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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
467.ミーレ長官の狙いを聞きました。ミーレ長官は、用意周到です。ミーレ長官のお父さんについて、誰もその存在を話題にしないのは自然ですか?
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「いつまで、私の上に立っているつもりですか?」
とミーレ長官。
「オレは、ケレメイン大公国の大公妃殿下。
ケレメイン大公国に、オレとクロードの上に立つ人はいない。」
「ケレメイン大公家は、もう終わりです。
私の息子が、この国の新しい統治者になります。」
とミーレ長官。
ミーレ長官の要求は、息子を王にすることか。
「息子さんが王になるんだなー?」
ミーレ長官は、自分が王になることは考えなかったんだな。
「ヒサツグ様。
王は、王たるに相応しい場所にいた者でなければならないのです。
息子は、私と違い、地に墜ちていません。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官が王になろうとしない理由は、マウンテン王国での、ミーレ長官の仕事内容かな?」
「私は先代国王陛下が送りこむ刺客の旗でした。
王から送られてきた刺客だと、刺客を送られた側に、正しく認識させるために、私は暗殺の現場にいました。
私の顔を見ると、そこがどこであろうと、貴族は逃げ出しました。
私の顔は、死の宣告の代名詞だったのです。」
とミーレ長官。
対外的に、ミーレ長官が王位に就くには問題がある、とミーレ長官は判断したんだな。
「息子さんには、王になるための教育を受けさせる必要があるよな。
帝王学を修め、国王陛下として経験を積んで、人に教えられるだろう人は、今のケレメイン大公国に一人しかいないぞ?」
サーバル王国の国王陛下その人。
「ヒサツグ様。
私の息子に関して、ヒサツグ様が心配することは、何もありません。
シガラキノ殿下の嫁入りの相手が若返るだけです。」
サーバル王国の王女シガラキノ様とミーレ長官の息子さんを結婚させる計画?
サーバル王国は、王女シガラキノ様の嫁入り先がクロードじゃなくても、ケレメイン大公国の乗っ取りという当初の目的を果たせるわけだなー。
ミーレ長官の息子さんは、シガラキノ様と結婚することで、義理の父サーバル王国の国王陛下のバックアップを受けられる。
サーバル王国は、ドリアン王国に逆らえない。
サーバル王国に頼りすぎると、ミーレ長官の息子さんを王にする新しい国は、ドリアン王国に付け入る隙を与えることになる。
ドリアン王国との交渉は、ミーレ長官が直々に行い、サーバル王国の二の舞を演じることがないように計画したのかな。
ミーレ長官の計画は、ドリアン王国だけじゃなく、サーバル王国も組み込まれていたんだなー。
オレが、女神様の加護を使って、サーバル王国の侵略を退けられていなかったら、オレの監禁計画が早まっていたんだろうな。
オレがいなくなって、不安定になったクロードを一本釣りして、女神様とドリアン王国にご招待してさ。
ケレメイン大公国とオレとクロードの実情をよく知る人にしか、考えつかない作戦。
最初に声をかけてきたのは、ドリアン王国だったり、サーバル王国だったかもしれないけれど。
計画、立案は、ミーレ長官だな。
「ミーレ長官が、外国から息子が狙われていると話していたのをオレは、覚えている。
息子を狙われたくない、という響きで聞いていたけれど、実際のところは?」
「私が、息子を狙われているままにしておくと思いますか?」
とミーレ長官。
「いや。思わない。」
「息子を狙いにくる相手とは、息子に合う条件を引き出させます。
それができなければ、親とは言いません。」
とミーレ長官。
親?
親について語るミーレ長官には、親としての指標があるのかな?
そういえば。
ミーレ長官は、お母さんの話はしても、お父さんのことは話さない。
ミーレ長官のお父さんは、女王陛下の夫になるから、王配だよな。
王配ということは、女王陛下が即位した後、国の中枢にいたと思うんだけど。
女王陛下以上に、王配は存在を消されていないかな?
ケレメイン大公クロードに対して、大公妃のオレの立場が、王配にあたるよな。
国のツートップとして、大公妃のオレは、出ずっぱりだぞ?
王の伴侶が、話題にならないほど、存在が薄いなんてことはないぞ?
サーバル王国の王妃陛下の発言力は低くなかった。
マウンテン王国だって、国王陛下と不仲という話題だけど、王妃陛下の存在は人々の口の端にのぼっている。
マウンテン王国の先代王妃陛下も、先代国王陛下に意見していたと、ミーレ長官の奥様から聞いている。
王の伴侶が、全く話題にのぼらないということは?
マウンテン王国の四人は、ミーレ長官のお母さんである女王陛下の話題は出しても、ミーレ長官のお父さんの話題は出していない。
もっと言うと。
ミーレ長官の奥様は、ミーレ長官のお母さんの女王陛下と叔父夫妻にあたる先代国王陛下夫妻について話をしてくれたけれど、ミーレ長官のお父さんについては、一言も聞いたことがない。
ミーレ長官のお父さんの存在を、知っているであろう人は、誰も、ミーレ長官のお父さんの存在を口にしない。
ミーレ長官のお父さんの話題は、タブーなのかな?
とミーレ長官。
「オレは、ケレメイン大公国の大公妃殿下。
ケレメイン大公国に、オレとクロードの上に立つ人はいない。」
「ケレメイン大公家は、もう終わりです。
私の息子が、この国の新しい統治者になります。」
とミーレ長官。
ミーレ長官の要求は、息子を王にすることか。
「息子さんが王になるんだなー?」
ミーレ長官は、自分が王になることは考えなかったんだな。
「ヒサツグ様。
王は、王たるに相応しい場所にいた者でなければならないのです。
息子は、私と違い、地に墜ちていません。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官が王になろうとしない理由は、マウンテン王国での、ミーレ長官の仕事内容かな?」
「私は先代国王陛下が送りこむ刺客の旗でした。
王から送られてきた刺客だと、刺客を送られた側に、正しく認識させるために、私は暗殺の現場にいました。
私の顔を見ると、そこがどこであろうと、貴族は逃げ出しました。
私の顔は、死の宣告の代名詞だったのです。」
とミーレ長官。
対外的に、ミーレ長官が王位に就くには問題がある、とミーレ長官は判断したんだな。
「息子さんには、王になるための教育を受けさせる必要があるよな。
帝王学を修め、国王陛下として経験を積んで、人に教えられるだろう人は、今のケレメイン大公国に一人しかいないぞ?」
サーバル王国の国王陛下その人。
「ヒサツグ様。
私の息子に関して、ヒサツグ様が心配することは、何もありません。
シガラキノ殿下の嫁入りの相手が若返るだけです。」
サーバル王国の王女シガラキノ様とミーレ長官の息子さんを結婚させる計画?
サーバル王国は、王女シガラキノ様の嫁入り先がクロードじゃなくても、ケレメイン大公国の乗っ取りという当初の目的を果たせるわけだなー。
ミーレ長官の息子さんは、シガラキノ様と結婚することで、義理の父サーバル王国の国王陛下のバックアップを受けられる。
サーバル王国は、ドリアン王国に逆らえない。
サーバル王国に頼りすぎると、ミーレ長官の息子さんを王にする新しい国は、ドリアン王国に付け入る隙を与えることになる。
ドリアン王国との交渉は、ミーレ長官が直々に行い、サーバル王国の二の舞を演じることがないように計画したのかな。
ミーレ長官の計画は、ドリアン王国だけじゃなく、サーバル王国も組み込まれていたんだなー。
オレが、女神様の加護を使って、サーバル王国の侵略を退けられていなかったら、オレの監禁計画が早まっていたんだろうな。
オレがいなくなって、不安定になったクロードを一本釣りして、女神様とドリアン王国にご招待してさ。
ケレメイン大公国とオレとクロードの実情をよく知る人にしか、考えつかない作戦。
最初に声をかけてきたのは、ドリアン王国だったり、サーバル王国だったかもしれないけれど。
計画、立案は、ミーレ長官だな。
「ミーレ長官が、外国から息子が狙われていると話していたのをオレは、覚えている。
息子を狙われたくない、という響きで聞いていたけれど、実際のところは?」
「私が、息子を狙われているままにしておくと思いますか?」
とミーレ長官。
「いや。思わない。」
「息子を狙いにくる相手とは、息子に合う条件を引き出させます。
それができなければ、親とは言いません。」
とミーレ長官。
親?
親について語るミーレ長官には、親としての指標があるのかな?
そういえば。
ミーレ長官は、お母さんの話はしても、お父さんのことは話さない。
ミーレ長官のお父さんは、女王陛下の夫になるから、王配だよな。
王配ということは、女王陛下が即位した後、国の中枢にいたと思うんだけど。
女王陛下以上に、王配は存在を消されていないかな?
ケレメイン大公クロードに対して、大公妃のオレの立場が、王配にあたるよな。
国のツートップとして、大公妃のオレは、出ずっぱりだぞ?
王の伴侶が、話題にならないほど、存在が薄いなんてことはないぞ?
サーバル王国の王妃陛下の発言力は低くなかった。
マウンテン王国だって、国王陛下と不仲という話題だけど、王妃陛下の存在は人々の口の端にのぼっている。
マウンテン王国の先代王妃陛下も、先代国王陛下に意見していたと、ミーレ長官の奥様から聞いている。
王の伴侶が、全く話題にのぼらないということは?
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もっと言うと。
ミーレ長官の奥様は、ミーレ長官のお母さんの女王陛下と叔父夫妻にあたる先代国王陛下夫妻について話をしてくれたけれど、ミーレ長官のお父さんについては、一言も聞いたことがない。
ミーレ長官のお父さんの存在を、知っているであろう人は、誰も、ミーレ長官のお父さんの存在を口にしない。
ミーレ長官のお父さんの話題は、タブーなのかな?
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