《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

541.ドリアンに生殖器はついていません。マウンテン王国の王姉殿下、宣言してしまいますか?証人になりますよ?クロードとサーバル王国の国王が。

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ドリアン王国の国王陛下と侯爵子息の顔を見ようとは思うんだけどさ。

人の胴体サイズのドリアンがさ。

ビロード張りの椅子に、でーんと乗っている構図に目を奪われてしまうんだよな。

国際会議用の椅子は、固くなくて、座り心地がいい椅子。

成人男性の胴体サイズのドリアンが、バランスを崩して椅子から落ちることはなさそう。

クッション性の高い椅子は、人の胴体サイズのドリアンの尻部分をすっぽりおさめている。

ドリアンが座れる椅子を探す手間が増えなくてよかった。

オレがドリアンと椅子について考えていると。

「国王に生殖器が不要などとは。

女神様は、ドリアン王国を滅ぼすおつもりか?」
とドリアン王国の国王陛下。

ドリアン王国の国王陛下は、女神様に凄んでいる。

ドリアン王国の国王陛下には、女神様に対する敬意がないなー。

女神様に対する反抗期かと思ったけれど。

違うかもしれない。

ドリアン王国の国王陛下と侯爵子息の二人ともに言えるんだけど。

目の前にいて、人にはない力を使っている女神様に対して、人に対するときとで、態度が変わらないんだよなー。

心が強いのか、人知を超えた者に対する畏怖心がないのか。

不信心という言い方も、できなくもないけれど。

ドリアン王国の国王陛下と侯爵子息は、女神様を絶対視していない。

女神様の怖さを知らないからかな?

女神様は、刀や金棒を持ったりしていないからな。

見た目だけでは、たおやかな女性。

ドリアン王国の国王陛下と侯爵子息は、体をドリアンに変えられたにもかかわらず、パニックにならなかった。

心が強いよな。

怖じ気づかず、元に戻せ、と冷静に女神様へ要求している。

「そなたらは、生殖器がない人生を歩むといいわ。」
と女神様。

女神様と話すようになって気づいた。

女神様は、結論ありき。

基本的に、説明はしない。

こうと決めたら、即実行しておしまい。

誰かに説明するのは、理解と受容を目的とした行為。

女神様は、全て受け入れられてしかるべし、と過ごしてきている。

女神様が接してきた人間は、誰かに頭を下げたり、理解を得るために説明することが日常の人達ではなかった。

女神様と付き合いのある人は、歴代の国王陛下。

説明を聞いて、よきにはからえ、と言ったり、もっと詳しく、と言ったりする側の人。

女神様が、ドリアン王国の国王陛下と侯爵子息に生殖器は不要と断じた理由を女神様は話さないと思う。

やったことの撤回は、もっとしない。

それが、女神様。

女神様についての理解が進んだぞ。

そのうち、女神様との付き合い方の傾向と対策講座を開けるかもしれないなー。

女神様がドリアン王国の国王陛下と侯爵子息に生殖器が不要判断を下したなら。

オレは、さくさくと会議の難所を飛び越えよう。

「ドリアン王国の国王陛下が、マウンテン王国の国王陛下と王妃陛下を満足させるからドリアン王国で滞在するようにという、ドリアン王国からマウンテン王国への申し入れ。

マウンテン王国の王姉殿下スナメリ様に、ドリアン王国の侯爵子息を婿入させる申し入れ。

ドリアン王国からマウンテン王国へ、この二つの申し入れがあった。

女神様の裁定により、ドリアン王国の国王陛下と侯爵子息には生殖器がなくなって、胴体は、ドリアンになっている。

マウンテン王国の王姉殿下スナメリ様は、ドリアン王国からの二点の申し入れに対する返事を、今、この場でしてくれ。

ケレメイン大公国とサーバル王国が、マウンテン王国の返事の証人になる。」

オレが、マウンテン王国の王姉殿下スナメリ様に返事を促すと。

「私、スナメリ・マウンテンは、マウンテン王国の国王代理として宣言する。

ドリアン王国の侯爵子息ピーター・ヌエとは、結婚しない。

マウンテン王国の当代の国王陛下夫妻を、ドリアン王国に一生涯預けることはしない。」
とマウンテン王国の王姉殿下スナメリ様。

マウンテン王国の王姉殿下スナメリ様は、キリッとした表情で宣言した。

オレは、王姉殿下スナメリ様の国王代理として、という宣言に、予想があたった、と思った。

マウンテン王国の四人とオレが会ったとき。

マウンテン王国の国王陛下について困っている実情を話してくれたのも。

王が変わるための布石だったりしたのかもしれない。

オレ達は、友達だけど、一人一人、国を代表する立ち場にある。

これからも、マウンテン王国の四人と友達で居続けるには、国の代表としてやっていけるようにならないとなー。

「私、ケレメイン大公クロードは、マウンテン王国の国王陛下代理の宣言の証人になる。」
とクロード。

続けて、サーバル王国の国王陛下も証人になる宣言をした。

「部外者が勝手なことを。」
とドリアン王国の侯爵子息。

「国際会議の本題に戻るだけだ。」
とサーバル王国の国王陛下。
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