおうかとも考えたんだよな。

婚活が成功したら、ケレメイン大公国に勧誘しようと提案したら。

危ないから、と却下された。

集めたスパイ、どうしようかなー。

安売りは、したくないんだよなー。

でも、送り込まれた、たくさんのスパイを長期間抱えているのはなー。

不安材料になるから、早く放出したいんだよな。

スパイは尋問していない。

スパイを拘束もしていない。

ただの領民が話しかけるていで、色んな領民がスパイに話しかけるように仕向けて、領民間で井戸端会議のように話題にださせて、スパイ情報を共有した。

ニコニコ聞き取り作戦。

聞き取りしながら、手配書も作成したぞ。

カズラくんの彼氏に関しては、盲点だったんだよなー。

聞き取り作戦もしていなければ、手配書の作成もしていなかった。

カズラくんの彼氏は、ドリアン王国の国王陛下に即位する前は、第二王子だったんだけど、第二王子がスパイという発想は、カズラくんにもなかったからなー。

ノーマークだった。

というのも、ドリアン王国の第二王子は、カズラくんがケレメイン公爵領にきたあたりには、ケレメイン公爵領にいたらしいんだよなー。

カズラくんと接点を持ち始めた時期から推測すると、さ。

神子様だったときのカズラくんと知り合っても、ケレメイン公爵領民が驚かないくらいに、ケレメイン公爵領で顔を知られているんだよな。

ケレメイン公爵領に定住はしていなかったようなんだけど。

ケレメイン公爵領で、身元はよく知らないけれど、顔は知っている男性が、ドリアン王国の第二王子だったなんてなー。

誰が想像する?

サーバル王国の王女シガラキノ様は、サーバル王国の王女殿下だと、ケレメイン公爵領で周知されていた。

身元を隠して、ケレメイン公爵領に潜入している王子がいる意味は、なんだったのかなー。

と考えてみて。

ケレメイン公爵領でのサーバル王国の動向を監視していたのかもしれないことに気づいた。

王太子ではない第二王子は、王にはならない。

王太子は、本国を統治する。

サーバル王国の、マウンテン王国のケレメイン公爵領という飛び地を支配しようとする動きを察知して、ドリアン王国は、第二王子を派遣したのかなー。

サーバル王国がドリアン王国に牙を剥くなら、牙を抜く。

サーバル王国が新天地とするなら、奪い取る。

ドリアン王国の第二王子の役割は、この二つかな?

サーバル王国が、王女シガラキノ様に王女らしい教育を施さないまま、マウンテン王国ケレメイン公爵領へ送り出したのは。

ドリアン王国の第二王子が、マウンテン王国ケレメイン公爵領にいることを警戒していたからかもしれない。

サーバル王国は、王女シガラキノ様の安全と、シガラキノ様の身辺からの情報漏洩を警戒していたんじゃないかな。

ケレメイン公爵領にいるシガラキノ様から情報が漏れないように、シガラキノ様に王女としての必要な為政者の知識や考え方を習得させなかった気がしてきたぞ。

誰も口火を切らないなら、ドリアン王国の国王陛下にオレが決断を迫ってもいいかなー。

ケレメイン大公国にいるスパイをいつまでも、ケレメイン大公国に置いておきたくないから、ドリアン王国の国王陛下に、ドリアン王国に帰れ、と号令をかけさせたいなー。

よし、もう待たないぞ。

「ドリアン王国の国王陛下は、第二王子のままでいたくなかったのかな?

国王になりたかったのかなー?」

オレが軽いノリで話すと大注目を浴びた。

腹の探り合いだけじゃ、時間だけが無為に過ぎていくからな?

オレが仕切るぞ。

「ドリアン王国の国王になる夢を叶えたなら、思い残すことはないよな?」

会議の参加者が凍りついた。

おっと、言葉選びを間違えたぞ。

素知らぬ顔で続けよう。

「とっとと、三国同盟の提案を承諾して署名して、スパイを引き上げたらどうかな?

これ以上粘っても、勝ち目はないぞ。」

オレは、とても親切そうな笑顔で、助言した。
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