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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
457.元神子様カズラくんは、情報通。ドリアン王国の侯爵子息ピーター・ヌエ。各国のスパイを手玉にとる男カズラくん。
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ミーレ長官は、愛こんにゃく家に任せると決まった。
「カズラくん。ドリアン王国の侯爵子息について、話してくれ。」
「いいよ。ヒサツグは、何を知っている?」
とカズラくん。
「祖母がドリアン王国の王女殿下ということ。
サーバル王国の王女様シガラキノ様に気があるような素振りを、シガラキノ様のいないところでしてきた、ということ。
本人の顔は見たけれど、名前は知らない。」
ドリアン王国の侯爵子息の名前を知りたいと思う日が来るとはなー。
「ドリアン王国の侯爵子息の名前は、ピーター・ヌエ。
ヌエ侯爵家は、ピーターの祖母にあたる、降嫁した王女殿下、先代ヌエ侯爵夫人が、一番偉いポジションにいる。
現ヌエ侯爵夫妻は、王女殿下に逆らえないという話だね。
ヌエ侯爵家の後継ぎは、まだ決まっていない。
後継ぎを決めるのは、降嫁した王女殿下。
ドリアン王国のヌエ侯爵家は、家督争いの真っ最中。」
とカズラくん。
「ドリアン王国が攻めてきたんじゃなく、ヌエ侯爵家の単独参戦なのかな?」
「ドリアン王国は、国策として、ヌエ侯爵家の家督争いを利用しているよ。
ドリアン王国は、王女が降嫁した貴族家や王子が婿入りした貴族家で、王家への忠誠を示す方法として、孫世代に家督争いをさせる伝統があるからね。」
とカズラくん。
親戚関係が殺伐としそうだな。
「親戚関係がギスギスするのに、王女や王子に嫁や婿に来てほしいと思うかな?」
「王家への忠誠を証明できたら、王家に重宝されて、貴族社会での発言力が激増するからね。」
とカズラくん。
なるほどなー。
「家督争いをするのが、孫世代というところが、キモだよ。
王女殿下と結婚した本人は、家督争いの蚊帳の外。
王女殿下の子ども世代は、誰と結婚して縁付くか、という、駆け引きを兄弟姉妹で繰り広げて、孫世代にあたる我が子が家督争いで勝てるようにと教育する。」
とカズラくん。
「親子二代で、家督争いをするんだな。」
「親世代は、結婚相手の家もかんでくるよ。
家督争いをする孫世代の婚約者は、勝敗がついたら決まる感じだから、孫世代は、全員フリー。
ケレメイン大公国に来たピーター・ヌエ侯爵子息も、婚約者はいない。」
とカズラくん。
生まれたときから、政治の世界で鍛えられているんだよなー。
オレ、ドリアン王国の侯爵子息ピーター・ヌエを御せるかな?
「侯爵子息ピーター・ヌエは、ケレメイン大公国を狙いに来たのかな?」
「侯爵子息ピーター・ヌエは、ね。」
とカズラくん。
「うん?」
気になるぞ?
「ドリアン王国の元々の狙いは、マウンテン王国なんだよ。
ヌエ侯爵家の家督争いの主戦場は、マウンテン王国。」
とカズラくん。
うん?
「ドリアン王国のピーター・ヌエ侯爵子息が、ケレメイン大公国に来たのは、ケレメイン大公国が独立後だと思っていたんだけど、ケレメイン公爵領のときからいたのかな?」
「いなかったよ。
ピーター・ヌエ侯爵子息が、ケレメイン大公国に来たのは、マウンテン王国での劣勢が決定したから。
サーバル王国によるケレメイン大公国の乗っ取りが成功した後。
ドリアン王国は、サーバル王国を黙らせて、サーバル王国からケレメイン大公国を奪い取る予定だった。
ケレメイン大公国に直接仕掛ける予定は、ドリアン王国には、なかったんだよね。
ドリアン王国の見解としては、劣勢を取り返したいピーター・ヌエ侯爵子息の独断による勇み足だよ。」
とカズラくん。
カズラくんが、ドリアン王国の事情に詳しくて、びっくり。
彼氏の国だからかなー。
「侯爵子息一人の勇み足なら、侵略は失敗に終わると希望を持てるかな?」
「ドリアン王国は、ピーター・ヌエ侯爵子息の動きに合わせて、急ピッチでケレメイン大公国を落とす準備を整えてきているよ。」
とカズラくん。
全く楽観視できないなー。
「ぼくが、マウンテン王国の王城にいたときに見た人で、ケレメイン大公国でも見る人は、何人もいる。
ドリアン王国のスパイの話だよ?」
とカズラくん。
「スパイの勤務地が変更になりました、とかかな。」
嬉しくないぞ。
「マウンテン王国も、王城内にスパイがいることには気づいていたと思うよ。
ドリアン王国のスパイって、減らしたら、減らした数以上に増えるらしい。
気づいてからは、減らさないようにしたっぽいんだよね。」
とカズラくん。
さらっとマウンテン王国の王城内部の情報を暴露していくカズラくん。
オレは、ピンときた。
魔王による消失で、マウンテン王国の人は、いなくなったけれど、スパイとして入り込んでいたドリアン王国の人は一人も消えなかった。
スパイ人口の人数の変化はなくても、王城内の全人口に対するスパイの割合が、急増した結果が。
マウンテン王国の国王陛下の、クロードに対する嫌がらせを見て見ぬふりすることになったのか。
よし、ドリアン王国には容赦しないぞ、オレは。
「カズラくん、よく、スパイを見分けられたなー。」
「ぼく、高校から、事業やっていたから、敏感なんだよ。スパイには。」
とカズラくん。
カズラくんの無敵ぶりは、実社会で鍛えられたものだったんだな。
「カズラくんのこの世界での情報通っぷりは、どうなって、そうなったのかな?」
「元神子様で異世界人のぼくはね、ヒサツグ。
引く手あまたなんだよ。
ぼくが一人でいると、ぼくの気を引きたい男女が、わんさか誘いにくるからね。」
とカズラくん。
各国スパイから、情報を引き出していたんだなー。
各国のスパイを手玉にとる男、カズラくん。
「カズラくん。ドリアン王国の侯爵子息について、話してくれ。」
「いいよ。ヒサツグは、何を知っている?」
とカズラくん。
「祖母がドリアン王国の王女殿下ということ。
サーバル王国の王女様シガラキノ様に気があるような素振りを、シガラキノ様のいないところでしてきた、ということ。
本人の顔は見たけれど、名前は知らない。」
ドリアン王国の侯爵子息の名前を知りたいと思う日が来るとはなー。
「ドリアン王国の侯爵子息の名前は、ピーター・ヌエ。
ヌエ侯爵家は、ピーターの祖母にあたる、降嫁した王女殿下、先代ヌエ侯爵夫人が、一番偉いポジションにいる。
現ヌエ侯爵夫妻は、王女殿下に逆らえないという話だね。
ヌエ侯爵家の後継ぎは、まだ決まっていない。
後継ぎを決めるのは、降嫁した王女殿下。
ドリアン王国のヌエ侯爵家は、家督争いの真っ最中。」
とカズラくん。
「ドリアン王国が攻めてきたんじゃなく、ヌエ侯爵家の単独参戦なのかな?」
「ドリアン王国は、国策として、ヌエ侯爵家の家督争いを利用しているよ。
ドリアン王国は、王女が降嫁した貴族家や王子が婿入りした貴族家で、王家への忠誠を示す方法として、孫世代に家督争いをさせる伝統があるからね。」
とカズラくん。
親戚関係が殺伐としそうだな。
「親戚関係がギスギスするのに、王女や王子に嫁や婿に来てほしいと思うかな?」
「王家への忠誠を証明できたら、王家に重宝されて、貴族社会での発言力が激増するからね。」
とカズラくん。
なるほどなー。
「家督争いをするのが、孫世代というところが、キモだよ。
王女殿下と結婚した本人は、家督争いの蚊帳の外。
王女殿下の子ども世代は、誰と結婚して縁付くか、という、駆け引きを兄弟姉妹で繰り広げて、孫世代にあたる我が子が家督争いで勝てるようにと教育する。」
とカズラくん。
「親子二代で、家督争いをするんだな。」
「親世代は、結婚相手の家もかんでくるよ。
家督争いをする孫世代の婚約者は、勝敗がついたら決まる感じだから、孫世代は、全員フリー。
ケレメイン大公国に来たピーター・ヌエ侯爵子息も、婚約者はいない。」
とカズラくん。
生まれたときから、政治の世界で鍛えられているんだよなー。
オレ、ドリアン王国の侯爵子息ピーター・ヌエを御せるかな?
「侯爵子息ピーター・ヌエは、ケレメイン大公国を狙いに来たのかな?」
「侯爵子息ピーター・ヌエは、ね。」
とカズラくん。
「うん?」
気になるぞ?
「ドリアン王国の元々の狙いは、マウンテン王国なんだよ。
ヌエ侯爵家の家督争いの主戦場は、マウンテン王国。」
とカズラくん。
うん?
「ドリアン王国のピーター・ヌエ侯爵子息が、ケレメイン大公国に来たのは、ケレメイン大公国が独立後だと思っていたんだけど、ケレメイン公爵領のときからいたのかな?」
「いなかったよ。
ピーター・ヌエ侯爵子息が、ケレメイン大公国に来たのは、マウンテン王国での劣勢が決定したから。
サーバル王国によるケレメイン大公国の乗っ取りが成功した後。
ドリアン王国は、サーバル王国を黙らせて、サーバル王国からケレメイン大公国を奪い取る予定だった。
ケレメイン大公国に直接仕掛ける予定は、ドリアン王国には、なかったんだよね。
ドリアン王国の見解としては、劣勢を取り返したいピーター・ヌエ侯爵子息の独断による勇み足だよ。」
とカズラくん。
カズラくんが、ドリアン王国の事情に詳しくて、びっくり。
彼氏の国だからかなー。
「侯爵子息一人の勇み足なら、侵略は失敗に終わると希望を持てるかな?」
「ドリアン王国は、ピーター・ヌエ侯爵子息の動きに合わせて、急ピッチでケレメイン大公国を落とす準備を整えてきているよ。」
とカズラくん。
全く楽観視できないなー。
「ぼくが、マウンテン王国の王城にいたときに見た人で、ケレメイン大公国でも見る人は、何人もいる。
ドリアン王国のスパイの話だよ?」
とカズラくん。
「スパイの勤務地が変更になりました、とかかな。」
嬉しくないぞ。
「マウンテン王国も、王城内にスパイがいることには気づいていたと思うよ。
ドリアン王国のスパイって、減らしたら、減らした数以上に増えるらしい。
気づいてからは、減らさないようにしたっぽいんだよね。」
とカズラくん。
さらっとマウンテン王国の王城内部の情報を暴露していくカズラくん。
オレは、ピンときた。
魔王による消失で、マウンテン王国の人は、いなくなったけれど、スパイとして入り込んでいたドリアン王国の人は一人も消えなかった。
スパイ人口の人数の変化はなくても、王城内の全人口に対するスパイの割合が、急増した結果が。
マウンテン王国の国王陛下の、クロードに対する嫌がらせを見て見ぬふりすることになったのか。
よし、ドリアン王国には容赦しないぞ、オレは。
「カズラくん、よく、スパイを見分けられたなー。」
「ぼく、高校から、事業やっていたから、敏感なんだよ。スパイには。」
とカズラくん。
カズラくんの無敵ぶりは、実社会で鍛えられたものだったんだな。
「カズラくんのこの世界での情報通っぷりは、どうなって、そうなったのかな?」
「元神子様で異世界人のぼくはね、ヒサツグ。
引く手あまたなんだよ。
ぼくが一人でいると、ぼくの気を引きたい男女が、わんさか誘いにくるからね。」
とカズラくん。
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