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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
484.オレは、女神様と行動するうちに、女神様の感情の機微に気がつくようになりました。女神様は、三国同盟に向けてのオレの行動について?
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「娘を思う親心とでもしておきましょう。」
と王妃陛下。
表向きは、その方がとおりがいいよなー。
オレの予想では。
サーバル王国の国王陛下と王妃陛下は、政治的な考え方を分けている。
サーバル王国へのドリアン王国の侵略が止められない、となったとき。
サーバル王国の国王陛下と王妃陛下は、一丸となってドリアン王国に抵抗するのではなく、融和派と排除派に分かれた。
意図的に分けたのかもしれない。
国王陛下が融和派なのは、ドリアン王国との関係を悪化させないためじゃないかな。
女神様の取り決めで、この世界に国同士の戦争はない。
ドリアン王国のサーバル王国への侵略は、武力を伴わないから、可能だった。
ドリアン王国の侵略は、女神様の決まりに抵触しない。
ドリアン王国は、倫理的に問題があるため、この世界の誰もがしなかったことを堂々とやってのけて、サーバル王国で成功をおさめた。
この世界の国は、他の国にちょっかいをかけることはしない。
お節介を焼くこともない。
自国のことは、自国で。
国同士で戦争をしない。
外国に干渉しない。
それが、この世界の国同士のルールなんだと思う。
女神様が、各国の国王陛下に力を授ける代わりに、決めたのかな?
女神様は、女神様の世界に住む人が傷つくことは望まない。
優先度の高低差はあるけれど。
クロードとそれ以外、みたいに。
オレの隣にいる女神様は、ご機嫌だ。
女神様と一緒に行動していくうちに、オレは、女神様の感情の機微に気づくようになった。
女神様は、オレの加護として、顕現して以来、基本オレといる。
女神様は、オレといることで、各国の歴代国王陛下と見てきた景色とは異なる、オレの視点での女神様の世界を楽しんでいる気がする。
女神様は、オレの加護として顕現した、という形で、女神様の世界の住人の中にいて、住人に干渉ができるようになった。
女神様は、女神様の世界の住人に関わる機会を望んでいた。
女神様の、人恋しかった気持ちもあるだろうけれど。
女神様は、女神様の望まない形で、女神様の世界が変えられていくのを阻止したい気持ちもあって、顕現したんじゃないかな、とも、オレは考えている。
オレの加護での顕現とはいえ、女神様の意思は、加護による制限を受けていないような気がする。
加護として顕現した女神様は、基本的に機嫌が悪くないけれど、不快なときは、不快だと意思表示している。
オレの隣で王妃陛下と向き合って、王妃陛下に探られたときの女神様は、ふふふ、と言っていた。
女神様は、ドリアン王国の侵略を阻止して、マウンテン王国とサーバル王国と三国同盟を作ろうとする、オレの行動について、一切、不快感を示していない。
王妃陛下が、王女シガラキノ様を女王にすえて、ドリアン王国の排除に乗り出すとオレに告げるまで。
王妃陛下の反応をオレの隣で見守っていた女神様。
王妃陛下の決断にも、不快感を示さない女神様。
女神様は、女神様の世界の住人が大事だから、住人が自発的に何かをすることを咎めたり、壊したりはしない。
でも。
女神様は、女神様の世界が、女神様の本意でない変化を受け入れるほど、何でも許す寛容さは、持ち合わせていない。
女神様が国王陛下に力を授けるのと同時にできたであろう女神様の世界の決まりは、女神様の望みが反映されていて、女神様にとっては不可侵の領域なんじゃないかな。
女神様は、女神様の世界の住人に直接、あれするな、これするな、とは言わない。
でも、女神様の世界の住人が、女神様のお心にそわない振る舞いを続けることを認めるつもりもなかったんじゃないかな。
女神様は、サーバル王国の王女シガラキノ様を気に入ったから、シガラキノ様と友誼を結んだけれど、女神様がシガラキノ様と友誼を結んだのは、たまたまじゃないかもしれない。
女神様とシガラキノ様の友情を疑いはしないけれど。
友情や、親しみ、だけじゃない、女神様としての考えが反映されていても、おかしくないな、と、今のオレは考えている。
その認識を持って。
オレは、サーバル王国の王妃陛下と打ち合わせをしていこう。
オレは、ケレメイン大公国の大公妃だから。
サーバル王国の王妃陛下がまとめているであろう、ドリアン王国排除派と協力できると、動きやすい。
王妃陛下が、ミーレ長官の息子さんを王女シガラキノ様の嫁入り先に選んだ理由は、ミーレ長官が、マウンテン王国の暗殺部署の長だった経験をかっていたからじゃないかと、オレは推測している。
王妃陛下は、シガラキノ様とミーレ長官の息子を近づけることで。ミーレ長官の知識や経験を使いたかったんじゃないかな?
オレは、もう一つの理由を王妃陛下の口から聞きたい。
マウンテン王国の女王陛下と、サーバル王国の王妃陛下との間で取り交わされた約束がなかったかどうか。
マウンテン王国の女王陛下が、サーバル王国で客死する前に。
「親心といえば、マウンテン王国の女王陛下も、母親でした。」
とオレは、王妃陛下に返した。
と王妃陛下。
表向きは、その方がとおりがいいよなー。
オレの予想では。
サーバル王国の国王陛下と王妃陛下は、政治的な考え方を分けている。
サーバル王国へのドリアン王国の侵略が止められない、となったとき。
サーバル王国の国王陛下と王妃陛下は、一丸となってドリアン王国に抵抗するのではなく、融和派と排除派に分かれた。
意図的に分けたのかもしれない。
国王陛下が融和派なのは、ドリアン王国との関係を悪化させないためじゃないかな。
女神様の取り決めで、この世界に国同士の戦争はない。
ドリアン王国のサーバル王国への侵略は、武力を伴わないから、可能だった。
ドリアン王国の侵略は、女神様の決まりに抵触しない。
ドリアン王国は、倫理的に問題があるため、この世界の誰もがしなかったことを堂々とやってのけて、サーバル王国で成功をおさめた。
この世界の国は、他の国にちょっかいをかけることはしない。
お節介を焼くこともない。
自国のことは、自国で。
国同士で戦争をしない。
外国に干渉しない。
それが、この世界の国同士のルールなんだと思う。
女神様が、各国の国王陛下に力を授ける代わりに、決めたのかな?
女神様は、女神様の世界に住む人が傷つくことは望まない。
優先度の高低差はあるけれど。
クロードとそれ以外、みたいに。
オレの隣にいる女神様は、ご機嫌だ。
女神様と一緒に行動していくうちに、オレは、女神様の感情の機微に気づくようになった。
女神様は、オレの加護として、顕現して以来、基本オレといる。
女神様は、オレといることで、各国の歴代国王陛下と見てきた景色とは異なる、オレの視点での女神様の世界を楽しんでいる気がする。
女神様は、オレの加護として顕現した、という形で、女神様の世界の住人の中にいて、住人に干渉ができるようになった。
女神様は、女神様の世界の住人に関わる機会を望んでいた。
女神様の、人恋しかった気持ちもあるだろうけれど。
女神様は、女神様の望まない形で、女神様の世界が変えられていくのを阻止したい気持ちもあって、顕現したんじゃないかな、とも、オレは考えている。
オレの加護での顕現とはいえ、女神様の意思は、加護による制限を受けていないような気がする。
加護として顕現した女神様は、基本的に機嫌が悪くないけれど、不快なときは、不快だと意思表示している。
オレの隣で王妃陛下と向き合って、王妃陛下に探られたときの女神様は、ふふふ、と言っていた。
女神様は、ドリアン王国の侵略を阻止して、マウンテン王国とサーバル王国と三国同盟を作ろうとする、オレの行動について、一切、不快感を示していない。
王妃陛下が、王女シガラキノ様を女王にすえて、ドリアン王国の排除に乗り出すとオレに告げるまで。
王妃陛下の反応をオレの隣で見守っていた女神様。
王妃陛下の決断にも、不快感を示さない女神様。
女神様は、女神様の世界の住人が大事だから、住人が自発的に何かをすることを咎めたり、壊したりはしない。
でも。
女神様は、女神様の世界が、女神様の本意でない変化を受け入れるほど、何でも許す寛容さは、持ち合わせていない。
女神様が国王陛下に力を授けるのと同時にできたであろう女神様の世界の決まりは、女神様の望みが反映されていて、女神様にとっては不可侵の領域なんじゃないかな。
女神様は、女神様の世界の住人に直接、あれするな、これするな、とは言わない。
でも、女神様の世界の住人が、女神様のお心にそわない振る舞いを続けることを認めるつもりもなかったんじゃないかな。
女神様は、サーバル王国の王女シガラキノ様を気に入ったから、シガラキノ様と友誼を結んだけれど、女神様がシガラキノ様と友誼を結んだのは、たまたまじゃないかもしれない。
女神様とシガラキノ様の友情を疑いはしないけれど。
友情や、親しみ、だけじゃない、女神様としての考えが反映されていても、おかしくないな、と、今のオレは考えている。
その認識を持って。
オレは、サーバル王国の王妃陛下と打ち合わせをしていこう。
オレは、ケレメイン大公国の大公妃だから。
サーバル王国の王妃陛下がまとめているであろう、ドリアン王国排除派と協力できると、動きやすい。
王妃陛下が、ミーレ長官の息子さんを王女シガラキノ様の嫁入り先に選んだ理由は、ミーレ長官が、マウンテン王国の暗殺部署の長だった経験をかっていたからじゃないかと、オレは推測している。
王妃陛下は、シガラキノ様とミーレ長官の息子を近づけることで。ミーレ長官の知識や経験を使いたかったんじゃないかな?
オレは、もう一つの理由を王妃陛下の口から聞きたい。
マウンテン王国の女王陛下と、サーバル王国の王妃陛下との間で取り交わされた約束がなかったかどうか。
マウンテン王国の女王陛下が、サーバル王国で客死する前に。
「親心といえば、マウンテン王国の女王陛下も、母親でした。」
とオレは、王妃陛下に返した。
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