《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

441.ミーレ長官のお母さんである女王陛下のサーバル王国での客死事件について、マウンテン王国は、どんな扱いをしていますか?

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オレの推測を聞いていた王姉殿下スナメリ様は、一瞬考えていた。

「齟齬、というのは、例えば、どんなことをヒサツグは想定している?」
と王姉殿下スナメリ様。

「マウンテン王国が把握している事実が、オレの推測とあっているかどうか。」

「サーバル王国で、発見されたご遺体の状況から、マウンテン王国の女王陛下だから狙われたのではなく、裕福な世間知らずの女性が、不相応な場所に立ち入ったために起きるべくして起きた悲劇だという見解にマウンテン王国では、なっている。」
と王姉殿下スナメリ様。

「世間知らず?」

女王陛下なのに?という、オレの心の声は、顔に出てしまった。

「女王陛下が足を踏み入れて、客死された現場となった場所は、地元の事情に明るい地元民の間で、女子と女性は近づいてはいけない地域として有名だった。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。

「女王陛下は、その場所へ視察に向かったんだよな?」

騎士団長の甥イスペル・シャムの説明を聞いたら、女王陛下が視察に向かうには適さない場所に思えてならない。

「だから、女王陛下は世間知らず、という判断が下された。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。

判断が下った理由を深堀りしたいぞ。

「その場所へ視察に行ったのが、良くなかったのかな?」

女性は立ち入るなかれ、という場所だったとか?

オレの予想では、たまり場なんだけど、違ったのかな?

「視察をする場所について女性陛下は、下調べというものを熱心にされていなかった。

ありのままを見るために、思い込みで目を曇らせないために、というのが、女王陛下のお考えだったそうだ。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。

「先入観を持たないために、視察現場の情報を詳しく調べなかった、ということかな?」

ミーレのお母さんの女王陛下は、熱い思いや理想があったんだろうな、ということは、伝わってくる。

でもなー。

視察される側には、親切じゃない対応なんだよなー。

オレは、現場で見学される側だったから、現場よりに考えてしまうんだけどさ。

アポイントのない見学を思いついて実行する人の中には、断られることを想定していない人もいる。

断られると想定していないだけじゃなく、見学を断るなんて後ろ暗いところがあるんじゃないか、とか、発想が飛躍していく人もいたなー。

ミーレ長官のお母さんの女王陛下は、何を考えて、そんな行動に出たのかな。

視察場所が、マウンテン王国内ならともかく、サーバル王国。

女王陛下の行動は、サーバル王国の秘密を探りにきたのか、と疑われてもおかしくないぞ。

サーバル王国の国王陛下だけでなく、サーバル王国の国としても、マウンテン王国の女王陛下の視察は、受け入れざるを得ない状況だったから受け入れたけれど、本音では受け入れたくなかったかもしれない。

サーバル王国は、視察をマウンテン王国の女王陛下に対する貸しにして、政治的な取引をするつもりだったのかな?

「女王陛下の客死事件が起きた原因が女王陛下自身に問題がなかったと言わないのは、女王陛下自身が下調べをされなかっただけではない。

女王陛下は、同行者に対しても、先入観を持たずに受け入れることを要求され、下調べを禁止していたために、本来なら、回避できるはずの問題を回避できなかったから、女王陛下自身の行動が原因になった、という意味だ。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。

この話を騎士団長の甥のイスペル・シャムが担当しているのは、騎士団長の甥イスペル・シャムが王族の護衛という仕事をしている関係で、なんだろうな。

女王陛下の身に起きた悲劇は、女王陛下自身の過失が原因で、護衛や側近の過失ではない、という結論に至ったんだな、マウンテン王国は。

それにしても。
女王陛下を諌められる人が同行者にいなかったのかな?
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