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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
487.『君を伴侶として愛することはないが、将来の国母として愛するように努力しよう』と言ったのはどなたですか?どこで、誰に言いましたか?
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なんともコメントしがたい。
「先々代国王陛下は、女神様の恋人に選ばれなかったことを気にして、娘と息子に対する指導に支障をきたした。
娘と息子は、父の影響を受け、家族に対する思いがおかしくなったのかな。」
オレは、言葉を抑えて表現してみた。
「先々代国王陛下は、真面目な方で、将来、ご自分が女神様の恋人になることを考慮され、『君を伴侶として愛することはないが、将来の国母としては、愛するように努力しよう。』と先々代王妃陛下に告げられたという逸話がございます。」
と王妃陛下。
逸話なのかな?
暴露話だよな?
突然、ガツンときたから、どう返事していいか、迷うんだけど。
さらりと流す?
王妃陛下に、内緒話をしている素振りはないぞ?
どちらかというと、会話のキャッチボールで、球を投げたみたいな様子。
王妃陛下は、オレのツッコミ待ち、という状況なんだよな?
よし、決めた、無難に流さないぞ。
「寝室で言ったわけではないよな?」
「結婚式で宣誓されました。」
と王妃陛下。
わあ。想像以上だった。
この話題は、続けていいんだよな?
「結婚式で?
マウンテン王国の先々代王妃陛下は、怒らなかったのかな?」
どう考えてもさ。
『あいつはおれが好きだから、おれは、あいつが告白してきたら、つきやってやろうと思う』
と周りに言いふらした男が、あいつから告白されないどころか、見向きもされていなかった。
あいつとよろしくやっていくつもりで余裕こいていた男が、見向きもされなかった結末を皆知っている。
その男は、国の顔で、王様でした、なんてさー。
他所様の話だけど、聞いているだけで、恥ずかしい。
自分の父の逸話が、それだったら、オレは、いたたまれない。
母に、惚れた弱みで結婚したのかと聞くレベルの逸話じゃないかなー。
百年の恋も冷めるぞ?
日本では、花嫁の家族が、破談を求めて、結婚式が中止されても参列者は怒らないと思う。
花嫁側は、誰も破談に反対しない案件じゃないかな?
「マウンテン王国では、王太子妃になると、王妃としての心構えとして、ならうそうですわ。
結婚式で宣誓されることは珍しいそうですけれど。」
と王妃陛下。
王太子妃の心構え?
なんという後出しジャンケン。
王子と婚約する前に教えないのかな?
王太子妃ということは、結婚してからの何年かはさ、夫婦として過ごしてきているわけだろ?
伴侶が、国王として即位したら、国王は、女神様を本命の恋人にするから、受け入れるように、という心構えを教育されるなんて、どんな地獄。
王太子の本命のための踏み台だから、覚悟するように、と言われて、素直に頷けるものなのかな?
王太子妃になるような、貴族令嬢って、そういう教育をされてきているのかな。
頭が下がる。
「女王陛下がそう解説していたのか?」
「ええ。先々代国王陛下は真摯に人と向き合う方で、伴侶にも誠実でありたいと願われたそうです。」
と王妃陛下。
誠実とは、これいかに?
伴侶の面目丸つぶれではないのかな?
『伴侶としては愛さないけど、将来的に王妃としての仕事はしてほしいから、王妃としては扱うように努力する。』
結婚式で、言われたら、結婚を中止していい台詞だとオレは思う。
そういう台詞を誠実だと思って、結婚式で吐けてしまう男だから、先々代国王陛下は、女神様の恋人に選ばれなかったんだろうなー。
女神様は、女神様と恋人になる未来を夢見て、伴侶への誠実さを結婚で宣言しようとする思考の男を欲しがらないと思う。
先々代国王陛下の宣言は、女神様を一番に考えての振る舞いじゃないからな。
女神様は、女神様が最優先ではない男を恋人にしない。
女神様自身が一途だから、女神様の恋人は、女神様に一途な男じゃないとダメなんだと思う。
クロードが好きな女神様は、クロードに好かれていなくても、クロードを好きなままでいる。
そこまで、考えてきて、オレは思い当たることがあった。
ミーレ長官の奥様が、王太子妃教育を受けていないことは分かっていた。
先代国王陛下の伴侶にあたる先代王妃陛下も、王太子妃教育を受けていない!
ミーレ長官の奥様は、先代国王陛下と女神様がよく会っていたことを、先代王妃陛下は知らなかった、知らされていなかった、と話していた。
先代王妃陛下が、女神様と先代国王陛下の関係を知らなかったために、先代王妃陛下と先代国王陛下の関係は、こじれていったと思う。
ミーレ長官の奥様に王太子妃教育がされていなかったのは、ミーレ長官のお母さんにあたる女王陛下が、息子の嫁に王太子妃教育をするように手を回していなかったから。
ミーレ長官が王太子から国王になることはないから、ミーレ長官の奥様には、王妃の心構えが不要だったわけだけど。
先代王妃陛下には、必要だったはずだぞ?
先代王妃陛下に王太子妃教育がされていなかったのは、マウンテン王家の重大な手落ちじゃないのかな?
サーバル王国の王妃陛下によれば、マウンテン王国の女王陛下は、王妃の心構えを知っていた。
マウンテン王国の先代王妃陛下は、王妃になる前、伴侶のことで、女王陛下に相談を持ちかけたがっていた。
ミーレ長官の奥様の印象では、マウンテン王国の女王陛下は、マウンテン王国の先代王妃陛下の相談に応えていなかった。
マウンテン王家の王妃の心構え。
任されていたにもかかわらず、先代王妃陛下に教育しなかった人がいる。
先代国王陛下の実姉で、先代王妃陛下の義理の姉にあたるマウンテン王国の女王陛下だ。
女王陛下の即位が期間限定だから、先代王妃陛下が王妃になる未来は決まっていたのに。
なぜ?
「先々代国王陛下は、女神様の恋人に選ばれなかったことを気にして、娘と息子に対する指導に支障をきたした。
娘と息子は、父の影響を受け、家族に対する思いがおかしくなったのかな。」
オレは、言葉を抑えて表現してみた。
「先々代国王陛下は、真面目な方で、将来、ご自分が女神様の恋人になることを考慮され、『君を伴侶として愛することはないが、将来の国母としては、愛するように努力しよう。』と先々代王妃陛下に告げられたという逸話がございます。」
と王妃陛下。
逸話なのかな?
暴露話だよな?
突然、ガツンときたから、どう返事していいか、迷うんだけど。
さらりと流す?
王妃陛下に、内緒話をしている素振りはないぞ?
どちらかというと、会話のキャッチボールで、球を投げたみたいな様子。
王妃陛下は、オレのツッコミ待ち、という状況なんだよな?
よし、決めた、無難に流さないぞ。
「寝室で言ったわけではないよな?」
「結婚式で宣誓されました。」
と王妃陛下。
わあ。想像以上だった。
この話題は、続けていいんだよな?
「結婚式で?
マウンテン王国の先々代王妃陛下は、怒らなかったのかな?」
どう考えてもさ。
『あいつはおれが好きだから、おれは、あいつが告白してきたら、つきやってやろうと思う』
と周りに言いふらした男が、あいつから告白されないどころか、見向きもされていなかった。
あいつとよろしくやっていくつもりで余裕こいていた男が、見向きもされなかった結末を皆知っている。
その男は、国の顔で、王様でした、なんてさー。
他所様の話だけど、聞いているだけで、恥ずかしい。
自分の父の逸話が、それだったら、オレは、いたたまれない。
母に、惚れた弱みで結婚したのかと聞くレベルの逸話じゃないかなー。
百年の恋も冷めるぞ?
日本では、花嫁の家族が、破談を求めて、結婚式が中止されても参列者は怒らないと思う。
花嫁側は、誰も破談に反対しない案件じゃないかな?
「マウンテン王国では、王太子妃になると、王妃としての心構えとして、ならうそうですわ。
結婚式で宣誓されることは珍しいそうですけれど。」
と王妃陛下。
王太子妃の心構え?
なんという後出しジャンケン。
王子と婚約する前に教えないのかな?
王太子妃ということは、結婚してからの何年かはさ、夫婦として過ごしてきているわけだろ?
伴侶が、国王として即位したら、国王は、女神様を本命の恋人にするから、受け入れるように、という心構えを教育されるなんて、どんな地獄。
王太子の本命のための踏み台だから、覚悟するように、と言われて、素直に頷けるものなのかな?
王太子妃になるような、貴族令嬢って、そういう教育をされてきているのかな。
頭が下がる。
「女王陛下がそう解説していたのか?」
「ええ。先々代国王陛下は真摯に人と向き合う方で、伴侶にも誠実でありたいと願われたそうです。」
と王妃陛下。
誠実とは、これいかに?
伴侶の面目丸つぶれではないのかな?
『伴侶としては愛さないけど、将来的に王妃としての仕事はしてほしいから、王妃としては扱うように努力する。』
結婚式で、言われたら、結婚を中止していい台詞だとオレは思う。
そういう台詞を誠実だと思って、結婚式で吐けてしまう男だから、先々代国王陛下は、女神様の恋人に選ばれなかったんだろうなー。
女神様は、女神様と恋人になる未来を夢見て、伴侶への誠実さを結婚で宣言しようとする思考の男を欲しがらないと思う。
先々代国王陛下の宣言は、女神様を一番に考えての振る舞いじゃないからな。
女神様は、女神様が最優先ではない男を恋人にしない。
女神様自身が一途だから、女神様の恋人は、女神様に一途な男じゃないとダメなんだと思う。
クロードが好きな女神様は、クロードに好かれていなくても、クロードを好きなままでいる。
そこまで、考えてきて、オレは思い当たることがあった。
ミーレ長官の奥様が、王太子妃教育を受けていないことは分かっていた。
先代国王陛下の伴侶にあたる先代王妃陛下も、王太子妃教育を受けていない!
ミーレ長官の奥様は、先代国王陛下と女神様がよく会っていたことを、先代王妃陛下は知らなかった、知らされていなかった、と話していた。
先代王妃陛下が、女神様と先代国王陛下の関係を知らなかったために、先代王妃陛下と先代国王陛下の関係は、こじれていったと思う。
ミーレ長官の奥様に王太子妃教育がされていなかったのは、ミーレ長官のお母さんにあたる女王陛下が、息子の嫁に王太子妃教育をするように手を回していなかったから。
ミーレ長官が王太子から国王になることはないから、ミーレ長官の奥様には、王妃の心構えが不要だったわけだけど。
先代王妃陛下には、必要だったはずだぞ?
先代王妃陛下に王太子妃教育がされていなかったのは、マウンテン王家の重大な手落ちじゃないのかな?
サーバル王国の王妃陛下によれば、マウンテン王国の女王陛下は、王妃の心構えを知っていた。
マウンテン王国の先代王妃陛下は、王妃になる前、伴侶のことで、女王陛下に相談を持ちかけたがっていた。
ミーレ長官の奥様の印象では、マウンテン王国の女王陛下は、マウンテン王国の先代王妃陛下の相談に応えていなかった。
マウンテン王家の王妃の心構え。
任されていたにもかかわらず、先代王妃陛下に教育しなかった人がいる。
先代国王陛下の実姉で、先代王妃陛下の義理の姉にあたるマウンテン王国の女王陛下だ。
女王陛下の即位が期間限定だから、先代王妃陛下が王妃になる未来は決まっていたのに。
なぜ?
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