《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

447.魔王による消失後のマウンテン王国は、政治的に弱体化する政策を打ち出す国王陛下と、国王陛下の暴走を間接的に止める貴族がいました。

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サーバル王国がマウンテン王国へ無理難題を持ち込むことがないように、サーバル王国の盾となっていたクロードのご両親の先代ケレメイン公爵夫妻と、マウンテン王国の汚点を漏らさないために手を尽くしたマウンテン王国の先代国王陛下夫妻が、魔王による消失でこの世からいなくなったことで、サーバル王国に対抗する盾と矛が、マウンテン王国から同時にいなくなった。

先代ケレメイン公爵夫妻と先代国王陛下夫妻の他にも、魔王による消失で、いなくなったマウンテン王国の王侯貴族は何人もいた。

マウンテン王国の現国王陛下は、どのくらい知っていただろう?

現国王陛下にとっては伯母だったミーレ長官のお母さんのサーバル王国での客死事件は知っているとは思う。

ミーレ長官と立場が入れ替わった理由を知らないままでは、統治に支障をきたすだろうから。

ケレメイン公爵がマウンテン王国のために果たしていた役割。

国王陛下は、知っていたのかな?

ケレメイン公爵がサーバル王国との防波堤になっていたことは、知らなかったんじゃないかな。

知っていたら、王姉殿下スナメリ様をクロードの婚約者候補にしないと思う。

先代ケレメイン公爵は、王家の血筋を活かして、マウンテン王国の国策で、サーバル王国との窓口になっていた。

先代ケレメイン公爵家が王家から距離をおき、サーバル王国がマウンテン王国の王家に近づかないようにしてきた先代国王陛下の政策と逆行する政策を打ち出したことになる。

マウンテン王国の王姉殿下スナメリ様とケレメイン公爵だったクロードが接近したら、ケレメイン公爵を通じてサーバル王国が、マウンテン王国の王家へと距離を詰めることが可能になってくる。

ケレメイン公爵クロードをケレメイン公爵の領地に帰らせずに、ケレメイン公爵領の領政に携われないくらいに忙しくさせて、マウンテン王国の王都に留めることは、具体的に命令はしていないけれど、マウンテン王国の先代国王陛下が決めた政策をことごとく覆している。

前任者のやり方を否定することで、自身の存在感を示すやり方は、日本でもあった。

でも、世襲制で、父親のやり方を踏襲しないことってよくあったかな?

父親から受け継いだ支持者や人脈を潰す後継ぎが、必要とされるかな?

マウンテン王国の国王陛下は、父親である先代国王陛下と反対の政策を進めて、マウンテン王国の弱体化に繋がるような方針を次々に打ち出したことになる。

どうして、マウンテン王国の国王陛下は、マウンテン王国が、サーバル王国につけ入られる余地を拡大するような政策を打ち出したのかな?

クロードが女神様のお気に入りであることに腹を立てたから、だけが理由じゃないよな。

マウンテン王国の国王陛下の周りに、サーバル王国やドリアン王国の息がかかった人がいた可能性はないかな。

国王陛下と同世代で。

今のマウンテン王国の国王陛下の元には、先代国王陛下と変わらない忠臣もいる。

騎士団長や宰相は、今の国王陛下の世代じゃなく、先代国王陛下と同世代。

ケレメイン大公国の大公妃であるオレを訪ねてきたことは、オレの友達の思いつきや気まぐれなんかじゃない。

マウンテン王国の方針だ。

マウンテン王国は、オレと仲が良い四人をケレメイン大公国に送り込んで、ケレメイン大公国とサーバル王国の二国間が近づきすぎないようにと牽制しにきた。

ケレメイン大公国のオレには、アメを。
サーバル王国にはムチを。

ケレメイン大公国として独立した途端に、サーバル王国に乗っ取られて、ケレメイン大公国をマウンテン王国への足がかりにさせないために。

となると、オレが進む道も決まってくる。

マウンテン王国とサーバル王国の因縁に、オレは関わらない。

オレがすることは、ドリアン王国への支配を拒否して、ドリアン王国を退けるという目的を、ケレメイン大公国、マウンテン王国、サーバル王国の三国で共有し、立ち向かう態勢を作り上げ、ドリアン王国の侵略を退けることだな。
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