《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
477 / 667
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

477.カズラくんとオレは、作戦の練り直しをしています。カズラくんの引っかかりは、何でしょうか?

しおりを挟む
オレは、女神様と一緒に、ミーレ長官をカズラくんのところに送り届けた。

「元通り、ふふふ。」

オレがミーレ長官を味方に戻そうと奮闘している間、オレの隣で、静かに、オレとミーレ長官の会話を聞いていた女神様が、口を開いた。

カズラくんとミーレ長官の奥様に、ミーレ長官を味方に引き戻すまでの話を伝え、ミーレ長官には、家族で話し合ってもらう。

ミーレ長官一家は、三人で頭を寄せ合っている。

クロードは不在。

オレとカズラくんは、作戦の練り直しのための相談をした。

愛こんにゃく家と部下は、ドリアン王国の侯爵子息一行を追っているとオレは期待している。

愛こんにゃく家が見当たらないことを知ったミーレ長官も、愛こんにゃく家が部下と合流したと推測していた。

愛こんにゃく家、部下達も、怪我するなよ!

ミーレ長官は、味方になったから安心してほしい。

ドリアン王国の侯爵子息の潜伏先探しは、任せているからな。

オレは、愛こんにゃく家に心の中で呼びかけた。

「こんにゃくって、形だけ見たら、分厚いスマホに見えなくもないよなー。

こんにゃくを使って、愛こんにゃく家と通信できたらなー。」

オレが話題をふると。

「こんにゃくをスマホに?こんにゃく同士が共鳴し合えば可能かもしれないけれど、試してみて、愛こんにゃく家が張り込み中なら、邪魔になるよ?」
とカズラくん。

「カズラくん、オレとのこんにゃくをスマホにしよう実験に付き合わないかな?」

「ぼくもヒサツグも、この世界で、唯一無二だから、ぼくとヒサツグの間だけでは通じるということは起こるかもしれないよ?」
とカズラくん。

珍しい金属みたいなもんかな?

「オレとカズラくん以外の組み合わせでも、やってみるか。
ミーレ長官の家族は、女神様の影響を受けていない。」

「そうだね。」
とカズラくん。

「ドリアン王国の侯爵子息がいるとミーレ長官から聞いた場所は、城の中じゃなかったんだよなー。」
とオレがこぼすと。

「ドリアン王国の侯爵子息は、王になったミーレ長官の息子さんに、城な外から招き入れられ、正式な招待客として扱うことになっていたんだよね。」
とカズラくん。

「そうなんだよなー。

ドリアン王国の侯爵子息が、城にいない状態は、ありがたい。

でも、いつまで続くか分からない。

ドリアン王国のスパイが出入りできているから、ミーレ長官の心変わりに気づいたら、ひょっこり戻ってきそうな気がする。

ドリアン王国のスパイの顔が分かれば、オレ達も手を打てるんじゃないかな?

ドリアン王国の侯爵子息にたどり着いて、招かれてきたんだ、とか、ふざけたことを言い出す前に、こちらの意見をのませたい。」

「分かるよ。」
とカズラくん。

え?あ、カズラくんの彼氏か!

「ドリアン王国のスパイの顔なら、把握しているからね!」
とカズラくん。

「助かる。協力してくれ、カズラくん。
オレ自身が狙われていると知ったからには、用心したい。

用心のために、何もしないわけにはいかないからさ。」

ドリアン王国のスパイは、カズラくんに任せることにした。

「オレは、サーバル王国の王妃陛下に会ってくる。」

「国王陛下には、会わないんだ?」
とカズラくん。

「女性が、女性にとっての危険地帯だから近寄ってはいけない、という忠告をされるとき、男性からと女性からどっちからされる方がより心に響くかな?」

「女王陛下の心情に寄り添って考えてみると、だよね?」
とカズラくん。

「女王陛下自身も含めて、女王陛下は、女神様の力を授かったと信じている人達の中でさ。

王妃陛下のような立場の女性から、女性に危ない場所が国内にできて、原因はドリアン王国からの侵略だと女王陛下が聞いたら、行かないという選択肢はとれるかな?」

「サーバル王国は、痛い思いをせず、女王陛下が授かっただろう女神様の力を利用するために、あえて女王陛下を誘導し、女王陛下も何らかの思惑があったから、その誘導にのった可能性がある。

ヒサツグはそう考えているんだよね?」
とカズラくん。

「なんとなくだけどなー。」

「アリだと思うよ。」
とカズラくん。

「どうやって聞こうか、聞き方が思いつかないんだよなー。」

証拠がないからさ。

「マウンテン王国の国王陛下は、ミーレ長官の奥様を自分のお妃にしようとしていた計画もあったよね?」
とカズラくん。

「あったけど、実現しなかったぞ?」

「うん。でも、引っかかるんだよね。」
とカズラくん。
しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)

エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。 魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。 若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。 *以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。 お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。 なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。 こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

嫌われものの僕について…

相沢京
BL
平穏な学校生活を送っていたはずなのに、ある日突然全てが壊れていった。何が原因なのかわからなくて気がつけば存在しない扱いになっていた。 だか、ある日事態は急変する 主人公が暗いです

どうも、卵から生まれた魔人です。

べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。 太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら
BL
 俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!  実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。  一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!  前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。 !注意! 初のオメガバース作品。 ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。 バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。 !ごめんなさい! 幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に 復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

αからΩになった俺が幸せを掴むまで

なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。 10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。 義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。 アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。 義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が… 義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。 そんな海里が本当の幸せを掴むまで…

若頭と小鳥

真木
BL
極悪人といわれる若頭、けれど義弟にだけは優しい。小さくて弱い義弟を構いたくて仕方ない義兄と、自信がなくて病弱な義弟の甘々な日々。

処理中です...