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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
478.カズラくんは、ミーレ長官の奥様のずば抜けた優秀さを指摘しました。マウンテン王国の女王陛下と先代国王陛下の仲は良好でしたか?
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カズラくんが引っかかる点が何かを、カズラくんに聞く。
「ぼく、ヒサツグよりも精神年齢は、大人だと思うんだよね。特に、恋愛に関しては。」
とカズラくん。
「オレも、そんな気はしていたなー。」
カズラくんの恋愛に勝つための考え方は、ときどき老獪だと感じることがある。
初々しいとは、正反対の上級者。
二十歳のカズラくんに言ってはいけないよな、とオレは心に秘めたままにしている。
「ぼくが知る範囲で。
マウンテン王国の王妃と王妃として望まれた女性は、合わせて四人。
ミーレ長官の奥様。
先代王妃陛下。
今代の王妃陛下。
今代王妃陛下の交代要員として名前が出ている宰相補佐で、侯爵令嬢のポーリーン・タチバナ。」
とカズラくん。
「オレもその四人を認識しているなー。」
「先代王妃陛下は、先代国王陛下に歩み寄る姿勢を示していたけれど、先代国王陛下から離縁を検討されて、夫の姉には、王家の真実を明かしてもらえていない。」
とカズラくん。
「ミーレ長官の奥様の話では、そうだったな。」
「今代王妃陛下も、先代王妃陛下と同じ道を辿っているんだよ。」
とカズラくん。
言われてみると。
「今代王妃陛下には、国王陛下に歩み寄る様子がなくなっているんだったかな。
先代王妃陛下と今代王妃陛下の違いは、この点だけ。
他は似ているな、確かに。」
「だよね。
宰相補佐で、侯爵令嬢のポーリーン・タチバナは、国内の貴族に名前を使われているだけで、国王陛下に望まれてはいないよね。」
とカズラくん。
「おう、そう聞いているぞ。」
「他の三人と比較すると、ミーレ長官の奥様だけは、別格なんだよ。
ミーレ長官の奥様が甥の奥さんだと分かっていても、先代国王陛下は、自身の王妃に迎えたいと考えたんだから。」
とカズラくん。
オレとカズラくんは、ミーレ長官一家をなんとなく見てしまう。
「ミーレ長官の奥様が、他の人だったら、ミーレ長官の家族は、今みたいに頭を寄せ合ったりしていなかったよな。」
ミーレ長官一家の頭を寄せ合っての話し合いは、順調そうに見えた。
ミーレ長官の奥様が、ミーレ長官一家の柱だと思う。
「ミーレ長官の奥様の嫁姑関係は、円満ではなさそうだったよね?」
とカズラくん。
「ミーレ長官が、お母さんに傾倒していたからなー。」
「甘いよ、ヒサツグ。
ミーレ長官だけじゃないよ。
ミーレ長官の奥様は、王太子妃なのに、王太子妃教育を受けていないんだよ?
ミーレ長官の奥様は、先代国王陛下から直接、指摘されたんだよね?
ミーレ長官のお母さんは、ミーレ長官の奥様に、わざと王太子妃教育を受けさせなかったとしか思えない。
身分を与えておきながら、身分に合わない扱いをしたんだよ?
良い待遇とは言えないよね。」
とカズラくん。
ミーレ長官の奥様に恥をかかせようとか?
王太子妃に、恥をかかせたいかなー?
「王太子妃教育は、まわりが勝手にやると思っていた、という可能性が女王陛下にはないかな?」
「期間限定で即位した女王陛下の息子の嫁で、王太子妃になりそうもない人に、王太子妃としての教育を受けさせるなら、上から声をかけて人を動かさないと無理だよ。」
とカズラくん。
何もいえない。
「ミーレ長官のお母さんの女王陛下に、ミーレ長官の叔父さんの先代国王陛下。
二人とも、何がしたかったのかな。」
「ミーレ長官のお母さんの女王陛下と、叔父さんの先代国王陛下が、同じことをしたがっていたわけじゃないよね?」
とカズラくん。
そうだったかな?
「ミーレ長官のお母さんが女王陛下になるまでは協力的だったけれど、女王陛下になった後のミーレ長官の叔父さんは、非協力的な関係だよね?」
とカズラくん。
言われてみると、女王陛下は、念願叶って女王になった。
でも、女王陛下になった後は、思うようにいかずに苦労した。
「王の姉の立場で、口うるさいと、他の貴族の手前、黙らせるのが面倒だよな。
女王陛下という権限のない地位につかせて、政とは引き離した、という可能性もあるかな。」
「ミーレ長官とマウンテン王家の親戚関係がこじれたのは、女王陛下と先代国王陛下がそれぞれ、やりたいことをやりたいようにしたせいじゃない?」
とカズラくん。
「姉と弟の仲は、悪かったのかな?」
仲が良い、悪いの話は、誰からも出なかったぞ。
「仲がどうというよりも。
話を聞いただけだけどね。
どちらも、互いに譲らない性格に思えたよ。」
とカズラくん。
サーバル王国の王妃陛下に、先触れを送った返事が返ってきた。
『お越しをお待ちしています。』
色よい返事で一安心。
オレは、カズラくんの意見を留意しつつ、女神様と一緒に、サーバル王国の王妃陛下に会いにいくことにした。
「ぼく、ヒサツグよりも精神年齢は、大人だと思うんだよね。特に、恋愛に関しては。」
とカズラくん。
「オレも、そんな気はしていたなー。」
カズラくんの恋愛に勝つための考え方は、ときどき老獪だと感じることがある。
初々しいとは、正反対の上級者。
二十歳のカズラくんに言ってはいけないよな、とオレは心に秘めたままにしている。
「ぼくが知る範囲で。
マウンテン王国の王妃と王妃として望まれた女性は、合わせて四人。
ミーレ長官の奥様。
先代王妃陛下。
今代の王妃陛下。
今代王妃陛下の交代要員として名前が出ている宰相補佐で、侯爵令嬢のポーリーン・タチバナ。」
とカズラくん。
「オレもその四人を認識しているなー。」
「先代王妃陛下は、先代国王陛下に歩み寄る姿勢を示していたけれど、先代国王陛下から離縁を検討されて、夫の姉には、王家の真実を明かしてもらえていない。」
とカズラくん。
「ミーレ長官の奥様の話では、そうだったな。」
「今代王妃陛下も、先代王妃陛下と同じ道を辿っているんだよ。」
とカズラくん。
言われてみると。
「今代王妃陛下には、国王陛下に歩み寄る様子がなくなっているんだったかな。
先代王妃陛下と今代王妃陛下の違いは、この点だけ。
他は似ているな、確かに。」
「だよね。
宰相補佐で、侯爵令嬢のポーリーン・タチバナは、国内の貴族に名前を使われているだけで、国王陛下に望まれてはいないよね。」
とカズラくん。
「おう、そう聞いているぞ。」
「他の三人と比較すると、ミーレ長官の奥様だけは、別格なんだよ。
ミーレ長官の奥様が甥の奥さんだと分かっていても、先代国王陛下は、自身の王妃に迎えたいと考えたんだから。」
とカズラくん。
オレとカズラくんは、ミーレ長官一家をなんとなく見てしまう。
「ミーレ長官の奥様が、他の人だったら、ミーレ長官の家族は、今みたいに頭を寄せ合ったりしていなかったよな。」
ミーレ長官一家の頭を寄せ合っての話し合いは、順調そうに見えた。
ミーレ長官の奥様が、ミーレ長官一家の柱だと思う。
「ミーレ長官の奥様の嫁姑関係は、円満ではなさそうだったよね?」
とカズラくん。
「ミーレ長官が、お母さんに傾倒していたからなー。」
「甘いよ、ヒサツグ。
ミーレ長官だけじゃないよ。
ミーレ長官の奥様は、王太子妃なのに、王太子妃教育を受けていないんだよ?
ミーレ長官の奥様は、先代国王陛下から直接、指摘されたんだよね?
ミーレ長官のお母さんは、ミーレ長官の奥様に、わざと王太子妃教育を受けさせなかったとしか思えない。
身分を与えておきながら、身分に合わない扱いをしたんだよ?
良い待遇とは言えないよね。」
とカズラくん。
ミーレ長官の奥様に恥をかかせようとか?
王太子妃に、恥をかかせたいかなー?
「王太子妃教育は、まわりが勝手にやると思っていた、という可能性が女王陛下にはないかな?」
「期間限定で即位した女王陛下の息子の嫁で、王太子妃になりそうもない人に、王太子妃としての教育を受けさせるなら、上から声をかけて人を動かさないと無理だよ。」
とカズラくん。
何もいえない。
「ミーレ長官のお母さんの女王陛下に、ミーレ長官の叔父さんの先代国王陛下。
二人とも、何がしたかったのかな。」
「ミーレ長官のお母さんの女王陛下と、叔父さんの先代国王陛下が、同じことをしたがっていたわけじゃないよね?」
とカズラくん。
そうだったかな?
「ミーレ長官のお母さんが女王陛下になるまでは協力的だったけれど、女王陛下になった後のミーレ長官の叔父さんは、非協力的な関係だよね?」
とカズラくん。
言われてみると、女王陛下は、念願叶って女王になった。
でも、女王陛下になった後は、思うようにいかずに苦労した。
「王の姉の立場で、口うるさいと、他の貴族の手前、黙らせるのが面倒だよな。
女王陛下という権限のない地位につかせて、政とは引き離した、という可能性もあるかな。」
「ミーレ長官とマウンテン王家の親戚関係がこじれたのは、女王陛下と先代国王陛下がそれぞれ、やりたいことをやりたいようにしたせいじゃない?」
とカズラくん。
「姉と弟の仲は、悪かったのかな?」
仲が良い、悪いの話は、誰からも出なかったぞ。
「仲がどうというよりも。
話を聞いただけだけどね。
どちらも、互いに譲らない性格に思えたよ。」
とカズラくん。
サーバル王国の王妃陛下に、先触れを送った返事が返ってきた。
『お越しをお待ちしています。』
色よい返事で一安心。
オレは、カズラくんの意見を留意しつつ、女神様と一緒に、サーバル王国の王妃陛下に会いにいくことにした。
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