524 / 673
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
524.ケレメイン大公クロードが、サーバル王国による侵略に抗議しました。サーバル王国の王女シガラキノ様は、クロードの言うことに納得が?
しおりを挟む
クロードは、クロードに焦がれていた、サーバル王国の王女シガラキノ様に対しても、甘さを滲ませない。
サーバル王国の国王陛下夫妻と王女シガラキノ様をサーバル王国の王家として、ひとまとめに対応している。
「女神様は、女神様のお創りになった世界に住む私達に、女神様の楽しめるものを創造することを求めておいでだ。
女神様の求めていらっしゃるものは、他国の侵略や他国からの略奪で得られたものではない。
ひらめきを試行錯誤させながら、それぞれが発展させた文化を慈しみたいとお考えだ。
ドリアン王国のやり方は、論外だが。
サーバル王国は、ケレメイン大公国に何をしにこられた?
サーバル王国がケレメイン大公国にしようとしていたことが、女神様の望みを叶えることだったら、女神様は顕現されただろうか?」
とクロード。
クロードは、はっきりとサーバル王国を非難した。
マウンテン王国の四人は、驚いていない。
マウンテン王国のケレメイン公爵でいたクロードは、仕事に忙殺されていた。
忙殺されながらも、仕事を回していたクロードの仕事ぶりを、マウンテン王国の四人は知っているんだろうな。
一方。
サーバル王国の王女シガラキノ様は、どう反応したらよいのか、分からなくては、視線を彷徨わせている。
サーバル王国の王女シガラキノ様は、クロードから、侵略に対する抗議や非難を聞くことを想定していなかったんだと思う。
クロードは、何も言わずに、サーバル王国側の反応を待っている。
サーバル王国の国王陛下夫妻が、何かを話し出す前に。
サーバル王国の王女シガラキノ様が、口を開いた。
「女神様の裁定が下りて、私達は、外見を変えられた、ずべし。」
とサーバル王国の王女シガラキノ様。
「ご自身で認識されているように、外見と語尾の変化は、女神様の裁定によるものであり、裁定を下すに値する行為だと女神様がお考えになった結果だ。
女神様の裁定は、女神様のお考えにより下ったもの。
女神様の裁定は、サーバル王国の行為について抗議をしないことをケレメイン大公国に強制するものではない。
ケレメイン大公国は、独立国として、サーバル王国の侵略行為に抗議する。」
とクロード。
オレは、王妃陛下や王女シガラキノ様に対して、直接、サーバル王国の侵略行為を非難してこなかった。
ケレメイン大公妃のオレは、サーバル王国の王妃陛下とも王女シガラキノ様とも、本音のぶつかり合いをしたくて、話し合いは、非公式なものとしている。
サーバル王国によるケレメイン大公国への侵略は、非公式な場で、なあなあに済ますことではない、というのが、オレとクロードの共通認識。
サーバル王国の王妃陛下と王女シガラキノ様に対して、オレがケレメイン大公国への侵略を抗議しなかったのは、サーバル王国へ抗議するのに一番良いタイミングを待っていたから。
オレもクロードも。
非公式な場で抗議して、非公式な場での話し合いで終わらせては、ケレメイン大公国の国としての価値を下げる。
オレとクロードは、ケレメイン大公国のツートップ。
建国さしたばかりのケレメイン大公国は、外国からの侵略を許すほど一段下に見られている。
国の格が一段下に位置づけられたままでは、この先、うまくいくはずもない。
オレとクロードは、ケレメイン大公国が一段下に置かれている現状を覆すためにしていくことを話し合ってきた。
ケレメイン大公国が、他の国より一段下という認識が常識として染み付く前に、ケレメイン大公国には一目置かないといけない、という風に認識を変えてしまうことにした。
最強の外交カードであるクロードが、ケレメイン大公として、ここぞのタイミングでキメる。
侵略されても、ろくに抗議してこない、弱腰外交だとは、絶対に認識させない。
外交に優しさはいらない。強面なくらいでいい。
たまに、柔軟さを混ぜれば十分。
今まで、侵略行為を抗議してこないオレについて、サーバル王国の王妃陛下と王女シガラキノ様が、どう考えて、どう受け取ってきたか。
サーバル王国の王女シガラキノ様の様子を見るに。
サーバル王国の王女シガラキノ様は、女神様からの裁定が下りたことで、サーバル王国が責められるいわれれはなくなった、と考えていたんだな。
女神様の裁定が下りたからサーバル王国の侵略行為の禊は済んでいる、という考えは、侵略したサーバル王国側の発想だ。
「サーバル王国は、魔王による消失で疲弊していたマウンテン王国ケレメイン公爵領の復興に尽力した、ずべし。」
とサーバル王国の王女シガラキノ様。
サーバル王国の王女シガラキノ様は、クロードと結婚すると思って生きてきて、ケレメイン公爵領の復興には私財を投入したから、言わずにはいられなかったんだと思う。
今は、違うと頭で理解してはいても。
サーバル王国の国王陛下夫妻が、頭を下げたまま、何も言わずに、王女シガラキノ様の喋りに任せているのは、女神様の手前、国王陛下夫妻が出張るより、女神様と友誼を結んだ王女シガラキノ様の方が適役だと考えたのかな?
「サーバル王国は、ケレメイン大公である私とシガラキノ王女殿下の結婚を画策し、サーバル王国からケレメイン公爵領の復興に投入した分を、ケレメイン大公妃ヒサツグの予算を流用して、シガラキノ王女殿下の婚礼費用とするよう動いていたことをケレメイン大公国は把握している。
この件に関わったケレメイン大公国の担当者の処分は済んでいる。」
とクロード。
「クロード様と私は、結婚することになっていた、ずべし。」
とサーバル王国の王女シガラキノ様。
王女シガラキノ様が、抗議したくなる気持ちは、分かる。
焦がれてきたクロードに、侵略前提で、ケレメイン公爵領へ私財を投入したと思われたくないよな。
クロードは、サーバル王国の王女シガラキノ様の発言に対して、冷静に返した。
「現在、私はヒサツグを伴侶にしており、これからも私の伴侶を変えることはない。
私がヒサツグと結婚したのは、マウンテン王国の公爵だったときで、マウンテン王国の国王陛下が婚姻の手続きに立ち会って、承認している。
サーバル王国のシガラキノ王女殿下との婚約が成立していたのなら、私は、ヒサツグと結婚していない。
国を交えた約束はなかった。」
とクロード。
「約束は、なかった、ずべし。」
とサーバル王国の王女シガラキノ様。
クロードは、言葉に詰まったシガラキノ様から、サーバル王国の国王陛下夫妻へと視線を固定する。
「私との結婚を持ち出して、シガラキノ王女殿下を思うように動かしたのは、誰かを考えてみられてから発言されては、いかがか?
サーバル王国による侵略について、ケレメイン大公国から正式に抗議する。
未来永劫、サーバル王国がケレメイン大公国に侵略しないという国同士の約束をとりつけた上でだが、サーバル王国がケレメイン大公国に使った復興費用を、サーバル王国からケレメイン大公国への賠償金と相殺する用意が、ケレメイン大公国にはある。
サーバル王国の国王陛下夫妻には、頭を上げていただいて、この場で返答をいただこう。」
とクロード。
サーバル王国の国王陛下夫妻と王女シガラキノ様をサーバル王国の王家として、ひとまとめに対応している。
「女神様は、女神様のお創りになった世界に住む私達に、女神様の楽しめるものを創造することを求めておいでだ。
女神様の求めていらっしゃるものは、他国の侵略や他国からの略奪で得られたものではない。
ひらめきを試行錯誤させながら、それぞれが発展させた文化を慈しみたいとお考えだ。
ドリアン王国のやり方は、論外だが。
サーバル王国は、ケレメイン大公国に何をしにこられた?
サーバル王国がケレメイン大公国にしようとしていたことが、女神様の望みを叶えることだったら、女神様は顕現されただろうか?」
とクロード。
クロードは、はっきりとサーバル王国を非難した。
マウンテン王国の四人は、驚いていない。
マウンテン王国のケレメイン公爵でいたクロードは、仕事に忙殺されていた。
忙殺されながらも、仕事を回していたクロードの仕事ぶりを、マウンテン王国の四人は知っているんだろうな。
一方。
サーバル王国の王女シガラキノ様は、どう反応したらよいのか、分からなくては、視線を彷徨わせている。
サーバル王国の王女シガラキノ様は、クロードから、侵略に対する抗議や非難を聞くことを想定していなかったんだと思う。
クロードは、何も言わずに、サーバル王国側の反応を待っている。
サーバル王国の国王陛下夫妻が、何かを話し出す前に。
サーバル王国の王女シガラキノ様が、口を開いた。
「女神様の裁定が下りて、私達は、外見を変えられた、ずべし。」
とサーバル王国の王女シガラキノ様。
「ご自身で認識されているように、外見と語尾の変化は、女神様の裁定によるものであり、裁定を下すに値する行為だと女神様がお考えになった結果だ。
女神様の裁定は、女神様のお考えにより下ったもの。
女神様の裁定は、サーバル王国の行為について抗議をしないことをケレメイン大公国に強制するものではない。
ケレメイン大公国は、独立国として、サーバル王国の侵略行為に抗議する。」
とクロード。
オレは、王妃陛下や王女シガラキノ様に対して、直接、サーバル王国の侵略行為を非難してこなかった。
ケレメイン大公妃のオレは、サーバル王国の王妃陛下とも王女シガラキノ様とも、本音のぶつかり合いをしたくて、話し合いは、非公式なものとしている。
サーバル王国によるケレメイン大公国への侵略は、非公式な場で、なあなあに済ますことではない、というのが、オレとクロードの共通認識。
サーバル王国の王妃陛下と王女シガラキノ様に対して、オレがケレメイン大公国への侵略を抗議しなかったのは、サーバル王国へ抗議するのに一番良いタイミングを待っていたから。
オレもクロードも。
非公式な場で抗議して、非公式な場での話し合いで終わらせては、ケレメイン大公国の国としての価値を下げる。
オレとクロードは、ケレメイン大公国のツートップ。
建国さしたばかりのケレメイン大公国は、外国からの侵略を許すほど一段下に見られている。
国の格が一段下に位置づけられたままでは、この先、うまくいくはずもない。
オレとクロードは、ケレメイン大公国が一段下に置かれている現状を覆すためにしていくことを話し合ってきた。
ケレメイン大公国が、他の国より一段下という認識が常識として染み付く前に、ケレメイン大公国には一目置かないといけない、という風に認識を変えてしまうことにした。
最強の外交カードであるクロードが、ケレメイン大公として、ここぞのタイミングでキメる。
侵略されても、ろくに抗議してこない、弱腰外交だとは、絶対に認識させない。
外交に優しさはいらない。強面なくらいでいい。
たまに、柔軟さを混ぜれば十分。
今まで、侵略行為を抗議してこないオレについて、サーバル王国の王妃陛下と王女シガラキノ様が、どう考えて、どう受け取ってきたか。
サーバル王国の王女シガラキノ様の様子を見るに。
サーバル王国の王女シガラキノ様は、女神様からの裁定が下りたことで、サーバル王国が責められるいわれれはなくなった、と考えていたんだな。
女神様の裁定が下りたからサーバル王国の侵略行為の禊は済んでいる、という考えは、侵略したサーバル王国側の発想だ。
「サーバル王国は、魔王による消失で疲弊していたマウンテン王国ケレメイン公爵領の復興に尽力した、ずべし。」
とサーバル王国の王女シガラキノ様。
サーバル王国の王女シガラキノ様は、クロードと結婚すると思って生きてきて、ケレメイン公爵領の復興には私財を投入したから、言わずにはいられなかったんだと思う。
今は、違うと頭で理解してはいても。
サーバル王国の国王陛下夫妻が、頭を下げたまま、何も言わずに、王女シガラキノ様の喋りに任せているのは、女神様の手前、国王陛下夫妻が出張るより、女神様と友誼を結んだ王女シガラキノ様の方が適役だと考えたのかな?
「サーバル王国は、ケレメイン大公である私とシガラキノ王女殿下の結婚を画策し、サーバル王国からケレメイン公爵領の復興に投入した分を、ケレメイン大公妃ヒサツグの予算を流用して、シガラキノ王女殿下の婚礼費用とするよう動いていたことをケレメイン大公国は把握している。
この件に関わったケレメイン大公国の担当者の処分は済んでいる。」
とクロード。
「クロード様と私は、結婚することになっていた、ずべし。」
とサーバル王国の王女シガラキノ様。
王女シガラキノ様が、抗議したくなる気持ちは、分かる。
焦がれてきたクロードに、侵略前提で、ケレメイン公爵領へ私財を投入したと思われたくないよな。
クロードは、サーバル王国の王女シガラキノ様の発言に対して、冷静に返した。
「現在、私はヒサツグを伴侶にしており、これからも私の伴侶を変えることはない。
私がヒサツグと結婚したのは、マウンテン王国の公爵だったときで、マウンテン王国の国王陛下が婚姻の手続きに立ち会って、承認している。
サーバル王国のシガラキノ王女殿下との婚約が成立していたのなら、私は、ヒサツグと結婚していない。
国を交えた約束はなかった。」
とクロード。
「約束は、なかった、ずべし。」
とサーバル王国の王女シガラキノ様。
クロードは、言葉に詰まったシガラキノ様から、サーバル王国の国王陛下夫妻へと視線を固定する。
「私との結婚を持ち出して、シガラキノ王女殿下を思うように動かしたのは、誰かを考えてみられてから発言されては、いかがか?
サーバル王国による侵略について、ケレメイン大公国から正式に抗議する。
未来永劫、サーバル王国がケレメイン大公国に侵略しないという国同士の約束をとりつけた上でだが、サーバル王国がケレメイン大公国に使った復興費用を、サーバル王国からケレメイン大公国への賠償金と相殺する用意が、ケレメイン大公国にはある。
サーバル王国の国王陛下夫妻には、頭を上げていただいて、この場で返答をいただこう。」
とクロード。
53
お気に入りに追加
1,818
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。


【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない
てんつぶ
BL
連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。
その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。
弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。
むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。
だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。
人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――

身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる