《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
546 / 667
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

546.ドリアン王国の国王陛下は、勢いよく立ち上がりました。『会議中だ、席に戻れ』とクロード。『ドリアン王国の国王陛下は、フラれたくせに。』

しおりを挟む
ドリアン王国の国王陛下は、勢いよく椅子から立ち上がる。

立ち上がった拍子にグラッと体が揺れた。

人間の胴体よりドリアンの実の胴体の方が、立ったときのバランスが取りづらいのかなー。

「カズラ、私の言うことが聞けないのか。」
と、椅子から立ち上がった状態で恫喝するドリアン王国の国王陛下。

ドリアン王国の国王陛下は、カズラくんのところへ歩こうとした。

でも、ドリアンの実の胴体は、バランスをとらないと歩きづらいらしく、一歩踏み出したところで、立ち止まっている。

ドリアンの実の胴体だと、足の付根に負担がかかったりするのかもしれない。

そういえば。

女神様は、胴体をドリアンの実に変えて、生殖器を無くしたけれど、消化器はどうなっているのかな?

ドリアンの実の中に内臓は、あるのかなー?

男の生殖器は、体内からいらない水分を排出するときにも使うからさ。

内臓も含めて全部ドリアンの実になっていたりするのかな?

ドリアン王国の国王陛下と侯爵子息の、ケレメイン大公国滞在中の食事やトイレは、どうしたらいいのかなー?

会議が終わったら、書面を作る時間や署名する時間がいる。

ケレメイン大公国から出ていけ、今日中にドリアン王国へ帰れ、とドリアン王国の国王陛下と侯爵子息を追い返せないんだよなー。

オレがドリアン王国の国王陛下の体のことから、今日の締めを考えていた。

立ち上がって強圧的な態度を示しているドリアン王国の国王陛下に、カズラくんは怯まない。

「スペンサー、ぼくがスペンサーの言う通りにしたことなんて、今までに一度でもあった?

ぼくは、ぼく自身を安売りしないと決めて、この世界へ戻ってきたよ。

ぼくはこの世界の誰に対しても、ぼくが得たものを無償で融通させない。

ここは、国際会議だからちょうどいいよね。

ぼくは、この場で宣言しておく。」
とカズラくん。

ドリアン王国の国王陛下は、グラッグラッとドリアンの実の体を揺らしながら、二歩、三歩と前に進もうとした。

「会議中だ。
ドリアン王国の国王陛下は、直ちに自席へ着席するように。」
とクロード。

お?
オレのクロードが、びしっとキメているぞ。

「これは、ドリアン王国の問題だ。
ケレメイン大公だったか、口出しは余計だ。」
とドリアン王国の国王陛下。

オイ、オレのクロードを下に見てないかなー?

それに、カズラくんとドリアン王国の国王陛下の破局は、ドリアン王国の問題じゃないからなー。

よし、オレも参戦しよう。

「フラれたくせに。」

オレは、よくとおる声で、言ってやった。

「黙れ。

お前なんかには分からない高尚な話なんだ。」
とドリアン王国の侯爵子息が、オレを睨みつけてきた。

オーケー、オーケー。

オレは、察したぞ。

ドリアン王国の侯爵子息は、ドリアン王国の国王陛下に日和ることにしたんだなー。

ドリアンの国王陛下に報告に行って、ドリアン王国の国王陛下と会議に臨んだときから。

侯爵子息は、国王陛下につけられた第一王子と先代国王陛下の回し者の看板を取り払ったのかな?

とは、思っていた。

ドリアン王国に帰ると針の筵が待っている侯爵子息は、マウンテン王国の王姉殿下スナメリ様に婿入したかった。

でも、ドリアンの実の体になって、生殖器がなくなったため、跡継ぎを作れない侯爵子息は、マウンテン王国の女王陛下の王配にはなれない。

ドリアン王国の侯爵子息が帰る場所は、ドリアン王国だけ。

ドリアン王国で、女神様に裁定を下された体で生きていくという未来を考えると。

同じく女神様に裁定を下され、状況理解があり、ドリアン王国の最高権力者である、国王陛下のご機嫌はとっておこうと考えてもおかしくないよなー。

ドリアン王国の侯爵子息の腹の中。

オレにはバレバレだぞ。

「カズラくんにフラれたくせに。

カズラくんに今さら追いすがってもなー。

冷めきって終わりを迎えたのに、再び盛り上がるなんて希望的観測もいいところだぞ?

恋を盛り上げるには、両者の熱量が必要だけど、カズラくんとドリアン王国の国王陛下の両方に、相手への熱量を感じないからなー。

あとさ。

カズラくんは、ケレメイン大公国の大公妃であるオレの友達だからな?

オレは、カズラくんに関して口出しをする。

カズラくんは、ドリアン王国へどんなことをするのかなー?」

オレが、カズラくんに話を振ると、カズラくんは立ち上がった。

「ドリアン王国の国王陛下と侯爵子息には、今から、二つのことをぼくに誓ってもらう。

一つ。

ケレメイン大公国、マウンテン王国、サーバル王国への侵略を止めて、侵略者をドリアン王国に帰還させる、もう侵略しないこと、と。

二つ。

これから先の未来で、ぼくを利用しないことと。

さあ、今すぐぼくに誓うんだ。

さもないと。」
とカズラくん。

「さもないと?」

「誓いが遅れるごとにドリアン王国の国民は、一人二人と、体の一部がドリアンの実になっていくよ?

国民全員の体の一部が、ドリアンの実になるまで粘ってもいいよ?」
とカズラくん。

「体の一部がドリアンの実になったドリアン王国の国民に、生殖器は残すのかな?」

女神様みたいに、取り除くのかな?

「ドリアンにするのは、体の一部だとしか、ぼくは言っていないよ?」
とカズラくん。

おおう。

「生殖器がドリアンの実になる可能性もあるんだなー。

ドリアンの実は、既に受精しているから、実になっているんだよな?

受精済みの実が、さらに受精したりしないよなー。

ドリアン王国は、次代が作れなくて滅びへと向かうのかなー。」
しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)

エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。 魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。 若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。 *以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。 お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。 なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。 こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

どうも、卵から生まれた魔人です。

べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。 太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら
BL
 俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!  実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。  一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!  前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。 !注意! 初のオメガバース作品。 ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。 バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。 !ごめんなさい! 幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に 復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

君なんか求めてない。

ビーバー父さん
BL
異世界ものです。 異世界に召喚されて見知らぬ獣人の国にいた、佐野山来夏。 何かチートがありそうで無かった来夏の前に、本当の召喚者が現われた。 ユア・シノハラはまだ高校生の男の子だった。 人が救世主として召喚したユアと、精霊たちが召喚したライカの物語。

王子様から逃げられない!

白兪
BL
目を覚ますとBLゲームの主人公になっていた恭弥。この世界が受け入れられず、何とかして元の世界に戻りたいと考えるようになる。ゲームをクリアすれば元の世界に戻れるのでは…?そう思い立つが、思わぬ障壁が立ち塞がる。

αからΩになった俺が幸せを掴むまで

なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。 10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。 義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。 アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。 義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が… 義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。 そんな海里が本当の幸せを掴むまで…

──だから、なんでそうなんだっ!

涼暮つき
BL
「面倒くさいから認めちゃえば?」 「アホか」 俺は普通に生きていきたいんだよ。 おまえみたいなやつは大嫌いだ。 でも、本当は羨ましいと思ったんだ。 ありのままの自分で生きてるおまえを──。 身近にありそうな日常系メンズラブ。 *以前外部URLで公開していたものを 掲載し直しました。 ※表紙は雨月リンさんに描いていただきました。  作者さまからお預かりしている大切な作品です。  画像の無断転載など固く禁じます。

処理中です...