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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
548.ケレメイン大公国は、してやったりです。サーバル王国の国王陛下夫妻が驚いていないのは、一段低く見られていた経験があるからでしょうか。
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愉快だなーという顔をしているオレ。
文句があるなら、言ってみろ、と言わんばかりのクロード。
ドリアン王国だけじゃなく、マウンテン王国からもも、サーバル王国からも山程送り込まれてきたスパイ。
まだ一人も帰国していないことに、国際会議の参加者は、誰も気づいていなかった。
国際会議の参加者は、スパイから直接、連絡を受けることがない。
間に何人も挟んで、スパイ部門を統括する偉い人が、他の偉い人と話をしてから、国王陛下の元へ報告が行く。
現場に出ているスパイが国に帰っていない、など誰も知らない。
考えもしない。
各国がせっせと送り込んできたスパイは、現在、ケレメイン大公国で足止めを食らっている。
どの国のスパイをいつ、どのタイミングで解放するか。
ケレメイン大公国のさじ加減一つ。
逆通りゃんせ状態。
情報をどのタイミングで、どこに放出するかを決めるのは、ケレメイン大公国。
青姦ルームとか、まあ、色々、さらけ出し続けた甲斐があった。
各国のスパイは、優秀で職務に忠実だったからさ。
滞在しているケレメイン大公国の情報を集めようと、出国しなかった。
木の蜜に集まる虫のように、蜜を出し続けて捕まえた。
虫取り網で虫を一網打尽にしたケレメイン大公国は、蜜を出すのを止めた。
これからは、機密を漏らさない。
情報の抜かれ方や、スパイの入り込み方のデータもとれた。
愛こんにゃく家やオレの秘書を中心に、スパイ対策を進めている。
同盟関係にあるからといって、全てをさらけ出して信用しきるのは、独立国の在り方としては相応しくない。
国を興したからには、ナメられない国にしないとなー。
オレとクロードは、緩めていた手綱をぐっと引き締めて、一目おかせることにした。
元神子様カズラくんと英雄のケレメイン大公クロードに共闘させる、ケレメイン大公妃のオレ。
ケレメイン大公国は、ケレメイン公爵だったクロードが国のトップという起源から、他の国より一段低くとらえられているという現実があった。
ケレメイン大公国を一段下に見る常識で目が曇っていた他の国に対して。
ケレメイン大公国は、踏み潰せるような小国ではなく、策略を巡らせて他の国の裏をかけるやり手の国だと示した。
同時に、オレ達三人、元神子様カズラくん、ケレメイン大公クロードと大公妃のオレの地位向上も果たした。
オレ達三人が、ケレメイン大公国で生きていくために果たさなくてはいけない最低限のハードルは越えた。
ケレメイン大公国以外の国際会議の参加者は、互いに出方を探り合っている。
マウンテン王国の四人とサーバル王国の三人だけでなく、ドリアン王国の国王陛下と侯爵子息も、探り合いに加わっている。
よしよし。
ケレメイン大公国は、侮れない、ということを覚えて帰ってくれ。
ドリアン王国の国王陛下と王妃陛下が、平然としているのは、ケレメイン大公国の出方を予想していたのかもしれない。
いつまでも、低く見られたままではいない、という気概は、サーバル王国の国王陛下と王妃陛下も持ち続けてきたものだろうから。
ドリアン王国に侵略されていたサーバル王国は、ケレメイン大公国ができるまで、ケレメイン大公国の側だった。
一段低く見られる側。
サーバル王国の国王陛下と王妃陛下は、ドリアン王国から一段低く見られている現状に、サーバル王国が慣れないようにと腐心してきたのかもしれないな、とオレは思う。
ドリアン王国の支配を押しのけるチャンスをつかむまでの、サーバル王国の王妃陛下と国王陛下の決断の早さは。
きっと。
ずっと。
諦めなかったから、だ。
国のトップが、屈する気持ちや姿勢を見せていたら、サーバル王国は、今ごろ、ドリアン王国にのまれていたかもしれない。
これからも問題は続出するだろうけど。
オレは、何があっても諦めない。
クロードと力を合わせて、カズラくんとも協力して。
ケレメイン大公国の国の格を落とさせない。
クロードとオレは、ケレメイン大公国を引っ張っていく。
さてと。
無言の腹の探り合いは、済んだかなー?
まだかなー?
誰が最初に、口火を切るかな?
文句があるなら、言ってみろ、と言わんばかりのクロード。
ドリアン王国だけじゃなく、マウンテン王国からもも、サーバル王国からも山程送り込まれてきたスパイ。
まだ一人も帰国していないことに、国際会議の参加者は、誰も気づいていなかった。
国際会議の参加者は、スパイから直接、連絡を受けることがない。
間に何人も挟んで、スパイ部門を統括する偉い人が、他の偉い人と話をしてから、国王陛下の元へ報告が行く。
現場に出ているスパイが国に帰っていない、など誰も知らない。
考えもしない。
各国がせっせと送り込んできたスパイは、現在、ケレメイン大公国で足止めを食らっている。
どの国のスパイをいつ、どのタイミングで解放するか。
ケレメイン大公国のさじ加減一つ。
逆通りゃんせ状態。
情報をどのタイミングで、どこに放出するかを決めるのは、ケレメイン大公国。
青姦ルームとか、まあ、色々、さらけ出し続けた甲斐があった。
各国のスパイは、優秀で職務に忠実だったからさ。
滞在しているケレメイン大公国の情報を集めようと、出国しなかった。
木の蜜に集まる虫のように、蜜を出し続けて捕まえた。
虫取り網で虫を一網打尽にしたケレメイン大公国は、蜜を出すのを止めた。
これからは、機密を漏らさない。
情報の抜かれ方や、スパイの入り込み方のデータもとれた。
愛こんにゃく家やオレの秘書を中心に、スパイ対策を進めている。
同盟関係にあるからといって、全てをさらけ出して信用しきるのは、独立国の在り方としては相応しくない。
国を興したからには、ナメられない国にしないとなー。
オレとクロードは、緩めていた手綱をぐっと引き締めて、一目おかせることにした。
元神子様カズラくんと英雄のケレメイン大公クロードに共闘させる、ケレメイン大公妃のオレ。
ケレメイン大公国は、ケレメイン公爵だったクロードが国のトップという起源から、他の国より一段低くとらえられているという現実があった。
ケレメイン大公国を一段下に見る常識で目が曇っていた他の国に対して。
ケレメイン大公国は、踏み潰せるような小国ではなく、策略を巡らせて他の国の裏をかけるやり手の国だと示した。
同時に、オレ達三人、元神子様カズラくん、ケレメイン大公クロードと大公妃のオレの地位向上も果たした。
オレ達三人が、ケレメイン大公国で生きていくために果たさなくてはいけない最低限のハードルは越えた。
ケレメイン大公国以外の国際会議の参加者は、互いに出方を探り合っている。
マウンテン王国の四人とサーバル王国の三人だけでなく、ドリアン王国の国王陛下と侯爵子息も、探り合いに加わっている。
よしよし。
ケレメイン大公国は、侮れない、ということを覚えて帰ってくれ。
ドリアン王国の国王陛下と王妃陛下が、平然としているのは、ケレメイン大公国の出方を予想していたのかもしれない。
いつまでも、低く見られたままではいない、という気概は、サーバル王国の国王陛下と王妃陛下も持ち続けてきたものだろうから。
ドリアン王国に侵略されていたサーバル王国は、ケレメイン大公国ができるまで、ケレメイン大公国の側だった。
一段低く見られる側。
サーバル王国の国王陛下と王妃陛下は、ドリアン王国から一段低く見られている現状に、サーバル王国が慣れないようにと腐心してきたのかもしれないな、とオレは思う。
ドリアン王国の支配を押しのけるチャンスをつかむまでの、サーバル王国の王妃陛下と国王陛下の決断の早さは。
きっと。
ずっと。
諦めなかったから、だ。
国のトップが、屈する気持ちや姿勢を見せていたら、サーバル王国は、今ごろ、ドリアン王国にのまれていたかもしれない。
これからも問題は続出するだろうけど。
オレは、何があっても諦めない。
クロードと力を合わせて、カズラくんとも協力して。
ケレメイン大公国の国の格を落とさせない。
クロードとオレは、ケレメイン大公国を引っ張っていく。
さてと。
無言の腹の探り合いは、済んだかなー?
まだかなー?
誰が最初に、口火を切るかな?
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