《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

499.ドリアン王国の国王陛下vsオレ。オレは、ドリアン王国のいいようにされません。

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「このような形で、英雄の伴侶の特典を見せつけられるとは。」
とドリアン王国の国王陛下。

特典?

オレの尻穴の保護魔法は、英雄の伴侶の特典と言っていいのかな?

オレは、特典と言われても、素直に、いいだろう!と自慢する気になれない。

尻穴の保護は、ありがたい。

ありがたいけどな?

尻穴だけじゃなくてさ。

服を脱がされないようにするところから、保護して欲しかった。

オレは、今、下半身丸出しで両肩をつかまれて、両手は後ろ手に縛られている。

襲われる心配がなくなった今だから言えることだけど。

オレは、露出が楽しい性癖じゃないんだからな!

恥ずかしい格好をしたいとオレは思わないから、恥ずかしい格好をさせるんじゃない!

「ちっ!汚いものを見せられただけでした。」
とドリアン王国の侯爵子息は、オレの尻たぶから手を離して舌打ちしている。

あーのーなー!

人の尻穴を勝手に覗き込んで、汚いとか言うな。

オレは、オレの尻穴を見て評価しろ、なんて頼んでいないだろうが!

尻穴なんて、ものは、普段、人目にさらさないものなんだからな。

クロードが触るときは、綺麗な状態にしておくけど。

「オレを離せ!」

オレは、ドリアン王国の国王陛下を睨みつける。

いつまで、オレに下半身丸出しでいさせる気だ!

ドリアン王国のゲスな野望は、女神様のクロード愛で崩れ去った。

女神様の、クロードのものは守るという姿勢の徹底ぶりは、頭が下がる。

女神様に与えられたオレの加護は、クロードを守るためにだけ発動するからなー。

ドリアン王国の国王は、オレが睨みつけても、どこ吹く風。

「英雄の伴侶の使い道が接待しかないとは、大公妃殿下は非常に短絡的だ。」
とドリアン王国の国王陛下。

ドリアン王国民は、喧嘩を売らないと会話ができないのかなー?

オレが短絡的なら、密入国者であるドリアン王国の国王陛下は、野蛮だろ!

「大公妃殿下は、ここがどこだか忘れているようだ。」
とドリアン王国の国王陛下。

ドリアン王国の国王陛下の台詞を聞いたオレは、ハッとした。

オレも女神様も、部屋から出ていない。

オレは、まだ、サーバル王国の王妃陛下の部屋にいる。

下半身丸出しで!

「サーバル王国とケレメイン大公国は、仲良くやっていくつもりだったそうだが、どうなるか、楽しみだ。

ケレメイン大公国の大公妃殿下は、国賓として滞在中のサーバル王国の王妃陛下の部屋を訪問し、下半身をさらけ出している。

サーバル王国の国王陛下とシガラキノ殿下を呼んでこい。

大至急。」
とドリアン王国の国王陛下は、ドリアン王国の侯爵子息に命令した。

「ふざけるな!そうさせたのは、誰だ!」

「誰が見ても、現状は、大公妃殿下が取り押さえられているようにしか見えない。」
とドリアン王国の国王陛下。

ドリアン王国の国王陛下の狙いは、オレがサーバル王国の王妃陛下を襲ったところを捕縛したという状況を作り出して、周りに広め、事実にしようとしているのか!

ドリアン王国の国王陛下の企みに気づいたオレが怒っていると。

「取り押さえられている現場を隠しておきたいなら、大公妃殿下がすることは難しいことではない。

私と仲良くなればいい。」
とドリアン王国の国王陛下。

悪質な嫌がらせをしてきた上に、脅迫もしてきた!

ドリアン王国の国王陛下の企みは、クロードもオレも、サーバル王国の王妃陛下も国王陛下も王女のシガラキノ様も、皆が傷つくやり方だ。

事実ではないと後で分かっても、ケレメイン大公国とサーバル王国が手を組むことは不可能になる。

ケレメイン大公国は、マウンテン王国との連携もできなくなる。

このままじゃいられない!
オレ達が準備してきたことをドリアン王国に全部ひっくり返される!

オレが、護衛をつけていたら、どうにかなっていたのかな?

いや。

過ぎたことを悔やむのは今じゃない。

このまま、何もしないで、されるがままでいたら、どうなるか、なんて考えるまでもない。

ドリアン王国の思いのままにされてたまるか!

オレができる反撃を考えるぞ。

両手は、後ろ手に縛られて、下半身は丸出し。

足は自由に動かせない。

両肩は、ドリアン王国の国王につかまれていて、逃げ出せない。

出来ないことは、いっぱいある。

体が自由なら、こんな不甲斐ない格好で、いつまでもいたりしない。

体が、動けば、すぐに。

体が、動けば?

あ。

体は動かなくても。

オレには、29年の人生で培った頭脳がある!

口は動く。

声も出る!

耳も聞こえる!

まだ、オレは負けていない!

まだ、負けじゃない!

負けにしない。

勝敗をひっくり返されたなら、もう一度ひっくりかえしてやればいい。

今度は、オレの圧勝!

ドリアン王国の国王陛下の意表をついてやる。

ドリアン王国の国王陛下は、オレが、下半身丸出しでサーバル王国の王妃陛下の部屋にいることを隠したがっている、と考えて動いた。

オレは、ドリアン王国の国王陛下の狙いを逆手に取ってやる!

大声で助けを呼ぶぞ!

オレは、息を吸ったり吐いたりした後、腹から声を出した。

「愛こんにゃく家、カズラくん、クロード!

サーバル王国の王妃陛下の部屋に、ドリアン王国の国王陛下がいて、オレは下半身丸出しにされて、襲われそうになっている!

急いで助けにこい!」

クロードのためにオレの尻穴を守った女神様は、オレの隣でオレがすることを興味深そうに見ていた。
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