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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
440.オレが、マウンテン王国の四人に確認したいことは、三国同盟の提案を受け入れてくれるかどうか、だけではなく、もう一つあります。
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オレは、ニカッと笑った。
「都合がよい、というより、ケレメイン大公国が関わる以上、ドリアン王国は、サーバル王国から出ていってもらう考えだな。」
「面倒見が良いな、ヒサツグ。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
「ケレメイン大公国へのドリアン王国の侵略を防ぐ目的もある。
あと、もう一つ。」
「ヒサツグには、他にも何か目的がある?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「ミーレ長官のお母さん、マウンテン王国の女王陛下が、サーバル王国で客死した件について、真相がつかめた気がする。
今から、オレの推測を話すから、マウンテン王国での記録に照らし合わせて、答えてくれないかな?」
「そのくらいは構わない。ヒサツグの頼みを聞こう。」
と王姉殿下スナメリ様。
王姉殿下スナメリ様は、堂々としている。
女王になっても、やっていけそうだなー。
国の代表として、鷹揚と振る舞うようにしているんだろうな。
頼もしい。
「ミーレ長官のお母さんの客死事件について、下手人は、サーバル王国にいたドリアン王国の国民だとオレは推測している。」
「その推測はどこから?」
と王姉殿下スナメリ様。
ミーレ長官のお母さんは、女王陛下だったから、王族として、王姉殿下スナメリ様が話すのかな?
「サーバル王国内で、サーバル王国の王様が直々に調べても、犯人が不明、と、サーバル王国から伝えられた。
サーバル王国の王様も国家権力も、ミーレ長官のお母さんであるマウンテン王国の女王陛下を殺した犯人を探すことはできなかった。
サーバル王国とドリアン王国の関係に、ドリアン王国の人と接したときに感じたことと、ドリアン王国の国としてのあり方を合わせて考えると、犯人が見つからないのも、捕まらないのも説明がつく。」
「ヒサツグは、そういう風に考えたんだね。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「ドリアン王国の国民は、サーバル王国をちょうどいいところにある狩り場くらいに考えているんじゃないかな、とオレは考えた。
狩り場に迷い込んだ鹿がいて、狩りをしたところで、鹿に悪いことをしたとは思わないよな?
鹿は、狩り場に来たから、狩られた。
狩られたくないなら、鹿は狩り場にきてはいけなかった。
そんな風に考えると思う。」
「続けて、ヒサツグ。」
と王姉殿下スナメリ様。
オレの推測は、外れていないんだな。
「ミーレ長官のお母さんが客死した事件について。
どんな策略が?と考えていたけれど、多分、ミーレ長官のお母さんは、策略で殺されたわけじゃない、とオレは考え直した。
ミーレ長官のお母さんは、その場所に足を踏み入れなかったら、殺されなかったんじゃないかな。」
「人が殺されやすい場所か。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
「策略の中で殺されたなら、ミーレ長官のお母さんは、マウンテン王国の女王陛下という理由で殺されている。
殺す側は、マウンテン王国の女王陛下を手にかけた自覚があるはず。
マウンテン王国の女王陛下をサーバル王国で殺す計画があったなら。
本業の暗殺者が送り込まれていた、と思う。
マウンテン王国の女王陛下の暗殺を計画したなら、マウンテン王国の女王陛下を暗殺することに政治的な利点がないと、と考えると、利点がある人は、マウンテン王国の先代国王陛下とマウンテン王国の王侯貴族ぐらいしかいない。
でも、女王陛下は、マウンテン王国の王侯貴族から孤立していたよな?
孤立している女王陛下を、わざわざ外遊先で暗殺する利点が、先代国王陛下と王侯貴族にあるのかな、と考えるとさ。
わざわざ暗殺しなくても、国内で蟄居させれば、譲位は十分だから、蟄居させる準備を整えていたんじゃないかな。
女王陛下は、期限付きで、即位した、という話だったから。」
「本気で王を狙うなら、暗殺者と暗殺計画はつきものですわ。」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
侯爵令嬢ポーリーン・タチバナは、暗殺事情に詳しかったりするのかもしれない。
あと、女王陛下の蟄居について、否定はしないんだな。
オレの推測に真実味が増してきた。
「ミーレ長官のお母さんである女王陛下は、暗殺を本業にしていないが、平素からの素行が良くない集団に殺された、と推測するのが一番無理がない。
ミーレ長官のお母さんは、迷い込むと命が危ないような治安の悪い場所に、足を踏み入れた。
ミーレ長官のお母さんが、その場所に足を踏み入れたのは、ミーレ長官のお母さんの意思か、他の誰かの意思が働いたからか、は分からないけどさ。
サーバル王国だけど、サーバル王国の中でも、ドリアン王国から来た人達にとって、治安を悪化させられていた場所。
ミーレ長官のお母さんが亡くなる現場にいた、サーバル王国の人では、ドリアン王国から来ている悪行三昧の人になすすべが無い。
だから、何かを目撃した人がいても、出てこない。
犯人の目星がついていても、捕まらない。
ミーレ長官のお母さんの客死事件の真相は闇の中。
これが、オレの推測。
サーバル王国で起きたミーレ長官のお母さんの客死事件について、マウンテン王国の記録と齟齬はあるかな?」
「都合がよい、というより、ケレメイン大公国が関わる以上、ドリアン王国は、サーバル王国から出ていってもらう考えだな。」
「面倒見が良いな、ヒサツグ。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
「ケレメイン大公国へのドリアン王国の侵略を防ぐ目的もある。
あと、もう一つ。」
「ヒサツグには、他にも何か目的がある?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「ミーレ長官のお母さん、マウンテン王国の女王陛下が、サーバル王国で客死した件について、真相がつかめた気がする。
今から、オレの推測を話すから、マウンテン王国での記録に照らし合わせて、答えてくれないかな?」
「そのくらいは構わない。ヒサツグの頼みを聞こう。」
と王姉殿下スナメリ様。
王姉殿下スナメリ様は、堂々としている。
女王になっても、やっていけそうだなー。
国の代表として、鷹揚と振る舞うようにしているんだろうな。
頼もしい。
「ミーレ長官のお母さんの客死事件について、下手人は、サーバル王国にいたドリアン王国の国民だとオレは推測している。」
「その推測はどこから?」
と王姉殿下スナメリ様。
ミーレ長官のお母さんは、女王陛下だったから、王族として、王姉殿下スナメリ様が話すのかな?
「サーバル王国内で、サーバル王国の王様が直々に調べても、犯人が不明、と、サーバル王国から伝えられた。
サーバル王国の王様も国家権力も、ミーレ長官のお母さんであるマウンテン王国の女王陛下を殺した犯人を探すことはできなかった。
サーバル王国とドリアン王国の関係に、ドリアン王国の人と接したときに感じたことと、ドリアン王国の国としてのあり方を合わせて考えると、犯人が見つからないのも、捕まらないのも説明がつく。」
「ヒサツグは、そういう風に考えたんだね。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「ドリアン王国の国民は、サーバル王国をちょうどいいところにある狩り場くらいに考えているんじゃないかな、とオレは考えた。
狩り場に迷い込んだ鹿がいて、狩りをしたところで、鹿に悪いことをしたとは思わないよな?
鹿は、狩り場に来たから、狩られた。
狩られたくないなら、鹿は狩り場にきてはいけなかった。
そんな風に考えると思う。」
「続けて、ヒサツグ。」
と王姉殿下スナメリ様。
オレの推測は、外れていないんだな。
「ミーレ長官のお母さんが客死した事件について。
どんな策略が?と考えていたけれど、多分、ミーレ長官のお母さんは、策略で殺されたわけじゃない、とオレは考え直した。
ミーレ長官のお母さんは、その場所に足を踏み入れなかったら、殺されなかったんじゃないかな。」
「人が殺されやすい場所か。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
「策略の中で殺されたなら、ミーレ長官のお母さんは、マウンテン王国の女王陛下という理由で殺されている。
殺す側は、マウンテン王国の女王陛下を手にかけた自覚があるはず。
マウンテン王国の女王陛下をサーバル王国で殺す計画があったなら。
本業の暗殺者が送り込まれていた、と思う。
マウンテン王国の女王陛下の暗殺を計画したなら、マウンテン王国の女王陛下を暗殺することに政治的な利点がないと、と考えると、利点がある人は、マウンテン王国の先代国王陛下とマウンテン王国の王侯貴族ぐらいしかいない。
でも、女王陛下は、マウンテン王国の王侯貴族から孤立していたよな?
孤立している女王陛下を、わざわざ外遊先で暗殺する利点が、先代国王陛下と王侯貴族にあるのかな、と考えるとさ。
わざわざ暗殺しなくても、国内で蟄居させれば、譲位は十分だから、蟄居させる準備を整えていたんじゃないかな。
女王陛下は、期限付きで、即位した、という話だったから。」
「本気で王を狙うなら、暗殺者と暗殺計画はつきものですわ。」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
侯爵令嬢ポーリーン・タチバナは、暗殺事情に詳しかったりするのかもしれない。
あと、女王陛下の蟄居について、否定はしないんだな。
オレの推測に真実味が増してきた。
「ミーレ長官のお母さんである女王陛下は、暗殺を本業にしていないが、平素からの素行が良くない集団に殺された、と推測するのが一番無理がない。
ミーレ長官のお母さんは、迷い込むと命が危ないような治安の悪い場所に、足を踏み入れた。
ミーレ長官のお母さんが、その場所に足を踏み入れたのは、ミーレ長官のお母さんの意思か、他の誰かの意思が働いたからか、は分からないけどさ。
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だから、何かを目撃した人がいても、出てこない。
犯人の目星がついていても、捕まらない。
ミーレ長官のお母さんの客死事件の真相は闇の中。
これが、オレの推測。
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