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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
459.クロードとオレは、サーバル王国の国王陛下夫妻を王女シガラキノ様のご両親として、ではなく、為政者として向き合います。
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カズラくんが最強だと知った後。
カズラくんは、ケレメイン大公国、ドリアン王国、マウンテン王国、サーバル王国の情報は、常に最新のものを握っている、と、こともなげに言った。
思わず、どうして、そんなに情報を?と呟いたオレに、カズラくんは。
「ぼくが住んでいるケレメイン大公国に関わりがあるなら、情報は握っておかないと、安心できないからだよ。
ぼくが、ぼくの好きに生きていくためだから。
ヒサツグのためじゃ、絶対にないからね。
分かっているよね?
ぼくへの報酬は、ビタ一文まけさせないから。」
とカズラくんは、念押ししてきた。
「よし。カズラくんの報酬は、適正価格に、最適なタイミングで情報をくれたことを評価して、何かをプラスだな。」
オレは、クロードに、この場で話せる情報だけ、出してくれ、と頼んだ。
大公のクロードが話す話題は、オレじゃなく、クロードが決めた方がいい。
「ヒサツグが、サーバル王国のシガラキノ王女殿下や、マウンテン王国の国賓とやりとりしている間。
私は、サーバル王国の国王夫妻、国王夫妻についてきた事務方と、ケレメイン大公家、ケレメイン大公国の各部署と話をした。
マウンテン王国の国賓についてきた者達は、私の秘書が対応している。」
とクロード。
「ありがとう。クロード。クロードが、必要なところを外さないでいてくれるから、オレはイレギュラーな部分に特化できている。」
オレは、この世界の常識が怪しい自覚がある。
この世界の常識を求められる、公の場では、ボロが出てしまうと分かっている。
常識を学んでから、実社会へ出るのが理想だけど。
現実問題として、間に合わない。
オレの学びが終わるまで、時間が止まることはない。
現実に対処することを優先していくと、学びの時間はとれない。
仕事の成果が即必要なとき、どうしても学びは後回しになる。
学ばない場合、どん詰まりになりそうな未来の予想もついている。
今のオレは、まさしく、その状況。
クロードは、何も言わずに、常識が必要な仕事を率先して終わらせてくれている。
オレが学ぶ時間を毎日確保しようと考えて、動いているクロード。
オレは、クロードの仕事のうち、クロードじゃなくてもできる仕事に、学びながら手を付けていきたいけど、まだ、時間がとれない。
今は、完全に分業制だけど、いつかは、クロードと二人で仕事をすることをオレは諦めない。
今は、オレの特性を活かす方向に振り切る。
イレギュラーなところに、オレのやり方を当てはめてフィットしたら、なんやかんやと指摘されにくくなる。
オレのやり方がカンフル剤として効果が出ているのは過渡期だから、と、オレは分析している。
オレは、オレ自身を過信しない。
「私は、ヒサツグが、したいことをしたいときにできるよう、場を整える。」
とクロードは、オレに微笑む。
クロード!
頼もしいオレの夫。
クロードと見つめ合うオレ。
カズラくんが、ハリセンを出してきて、机をパンパンと叩いた。
「そこ、二人の世界を作らない。」
とカズラくん。
「あ、ごめん。会議中だった。」
「分かっているなら、いいよ。」
とカズラくんは、ハリセンを引っ込める。
「私は、私の知らなかった先代ケレメイン公爵夫妻の話をサーバル王国側から聞いていた。
私に見せていない、私の両親の一面。
私はサーバル王国から国賓を迎えるまで、サーバル王国とケレメイン公爵領との関わりを知らなかった。
サーバル王国は、今回、私の両親についての情報を熱心に伝えてきた。
この会議で、私自身と、ヒサツグとケレメイン大公国のためになる情報を得た。
礼を言う。」
とクロード。
「お礼は言われておくけど、報酬は、ビタ一文まけない。」
とカズラくんは、クロードに対してもきっぱり。
カズラくんは、徹底している。
事業していたときに、口だけのお礼で済ませようとした人がいたのかな。
「オレがサーバル王国の王女様シガラキノ様と話し合う中で感じたことがある。
サーバル王国の国王陛下夫妻は、娘で王女のシガラキノ様を育てるときに、娘の生きやすさではなく、国として王女をどう活かすか、を優先している。
サーバル王国は、ケレメイン公爵領民に受け入れられることを優先し、王女シガラキノ様に施す王女としての教育を加減していた。
ミーレ長官のお母さんの客死事件についての情報を、サーバル王国の国王夫妻から直接もらったとき。
サーバル王国の国王夫妻は、親身になって説明してくれていたとオレは感じていたけれど。
親切だと思わせるように計算して、言葉を選んで話していた面もあるよな、と今は思う。
サーバル王国の国王夫妻は、シガラキノ様のご両親という立場で尊重するより、為政者として向き合いたい。」
カズラくんは、ケレメイン大公国、ドリアン王国、マウンテン王国、サーバル王国の情報は、常に最新のものを握っている、と、こともなげに言った。
思わず、どうして、そんなに情報を?と呟いたオレに、カズラくんは。
「ぼくが住んでいるケレメイン大公国に関わりがあるなら、情報は握っておかないと、安心できないからだよ。
ぼくが、ぼくの好きに生きていくためだから。
ヒサツグのためじゃ、絶対にないからね。
分かっているよね?
ぼくへの報酬は、ビタ一文まけさせないから。」
とカズラくんは、念押ししてきた。
「よし。カズラくんの報酬は、適正価格に、最適なタイミングで情報をくれたことを評価して、何かをプラスだな。」
オレは、クロードに、この場で話せる情報だけ、出してくれ、と頼んだ。
大公のクロードが話す話題は、オレじゃなく、クロードが決めた方がいい。
「ヒサツグが、サーバル王国のシガラキノ王女殿下や、マウンテン王国の国賓とやりとりしている間。
私は、サーバル王国の国王夫妻、国王夫妻についてきた事務方と、ケレメイン大公家、ケレメイン大公国の各部署と話をした。
マウンテン王国の国賓についてきた者達は、私の秘書が対応している。」
とクロード。
「ありがとう。クロード。クロードが、必要なところを外さないでいてくれるから、オレはイレギュラーな部分に特化できている。」
オレは、この世界の常識が怪しい自覚がある。
この世界の常識を求められる、公の場では、ボロが出てしまうと分かっている。
常識を学んでから、実社会へ出るのが理想だけど。
現実問題として、間に合わない。
オレの学びが終わるまで、時間が止まることはない。
現実に対処することを優先していくと、学びの時間はとれない。
仕事の成果が即必要なとき、どうしても学びは後回しになる。
学ばない場合、どん詰まりになりそうな未来の予想もついている。
今のオレは、まさしく、その状況。
クロードは、何も言わずに、常識が必要な仕事を率先して終わらせてくれている。
オレが学ぶ時間を毎日確保しようと考えて、動いているクロード。
オレは、クロードの仕事のうち、クロードじゃなくてもできる仕事に、学びながら手を付けていきたいけど、まだ、時間がとれない。
今は、完全に分業制だけど、いつかは、クロードと二人で仕事をすることをオレは諦めない。
今は、オレの特性を活かす方向に振り切る。
イレギュラーなところに、オレのやり方を当てはめてフィットしたら、なんやかんやと指摘されにくくなる。
オレのやり方がカンフル剤として効果が出ているのは過渡期だから、と、オレは分析している。
オレは、オレ自身を過信しない。
「私は、ヒサツグが、したいことをしたいときにできるよう、場を整える。」
とクロードは、オレに微笑む。
クロード!
頼もしいオレの夫。
クロードと見つめ合うオレ。
カズラくんが、ハリセンを出してきて、机をパンパンと叩いた。
「そこ、二人の世界を作らない。」
とカズラくん。
「あ、ごめん。会議中だった。」
「分かっているなら、いいよ。」
とカズラくんは、ハリセンを引っ込める。
「私は、私の知らなかった先代ケレメイン公爵夫妻の話をサーバル王国側から聞いていた。
私に見せていない、私の両親の一面。
私はサーバル王国から国賓を迎えるまで、サーバル王国とケレメイン公爵領との関わりを知らなかった。
サーバル王国は、今回、私の両親についての情報を熱心に伝えてきた。
この会議で、私自身と、ヒサツグとケレメイン大公国のためになる情報を得た。
礼を言う。」
とクロード。
「お礼は言われておくけど、報酬は、ビタ一文まけない。」
とカズラくんは、クロードに対してもきっぱり。
カズラくんは、徹底している。
事業していたときに、口だけのお礼で済ませようとした人がいたのかな。
「オレがサーバル王国の王女様シガラキノ様と話し合う中で感じたことがある。
サーバル王国の国王陛下夫妻は、娘で王女のシガラキノ様を育てるときに、娘の生きやすさではなく、国として王女をどう活かすか、を優先している。
サーバル王国は、ケレメイン公爵領民に受け入れられることを優先し、王女シガラキノ様に施す王女としての教育を加減していた。
ミーレ長官のお母さんの客死事件についての情報を、サーバル王国の国王夫妻から直接もらったとき。
サーバル王国の国王夫妻は、親身になって説明してくれていたとオレは感じていたけれど。
親切だと思わせるように計算して、言葉を選んで話していた面もあるよな、と今は思う。
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