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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
513.クロードは、オレが欲しいタイミングで欲しい答えを出して、援護してくれます。ミーレ長官の名誉を回復しましょう。
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マウンテン王国の女王陛下の客死事件までは、ドリアン王国の侵略に負けていなかった、とサーバル王国の王妃陛下は最初に話していたな。
会議に悲壮感が漂う中で、威厳を持って口を開いたのはクロード。
「マウンテン王国は、女王陛下にまつわるものを全て消す形で、ドリアン王国を相手にしない体制を整えた。」
とクロード。
サーバル王国で客死した女王陛下の同行者は、全員が帰国後、先代国王陛下により鬼籍に入った。
その理由が、関係者にさらされる。
「マウンテン王国の先代国王陛下の強硬姿勢は、ドリアン王国からの侵略対策だったんだな。」
女王陛下の側近と先代国王陛下の仲が最悪だから、という理由で、嬉々として消されたわけじゃない。
マウンテン王国の貴族が粛々と従う姿勢を見せたのは、マウンテン王国の危機を脱するため。
「マウンテン王国のミーレ長官が、王太子としてサーバル王国に滞在し、女王陛下の客死事件を探ろうとしたことは、サーバル王国とマウンテン王国の痛手になった。」
とクロード。
クロードの言葉に次いで、ミーレ長官は、当時の行動理由を話す。
「マウンテン王国の先代国王陛下が、ドリアン王国の侵略を防ぐことに全力を注がれていたということを、当時の私は、つゆほども考えませんでした。
母上がサーバル王国で客死したと言うことを知った私は、事件の真相を突き止めることを第一に考えて、矢も盾もたまらずサーバル王国に行きました。」
とミーレ長官は、苦しそうに話した。
ミーレ長官に、サーバル王国とマウンテン王国の出席者から非難の目が集まる。
サーバル王国の王女シガラキノ様からの視線は、特に険しい。
ミーレ長官は、弁明をしなかった。
弁明をする場ではない、とミーレ長官は心得ている。
この会議は、起きた事実は照らし合わせていく場だから。
ミーレ長官の奥様は、ミーレ長官の隣で背筋を伸ばして前を向いている。
ミーレ長官の息子さんは、ミーレ長官の手を離して、両親と一緒に前を向いた。
「ミーレ長官は、王太子になっていたが、女王陛下が期限付きの即位だったこととと、ミーレ長官に王太子教育をする教育者がいなかったことから、王太子になってから、王太子でなくなってからも、王太子教育を一切受けていない。
当時のミーレ長官に、母を思う息子以上の行動を求めるなら、教育を施さなかった女王陛下と、ミーレ長官に教育を受けさせなかった先代国王陛下が、その責任を共に背負うことになるだろう。」
とクロード。
マウンテン王国の四人は、ミーレ長官に向けていた責める視線を下げる。
「王太子教育を受けていなかったなんて、ずべし。
信じられない、ずべし。」
とサーバル王国の王女シガラキノ様。
「王太子でなかった女王陛下は、王太子教育を受けていない。
王太子教育がどういったものか。
女王陛下は、弟である先代国王陛下を通して、王太子教育を見知ってはいても、王太子教育を習い、身につけることの重要性を理解していたとは言えない。」
とクロード。
オレは、クロードが、ここへきて、口を開いた理由が分かるから嬉しい。
「王太子教育をうけないで王になった女王陛下は、さ。
王太子教育が、どの場面でどう活きるかの実感を持てたかな?
王太子教育の必要性に思い至らない女王陛下が、ミーレ長官に王太子教育を手配しなくても不思議ではないぞ。
女王陛下が、ミーレ長官に王太子教育を受けさせようと考えたところで、女王陛下には、王太子教育を手配する伝手がなかったんだよな。
女王陛下が、先代国王陛下の力を借りずに、ミーレ長官へ教育者を手配することは困難だったんじゃないかな。」
ケレメイン公爵だったクロードの言葉は、推測と伝聞ばかりのオレの言葉より、重みがある。
オレは、クロードが作ってくれた援護射撃を活かし、ミーレ長官の無知が作られたものだと強調した。
「ミーレ長官に、実際に役に立つ王太子教育を施せるのは、王太子として育ってきたマウンテン王国の先代国王陛下をおいて、他にない。
だが、マウンテン王国の先代国王陛下が、甥のミーレ長官のために王太子教育を手配する利点はない。」
とクロード。
サーバル王国の国王陛下夫妻は、当時のマウンテン王国の内情に通じている。
サーバル王国の国王陛下夫妻は、沈痛な面持ちをしている。
サーバル王国の王女シガラキノ様は、ミーレ長官が教育を受けさせてもらえなかった、という話を聞いて考え込んでいた。
サーバル王国の王女シガラキノ様に、王女らしい教育を受けさせなかったのは、サーバル王国の国王陛下夫妻の意思だ。
マウンテン王国は、王家の姉と弟が話し合わずに突き進んだ結果、地位に見合う教育を受ける機会をミーレ長官に与えなかった。
ミーレ長官が王太子教育を受けていなかったために、地位に見合う言動ができなかったという話も。
ミーレ長官が王太子教育を受けていないことは、女王陛下と先代国王陛下の意思が関係していたことも。
マウンテン王国の四人が、聞いていた情報とは違っていたんだと思う。
マウンテン王国の四人は、互いに、目と目で会話しながら、冷静に考えをまとめている。
あと、もう一押しだな。
会議に悲壮感が漂う中で、威厳を持って口を開いたのはクロード。
「マウンテン王国は、女王陛下にまつわるものを全て消す形で、ドリアン王国を相手にしない体制を整えた。」
とクロード。
サーバル王国で客死した女王陛下の同行者は、全員が帰国後、先代国王陛下により鬼籍に入った。
その理由が、関係者にさらされる。
「マウンテン王国の先代国王陛下の強硬姿勢は、ドリアン王国からの侵略対策だったんだな。」
女王陛下の側近と先代国王陛下の仲が最悪だから、という理由で、嬉々として消されたわけじゃない。
マウンテン王国の貴族が粛々と従う姿勢を見せたのは、マウンテン王国の危機を脱するため。
「マウンテン王国のミーレ長官が、王太子としてサーバル王国に滞在し、女王陛下の客死事件を探ろうとしたことは、サーバル王国とマウンテン王国の痛手になった。」
とクロード。
クロードの言葉に次いで、ミーレ長官は、当時の行動理由を話す。
「マウンテン王国の先代国王陛下が、ドリアン王国の侵略を防ぐことに全力を注がれていたということを、当時の私は、つゆほども考えませんでした。
母上がサーバル王国で客死したと言うことを知った私は、事件の真相を突き止めることを第一に考えて、矢も盾もたまらずサーバル王国に行きました。」
とミーレ長官は、苦しそうに話した。
ミーレ長官に、サーバル王国とマウンテン王国の出席者から非難の目が集まる。
サーバル王国の王女シガラキノ様からの視線は、特に険しい。
ミーレ長官は、弁明をしなかった。
弁明をする場ではない、とミーレ長官は心得ている。
この会議は、起きた事実は照らし合わせていく場だから。
ミーレ長官の奥様は、ミーレ長官の隣で背筋を伸ばして前を向いている。
ミーレ長官の息子さんは、ミーレ長官の手を離して、両親と一緒に前を向いた。
「ミーレ長官は、王太子になっていたが、女王陛下が期限付きの即位だったこととと、ミーレ長官に王太子教育をする教育者がいなかったことから、王太子になってから、王太子でなくなってからも、王太子教育を一切受けていない。
当時のミーレ長官に、母を思う息子以上の行動を求めるなら、教育を施さなかった女王陛下と、ミーレ長官に教育を受けさせなかった先代国王陛下が、その責任を共に背負うことになるだろう。」
とクロード。
マウンテン王国の四人は、ミーレ長官に向けていた責める視線を下げる。
「王太子教育を受けていなかったなんて、ずべし。
信じられない、ずべし。」
とサーバル王国の王女シガラキノ様。
「王太子でなかった女王陛下は、王太子教育を受けていない。
王太子教育がどういったものか。
女王陛下は、弟である先代国王陛下を通して、王太子教育を見知ってはいても、王太子教育を習い、身につけることの重要性を理解していたとは言えない。」
とクロード。
オレは、クロードが、ここへきて、口を開いた理由が分かるから嬉しい。
「王太子教育をうけないで王になった女王陛下は、さ。
王太子教育が、どの場面でどう活きるかの実感を持てたかな?
王太子教育の必要性に思い至らない女王陛下が、ミーレ長官に王太子教育を手配しなくても不思議ではないぞ。
女王陛下が、ミーレ長官に王太子教育を受けさせようと考えたところで、女王陛下には、王太子教育を手配する伝手がなかったんだよな。
女王陛下が、先代国王陛下の力を借りずに、ミーレ長官へ教育者を手配することは困難だったんじゃないかな。」
ケレメイン公爵だったクロードの言葉は、推測と伝聞ばかりのオレの言葉より、重みがある。
オレは、クロードが作ってくれた援護射撃を活かし、ミーレ長官の無知が作られたものだと強調した。
「ミーレ長官に、実際に役に立つ王太子教育を施せるのは、王太子として育ってきたマウンテン王国の先代国王陛下をおいて、他にない。
だが、マウンテン王国の先代国王陛下が、甥のミーレ長官のために王太子教育を手配する利点はない。」
とクロード。
サーバル王国の国王陛下夫妻は、当時のマウンテン王国の内情に通じている。
サーバル王国の国王陛下夫妻は、沈痛な面持ちをしている。
サーバル王国の王女シガラキノ様は、ミーレ長官が教育を受けさせてもらえなかった、という話を聞いて考え込んでいた。
サーバル王国の王女シガラキノ様に、王女らしい教育を受けさせなかったのは、サーバル王国の国王陛下夫妻の意思だ。
マウンテン王国は、王家の姉と弟が話し合わずに突き進んだ結果、地位に見合う教育を受ける機会をミーレ長官に与えなかった。
ミーレ長官が王太子教育を受けていなかったために、地位に見合う言動ができなかったという話も。
ミーレ長官が王太子教育を受けていないことは、女王陛下と先代国王陛下の意思が関係していたことも。
マウンテン王国の四人が、聞いていた情報とは違っていたんだと思う。
マウンテン王国の四人は、互いに、目と目で会話しながら、冷静に考えをまとめている。
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