《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

465.ドリアン王国の狙いをミーレ長官から聞きます。顕現した女神様をドリアン王国に滞在させる?女神様に、どんなエサを用意する予定ですか?

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オレの予想通り。

「顕現されている機会に、女神様ご自身でドリアン王国へお越し願いたいというのが、ドリアン王国の希望です。」
とミーレ長官。

それは、無理な話だ。

今回の女神様の顕現は、サーバル王国からの国賓が出席する愛こんにゃく家の結婚式が終わり、サーバル王国からの国賓が、ケレメイン大公国を出国するまで、が最長の期限になる。

サーバル王国の国賓が、帰国してしまえば、クロードの安全は確保され、女神様がオレの加護により顕現する条件を満たさなくなるからだ。

女神様が顕現しているのは、オレの加護によるものだと知っているのは、オレと女神様だけ。

オレも女神様も、クロードには、伝えていない。

今回の件。オレの加護について、秘密にしてきたことが幸いした。

女神様を狙っているドリアン王国とドリアン王国に協力したミーレ長官は、女神様が、オレの加護という制約なしに顕現したと思っている。

この思い違いは、オレにとってのチャンス。

クロードは、察しているものがあるだろうけれど、オレの加護については、何も言ってこない。

過去、女神様の加護の実例をクロードは、二件、見てきた。

一件は、愛こんにゃく家をこんにゃく愛に目覚めさせたこんにゃくの出現。

もう一件は、ミーレ長官が刺客として現れたとき、オレとクロードを守っるために無限に出現したオレの尻。

オレの加護が発動するのは、クロードの危機をオレが何とかしたいと女神様に念じたときのみ。

加護の中身は、クロードの助けになることに限定されている。

加護として出現したものに偏りがあるのは、オレのセンスじゃなく、女神様のセンスだと思いたい。

三回目の加護の発動が、女神様の顕現なのは、クロードを守るために、女神様自身が加護として顕現する必要があると感じたからじゃないのかな。

「ドリアン王国らしさが全開で、納得がいくけど。

ドリアン王国は、何をエサにして、女神様を釣るつもりだったのかな?」

結婚をエサに、元神子様カズラくんをドリアン王国へ連れて行こうとしたスパイの行動と同じ構図。

「女神様には、クロード様を。」
とミーレ長官。

ミーレ長官は、本当によく、身内の人間関係を把握している。

弱点も含めて、さ。

敵に回すと、手強いな。

「クロードと一緒にドリアン王国で、ウキウキ、キャッキャして過ごすことを女神様に提案したとして。

クロードとオレは、どうするつもりだったのかな?」

「クロード様は、ヒサツグ様が、クロード様より先にお亡くなりになることを望まれませんから。」
とミーレ長官。

まーなー。

クロードが、オレの死に水をとる姿は、オレも想像できない。

オレの方が年上だけど、オレの方が、クロードより長生きしないといけない気は常々している。

「オレを人質にする期間は、一時的に、ではなく、クロードが生きている限りだったんだな。」

計画的だなー。

ドリアン王国の侯爵子息がクロードの秘書体験に登場したタイミング。

オレが、ドリアン王国の侯爵子息をミーレ長官に任せるところまで、ミーレ長官の計画に入っていたんだろうな。

ミーレ長官は、オレを介して、ドリアン王国の侯爵子息と直接顔を合わせる機会を作ることに成功している。

オレから対応を任されてからは、ドリアン王国の動きをオレから隠し、ドリアン王国側と堂々と作戦を練る時間を確保し、虎視眈々と実行に移すときを待っていたんだな。

「クロード様がいなくてもドリアン王国にとどまることを女神様がお決めになられたら、予定が変更になることもあるでしょう。」

予定とな。

「女神様が、ドリアン王国に永住すると決めた時点で、オレとクロードは、どうなる予定だったのかな?」

「お二方の未来は、ドリアン王国が、良いように決めるでしょう。」

ミーレ長官は、本当に、よく、人というのを見ていると思う。

ミーレ長官が、生き延びるために、必要だったんだろうな。

ミーレ長官は、話している相手の望む台詞を間違わずに言える。

だがな、ミーレ長官。

オレを見くびりすぎだぞ?

オレは、愛のために、世界の壁を越えて生きると決めた男だからなー。

オレの求めている答えを、用意できていないことに、ミーレ長官は、気づいているかな?

オレは、ミーレ長官が答えやすい質問を選んで、優先的に答えるように促した。

さて、ミーレ長官。
次の質問には、どんな答えを返してくれるかな?

いつまで、答えやすい質問が続くと思う?
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