525 / 673
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
525.クロードは、サーバル王国の国王陛下にまるめこまれせん。サーバル王国の国王陛下は、何を決めたのでしょうか?
しおりを挟む
サーバル王国の国王陛下夫妻が頭を下げていた相手は、女神様なので、クロードが頭を上げるように言うのは、『お前じゃない』に該当するんだけど、女神様は、頭を上げていい、などとは言わないからなー。
クロードが言わなければ、サーバル王国の国王陛下夫妻は、頭を上げられなかったと思う。
サーバル王国の国王陛下夫妻も、薄々気づいていたようで。
クロードに言われたタイミングで、二人共頭を上げた。
「先代ケレメイン公爵は、ケレメイン大公の成長をさぞ喜ばれただろう。」
とサーバル王国の国王陛下は、クロードに話しかける。
サーバル王国の国王陛下は、クロードのご両親の話をとっかかりにしようとしたのかな?
「今の私には、ヒサツグがいる。」
とクロード。
クロードは、ヒサツグが褒めてくれるから、両親の思い出話で誤魔化されたりしない、と言っている。
おう、オレのクロードには褒めるところがありすぎて、追いつかないくらいだからな。
毎日、一つは、クロードのいいな、思うところを見つけられるんだよなー。
惚れているからかな?
好きな人に好かれている状態ってさ。
幸せだよなー。
オレがクロードを好きだと自覚したのは、オレの恋敵だったカズラくんからの指摘だった。
カズラくんには、頭が下がる。
腹が立っていただろうに、気づかせてくれてありがとう。
カズラくんとドリアン王国の国王陛下との話し合いは、どうなったかなー?
カズラくん、こちらは、順調だぞ。
クロードが、七面六臂の活躍を見せてくれている。
「マウンテン王国の女王陛下の客死事件に関する取引があったとしても、マウンテン王国とサーバル王国の間で取り交わしたもの。」
とクロードは、にべもない。
ケレメイン大公国は、マウンテン王国ケレメイン公爵領ではないので、過去のマウンテン王国とサーバル王国の取り決めには縛られない、とサーバル王国側へ告げた。
「ケレメイン大公は、公爵の経験があり、国政に関わりを持たれてきた。
しかし。
一公爵でいることと、国を統治することの差は小さくない。
相談する相手がいると安心できるのではないか?
幸い、私は、一国の王であり、ケレメイン大公のご両親である先代ケレメイン公爵夫妻とは、旧知の仲だ。
ケレメイン大公の良き相談相手になろう。」
とサーバル王国の国王陛下。
「サーバル王国の国王陛下が、先代ケレメイン公爵と旧知の仲となったのは、マウンテン王国の先代国王陛下と、女王陛下の件で、マウンテン王国とサーバル王国が取引した結果に付随するものだ。
ケレメイン大公国とサーバル王国の全ての問題を清算した上で、私の相談相手に、という申し出なら、検討しよう。」
とクロード。
クロードの『検討しよう』は、サーバル王国の国王陛下が、ケレメイン大公国への侵略をうやむやにして、ケレメイン大公の相談相手におさまり、ケレメイン大公国の内政に関わろうというサーバル王国の国王陛下考えを、拒否。
「ケレメイン大公国は、女神様が来たいときに来て、住みたいときに住む場所を用意する。
ケレメイン大公国で女神様が気に入ったものを見つけたとき、女神様の気に入ったものは、女神様の目の前に、女神様の手の届く場所にある。
ケレメイン大公国は、女神様の恩恵がなくとも、女神様と友好的な関係を築いていく。
加えて。
現在、ドリアン王国の国王陛下の身柄は、ケレメイン大公国の手中にある。
マウンテン王国の女王陛下がサーバル王国を訪問したときとは違い、ケレメイン大公国は、不法侵入者として、ドリアン王国の国王陛下の身柄をおさえている状況だ。
ドリアン王国からの支配をはねつけられていなかったサーバル王国に対し、ケレメイン大公国が下手に出る利点を思いつかれたなら、今この場で、話されるといい。」
とクロード。
クロードは、サーバル王国側に、ケレメイン大公国の優位性をつたえることで、間接的にマウンテン王国側への牽制もしている。
こういった立ち回りや牽制は、ケレメイン公爵を経験して大公になったクロードがするからこそ、サマになっていて、耳を貸す人がいる。
オレが同じことをしても、なんか言ってる、と、流されて終わる。
政治の駆け引きが絡む場では、誰が言っているか、が鍵になる。
オレには、政治的な駆け引きをするだけの信用が、まだない。
今のオレは、政治的な約束を果たせるかどうか、未知数。
クロードが発言するようになってから、会議に緊張感が保たれている。
クロードは、サーバル王国側に畳み掛けるようにして、決断を促した。
「私の次は、王太子が即位するが、王太子の後はシガラキノが即位する。」
とサーバル王国の国王陛下。
「サーバル王国の数年後の近未来の話をしていると考えても?」
とクロード。
「今、王たる教育を受けていないシガラキノを王位につけることは、誰のためにもならない。」
とサーバル王国の国王陛下。
その通りだなー。
「サーバル王国は、今まで、女神様のお心にかなうものを作り出せなかった。
女神様の恩恵が国にあるときにできなかったことが、恩恵がなくなることで、できるようになるとは考えにくい。
サーバル王国は、現状維持を貫くか、さらなるリスクを承知で発展を目指すかの選択のときを迎えたことになる。
現状維持してきた結果。
サーバル王国は、ドリアン王国にずるずると支配を許してしまった。
今は、サーバル王国に必要なのは、現状維持ではなく、革新。
女神様と友誼を結んだシガラキノには、サーバル王国の革新の時代を任せる。
マウンテン王国のケレメイン公爵領に注ぎ込んだのは、サーバル王国の国費ではなく、王女シガラキノの私財。
シガラキノが、サーバル王国の女王としてたったときに、女王シガラキノ自身からケレメイン大公と話をさせたい。」
とサーバル王国の国王陛下。
サーバル王国の国王陛下は、食わせ者だなー。
王女シガラキノ様に棚上げした方が、ケレメイン大公国からむしり取られないと踏んでいるぞ?
「サーバル王国は、どこかの手先になっていようといまいと、二度とケレメイン大公国へ侵略しないこと、と、サーバル王国からのマウンテン王国ケレメイン公爵領への援助と大公妃予算の横領を相殺する件が済むまで、サーバル王国の王侯貴族がケレメイン大公領へ立ち入ることを拒否する。
この二つの条件を了承したなら、女王シガラキノの即位まで、この問題を先送りしよう。」
とクロード。
クロードが言わなければ、サーバル王国の国王陛下夫妻は、頭を上げられなかったと思う。
サーバル王国の国王陛下夫妻も、薄々気づいていたようで。
クロードに言われたタイミングで、二人共頭を上げた。
「先代ケレメイン公爵は、ケレメイン大公の成長をさぞ喜ばれただろう。」
とサーバル王国の国王陛下は、クロードに話しかける。
サーバル王国の国王陛下は、クロードのご両親の話をとっかかりにしようとしたのかな?
「今の私には、ヒサツグがいる。」
とクロード。
クロードは、ヒサツグが褒めてくれるから、両親の思い出話で誤魔化されたりしない、と言っている。
おう、オレのクロードには褒めるところがありすぎて、追いつかないくらいだからな。
毎日、一つは、クロードのいいな、思うところを見つけられるんだよなー。
惚れているからかな?
好きな人に好かれている状態ってさ。
幸せだよなー。
オレがクロードを好きだと自覚したのは、オレの恋敵だったカズラくんからの指摘だった。
カズラくんには、頭が下がる。
腹が立っていただろうに、気づかせてくれてありがとう。
カズラくんとドリアン王国の国王陛下との話し合いは、どうなったかなー?
カズラくん、こちらは、順調だぞ。
クロードが、七面六臂の活躍を見せてくれている。
「マウンテン王国の女王陛下の客死事件に関する取引があったとしても、マウンテン王国とサーバル王国の間で取り交わしたもの。」
とクロードは、にべもない。
ケレメイン大公国は、マウンテン王国ケレメイン公爵領ではないので、過去のマウンテン王国とサーバル王国の取り決めには縛られない、とサーバル王国側へ告げた。
「ケレメイン大公は、公爵の経験があり、国政に関わりを持たれてきた。
しかし。
一公爵でいることと、国を統治することの差は小さくない。
相談する相手がいると安心できるのではないか?
幸い、私は、一国の王であり、ケレメイン大公のご両親である先代ケレメイン公爵夫妻とは、旧知の仲だ。
ケレメイン大公の良き相談相手になろう。」
とサーバル王国の国王陛下。
「サーバル王国の国王陛下が、先代ケレメイン公爵と旧知の仲となったのは、マウンテン王国の先代国王陛下と、女王陛下の件で、マウンテン王国とサーバル王国が取引した結果に付随するものだ。
ケレメイン大公国とサーバル王国の全ての問題を清算した上で、私の相談相手に、という申し出なら、検討しよう。」
とクロード。
クロードの『検討しよう』は、サーバル王国の国王陛下が、ケレメイン大公国への侵略をうやむやにして、ケレメイン大公の相談相手におさまり、ケレメイン大公国の内政に関わろうというサーバル王国の国王陛下考えを、拒否。
「ケレメイン大公国は、女神様が来たいときに来て、住みたいときに住む場所を用意する。
ケレメイン大公国で女神様が気に入ったものを見つけたとき、女神様の気に入ったものは、女神様の目の前に、女神様の手の届く場所にある。
ケレメイン大公国は、女神様の恩恵がなくとも、女神様と友好的な関係を築いていく。
加えて。
現在、ドリアン王国の国王陛下の身柄は、ケレメイン大公国の手中にある。
マウンテン王国の女王陛下がサーバル王国を訪問したときとは違い、ケレメイン大公国は、不法侵入者として、ドリアン王国の国王陛下の身柄をおさえている状況だ。
ドリアン王国からの支配をはねつけられていなかったサーバル王国に対し、ケレメイン大公国が下手に出る利点を思いつかれたなら、今この場で、話されるといい。」
とクロード。
クロードは、サーバル王国側に、ケレメイン大公国の優位性をつたえることで、間接的にマウンテン王国側への牽制もしている。
こういった立ち回りや牽制は、ケレメイン公爵を経験して大公になったクロードがするからこそ、サマになっていて、耳を貸す人がいる。
オレが同じことをしても、なんか言ってる、と、流されて終わる。
政治の駆け引きが絡む場では、誰が言っているか、が鍵になる。
オレには、政治的な駆け引きをするだけの信用が、まだない。
今のオレは、政治的な約束を果たせるかどうか、未知数。
クロードが発言するようになってから、会議に緊張感が保たれている。
クロードは、サーバル王国側に畳み掛けるようにして、決断を促した。
「私の次は、王太子が即位するが、王太子の後はシガラキノが即位する。」
とサーバル王国の国王陛下。
「サーバル王国の数年後の近未来の話をしていると考えても?」
とクロード。
「今、王たる教育を受けていないシガラキノを王位につけることは、誰のためにもならない。」
とサーバル王国の国王陛下。
その通りだなー。
「サーバル王国は、今まで、女神様のお心にかなうものを作り出せなかった。
女神様の恩恵が国にあるときにできなかったことが、恩恵がなくなることで、できるようになるとは考えにくい。
サーバル王国は、現状維持を貫くか、さらなるリスクを承知で発展を目指すかの選択のときを迎えたことになる。
現状維持してきた結果。
サーバル王国は、ドリアン王国にずるずると支配を許してしまった。
今は、サーバル王国に必要なのは、現状維持ではなく、革新。
女神様と友誼を結んだシガラキノには、サーバル王国の革新の時代を任せる。
マウンテン王国のケレメイン公爵領に注ぎ込んだのは、サーバル王国の国費ではなく、王女シガラキノの私財。
シガラキノが、サーバル王国の女王としてたったときに、女王シガラキノ自身からケレメイン大公と話をさせたい。」
とサーバル王国の国王陛下。
サーバル王国の国王陛下は、食わせ者だなー。
王女シガラキノ様に棚上げした方が、ケレメイン大公国からむしり取られないと踏んでいるぞ?
「サーバル王国は、どこかの手先になっていようといまいと、二度とケレメイン大公国へ侵略しないこと、と、サーバル王国からのマウンテン王国ケレメイン公爵領への援助と大公妃予算の横領を相殺する件が済むまで、サーバル王国の王侯貴族がケレメイン大公領へ立ち入ることを拒否する。
この二つの条件を了承したなら、女王シガラキノの即位まで、この問題を先送りしよう。」
とクロード。
51
お気に入りに追加
1,817
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。

何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない
てんつぶ
BL
連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。
その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。
弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。
むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。
だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。
人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる