《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

466.ミーレ長官に、クロードへの要求は何かを聞きましたが、オレの無駄な抵抗だと思われています。

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ミーレ長官は、話をしてくれているが、まだ、投降していない。

ミーレ長官が、オレに話をしているのは、オレに話すこともミーレ長官の計画の範囲内だから。

愛こんにゃく家が、オレのところに来る気配がないということは、ミーレ長官の部下の動向を調べていると思う。

ミーレ長官の部下は、愛こんにゃく家の元同僚と元部下。

オレの予想だけど。

ミーレ長官が、ミーレ長官になる前は、愛こんにゃく家が、刺客の部署のまとめ役、長官のような役割を果たしていたんじゃないかな。

ミーレ長官が、刺客の部署に配属になったから、愛こんにゃく家は、ミーレ長官に刺客の指導をした後、ミーレ長官にトップを譲ったような気がする。

ミーレ長官の部下は、愛こんにゃく家と一緒になってミーレ長官を見守ってきた人達。

ミーレ長官は、今回、行動に移すことで、今まで築き上げてきたものを全て失う覚悟は、できているのかな?

ミーレ長官がミーレ長官になってから、共にいてくれて、ミーレ長官がケレメイン大公国来るからと、ミーレ長官にあわせてケレメイン大公国に来てくれた人達が、ミーレ長官にはいた。

ミーレ長官を認めている人は、ミーレ長官の近くにいた。

愛こんにゃく家も、ミーレ長官の部下も、ミーレ長官をミーレ長官として認めてくれていた。

残念なことに。

ミーレ長官は、ミーレ長官を受け入れて認めてくれた人を見ていない。

ミーレ長官が、認められたいのは、ミーレ長官としての在り方じゃなかったから、かな。

踏みにじられてしまった王太子としての誇りは、ミーレ長官の内側から消えずにずっとあって。

認められても、そうじゃない、それじゃない、という思いがあったのかな?

ミーレ長官の姿は、王太子だったシラカバ王子がなりたかった未来ではないから。

手に入るかもしれない未来がある。

今の生活と引き換えに、だけど。

でも。

今の生活は、一度捨てたら、二度と、元には戻らない。

ミーレ長官が、渇望してきたものとは違っても。

ミーレ長官は、ミーレ長官として、得てきたものがある。

そこに、気持ちを向けてみたこと。

ミーレ長官には、あったかな?

「ミーレ長官は、クロードに何を要求するつもりかな?」

「私の要求が気になりますか?」
とミーレ長官。

「気になるぞ。」

「どうしてですか?
ヒサツグ様が気にしても、ヒサツグ様にできることは何もありません。」
とミーレ長官。

ミーレ長官は、オレの勝ちは絶対ない、と考えているよな。

準備万端で、実行に移したんだろうからなー。

「ミーレ長官。オレが何もできない、と決めつけるのは、早計だぞ?」

「そうでしたか?
ヒサツグ様にできることは、何がありますか。」
とミーレ長官。

ミーレ長官、言いたいことを言うようになったなー。

「ミーレ長官。
オレにできるかどうかをミーレ長官が決めていいと思っているのかな?」

さっきから、ちょいちょい失礼な物言いになっている自覚は、あるかなー?

本音が出ているのかな?

気が大きくなっているのかな?

まだ、ミーレ長官の計画は、成功していないぞ?

「ヒサツグ様。
無駄な抵抗はおよしください。」
とミーレ長官。

ミーレ長官は、オレが、監禁されたくないから、粘っていると考えているな?

そりゃまあ、監禁されたくはないけどさ。

「オレは、ミーレ長官の直属の上司。
ミーレ長官は、オレの直属の部下。

部下が、上司の力量をはかって、報告すること、しないことを選別してもいいと思っているなら、今すぐに考え直せ。」

ミーレ長官は、目を細めた。

「任せた仕事の報告や連絡を一切あげにこない部下がいたら。

上司というのは、連絡や報告をあげてこなかったことについて部下を叱責し、速やかな報告を求めるものだぞ?

さて、ミーレ長官。
報告を聞くぞ。」

「いつまで、上司と部下でいる気ですか?」
とミーレ長官。

ドリアン王国の話題を話すときのミーレ長官は、オレと上司と部下の関係でいることが気に障らなかったよな?

ミーレ長官自身の要求を話題にするときは、オレと上司と部下の関係ではいたくないのかな。

ミーレ長官のマイナス感情は、貴重だぞ。

「今のオレとミーレ長官は、どう頑張っても、上司と部下だぞ?

ミーレ長官は、オレの部下を辞めていない。

オレは、ミーレ長官を辞めさせていない。」

ミーレ長官は、目をパチクリしていた。

新鮮だなー。

もっと驚かせるぞ!

「ちなみに、ミーレ長官を辞めさせる予定はない。」
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