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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
511.マウンテン王国の女王陛下がサーバル王国で客死した事件の真相をサーバル王国の国王夫妻の口から聞きます。
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「オレの推測と異なる点があれば、サーバル王国の王妃陛下に訂正を頼みたい。」
ピリッとした緊張感が、部屋の中に走る。
オレは、サーバル王国の王妃陛下を向いた。
サーバル王国の王女シガラキノ様は、手を握りしめながら、母親である王妃陛下を見ている。
オレから話をふられたサーバル王国の王妃陛下は、お話しましょう、ずべし、と穏やかに言った。
サーバル王国の王妃陛下は、凛としたたたずまいを見せている。
サーバル王国の王妃陛下は、全部まとめて背負う覚悟をしているんだとオレは思った。
「サーバル王国とマウンテン王国は、マウンテン王国の女王陛下の客死事件前まで、良好な関係を築いていました、ずべし。」
とサーバル王国の王妃陛下。
サーバル王国とマウンテン王国は、仲が良かったんだなー。
女王陛下が、サーバル王国へ外交に行こうと決めたのは、親交のあるサーバル王国だからという理由だったのかな。
「ドリアン王国による、サーバル王国への侵略は長きにわたるものでしたが、サーバル王国は、ドリアン王国に対抗できていました、ずべし。」
とサーバル王国の王妃陛下。
「言いなりにはなっていなかったのかな?」
「マウンテン王国の女王陛下がお亡くなりになる前までは、サーバル王国の侵略は目障りではありましたが、深刻というほどではございませんでした、ずべし。」
と王妃陛下。
女神様の恩恵がサーバル王国をなくすことを良しとしなかったのかな。
「マウンテン王国の女王陛下は、サーバル王国に来られて、シガラキノと孫息子の婚約を申し込まれました。
当時のマンテン王国の中で、女王陛下と、女王陛下の愛息子の権勢は期待できない状況でした、ずべし。
マウンテン王国の女王陛下は、愛息子の家族に後ろ盾を欲していました、ずべし。」
と王妃陛下。
いよいよかな。
「サーバル王国は、王女シガラキノを差し出すだけの対価を求めました、ずべし。」
とサーバル王国の王妃陛下。
混乱を引き起こした当事者世代は、マウンテン王国の先々代国王陛下、女王陛下、先代国王陛下、サーバル王国の国王夫妻の五人。
五人のうち、今も生きているのは、サーバル王国の国王陛下夫妻だけ。
「サーバル王国は、対価に何を求めたのかな?」
「国内で活動しているドリアン王国民の排除です、ずべし。」
とサーバル王国の王妃陛下。
「ドリアン王国民が潜入している場所は、マウンテン王国の女王陛下が行く予定の他にも複数あったのかな?
女王陛下は、一つずつ、サーバル王国内にいるドリアン王国民の居場所を回って、ドリアン王国民に女神様から授かった力を使おうとしたのかな?」
「女王陛下は、一番面倒な場所へ行くこと決められました、ずべし。」
とサーバル王国の王妃陛下。
女王陛下は、自信があったんだろな。
女王陛下は、自身に期待していて、周囲から期待されてもいた。
「女王陛下がドリアン王国民の巣窟に、単身足を踏み入れてから、すぐに女神様に授かった力を発動させる計画でした、ずべし。
女神様の力がどれほどの威力をもたらすのか、ずべし。
誰にも分からなかったため、女王陛下は、単身で、ドリアン王国民の、一番大きい巣窟へ乗り込まれました、ずべし。
女王陛下が使われる際に、女神様の力の巻き添えになることがないように、ずべし。
関係者が見守る中で、待てども、待てども、ずべし。
女神様の力の発動を確認できませんでした、ずべし。」
と王妃陛下。
部屋の中は、水を打ったように静まり返っている。
「誰か、女王陛下の様子を見に行くか、迎えに行ったりしたのかな?」
ミーレ長官とミーレ長官の奥様、ミーレ長官の息子さんは、張り詰めた空気を出している。
マウンテン王国の四人の顔色は悪く、表情も暗い。
サーバル王国のシガラキノ様は、そこで何が起きていたのかを想像することは難しい様子だった。
クロードは、始まりから変わりなく落ち着いている。
「変わろう。」
とサーバル王国の国王陛下。
「間違って踏み込んだ者がいるから、連れて帰ると使いの者をやった。
のらりくらりとかわし続けて、なかなか、女王陛下の姿を見ることはかなわなかった。
使いの者が、お姿を確認できたときには、変わり果てたお姿で息絶えておられた。」
父親を見るシガラキノ様の顔から血の気が引いていく。
マウンテン王国の四人は、青ざめたまま、微動だにしない。
ミーレ長官とミーレ長官の奥様と、ミーレ長官の息子さんは、息を吸って吐いてしている。
「母上の死因をお聞かせください。」
とミーレ長官。
「女王陛下は、隙をみて、自害された。」
ミーレ長官は、浅い呼吸を繰り返しながら、目頭をおさえている。
ミーレ長官の奥様は、ミーレ長官の背中を撫で。
ミーレ長官の息子さんは、ミーレ長官の手を握った。
「女王陛下と会えたのは、女王陛下の自害後、ということは、亡くなられたから、女王陛下は解放された、ということかな?」
「そうだ。」
とサーバル王国の国王陛下。
ここまでは、今までの情報から想定している通り。
オレは、踏み込んでおきたいことがある。
「亡くなられた女性が、マウンテン王国の女王陛下だと、ドリアン王国は知っていたのかな?」
ピリッとした緊張感が、部屋の中に走る。
オレは、サーバル王国の王妃陛下を向いた。
サーバル王国の王女シガラキノ様は、手を握りしめながら、母親である王妃陛下を見ている。
オレから話をふられたサーバル王国の王妃陛下は、お話しましょう、ずべし、と穏やかに言った。
サーバル王国の王妃陛下は、凛としたたたずまいを見せている。
サーバル王国の王妃陛下は、全部まとめて背負う覚悟をしているんだとオレは思った。
「サーバル王国とマウンテン王国は、マウンテン王国の女王陛下の客死事件前まで、良好な関係を築いていました、ずべし。」
とサーバル王国の王妃陛下。
サーバル王国とマウンテン王国は、仲が良かったんだなー。
女王陛下が、サーバル王国へ外交に行こうと決めたのは、親交のあるサーバル王国だからという理由だったのかな。
「ドリアン王国による、サーバル王国への侵略は長きにわたるものでしたが、サーバル王国は、ドリアン王国に対抗できていました、ずべし。」
とサーバル王国の王妃陛下。
「言いなりにはなっていなかったのかな?」
「マウンテン王国の女王陛下がお亡くなりになる前までは、サーバル王国の侵略は目障りではありましたが、深刻というほどではございませんでした、ずべし。」
と王妃陛下。
女神様の恩恵がサーバル王国をなくすことを良しとしなかったのかな。
「マウンテン王国の女王陛下は、サーバル王国に来られて、シガラキノと孫息子の婚約を申し込まれました。
当時のマンテン王国の中で、女王陛下と、女王陛下の愛息子の権勢は期待できない状況でした、ずべし。
マウンテン王国の女王陛下は、愛息子の家族に後ろ盾を欲していました、ずべし。」
と王妃陛下。
いよいよかな。
「サーバル王国は、王女シガラキノを差し出すだけの対価を求めました、ずべし。」
とサーバル王国の王妃陛下。
混乱を引き起こした当事者世代は、マウンテン王国の先々代国王陛下、女王陛下、先代国王陛下、サーバル王国の国王夫妻の五人。
五人のうち、今も生きているのは、サーバル王国の国王陛下夫妻だけ。
「サーバル王国は、対価に何を求めたのかな?」
「国内で活動しているドリアン王国民の排除です、ずべし。」
とサーバル王国の王妃陛下。
「ドリアン王国民が潜入している場所は、マウンテン王国の女王陛下が行く予定の他にも複数あったのかな?
女王陛下は、一つずつ、サーバル王国内にいるドリアン王国民の居場所を回って、ドリアン王国民に女神様から授かった力を使おうとしたのかな?」
「女王陛下は、一番面倒な場所へ行くこと決められました、ずべし。」
とサーバル王国の王妃陛下。
女王陛下は、自信があったんだろな。
女王陛下は、自身に期待していて、周囲から期待されてもいた。
「女王陛下がドリアン王国民の巣窟に、単身足を踏み入れてから、すぐに女神様に授かった力を発動させる計画でした、ずべし。
女神様の力がどれほどの威力をもたらすのか、ずべし。
誰にも分からなかったため、女王陛下は、単身で、ドリアン王国民の、一番大きい巣窟へ乗り込まれました、ずべし。
女王陛下が使われる際に、女神様の力の巻き添えになることがないように、ずべし。
関係者が見守る中で、待てども、待てども、ずべし。
女神様の力の発動を確認できませんでした、ずべし。」
と王妃陛下。
部屋の中は、水を打ったように静まり返っている。
「誰か、女王陛下の様子を見に行くか、迎えに行ったりしたのかな?」
ミーレ長官とミーレ長官の奥様、ミーレ長官の息子さんは、張り詰めた空気を出している。
マウンテン王国の四人の顔色は悪く、表情も暗い。
サーバル王国のシガラキノ様は、そこで何が起きていたのかを想像することは難しい様子だった。
クロードは、始まりから変わりなく落ち着いている。
「変わろう。」
とサーバル王国の国王陛下。
「間違って踏み込んだ者がいるから、連れて帰ると使いの者をやった。
のらりくらりとかわし続けて、なかなか、女王陛下の姿を見ることはかなわなかった。
使いの者が、お姿を確認できたときには、変わり果てたお姿で息絶えておられた。」
父親を見るシガラキノ様の顔から血の気が引いていく。
マウンテン王国の四人は、青ざめたまま、微動だにしない。
ミーレ長官とミーレ長官の奥様と、ミーレ長官の息子さんは、息を吸って吐いてしている。
「母上の死因をお聞かせください。」
とミーレ長官。
「女王陛下は、隙をみて、自害された。」
ミーレ長官は、浅い呼吸を繰り返しながら、目頭をおさえている。
ミーレ長官の奥様は、ミーレ長官の背中を撫で。
ミーレ長官の息子さんは、ミーレ長官の手を握った。
「女王陛下と会えたのは、女王陛下の自害後、ということは、亡くなられたから、女王陛下は解放された、ということかな?」
「そうだ。」
とサーバル王国の国王陛下。
ここまでは、今までの情報から想定している通り。
オレは、踏み込んでおきたいことがある。
「亡くなられた女性が、マウンテン王国の女王陛下だと、ドリアン王国は知っていたのかな?」
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