474 / 667
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
474.ミーレ長官のお母さんが、ミーレ長官を王太子に就けたがった動機は、分かりません。ミーレ長官のご両親のお墓はないそうです。
しおりを挟む
「ミーレ長官。
ミーレ長官のお父さんは、ミーレ長官のお母さんの即位に反対したとき、ミーレ長官が王太子になることも反対しなかったかな?」
「反対しました。
女王陛下を助けるために王太子になると決めていた私は、父上が反対する真意を想像しようともしませんでした。」
とミーレ長官。
「王太子は、王になる王子が名乗ることになっているよな?
ミーレ長官のお母さんの即位は、一時的なもので、ミーレ長官のお母さんの跡を継ぐのは、先代国王陛下だと決まっていた。
ミーレ長官が、王位に就く未来は、最初からなかった。
ミーレ長官のお父さんが、反対していたのは、ミーレ長官が、何も知らされないまま、いいように踊らされるのを止めようとしていたからだとオレは思う。」
「見事に踊らされました。」
とミーレ長官。
ミーレ長官のお父さんが蟄居を選んだのは、ミーレ長官のお母さんに対する抗議の意味があったかもしれない。
「ミーレ長官のお母さんが女王陛下を辞めて、ミーレ長官が王太子を辞めて、一緒にお父さんの元に帰ってくるのを待つためだけに、ミーレ長官のお父さんは蟄居したんじゃないとオレは思う。
ミーレ長官のお父さんは、ミーレ長官のお母さんに同調しないことで、ミーレ長官の逃げ道を作ったんだ。
真相に気づいたミーレ長官が、いつでも、王太子を辞められるように。
王太子を辞めて、お母さんとうまくいかなくなるミーレ長官が、行き場を失うことがないように。
お父さんは、ミーレ長官と家族の避難先になろうとしていたんじゃないかな。」
女王陛下の息子が、女王陛下に楯突いたら、逃げ場がない。
「父上。」
とミーレ長官は、目頭を押さえた。
「マウンテン王国に墓参りに行くのはどうかな?」
「父上と母上の墓は、ありません。
私は、母上の墓がないことを恨んでいましたが、国に損害を与えた王族の墓を作るなど、ありえないことでした。」
とミーレ長官。
オレは、ミーレ長官が悲しみに浸っている間も思考をし続けている。
ミーレ長官のお父さんは、お父さんとして、ミーレ長官に救いの手を伸ばしていた。
王女殿下の夫で、女王陛下の王配となった、王族のお父さんができるギリギリのところで、お父さんは、ミーレ長官を助けようとしていた。
ミーレ長官のお父さんは、ミーレ長官のお母さんと歩調を合わせないことで、妻も息子も守ろうとした。
ミーレ長官のお父さんに、ミーレ長官のお母さんを止めることは困難だったんだろうな。
ミーレ長官のお父さんは、ミーレ長官が、自分の待遇のおかしさに気づいたときに、逃げ込める場所になろうとしていたんだと思う。
ミーレ長官が、王にならないことは、誰でも知っているのに、ミーレ長官は王太子になって、王太子として振る舞い始めたことを、ミーレ長官のお父さんは、予想していたかな?
ミーレ長官が王にならないことを知っている人から、ミーレ長官がどのような感情を持たれているか、情報を得ていたのかな?
ミーレ長官のお母さんは、ミーレ長官に、伝えることができる唯一の人だったのに、一番大事なことをミーレ長官に伝えなかったことをミーレ長官のお父さんは察したかな?
ミーレ長官のお父さんは、どんな気持ちで蟄居を続けたんだろう。
ミーレ長官のお母さんが、女王でいるのは、お母さんが望んだ一時的なもので、すぐに女王でなくなることと、ミーレ長官が王になる未来はないことを、ミーレ長官自身で気づいてほしいと願っていたかもしれない。
ミーレ長官が、自分自身のか待遇に違和感を覚えて、ミーレ長官自身が調べれば気づけたんじゃないかな。
ミーレ長官は、正確な情報さえあれば、おかしな言動はしなかった。
ミーレ長官のお母さんは、ミーレ長官を離さなかった。
ミーレ長官が優秀だから?
それだけ、かな?
ミーレ長官のお母さんは、ミーレ長官が、お母さんから離れて、自分で調べたり考えたりするための時間を作らせなかったかもしれない。
邪推だけどさ。
お母さんの伝えていなかったことが、ミーレ長官にバレてしまうから。
でも。
お母さんが伝えなかったことは、いずれ、お母さん以外でミーレ長官に伝わるということに、お母さんは思い当たらなかったのかな?
お母さんが、ミーレ長官を王太子にした動機が、どうしても分からない。
一時的にでも、ミーレ長官に王太子という肩書を与えたかったのは、誰の何のため?
ミーレ長官のお母さんだけのため、かな?
ミーレ長官のお母さんは、優秀なミーレ長官に情報を渡していなさすぎる。
ミーレ長官の優秀さが、王太子時代に全然活きなかったのは、お母さんが情報を与えないようにしたせいじゃないのかな。
ミーレ長官のお母さんの動機は、引き続き要検討。
ミーレ長官のお母さんの絶対的な味方として、息子に真実を告げずに留め置いたミーレ長官のお母さんは、ミーレ長官に真実を告げないまま、亡くなった。
ミーレ長官のお母さんが、サーバル王国で、客死したゴタゴタの当時。
ミーレ長官のお母さんが、ミーレ長官に何も告げていなかったと、誰が予想しただろう?
ミーレ長官は、知らないことを知っているはずと思われていた。
先代国王陛下が、ミーレ長官に勧めてきた毒杯。
ミーレ長官が王にならないことが常識になっているマウンテン王国の貴族階級。
ミーレ長官は、お母さんの威光を借りて、王太子として振る舞ってきたと過去を問題視された。
王太子の名を騙ってサーバル王国に行き、サーバル王国につけこまれることをしてきて、非難轟々。
最終的に、ミーレ長官は、叔父にあたる正統な後継者の先代国王陛下を、簒奪者と侮辱した。
先代国王陛下が、甥のミーレ長官に毒杯を勧めざるを得ない状況が出来上がっていたんじゃないかな。
マウンテン王国とマウンテン王家を、王として守るために決断した。
先代国王陛下は、甥のミーレ長官を気にかけていたとオレは思う。
ミーレ長官のお母さんが、ミーレ長官を思うよりも、かもしれない。
ミーレ長官のお父さんは、ミーレ長官のお母さんの即位に反対したとき、ミーレ長官が王太子になることも反対しなかったかな?」
「反対しました。
女王陛下を助けるために王太子になると決めていた私は、父上が反対する真意を想像しようともしませんでした。」
とミーレ長官。
「王太子は、王になる王子が名乗ることになっているよな?
ミーレ長官のお母さんの即位は、一時的なもので、ミーレ長官のお母さんの跡を継ぐのは、先代国王陛下だと決まっていた。
ミーレ長官が、王位に就く未来は、最初からなかった。
ミーレ長官のお父さんが、反対していたのは、ミーレ長官が、何も知らされないまま、いいように踊らされるのを止めようとしていたからだとオレは思う。」
「見事に踊らされました。」
とミーレ長官。
ミーレ長官のお父さんが蟄居を選んだのは、ミーレ長官のお母さんに対する抗議の意味があったかもしれない。
「ミーレ長官のお母さんが女王陛下を辞めて、ミーレ長官が王太子を辞めて、一緒にお父さんの元に帰ってくるのを待つためだけに、ミーレ長官のお父さんは蟄居したんじゃないとオレは思う。
ミーレ長官のお父さんは、ミーレ長官のお母さんに同調しないことで、ミーレ長官の逃げ道を作ったんだ。
真相に気づいたミーレ長官が、いつでも、王太子を辞められるように。
王太子を辞めて、お母さんとうまくいかなくなるミーレ長官が、行き場を失うことがないように。
お父さんは、ミーレ長官と家族の避難先になろうとしていたんじゃないかな。」
女王陛下の息子が、女王陛下に楯突いたら、逃げ場がない。
「父上。」
とミーレ長官は、目頭を押さえた。
「マウンテン王国に墓参りに行くのはどうかな?」
「父上と母上の墓は、ありません。
私は、母上の墓がないことを恨んでいましたが、国に損害を与えた王族の墓を作るなど、ありえないことでした。」
とミーレ長官。
オレは、ミーレ長官が悲しみに浸っている間も思考をし続けている。
ミーレ長官のお父さんは、お父さんとして、ミーレ長官に救いの手を伸ばしていた。
王女殿下の夫で、女王陛下の王配となった、王族のお父さんができるギリギリのところで、お父さんは、ミーレ長官を助けようとしていた。
ミーレ長官のお父さんは、ミーレ長官のお母さんと歩調を合わせないことで、妻も息子も守ろうとした。
ミーレ長官のお父さんに、ミーレ長官のお母さんを止めることは困難だったんだろうな。
ミーレ長官のお父さんは、ミーレ長官が、自分の待遇のおかしさに気づいたときに、逃げ込める場所になろうとしていたんだと思う。
ミーレ長官が、王にならないことは、誰でも知っているのに、ミーレ長官は王太子になって、王太子として振る舞い始めたことを、ミーレ長官のお父さんは、予想していたかな?
ミーレ長官が王にならないことを知っている人から、ミーレ長官がどのような感情を持たれているか、情報を得ていたのかな?
ミーレ長官のお母さんは、ミーレ長官に、伝えることができる唯一の人だったのに、一番大事なことをミーレ長官に伝えなかったことをミーレ長官のお父さんは察したかな?
ミーレ長官のお父さんは、どんな気持ちで蟄居を続けたんだろう。
ミーレ長官のお母さんが、女王でいるのは、お母さんが望んだ一時的なもので、すぐに女王でなくなることと、ミーレ長官が王になる未来はないことを、ミーレ長官自身で気づいてほしいと願っていたかもしれない。
ミーレ長官が、自分自身のか待遇に違和感を覚えて、ミーレ長官自身が調べれば気づけたんじゃないかな。
ミーレ長官は、正確な情報さえあれば、おかしな言動はしなかった。
ミーレ長官のお母さんは、ミーレ長官を離さなかった。
ミーレ長官が優秀だから?
それだけ、かな?
ミーレ長官のお母さんは、ミーレ長官が、お母さんから離れて、自分で調べたり考えたりするための時間を作らせなかったかもしれない。
邪推だけどさ。
お母さんの伝えていなかったことが、ミーレ長官にバレてしまうから。
でも。
お母さんが伝えなかったことは、いずれ、お母さん以外でミーレ長官に伝わるということに、お母さんは思い当たらなかったのかな?
お母さんが、ミーレ長官を王太子にした動機が、どうしても分からない。
一時的にでも、ミーレ長官に王太子という肩書を与えたかったのは、誰の何のため?
ミーレ長官のお母さんだけのため、かな?
ミーレ長官のお母さんは、優秀なミーレ長官に情報を渡していなさすぎる。
ミーレ長官の優秀さが、王太子時代に全然活きなかったのは、お母さんが情報を与えないようにしたせいじゃないのかな。
ミーレ長官のお母さんの動機は、引き続き要検討。
ミーレ長官のお母さんの絶対的な味方として、息子に真実を告げずに留め置いたミーレ長官のお母さんは、ミーレ長官に真実を告げないまま、亡くなった。
ミーレ長官のお母さんが、サーバル王国で、客死したゴタゴタの当時。
ミーレ長官のお母さんが、ミーレ長官に何も告げていなかったと、誰が予想しただろう?
ミーレ長官は、知らないことを知っているはずと思われていた。
先代国王陛下が、ミーレ長官に勧めてきた毒杯。
ミーレ長官が王にならないことが常識になっているマウンテン王国の貴族階級。
ミーレ長官は、お母さんの威光を借りて、王太子として振る舞ってきたと過去を問題視された。
王太子の名を騙ってサーバル王国に行き、サーバル王国につけこまれることをしてきて、非難轟々。
最終的に、ミーレ長官は、叔父にあたる正統な後継者の先代国王陛下を、簒奪者と侮辱した。
先代国王陛下が、甥のミーレ長官に毒杯を勧めざるを得ない状況が出来上がっていたんじゃないかな。
マウンテン王国とマウンテン王家を、王として守るために決断した。
先代国王陛下は、甥のミーレ長官を気にかけていたとオレは思う。
ミーレ長官のお母さんが、ミーレ長官を思うよりも、かもしれない。
49
お気に入りに追加
1,680
あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)
エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。
魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。
若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。
*以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。
お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。
こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

どうも、卵から生まれた魔人です。
べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。
太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

君なんか求めてない。
ビーバー父さん
BL
異世界ものです。
異世界に召喚されて見知らぬ獣人の国にいた、佐野山来夏。
何かチートがありそうで無かった来夏の前に、本当の召喚者が現われた。
ユア・シノハラはまだ高校生の男の子だった。
人が救世主として召喚したユアと、精霊たちが召喚したライカの物語。

王子様から逃げられない!
白兪
BL
目を覚ますとBLゲームの主人公になっていた恭弥。この世界が受け入れられず、何とかして元の世界に戻りたいと考えるようになる。ゲームをクリアすれば元の世界に戻れるのでは…?そう思い立つが、思わぬ障壁が立ち塞がる。

αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…
──だから、なんでそうなんだっ!
涼暮つき
BL
「面倒くさいから認めちゃえば?」
「アホか」
俺は普通に生きていきたいんだよ。
おまえみたいなやつは大嫌いだ。
でも、本当は羨ましいと思ったんだ。
ありのままの自分で生きてるおまえを──。
身近にありそうな日常系メンズラブ。
*以前外部URLで公開していたものを
掲載し直しました。
※表紙は雨月リンさんに描いていただきました。
作者さまからお預かりしている大切な作品です。
画像の無断転載など固く禁じます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる