《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

442.マウンテン王国の、サーバル王国での女王客死事件についての取り扱いの説明を聞いています。女王陛下は、王として、適格でしたか?

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騎士団長の甥イスペル・シャムではなく、王姉殿下スナメリ様が、オレの疑問しかないという顔を見ながら、説明してくれた。

「視察をする場所に、前もって連絡したり、視察先と調整するなどの段取りを一切無視して、女王陛下は視察を強行している。

同行者は、下準備の進言をしたと証言した。

女王陛下がお亡くなりになっている以上、進言が申告通り行われたかどうかの真相は不明ということになっている。」
と王姉殿下スナメリ様。

死人に口なし、に、ならないようにしたんだな。

女王陛下は、マウンテン王国の王だった。

マウンテン王国の先代国王陛下は、王の命を助けることができなかったことを、頑張ったけどできなかったのは、仕方ない、とはしなかった。

マウンテン王国は、王家より貴族が強い。

王の命を死守しなくても良いという前例を作ると、貴族が好き勝手に、王を選びかねない。

女王陛下を守れなかった人の言い分を鵜呑みにすることは、王になる前に、気に入らない王太子を殺してしまうという抜け道を貴族に用意することになる。

オレは、王侯貴族と政治について考えながら、話を聞いた。

「外交先で、行き先をろくに調べもせず、護衛が護衛できる状態にいないとは、一国の王として、短慮で浅慮な振る舞い。

女王陛下には、王として適格があるとは言い難い、というのが、マウンテン王国の結論。」
と王姉殿下スナメリ様。

王に相応しくない行動をした女王陛下にも責任があると?

いや、王に相応しくない行動を責めているんじゃないよな。

王として適格かどうかを問題点にあげているということは、女王陛下は、王として失格だという発表をするために、伏線を張っているんだよな。

女王陛下が、王には向いていなかったことが分かり、マウンテン王国の女王ではなくなった、ということを伝えたいんだよな。

死んだ人へ鞭打つように、女王陛下は王に向いていない、なんて言及する必要があるかな?

なんのために、わざわざ、そんな言及を?


それにしても。

オレが聞きたいことが、全員の口からすらすら出てくるなんて、驚異的だ。

王姉殿下スナメリ様は、ケレメイン大公国に来る前に、ケレメイン大公国のことを調べてから来た、ということだよな。

王姉殿下スナメリ様だけじゃなく、四人で調べて勉強したんだろうなー。

安全のために、護衛も連れて。

頭が下がる。

オレは、マウンテン王国を出てから、マウンテン王国の動向なんて調べていなかった。

マウンテン王国のケレメイン公爵家の王都邸の執事長ヤグルマさんにお任せしたきり。

いつか、マウンテン王国とも友好的な関係を、と考えてはいたけれど。

まだずっと先になる、と、オレは、何も手を付けていなかった。

下調べをしようとか、考えてもいなかった。

オレを取り巻く環境のことで、オレは頭がいっぱいだったな。

情報に対しては、オレが知りたいと思っても、調べてもらうように手配しないと、オレは必要な情報を入手できない。

オレは、どんな情報を集めるか指示を出すために、関心を広く持っておかないとな。

関心を持つためには、まず、この世界について、知識を増やすぞ。


「女王陛下ご自身が世間知らずだったために、招いた悲劇である、という結論になった理由は、女王陛下自身の命が失われる可能性を女王陛下以外は、想定できなかったから。」
と王姉殿下スナメリ様。

うん?

命を失う可能性を考えるということは、その身に起こる危険に備えるということだよな。

護衛をつけても、つけなくても、女王陛下は死ななそうだったと周りから見られていた、ということになるよな?

なぜ、そんな思い込みをしたのかな?
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