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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
535.ドリアン王国の国王陛下がマウンテン王国の宰相補佐で侯爵令嬢のポーリーン・タチバナを誘うのを聞いているカズラくんは、無音です。
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ドリアン王国の国王陛下は、マウンテン王国の国王陛下と王妃陛下の両方、抱いてやるから、ドリアン王国に来い、と言っているよなー?
この世界の貞操観念として、ドリアン王国の国王陛下の発言がアリかナシかが分からない。
周囲の反応は?
国際会議の参加者は、誰も顔色一つ変えない。
ポーカーフェイスのミーレ長官の息子さんは、ドリアン王国の国王陛下が具体的に何をするかまでは知らなくても、どういう話をしているかを理解している様子。
夫婦まとめてやってやるから、という発言を国際会議で聞くことになるとは思わなかった。
ドリアン王国の国王陛下が、マウンテン王国の国王陛下と王妃陛下を引き取るという発想は、どこから出てきたのかな?
マウンテン王国の国王陛下夫妻がドリアン王国の国王陛下と結婚してドリアン王国で暮らすことになっても、マウンテン王国に得する人はいないよなー?
ドリアン王国は、マウンテン王国で実務経験がある国王陛下と王妃陛下を呼び寄せたら、得するだろうけど。
ドリアン王国の国王陛下は、厚顔無恥が政治スタイルなのかな。
夫妻ともにやってやるから発言の後も、堂々としている。
「ドリアン王国の国王陛下は、どんな理由があって、マウンテン王国の国王陛下に親切になろうとされていらっしゃるのでしょうか?」
とマウンテン王国の侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「ドリアン王国の国王として、マウンテン王国に親切であろうとしているのだが、理解されないのは、なんと嘆かわしいことだろう。
私は、マウンテン王国の国王陛下だけに親切であろうとしているのではない。
その証拠に。
未来の王妃陛下には、マウンテン王国の国王陛下よりも誠実であっただろう?」
とドリアン王国の国王陛下。
マウンテン王国の未来の王妃陛下?
王妃陛下ではなく、未来の、とわざわざつけたのは。
マウンテン王国の宰相補佐で侯爵令嬢のポーリーン・タチバナのことを指しているんだよな。
ドリアン王国の国王陛下が、マウンテン王国の宰相補佐で侯爵令嬢のポーリーン・タチバナに誠実だったというけれど、どの言動のことかな?
国際会議の開始直後からのやり取りを思い出す限り。
ドリアン王国の国王陛下の言動は、一貫して、失礼極まりないものだったと思うんだけどなー。
オレの感性に問題があるからじゃないと思うぞ?
「マウンテン王国の未来の王妃陛下という方に、心当たりがございません。
ドリアン王国の国王陛下は、どなたに対して、どのような誠実さを発揮されたのでしょうか?」
とマウンテン王国の侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
聞いてくれてよかった。
オレも聞きたい。
「もう忘れてしまったのか。
私が最初に誘ったのが誰だったかを。」
とドリアン王国の国王陛下。
最初に誘ったのは?
ドリアン王国の国王陛下が結婚しようと最初に誘った相手のことだよな?
カズラくんから彼氏の話を聞いたときから、ドリアン王国の国王陛下はカズラくんにプロポーズしたと思っていたんだけど。
違うのかな?
カズラくんへのプロポーズって、どんなんだったんだろう?
オレは、ドリアン王国の国王陛下の後ろの椅子に座っているカズラくんの顔が見れない。
カズラくんは、どんな気持ちで、ドリアン王国の国王陛下がマウンテン王国の宰相補佐で侯爵令嬢のポーリーン・タチバナと会話するのを聞いていたのかな。
かつて、プロポーズされたことを喜んでいたカズラくん。
プロポーズしてきた彼氏を捕まえたいから、引き抜けとオレに頼んできたカズラくん。
プロポーズが、結婚詐欺みたいだと気づいて怒っていたカズラくん。
オレを寝室に連れ込もうとしているドリアン王国の国王陛下に対し、頭にきていたカズラくん。
どんなときも、カズラくんは能動的だった。
感情も行動も。
だけど、今。
カズラくんは、静かだ。
無音。
一言も発することなく、ドリアン王国の国王陛下の後ろに置かれている椅子に腰かけて、ドリアン王国の国王陛下の背中を見ているカズラくんは。
手に、お手製のハリセンを握っている。
カズラくん。
カズラくんの心の叫びが、カズラくんに何を言わせようと、オレは、カズラくんを悪く言わせないからな。
腹が立ったときは、安心してハリセンを使ってくれ。
オレには、クロードがついている。
この世界の貞操観念として、ドリアン王国の国王陛下の発言がアリかナシかが分からない。
周囲の反応は?
国際会議の参加者は、誰も顔色一つ変えない。
ポーカーフェイスのミーレ長官の息子さんは、ドリアン王国の国王陛下が具体的に何をするかまでは知らなくても、どういう話をしているかを理解している様子。
夫婦まとめてやってやるから、という発言を国際会議で聞くことになるとは思わなかった。
ドリアン王国の国王陛下が、マウンテン王国の国王陛下と王妃陛下を引き取るという発想は、どこから出てきたのかな?
マウンテン王国の国王陛下夫妻がドリアン王国の国王陛下と結婚してドリアン王国で暮らすことになっても、マウンテン王国に得する人はいないよなー?
ドリアン王国は、マウンテン王国で実務経験がある国王陛下と王妃陛下を呼び寄せたら、得するだろうけど。
ドリアン王国の国王陛下は、厚顔無恥が政治スタイルなのかな。
夫妻ともにやってやるから発言の後も、堂々としている。
「ドリアン王国の国王陛下は、どんな理由があって、マウンテン王国の国王陛下に親切になろうとされていらっしゃるのでしょうか?」
とマウンテン王国の侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「ドリアン王国の国王として、マウンテン王国に親切であろうとしているのだが、理解されないのは、なんと嘆かわしいことだろう。
私は、マウンテン王国の国王陛下だけに親切であろうとしているのではない。
その証拠に。
未来の王妃陛下には、マウンテン王国の国王陛下よりも誠実であっただろう?」
とドリアン王国の国王陛下。
マウンテン王国の未来の王妃陛下?
王妃陛下ではなく、未来の、とわざわざつけたのは。
マウンテン王国の宰相補佐で侯爵令嬢のポーリーン・タチバナのことを指しているんだよな。
ドリアン王国の国王陛下が、マウンテン王国の宰相補佐で侯爵令嬢のポーリーン・タチバナに誠実だったというけれど、どの言動のことかな?
国際会議の開始直後からのやり取りを思い出す限り。
ドリアン王国の国王陛下の言動は、一貫して、失礼極まりないものだったと思うんだけどなー。
オレの感性に問題があるからじゃないと思うぞ?
「マウンテン王国の未来の王妃陛下という方に、心当たりがございません。
ドリアン王国の国王陛下は、どなたに対して、どのような誠実さを発揮されたのでしょうか?」
とマウンテン王国の侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
聞いてくれてよかった。
オレも聞きたい。
「もう忘れてしまったのか。
私が最初に誘ったのが誰だったかを。」
とドリアン王国の国王陛下。
最初に誘ったのは?
ドリアン王国の国王陛下が結婚しようと最初に誘った相手のことだよな?
カズラくんから彼氏の話を聞いたときから、ドリアン王国の国王陛下はカズラくんにプロポーズしたと思っていたんだけど。
違うのかな?
カズラくんへのプロポーズって、どんなんだったんだろう?
オレは、ドリアン王国の国王陛下の後ろの椅子に座っているカズラくんの顔が見れない。
カズラくんは、どんな気持ちで、ドリアン王国の国王陛下がマウンテン王国の宰相補佐で侯爵令嬢のポーリーン・タチバナと会話するのを聞いていたのかな。
かつて、プロポーズされたことを喜んでいたカズラくん。
プロポーズしてきた彼氏を捕まえたいから、引き抜けとオレに頼んできたカズラくん。
プロポーズが、結婚詐欺みたいだと気づいて怒っていたカズラくん。
オレを寝室に連れ込もうとしているドリアン王国の国王陛下に対し、頭にきていたカズラくん。
どんなときも、カズラくんは能動的だった。
感情も行動も。
だけど、今。
カズラくんは、静かだ。
無音。
一言も発することなく、ドリアン王国の国王陛下の後ろに置かれている椅子に腰かけて、ドリアン王国の国王陛下の背中を見ているカズラくんは。
手に、お手製のハリセンを握っている。
カズラくん。
カズラくんの心の叫びが、カズラくんに何を言わせようと、オレは、カズラくんを悪く言わせないからな。
腹が立ったときは、安心してハリセンを使ってくれ。
オレには、クロードがついている。
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